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城南地区
株式会社夢吟坊

株式会社夢吟坊 京うどんの名店の目標は、 働く仲間みんなが 幸せを感じる会社作り

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京うどんの名店の目標は、 働く仲間みんなが 幸せを感じる会社作り

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京うどんの名店の目標は、 働く仲間みんなが 幸せを感じる会社作り

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従業員全員の幸せ作りストーリー
京うどんの名店の目標は、働く仲間みんなが幸せを感じる会社作り

鰹と昆布のふわりとした風味が鼻孔をくすぐる京うどん。
1992年、京うどんの専門店を立ち上げ瞬く間に行列店となった「夢吟坊」は、お客様の満足を追求しながら、従業員の幸せ作りを模索する。

モットーは従業員全員が幸せを感じられる会社づくり

 東京のうどんが鰹だしに濃口醤油なら、京うどんは鰹と昆布だしに薄口醤油と、それぞれに味付けが違うのはよく知られた話。夢吟坊がオープンした1992年当時、東京で京うどんを味わえる店はほとんど見当たらなかったというが、まろやかで香り豊かなうどんは東京でも必ず受け入れられるという自信があったという。
 開店当初からその狙いは見事に当たり、当時、アルバイトスタッフとして父の神谷豊代表を手伝っていた神谷寛之専務は、その盛況ぶりが目に焼き付いて離れないという。
 「だしの繊細な味わいを東京の方々が受け入れてくれたんですね。世田谷にオープンした1号店は口コミを通じて連日満席、営業時間中には店の外まで行列が絶えませんでしたね」
 手応えを掴んだ同社は、翌年には三宿本店を立ち上げ、1998年には横浜の港北SC店をオープン。寛之専務は港北SCの立ち上げ時に社員として同社に加わり、現在は全5店舗の統括マネージャー兼専務として会社作りの陣頭指揮を執る。そのモットーは、従業員全員が幸せを感じられる会社作りというもの。
 「まだまだ至らない面がありますが、頑張ってくれている社員が報われるよう、副店長、店長、マネージャー、統括マネージャーというキャリアパスを整備し、一人ひとりの成長を後押しできる人事制度や研修制度を作り上げようとしています。『夢吟坊』という社名には、『夢』を『吟』じ、『坊』として励むという意味が込められています。無理な店舗展開をするのではなく、社員たちが幸せを感じられる範囲内で、みんなで目標を語り合い、みんなでその実現をかなえる、そんな会社にしていくつもりです」

body1-1.jpg専務になった今も毎日のように店舗に立ち、スタッフ育成に励んでいる神谷寛之専務

人見知りだった自分の殻を破り、充実感を味わう毎日

 京うどんの名店として評判を高めた夢吟坊は、2014年3月に羽田空港国際線ターミナル内に出店を果たす。清水芽衣さんは、そのオープニングからアルバイトスタッフとして加わり、2017年8月からは正社員として働いている。
 「初めは接客が務まるのかなと不安でいっぱいでしたが、社員の皆さんが『清水さんのペースで慣れていけば良いよ』と声を掛けてくれて、徐々に自分の殻を破ることができました。人に恵まれ、成長を実感でき、働く幸せを感じていたところだったので、社員登用のお話は本当に嬉しかったです」
 ところが、社員になったという気負いから空回りばかり。自分でもどうすればいいのかが分からなくなっていたという。そんなときに救ってくれたのが、寛之専務からの「清水さんらしくやってくれれば良いよ」の一言だった。
 「気持ちがすっと楽になって、これまでやってきたことをコツコツと続ければ良い。そして、アルバイトスタッフの模範になろうという意識に切り替えられました」
 考え方を変えると周りも見え始め、接客に戸惑う新人スタッフに「次はこうしようね」と指導できるようになったと振り返る清水さん。日本を発つ外国人や日本人のお客から「Good!」「海外に行く前には夢吟坊の京うどんって決めているんだ」という声を掛けてもらえる度に、やりがい=幸せを感じているという。
 充実しているのは仕事だけではない。プライベートもたっぷり楽しんでいると話し、3か月に1度のペースで2、3日の連休を取り、地方までコンサートに行くなどプライベートも充実しているという。
 「仕事もプライベートものびのびと楽しめて、充実感を味わっています。これからも自分なりに成長を重ね、スタッフのお手本になる存在を目指します」

body2-1.jpg外国人客にも臆することなく、英語でうどんの具材などを説明するという清水さん

スタッフみんなで海外出店の夢を語り合い、実現させたい

 そんな清水さんと羽田空港国際線ターミナル店を切り盛りするのは、副店長の金子修さんだ。スタッフ育成、品質・売上管理、食材発注、羽田空港側との各種調整など、店舗運営全般を担っている。毎日のうどんの茹で加減を決めるのも、金子副店長の役割だという。
 「お客様に最高の状態で味わっていただくために、毎日届くうどんの仕上がり具合や気温・湿度などによって、茹でる温度や時間を微妙に調整しているんです。うどんは本当に奥が深く、少しでも気を抜くと如実に味に表れてきます。だからこそ、追求しがいがあり、面白いんですよね」
 金子さんはそうやって1杯1杯に気を配りながら、副店長としてチームの一体感の醸成に尽力しているという。スタッフみんなが楽しく働ける環境を作ることが、味やサービスの向上にも繋がっていくという考えがあるからだ。
 「アルバイトスタッフの恋愛の相談にも応じているんですよ(笑)。何でも相談しやすい関係を作ることで、『こんなときどうすればいいですか』と、スタッフのほうから気付いたことを投げかけてくれるんです。何より、スタッフがいきいきとしている様子はお客様にも伝わり、居心地のいい雰囲気で出発前の食事を楽しんでもらえますからね」
 同店には英語が堪能なスタッフが多く、ゆくゆくは海外で働きたいという夢を語り合う光景もよく見られるという。金子さんもそんな夢に賛同する一人だ。
 「うちの京うどんは外国人のお客様にも好評で、食後には笑顔で親指を立てて満足感を伝えてくれるんです。そんな手応えがあるからこそ、海外に出店すれば面白いという話も一層盛り上がるんです。全員で力を合わせ、実現できれば幸せですね」
 社名に込めた思いが花開き、それぞれが夢を見つけ、語り合っているという同社。幸せを感じられる会社作りが、現場レベルでも着実に浸透しているようだ。

body3-1.jpg休みには各地の祭りでみこしを担ぎ、家族や仲間との時間を楽しむという金子修副店長(写真左)

編集部メモ

人の育成を最優先に、1店ずつ輪を広げる

 夢吟坊のつゆは、利尻昆布やさば節、宗田節などを炊き上げ、追い鰹でまろやかな風味を付けた京風ならではの繊細な味わい。味のみならず、例えば本店の店頭を飾る提灯は京都の老舗提灯店の最高級特注品だという。今後も「京」にこだわる一方で、人材育成を最優先にした店舗展開を進めていくという。じっくりと腰を据えて味とサービスを追求し、その道のプロによる店舗運営を拡大していき、いずれは海外進出へと、今後さらに夢と幸せが広がっていくに違いないと感じさせられた。

edit-1.jpg「新しく入るメンバーも家族のように迎え入れています」と言う夢吟坊の皆さん