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中央・城北地区 大智化学産業株式会社

大智化学産業株式会社 充実した研修環境で若手を育て 世界に誇る加工液を製造

大智化学産業株式会社

充実した研修環境で若手を育て 世界に誇る加工液を製造

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中央・城北地区

大智化学産業株式会社

充実した研修環境で若手を育て 世界に誇る加工液を製造

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充実した研修環境で若手を育て 世界に誇る加工液を製造

スマートフォンなどに内蔵される半導体素材であるシリコンを切断、研削、研磨、洗浄する際に用いる加工液の開発・製造・販売を行う大智化学産業。独自のブレンド技術で世界に打って出るべく、大学との共同開発や学会参加、通信教育の導入で社員の成長を促し、ブラザー・シスター制度や週報で実務だけでなくマインド面も支援する。

独自のブレンド技術で 環境対応型の加工液を開発

 スマートフォンやパソコンのCPU・メモリをはじめ、自動車、家電、太陽光電池に部品として組み込まれる半導体シリコンウェハーは、日本が世界に誇れる部品。「高い世界シェアを持ち、スマホの小型・高機能化といった、技術革新を支えてきました」(籠谷代表) 
 半導体シリコンウェハーは、シリコンの塊を極めて薄く切断して作られ、断面が厳密に平たんであることが性能向上に大きく影響し、硬くてもろい素材であるため、わずかな衝撃が破損につながる。そこで欠かせないのが、同社が製造する加工液。半導体シリコンの切断をはじめ、削る、磨く、洗うといった工程で使用することにより、切りくずの排除、冷却、潤滑などの役割を発揮し、衝撃を和らげむらなく仕上げる。
 ただし、同じ半導体シリコンでつくられる製品でも、半導体デバイスメーカーごとに完成品に求める品質が異なるという課題も課せられる。顧客の用途に応じて性能の異なるブレンドで加工液を納品することに加え、その性能も高く評価されている。
 同社の強みはそれだけではない。リサイクル技術も世界が認めるところとなっている。実は、使用済みの加工液を廃棄するには高額な費用が伴う。半導体ウェハーメーカーにとっては実に頭の痛い問題。同社ではそうした悩みを解消すべく、廃液の買い取りを行っている。そして、自社設備でリサイクル後、再び製品化して販売しているため、高品質な加工液を低コストで入手できると、国内外の名だたる半導体ウェハーメーカーから好評を得ている。
 顧客の海外進出が進む中では、欧州をはじめ厳しい環境基準をクリアする加工液も期待される。そこでこのリサイクル技術の海外提供に注力。「一部で導入が始まりました。更に展開し、世界をリードしたい」(籠谷代表)

body1-1.jpg「環境循環型のビジネスモデルは世界的な潮流。リサイクル技術で貢献したい」と籠谷代表

親身なOJTと学会参加、 通信教育などで成長を支援

 同社では技術開発、営業、事務職で新卒採用を行っている。新人研修を通して生産拠点となる工場を訪問後、配属となる。ここでブラザー・シスター制度を導入し、年齢の近い先輩社員が相談役となり、業務から人間関係などのメンタル面まで広くサポートする。入社1年目、営業支援部の舟井さんは文系大学出身。「化学系の会社で不安もありましたが、分からないことは遠慮なく聞けます。これから外回りの営業業務に携わるのが楽しみです」と期待を寄せる。
 また同社では、学会、大学との共同開発に社員を参加させてスキルアップを促している。研究開発部で加工液の開発に携わる、3年目の岩澤さんは、学会に参加して新技術を学ぶとともに、共同開発を進める大学に出向き、製品の課題などをヒアリング。加えて、通信教育講座を利用して英会話を学習している。「海外企業から製品評価などを聞く機会もあり、役立っています。看板製品を生み出すのが目標です」と高い意欲を見せる。

body2-1.jpg「若手の提案を尊重してくれる会社。勉強を重ねて製品の課題を解明したい」と岩澤さん

週報を導入し 上司が若手を個別に支援

 同社では、社員を個別に支援するために週報を導入している。業務を振り返って直属の上司に提出し、コメントを受け取る。これが新入社員にとって重要な機会となっている。「仕事上のアドバイスだけでなく体調などへの気遣いの言葉も添えられ、励みになります」(舟井さん)
 岩澤さんもまた、社員の声に耳を傾ける社風に魅力を感じている。「上下の垣根がなく、相談しやすい職場です。若手だからと遠慮せず、業務上の改善案なども積極的に提案しています」

body3-1.jpg開放的なワークスペース。社員全員が和気あいあいと働く

ここがポイント!働くやりがい!

独自の技術で世界に打って出る


 半導体業界に欠かせない半導体シリコンの加工液製造技術を有する同社。これまで半導体が暮らしや産業を大きく変えてきたように、今後も更なる高性能化が期待されているという。同社の社員はその期待に応えるべく、意欲的にスキルアップを図り、製品の性能向上に励む。世界のトップ企業と付き合いを持ち、今後も取引を増やしていくという同社。世界に挑みたいという志ある社員が大きな喜びをかみしめ活躍している。

edit-1.jpg技術センターのある工場では、加工液の製造や使用後の廃液のリサイクルを行っている