中央・城北地区 仲吉商事株式会社

仲吉商事株式会社
竹木加工の技術を生かしたオリジナルブランドで世の中に感動と喜びを届ける

仲吉商事株式会社
竹木加工の技術を生かしたオリジナルブランドで世の中に感動と喜びを届ける

唯一無二の技術力を追求するストーリー
竹木加工の技術を生かした
オリジナルブランドで
世の中に感動と喜びを届ける
竹木製の業務用雑貨を取り扱う仲吉商事。2013年からはその類いまれな技術を駆使し、個性あふれる自社ブランドを展開している。
貿易事業と業務用雑貨製造で次々にシェアを拡大してきた
化粧品雑貨や日用品、機械設備などを扱う貿易商社として、1988年に創業した仲吉商事。アジア諸国を拠点に販売網を広げ、2013年には中国・台湾・香港の百貨店を中心に、1,000店舗を超えるまでに成長した。とりわけ、中国との強力なネットワークを持つ同社では、創業からほどなくして業務用竹木製品の生産・販売を開始。90年代前半に独資で立ち上げた中国工場は、品質マネジメントシステムISO9001を認証取得。同社で生産する竹製の割り箸は、コンビニをはじめ外食業界ではスタンダードになりつつあり、現在は国内の約1万7,000店舗に納入している。
「2000年代始めまでは、白樺やアスペンといった木材が割り箸の原料でした。それが一部の木材が伐採禁止になり、業界を挙げて代替原料を探していたところ、長年竹製品を扱ってきた弊社に行き当たったというわけです」
そう語るのは屋田高路専務。現在、同社では中国国内に広大な竹林を保有し、品質の良い原料の調達から加工までを自社で一貫して行っている。
「自社で竹林を持っているということは、それだけ原材料コストも下げられます。それに木材が成長するまでに30年かかるのに対し、竹はわずか3年。エコロジーという観点から見ても竹製品の優位性が高かったのは確かです」

優れた加工技術を応用して家庭用雑貨の分野に進出
業務用雑貨のノウハウをもとに、屋田専務の肝入りで2013年から始まったのが日本国内工場(埼玉県越谷市)で制作する「agney*(アグニー)」「RIVERET(リヴェレット)」という二つの家庭用雑貨ブランドだ。同社が長年にわたり培ってきた竹木の製材、成形、塗装の技術を応用し、かつデザインにもこだわった製品群を展開する。
「業務用で求められるのは、一定の品質を保ちながらいかに大量の製品を製造するかです。『agney*』『RIVERET』のコンセプトはその真逆で、小ロットでデザインと技術力をとことん高めるというもの。製品を手にした方々に驚きや感動を与えられるようなものづくりを追求しています」
そう屋田専務が言うように、二つのブランドには技術面、デザイン面での並々ならぬこだわりが凝縮されている。「agney*」は、ジグソーパズルをモチーフにしたプレートや家の形をしたランチボックスなど、子育て世代をターゲットにした優しいデザインと風合いが魅力のラインアップ。一方の「RIVERET」は、薄さ2ミリが特徴のワイングラスや独特の曲線美を描くマグカップなど、竹の温もりを織り交ぜつつスタイリッシュなフォルムを追求している。これらの製品には、竹の集成材を組んでからそれを機械で削るという一体成形技術が駆使されている。
「社内のデザイナーたちは薄さ4ミリが限界と言いました。それでも私は業務用で磨き上げた技術力をもってすれば可能であると説得して2ミリにこだわり、作り上げた薄さ2ミリのワイングラスです。私が知る限り、竹を2ミリ厚に加工する技術は国内でうちだけだと思います」
いずれの製品も、大腸菌と黄色ブドウ球菌を抑制する天然素材塗膜「ロハスコート」が施され、食洗機での洗浄が可能。日本食品分析センターの厳しい審査をクリアしている。

より良い製品とサービスを生むためユーザーの声にしっかりと寄り添う
仲吉商事で働く社員のコア層は25~35歳。女性社員が半数を占めており、その多くがデザイン・木工・塗装・出荷・検品の現場で活躍する。
現在、出荷課の副主任として、出荷とカスタマー対応を兼務するという慌ただしい毎日を送っている入社2年目の日景由莉さんもそんな女性社員のひとり。美術系の専門学校を卒業後、デザイナーとして勤務したのちに仲吉商事へと入社した。
「元々は木工を志望していたのですが、出荷とカスタマーサポートに配属されるということになって正直、戸惑いはありました。それでも、可愛い製品に携わりたいという一心で入社を決意しました」
この決断は功を奏したと日景さん。入社して間もなく気持ちが大きく変わったというのだ。同社の製品は発売後に寄せられるユーザーの声をもとにサービスの改善点を見極めたり、新たな製品の開発に生かしたりしている。つまり、日景さんが日々受ける顧客の反響が、そのまま会社の方向性に大きく関わってくるのだ。
「良い製品・サービスを生み出すため、お客様の声に耳を傾けるのはとても大切なことです。この2年でそれを学びました」
仕事の合間を縫い、自社ホームページのデザインにも自身のアイデアを加えるなど、持ち前のクリエイター精神も積極的に発揮している日景さん。そうやって社内での活躍の場を自ら広げることで、信頼を得られる存在になろうという意欲をのぞかせる。

塗装技術の向上を図りながら若い世代に活躍の場を提供する
「塗装の仕事に携わって20年弱ですが、クリア塗装はかなりの技術力が要求されます。難しい! でも楽しい!というのが本音です」
塗装の話題になると急に目尻が下がり、楽しげに話してくれる菊地芳治さんは入社6年目。現在は越谷工場の主任を務める。18歳で建築塗装の世界に飛び込んで以来、一般住宅や集合住宅など数多くの現場を手掛けてきた。
仲吉商事に入社する直前は家具メーカーで塗装に携わっていた、いわば塗装のプロフェッショナルだ。そんなベテラン職人の腕前を持ってしても、透明な塗膜を乗せていくクリア塗装は一瞬も気を抜けないほど繊細なものだという。
「平面にも曲面にも一定の厚みで塗膜を乗せなければなりません。一層塗り終えたら研磨して表面をならし次の層を塗るというのを繰り返して、最終的には6層の塗膜を作ります。ここまですれば、ワインを注いでも染み込むことがないわけです」
塗膜は食品や飲料の浸透を防ぐと同時に、食洗機にも対応する耐久性が生まれる。
現在の菊地さんの主な業務は、越谷工場における各部門の管理だ。スケジュールや品質の管理はもちろんのこと、社員、パートの動きを把握しながら営業活動にも出ている。主任になった当初は管理職という立場に馴染めず、ひとり塗装工房に籠もってしまうことも多かったという。しかし越谷工場への移転を機に、主任としての自覚が芽生えていった。
「工場移転でバタバタしていても通常業務はあるわけです。ミスや事故を起こさないためには、私が全体を指揮しないとダメなんだと気づき、仕事に打ち込めるようになりました」
今では頼れる上司として、前述の日景さんをはじめ多くのスタッフから信頼される存在になった菊地さん。社内では自ら進んで部下たちとコミュニケーションを図り、相手の考えを尊重することを心掛けている。
「部下がアイデアなり願望を投げかけてきたら、私は絶対に否定しません。まずは同調して、彼らなりのやり方でやってもらいます。その上で私の経験や知識をもとに、より効率的な方法を教えるという指導に徹しています」
若手社員のアイデアをどんどん取り入れていく菊地さんの指導方針。そこには、若手の成長を促したいという思いと、自社ブランドを更に発展させていきたいという二つの思いが込められているのだ。

編集部メモ
現場の喜びがユーザーの喜びへと繋がる
インタビューの最中、屋田専務のある言葉が心に刺さった。「製品をゼロから生み出すにはそれなりの苦しさがあります。でもね、苦しいと楽しいは同じだと私は思うんです。今うちにいるスタッフはみんな、そのことを分かって仕事に取り組んでくれています」
日常の何気ない会話から新しいアイデアが生まれ、それを製品化するために納得いくまで、ときには部署の垣根を越えて話し合う。仲吉商事では製造や販売、そして自社ホームページのデザイン・運営、そこに掲載する商品写真の撮影までを社内で行う。自分たちが作り上げたブランドを自分たちの手で成長させていこうという熱い思いがあった。
「ひとりでも多くの方々に喜びと感動をお届けしたい。ある社員はデザインで、ある社員は木工で、アプローチの仕方は色々ありますが。とにかく自分たちの手で世の中に貢献していきたい、革新をもたらすんだという思いが強いかもしれませんね」
目の前に並べられた竹木製品を手に取ると、竹の持つ温もりや優しさとともに作り手の愛情を感じた。


- 社名:仲吉商事株式会社
- 設立年・創業年:設立年 1988年
- 資本金:1,000万円
- 代表者名:代表取締役社長 屋田 静子
- 従業員数:14名(内、女性従業員数7名)
- 所在地:173-0021 東京都板橋区弥生町 49-11 NYビル中板橋
- TEL:03-5926-3868
- URL:http://www.nakayo-shi.jp
- 採用情報:ホームページよりお問い合わせください