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中央・城北地区 株式会社ねぎしフードサービス

株式会社ねぎしフードサービス 働く仲間の幸せのために。 成長や喜びを感じられる 「人財共育」制度

株式会社ねぎしフードサービス

働く仲間の幸せのために。 成長や喜びを感じられる 「人財共育」制度

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中央・城北地区

株式会社ねぎしフードサービス

働く仲間の幸せのために。 成長や喜びを感じられる 「人財共育」制度

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人と企業を育てる仕組み作りストーリー
働く仲間の幸せのために。成長や喜びを感じられる「人財共育」制度

 「お客様の満足のためには働く仲間が幸せに働けることが大切」。ねぎしフードサービスでは、そんな理念の下、従業員の育成に力を入れている。

従業員の成長のために自分たちの手で人財育成制度を作成

 「牛たん・とろろ・麦めし ねぎし」「韓国料理 コパン・コパン」を運営するねぎしフードサービス。都内で生活していれば「ねぎし」の名を目にしたことがある人は多いだろうが、実は都内に34店舗、横浜に3店舗のみの展開に留まっている。創業から36年という歴史からいっても、その数は意外なほどに少なく感じられるが、そこには同社の経営方針が反映されているのだと、執行役員の石野直樹さんは話す。
 「お客様に満足いただくために大切なのは、全ての店舗が高い水準のサービスを提供できること。そのためには、従業員の成長が欠かせません。地域と店舗数を絞った展開なら、会議でサポートオフィス(本社)に集まったり、サポートオフィス(本社)の人間が店舗に出向いて研修したりといったことが容易で、細かいところまで目の行き届いた育成ができるんです」
 当然、創業当時から研修や育成の完璧なマニュアルがあったわけではない。それどころか、石野さんが店長を務めるようになった20年ほど前までは、それぞれの店舗で独自に指導を行っていたという。
 「当然、それでは店舗ごとにクオリティの差が生まれます。そうしたひずみを解消するにはコンサルティングなど外部に依頼するのが手っ取り早いのでしょうが、当社ではどうせなら自分たちで作ろうと、私のほか各店舗店長が集まって、1年半かけてマニュアルや評価制度を作り上げていきました」

body1-1.jpg石野直樹さんは人財共育部長として、ねぎしの育成制度の中核を担っている

毎月の全体会議でモチベーションアップ

 同社の育成制度の根幹にあるのが、「人財共育」という考え方だ。普通「人材教育」と書くところを、「人は財産、共に育む」という理念のもと、人材育成を担当する部署にもこの名前を冠している。
 そんな「人財共育」の中で生まれたのが、毎月行われる「改革改善全体会議」だ。全社員が一同に会して、店舗ごとの改革・改善への取組みを発表しあう場で、1年に1度、投票によって優秀店舗が選出されるというものだ。それぞれの店舗をより良くするためにどんなことを行ったかを全体で共有することで、自分たちが気づかなかったことに気づくきっかけにもなり、モチベーションも上がるのだという。
 「いくら店長が改善のための提案をしても、アルバイトも含めた全員がそれに賛同して行動をしなければ結果にはつながりません。全員が『自分の店』という意識を持って気持ち良く働ける環境をつくるのは、店長はじめ社員の手腕にかかっている。全体会議は、その意識を持ち続ける上でも大きな役割を果たしてくれています」
 上司が一方的に話すだけの集会ではなく、全員が当事者として発表の場を持つことで、日ごろの業務にも活きてくるというわけだ。全員参加の会議を毎月行えるというのも、小規模展開ならではの強みだと石野さんは話す。

body2-1.jpg全体会議の他にも、キャリア別の研修や店長会議など、人財育成の仕組みは充実している

国籍や性別にとらわれない研修制度

 入社5年目の施貞(し・てい)さんは、ねぎしフードサービスの育成制度や雰囲気に惚れ込み、アルバイトから正社員になったという。
 「日本には留学で来たのですが、学費をまかなうために『ねぎし』でアルバイトを始めました。そこで、立場や性別、国籍などに関係なく、同じように指導してくださったことに感動したんです。仕事を終えて帰る時には『お疲れ様、今日もありがとう』と声をかけてくださって、本当に嬉しかったのを今でも覚えています」
 自分のために働いているのにお礼を言ってくれるのかと驚くと同時に、本当に従業員を大切にしてくれているんだと感じたと施さんは話す。そんな施さんは現在、人財共育担当のリーダーとして、サポートオフィス(本社)での研修や店舗での業務改善に当たっている。
 「『教育』ではなく『共育』ですから、日本語に不慣れな外国の方の研修では一緒に音読をしたり、担当店舗のお客様満足度を上げるにはどうすべきか、店舗スタッフと一緒に頭を悩ませたり。誰かが上から指導するのではなく、みんなが一丸となって目標に向かっていく風土が当社にはあるんです」と施さん。「だから私はねぎしが大好き」と笑みをこぼす。

body3-1.jpg施貞さんは、産休・育休を経て働くワーキングママでもある

細かな目標設定で成長を実感

 ねぎしフードサービスには「100ステッププログラム」というキャリアアップ制度がある。スタッフとして必要なスキルが100の項目に分けられており、一つひとつクリアしていくことでキャリアアップしていける仕組みだ。店舗スタッフは毎月店長と面談を行い、その月の目標の達成度や次の目標設定を行うという。
 「初めは当社の経営理念の暗唱といった簡単なところから始まり、徐々に、調理や接客、後輩育成といったところまでステップアップしていきます。スタッフにとっては次の目標や評価基準が明確になり、やりがいにつながるのだと思います」と説明するのは、入社7年目の前田勇さん。高校卒業と同時に入社し、弱冠23歳にして店長を任されたホープだ。
 「ねぎしで働いていて良かったと思ってもらうには、自身の成長ややりがいを感じてもらうことが大切です。私自身、恩師に勧められるままねぎしに入社したので、初めは目標や自分の意思もありませんでした。でも、何も知らなかったからこそ、一つひとつの仕事を覚えることが楽しく、働く喜びを感じられるようになっていったんです」
 そう話す前田さん、一緒に働く仲間にも同じように感じてもらえるような環境作りを心がけているといい、スタッフや店の成長ぶりを目の当たりにするのが何よりのやりがいになっているという。
 「お客様第一」を謳う企業は数多あるが、そのために「働く仲間の幸せ」を追求している企業はそう多くはないだろう。人を重んじ、お互いに成長していくという考え方が根付いているねぎしフードサービスは、これからも多くの人に愛されていくに違いない。

body4-1.jpg前田勇さんは、店長としてスタッフを育てながら、ねぎしの社員として自身も成長を続けていく

編集部メモ

農業体験、生産拠点ツアーで生産者との交流を深める


 ねぎしフードサービスでは、スタッフを対象とした食材の生産拠点をめぐるツアーを定期的に開催。田植えや稲刈り、とろろの原料になる大和芋の収穫といった体験を通じて、生産者との交流を深めている。
 「食材を作る大変さを実感すると共に、改めて、お客様に美味しく提供しないといけないという責任感も生まれました」とツアーに参加した前田さんは語る。
 こうした交流の効果はそれだけに留まらない。大和芋が不作に陥った時、「ねぎしさんには必ず卸すから」と生産者が言ってくれたのだという。実際にその年の市場には、大和芋はほとんど出回っていなかったが、ねぎしでは切らすことなく提供し続けられた。これも、人と人とのつながりを重視するねぎしフードサービスの真骨頂といえるエピソードだ。

  • 社名:株式会社ねぎしフードサービス
  • 設立年・創業年:設立年1981年
  • 資本金:5,000万円
  • 代表者名:代表取締役 根岸 榮治
  • 従業員数:122名(内、女性社員数20名)
  • 所在地:160-0023 東京都新宿区西新宿7-22-36 三井花桐ビル4階
  • TEL:03-3227-3281
  • URL:http://www.negishi.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください