中央・城北地区 株式会社プレスク

株式会社プレスク
働きやすさのカギは“家族の安心”職場に根付く会社・社員・家族のいい関係

株式会社プレスク
働きやすさのカギは“家族の安心”職場に根付く会社・社員・家族のいい関係

家族の安心を生む職場づくりストーリー
働きやすさのカギは“家族の安心”職場に根付く会社・社員・家族のいい関係
独自の制度で社員の「働きやすさ」を実現しているプレスク。その背景には、社員だけでなくその家族も大切にするという考え方があった。
人に笑われても、社員の働きやすさが第一
電子カルテや企業年金のシステム開発からその運用・保守、さらにはサイト運営会社のITコンサルテーションなど、幅広い事業を手がけるプレスク。湯浅信社長はシステム会社の営業として10年務めた後、その子会社であるプレスクの社長に就任した。
「心身ともに疲れ果てて退職してしまう業界人を数多く見てきました。私が任されるからにはそんな会社にはしたくない、社員が楽しく働けるような会社にしようという思いがありました」
まず着手したのが、子育てしやすい環境づくり。子どもが生まれたばかりの男性社員の「父親ももっと子育てに参加できるような制度がほしい」という言葉がきっかけだった。
「私自身、三児の父ですから、父親として子育てに携わることの難しさは強く感じていました。それだけにこの言葉は響きましたね」
しかし、今でこそ企業と社員のいい関係づくりのための活動を指す「ER」や「ワークライフバランス」が盛んに言われているが、当時はそれらの言葉が話題になる程度の未成熟社会。当然、社員のための職場環境づくりなどという考え方は浸透しておらず、それに尽力する経営者は少数。「そんなことで利益が出るのか」と揶揄されたという。
それでも湯浅社長には、楽しく働く社員はいい仕事をし、それが顧客の満足にもつながるという信念があった。2008年には次世代育成支援企業の認定を受け、2010年には子どもが生まれたときに父親が取得できる休暇制度を導入するなど、子育て・家族支援を中心にさまざまな取組を行ってきた。その方向性が間違っていないと確信したのは、2008年のリーマンショック以降のことだった。
「リーマンショックの影響を受けて当社もずいぶん仕事を減らしましたが、日常的な家族のつながりが社員を奮い立たせ、苦境にめげることなく一致団結、いい仕事をしてくれました。その甲斐あって、とあるお客様から『御社のスタッフは非常にいい仕事をしてくれる。もっと仕事を任せてもいいか』と言っていただいたのです。プレスクの社員の仕事を評価して、さらに深く関わってほしいということですから、それは嬉しかったですね」
従業員の満足度を上げる取組が、社員の高いパフォーマンスとして実を結んだ結果だった。こうしてリーマンショック後の危機を乗り越えた同社は、2013年と2015年にはそれぞれ「育児・介護休業制度充実部門」「休暇取得促進部門」で東京ワークライフバランス認定企業に選ばれ、2014年には完全独立を果たすなど、職場環境づくり、営業面の両方において今日まで成長を続けてきた。

会社と社員・家族・社会をつなぐWLB活動・CSR活動
同社のワークライフバランス活動の特長は、社員個人に留まらず、それを支える周囲の人々も大切にしようと考えていることだ。たとえば、年に一度開催される「ファミリーデー」では、社員の家族を職場に招いて仕事内容を紹介、記念品づくりやゲームなどで家族と交流する。
「繁忙期は、なかなか家族との時間が取れないこともあります。それでも家族でファミリーデーに参加すれば、私がどんな同僚に囲まれ、どんな仕事をしているのかを垣間見られますし、会社の社員に対する姿勢も目の当たりにできますから家族は安心できますよね」と話すのは入社4年目で一児の父でもある林田啓太さん。
他にも、大切な誰かと過ごす休暇のために3,000円分の食事券を付与する「プレシャスホリデー」という制度もある。この「大切な誰か」とは、家族はもちろん、恋人や友達、はたまたペットでも認められるというユニークな制度だ。
「上司が部下のがんばりを見るのは当たり前で、私たちを支えてくれる誰かのことも考えようという風土が当社にはあるんです」
人間誰しも忙殺されると自分のことで精一杯で周りへの感謝を忘れがちになるが、同社で働く社員はそんなことはない。家族に感謝を伝えるから家族が社員を支え、支えられるから仕事をがんばれる、そんな好循環が生まれているようだ。
同社はワークライフバランス活動以外にも多くの活動を行っている。その一つが企業市民活動としてのCSR活動だ。CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、「企業の社会に対する責任」を意味する。同社では、社員が主体となって寄付活動や植樹活動、清掃活動を企画・実行している。
「植樹活動や清掃活動は、社員だけでなくご家族も参加できます。こうした活動は達成感がありますし、性別年齢問わず参加できるので、ご家族も巻き込んだコミュニケーションの場になっています」という湯浅社長。「こうした機会に家族の存在の良さを感じるからなのか、当社はとても既婚率が高いんですよ」と思わぬ効果もあるようだ。

社員の本音を引き出すコミュニケーション
こうした制度や活動は、実はほとんどが社員の発案によるものだという。
「トップダウンで何かを指示するより、ボトムアップで意見を取り入れた方が社員の帰属意識も高まりますし、現場のことは現場の社員が一番よく知っています。社長としては、それを実現する場を提供するだけです」と湯浅社長は謙虚に語る。
社員が気軽に意見を言えるようにするには、普段からの円滑なコミュニケーションが不可欠。そこで同社では、少人数でテーマに沿った活動の企画・運営を行う「ワーキンググループ」を設けるなど、社員同士の交流を深める取組をしている。ワーキンググループのテーマも社員発で、現在は6つのグループがある。
同社初の新卒入社の武藤恵さんは入社3年目の若手。会社の親睦会や社員旅行の企画など社員同士のコミュニケーションの活性化を行う「双栄会」というグループに所属している。
「仕事柄、普段はお客様先にいることがほとんどですが、飲み会や旅行となればほぼ全員が参加して盛り上がります。そこで話したことが仕事に活きることも多いんです」
この人はこのプログラミング言語が得意、この人はこういった業界での経験があるなど、自分以外の社員のことを知っていれば、お互いの得意不得意を補い合っていける。オフでのやりとりが仕事にもつながるというわけだ。
円滑な人間関係を彷彿とさせるのが、全員がお互いを「さん」付けで呼び合うところ。相手が目上の立場でも対等に意見を言えるようにという配慮が醸成した社風という。こうした小さな試みがいくつも集まって、社員が本音を言いやすい雰囲気ができあがっていったのだろう。
「ちょっとした休憩時間に雑談をしてくれたり、困ったらすぐに相談できたり、先輩にはとても助けられています。これからは自分が後輩を指導する立場になっていくので、先輩にしていただいたことを、後輩にもしてあげたいです。まだまだ新卒社員は少ないので、私がその先頭を切ってより良い会社づくりに関わっていきたいですね」と語る武藤さん。
「社員が楽しく働ける会社をつくりたい」という社長の思いは、確かに社員に浸透している。

編集部メモ
ノミニケーションチケット
飲み会や食事会の際、社員が3名以上集まると1人あたり2,000円が付与されるという「ノミニケーションチケット」は、社員に人気の制度だ。
「お客様先で仕事をするので、違う場所で働くメンバーとのコミュニケーションは主に飲み会。だからこの制度はとてもありがたいですね」と林田さん。
女子会やランチが安く済むなど、女性社員にも好評のようだ。

E-vacation
「平たく言えば、有給休暇の過ごし方の自慢大会。その中から『最高の休日の過ごし方』としてE-vacationを選定し、選ばれた人にはプレゼントを贈る制度です」(湯浅社長)
有給休暇制度が整っていても、周りの雰囲気でなんとなく取りにくく、形骸化してしまっているという話はよく聞かれる。社内で良い休暇の情報共有することによって、質の良い休暇を過ごす社員が増え、更に有給休暇取得促進につながっているのだ。
- 社名:株式会社プレスク
- 設立年・創業年:設立年 1989年
- 資本金:3,000万円
- 代表者名:代表取締役社長 湯浅 信
- 従業員数:35名(内、女性従業員12名)
- 所在地:101-0047 東京都千代田区内神田1-2-1ダコタハウス8F
- TEL:03-5281-0121
- URL:http://www.presq.co.jp
- 採用情報:ホームページよりお問い合わせください