<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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城東地区
株式会社協和熱学

株式会社協和熱学 クライアントの思いと妥協のない仕事が生む一点ものの特注ショーケース

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クライアントの思いと妥協のない仕事が生む一点ものの特注ショーケース

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株式会社協和熱学

クライアントの思いと妥協のない仕事が生む一点ものの特注ショーケース

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若手社員のやりがい実感ストーリー
クライアントの思いと妥協のない仕事が生む一点ものの特注ショーケース

 ワインバーにとってのワイン、洋菓子店にとってのスイーツは店の看板そのもの。ケースにもこだわりたいという思いに応えるプロ工房に迫った。

「ここにぴったり収まるショーケースが欲しい」

 ワインとはとてつもなく繊細な飲み物で、摂氏15〜16度、湿度70パーセントという環境を維持しなければ正常な熟成は望めず、せっかくの味わいが台無しになってしまうのだという。ワインセラーはそんなワインをいい状態で寝かせるためのものなのだが、その製造は一筋縄にはいかないという。
「もちろん気を遣います。お客様の中には、セラーに並べているワインの価格の合計が数千万円に及ぶ方もいます。万一故障して温度が上がってしまったら、発酵が進んでワインが吹いてしまうかもしれませんし、温度が低すぎると熟成が進まないということにもなりかねません。ですから、ノウハウは発揮しつつ、馴れに任せないという姿勢で一つひとつ丁寧に作っています」とは、協和熱学の遠藤茂専務。同社では、ワインセラーのほか、スイーツのショーケースなどをオーダーメードで設計・製造を請け負っている。
 国内にはこうした店舗用製品を製造する大手メーカーが何社もあり、大小さまざまなショーケースやワインセラーを販売している。だが、店舗オーナーから独自のオーダーが出てくることは少なくない。
「例えば、ご自身が作られるスイーツに強いこだわりをもっているオーナーパティシエは、店舗デザインにも当然こだわられます。そこで規格品のケースでは商品の特徴が出しにくい、ショップの個性が見えづらいという問題が発生しがちなんです。それを解決するにはオリジナルのケースをということになるわけです」
 同社の設立は1976年。当初は、鮮魚店や寿司屋のショーケースに冷蔵装置を組み込む仕事を請け負っていた。しかし、大手の厨房機器メーカーがスケールメリットを生かして急成長し、市場に台頭してくると同業者は次々に消えていった。そんな中、同社は業務用冷蔵庫本体を製造して活路を見出そうと製造部門を設け、特注品の注文に応える体制を整えた。以来、少数精鋭体制でメーカーの要望に応えてきた。
 CADを導入した2000年以降は増産も可能になり、メーカーだけでなく、同社の評判を耳にしたエンドユーザーや設計事務所からの引き合いが増えていった。現在、本体を作る製造部門10名、冷却設備を取り付ける技術部門10名という陣営で幅広い顧客の注文に応えている。

body1-1.jpgご要望に丁寧に応えるのが信条と遠藤茂専務

ものを作っているという実感を求めて

 水口洋壽さんは35歳。雑誌などのレイアウトをするグラフィックデザイナーをフリーで営んでいたが、一念発起して2年前に転職した。
 「雑誌デザインも『つくる』仕事ではありますが、来る日も来る日もパソコンとのにらめっこ。それよりも本当にリアルな実感が持てるものづくりに携わりたかった」と転職の動機を語る。
 現在は、遠藤専務らが引いた図面を前に、板金をどう切り取れば効率がいいのかといったパーツ取りから考え、実際に、切る、曲げる、磨く、穴を開けるといった加工を施し、世界でたったひとつのオリジナルケースを組み立てていく。
「部品加工のいろはを先輩に教わりながら、一つひとつ手を動かして覚えてきました。大変なことも多いですけど、これが望んでいたことです」と満足気に語る。
 今年に入り、山口県の人気酒蔵の冷蔵ケースの製造を任された。納品据付にも立会い、お客様の喜ぶ顔と直に接し、こみ上げるものがあったという。
「まだまだ駆け出しを自認する私に責任のある仕事を任せてくれた上に、お客様に直接会って喜んでいただける。仕事をしているという実感は、何物にも代えがたいですね」

body2-1.jpg「駆け出しの私に責任のある仕事を任せてくれて嬉しかった」と語る水口洋壽さん

急がなくていい。正確に、丁寧に作る

 入社半年の菊池亮輔さんは29歳。大学の建築学科を卒業後、建築施工会社に6年間勤務。求人誌に掲載されていた「ショーケースに命を吹き込む仕事をしてみませんか?」というキャッチコピーにひかれ転職した。
「命を吹き込むってなんだろうと興味をひかれたんですが、工場を見てすぐわかりました。冷蔵装置はショーケースの心臓。まさに命です」
 建築施工に携わっていたとはいうものの、電気工事や溶接の経験は皆無。必要な資格はすべて入社してから取得した。「みなさんとてもフレンドリーで一から教えてくれる。おかげで助かっています」と頭をかく。
 装置それぞれで配管や配線は微妙に異なる。しかも、作業は何種類もの細かい工具や点検装置を使い分け進める。それを覚えるだけでも一苦労だが、ガス漏れがあっては一大事。確実、慎重な作業が求められる。
「前職では人が少なかったこともあって、『ミスなく早くやれ』と始終急かされていました。でも、ここでは決して早くとは言われません。ひたすら正確に丁寧にやることに集中できるのは、本当にありがたいですね。オンリーワンの技術を持っていることの強みだと思います」
 デパートやホテル、飲食店などを訪れ、自分が手がけた商品を見かけると、誇らしい気持ちになるという。
「息子が大きくなったら、これ父さんが作ったんだよと自慢してやりたい。そのためにも、いまは努力です」

body3-1.jpg「息子が大きくなったら自慢してやりたい」と語る菊池亮輔さん

編集部メモ

ものづくりへのこだわり

 遠藤専務に「社員に求めることは?」と問うと、「挨拶をきちんとすること、そして仕事に妥協しないこと」という答えが返ってきた。協和熱学の顧客は、既製品では飽き足らず、コストをかけても自分のイメージに沿ったものを作って欲しいというこだわりがある。その気持ちに応えるには、社員一人ひとりが仕事に強いこだわりをもって臨む以外にないということだろう。
 「どうしても無理なことは、きちんと難しいとご説明しますが、基本的には顧客要望にとことん近づけようと努めています。『イメージ通りだよ!』と言っていただけることほど嬉しいことはないのですが、なかなか難しいですね」と笑う。
 評判が評判を呼んで、同社の仕事は増える一方。あらゆるオーダーに応え、期待通りのものを作るには、体制づくりと人材育成が急務。ものづくりが好きで、チームを束ねた仕事をしてみたいと考えているなら、同社はうってつけの職場だろう。

edit-1.jpg遠藤良一社長(前列右端)と社員のみなさん
  • 社名:株式会社協和熱学
  • 設立年・創業年:設立年 1976年
  • 資本金:1,500万円
  • 代表者名:代表取締役 遠藤良一
  • 従業員数:25名(内、女性従業員数5名)
  • 所在地:121-0062 東京都足立区南花畑
  • TEL:03-3859-0150
  • URL:http://www.kyowa-ne.co.jp