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城東地区 宮本警報器株式会社

宮本警報器株式会社 働きやすい職場環境と、伝統・技術で 自動車業界を支え続ける

宮本警報器株式会社

働きやすい職場環境と、伝統・技術で 自動車業界を支え続ける

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東京カイシャハッケン伝!企業
城東地区

宮本警報器株式会社

働きやすい職場環境と、伝統・技術で 自動車業界を支え続ける

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働きやすい職場環境と、伝統・技術で 自動車業界を支え続ける

警報器メーカーとして約150年の歴史を刻む宮本警報器。日本初の自動車向けクラクションを作るなど、自動車業界の発展を支えてきた先進性で、働きやすい職場環境整備にも積極的に取り組んでいる。

日本の自動車業界の発展とともに歴史を紡ぐ

 宮本警報器の創業は、今から約150年ほど前の明治5年。江戸末期から銅製のかまどを作っていた初代・宮本勝之助社長のもとに、陸軍向けの信号用ラッパの製造依頼が舞い込んできたのをきっかけに、馬車や人力車などのラッパ製造を生業とするようになった。明治末期には、日本初の自動車用クラクション開発に臨み、その知見を生かし、自動車向け事業に舵を切った。現在も主力クライアントは自動車メーカー。クラクションのみならず、近年は車内で音を立てて動くブザーの依頼も増えている。
 同社の社員数は130名ほどだが、数万人規模の大手企業の1次請けとして取引をしている。
 「同じレベルで取引する自動車部品メーカーには上場企業も名を連ねているだけに、我々のような規模の企業が直接、案件を請け負うことができているのは異例のこと。これも長い歴史に裏打ちされた技術力を有しているからこそだと自負しています」と会社を率いる宮本社長は語る。新潟県十日町市にある工場には積極的な投資を行っており、設備やラインなどはエンジニアリング会社などに依頼することなく、全て自社で作り上げている。それは製品にも反映されており、細かな仕様にもフレキシブルに対応。海外に拠点を求める企業もいる中、最新設備をいち早く更新できるからと、同社はあくまでも日本産にこだわる。
 今後はこの品質の高いものづくりノウハウを武器に、除雪機や農機具、産業機器などの乗用車以外の業界への進出に注力し、警報器のさらなる可能性を切り開いていきたいという。

body1-1.jpg「長い目で育てます。皆さんも長期的なスパンで自己研鑽してください」と宮本社長

定時退社が当たり前の文化 働きやすい環境も整う

 同社は働きやすい職場環境づくりに力を尽くしてきた企業でもあり、平成30年度には江戸川区のワーク・ライフ・バランス推進企業表彰を受賞した。残業時間の削減などには、かねてから取り組んでおり、営業部の比嘉さんによれば、自身が入社した10数年前から、定時退社が当たり前だったという。
 「ノー残業デーと設定されている日があるものの、どの日も基本的には終業時間の17時にはほぼ退社できています」(比嘉さん)
 また、取年3回設定されている9連休を利用して、社員たちは旅行や趣味などのプライベートを充実させ思う存分、リフレッシュしているという。
 職場の風通しもすこぶる良いと太鼓判を押すのは、転職して1年半の営業部の竹内さん。
 「以前所属していた会社に比べても社内の人間関係が抜群に良く、業務上、困ったときにすぐに相談できるのが、転職して間もない自分にとってはとてもありがたかったです」

body2-1.jpg厳しい品質基準をクリアするべく、日夜、社員たちは技術力を高めることに余念がない

現場を重視して工場での研修も開催

 東京に配属となる新人の場合、例年、2日間ほどのマナー研修の後、新潟十日町工場での研修を2週間受ける。その後はOJTを通して現場で学びを深めていくが、設計職に関しては今後、教育体系を変えるという。
 「今は新潟に設計の拠点があるのですが、お客様に近い位置で対応できるように、新小岩などの駅の近くに新しい設計の拠点を設ける予定。恐らく今後の設計者は、3年ほど十日町工場で修業した後、東京勤務になるでしょう」(宮本社長)
 営業に関しては東京を拠点にしながら、先輩とともに自動車メーカーなどの顧客を回って知識と経験を深めていく。今年入社した営業部の鈴木さんは、工場研修を終えOJTを受けている段階。
 「工場研修では新ラインが立ち上がる過程を見たのですが、現場の方たちがその場で改善策を活発に議論しながら、より良い形に仕上げていく課程を見られたのが刺激的でした。東京でOJTに入ってからも先輩が何でも質問を受けてくれるので、安心して成長できます」(鈴木さん)
 温かなまなざしで新人を育て上げる企業風土は、次代を支える若い力にとって非常に心強いに違いない。

body3-1.jpg採用担当の高橋さんは、「能力ではなく、人柄を重視して採用しています」と語る

ここがポイント!働くやりがい!

世界中を走る自動車に関わるダイナミズムを堪能


 宮本警報器は世界的市場でその名をとどろかせる大手自動車メーカーとも取引を重ねている。日本の自動車作りは、文字通り高いレベルの品質が求められる。顧客の厳しい要求に応えるべく、同社では製造技術の向上や実験設備などの整備を続けるとともに、部署や拠点の垣根を越えて課題に挑む風通しの良い社内環境を育んできた。難しい要求を乗り越えた結果、日本、そして世界の街角を自分が関わった自動車が走り抜ける。影響力の大きな仕事に挑める点が、社員たちのモチベーションにつながっている。

edit-1.jpgクラクションやブザー等の自動車向けの部品。小型化がどんどん進んでいる