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中央・城北地区 リングロー株式会社

リングロー株式会社 キャリア不問で社員の個性と意欲を最大限に活かす経営

リングロー株式会社

キャリア不問で社員の個性と意欲を最大限に活かす経営

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キャリア不問で社員の個性と意欲を最大限に活かす経営

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社員が輝く働き方ストーリー
キャリア不問で社員の個性と意欲を最大限に活かす経営

 中古パソコンの仕入れ・販売を展開するリングローは、若い社員たちが活躍する会社。主体的に働く社員の活力は自由でオープンな社風から生まれている。

中古パソコンを安心して使えるトータルサービスを提供する

 バングラデシュ、マレーシア、ギリシャ、ドイツ、イタリア、モンゴルなど多彩な国籍の社員がオフィスを行きかうリングローの社内。まさにグローバル社会を絵に描いたようなオフィスだ。同社は中古パソコンやタブレットなどを仕入れて、修理・再生を施し、首都圏の量販店や地方のリサイクル店、あるいは企業などに販売、さらには保守サービスまでをも一貫、いわゆるワンストップで手掛ける企業。
 「中古パソコン販売の業者は数多くあります。しかし、保守サービスまでを提供するところはそう多くはありません。やはり、そこまでやるとなると多くのスタッフを抱え、煩雑な業務が伴うのでコストがかかり、収益性も悪くなるからです」
 中古パソコン業界のあらましをそう説明する碇敏之代表取締役は、その流れに反して保守まで手掛けるというスタイルで事業を展開。しかも、同社が扱うのは様々なメーカーのパソコンやタブレット端末。保守サービスを行うにはそれぞれの機種の知識が不可欠になる。
 ではなぜリングローではワンストップでサービスを提供するのか。 答えは碇代表の経営方針にある。「当社はパソコンメーカーという意識で事業に取り組んでいます。お客様がせっかく購入した中古パソコンを安心して利用してもらいたい」というカスタマーファーストの考え方にある。また、販売先である中古パソコンの量販店やリサイクルショップにしても保守サービスがあることでエンドユーザーに売りやすくなっているというところも碇代表の視界にあった。
 こうした手厚いサービスを提供することでリングローの業績は右肩上がり。しかし、成長の理由はそれだけではない。多数の外国人など社員一人ひとりが個性を活かして自由な発想で仕事に取り組んでいるからだと碇代表は声を大にする。

body1-1.jpg社員が主体的に働ける経営方針を貫く碇敏之代表

会社は社員全員のものという考えで社員の個性を活かす経営に徹する

 リングローの平均年齢は約27歳と若い。その理由はここ数年、新卒採用を定期的に行ってきたことにある。かつては中途採用を中心に行ってきたが、即戦力にはなるが「待遇」に重きを置く人が多く、「志」を共有しづらいという経験をしたからだ。スキルは乏しいかもしれないが、事業に対する「想い」を共有して、自分自身の個性を活かして新たなことにチャレンジできる若い人材が伸びしろも大きいことに気づいたという。
 「私の夢は500年、1000年継続できる企業をつくること。リングローという母体を継承し、事業を通して社会に貢献できる人たちを育てたいと考えています。そのためには自分の好きなことをすることが何よりも大切。人間は好きな仕事しか長続きしないんですよ。だから当社では本人がやりたいと望む仕事を任せる。それが基本的なスタンスです」
 経営方針を語る碇代表は「会社は社員みんなのもの」という想いがある。だから社員たちと積極的にコミュニケーションを図り、仕事の悩みや挑戦したい仕事を聞く。社員のそばで見守るという姿勢を貫く碇代表の姿勢に社員たちも感謝の気持ちで応える。打合せスペースには、碇代表の誕生日を祝う社員全員の写真入りメッセージが張り出されていた。まさに家族のような雰囲気がオフィスに漂っている。同時にキャリアに関係なく社員は仕事の改善点や新たな取引先開拓の提案ができるので、積極的に意見を述べるなど活気にあふれている。

body2-1.jpgあちこちで社員が意見交換をして活気にあふれるオフィス

中古パソコンの供給を通して貧困地域の子どもを支援したい

 バングラデシュ国籍のカムルル ハッサンさんは、リングローの外国人社員の先駆けだ。日本の大学、大学院を経て2014年に入社した。元々は世界の貧困層を支援する国連のユネスコで働きたいという夢を抱いていたが、社会貢献性の高い事業を展開するリングローと碇代表の人柄に惹かれて入社を決意したという。
 「リングローは中古パソコンを、アジアやアフリカなど経済的に豊かではない国々や地域に安い価格で提供しています。子どもたちがパソコンを利用して、様々な情報を入手して見聞を広めたり、勉強をすることにつながる事業と考えて入社しました。そんな事業内容と共に感動したのが碇代表の人柄。面接ではじっくりと私の話を聞いてくれましたし、面接が終了するとわざわざエレベーターホールまで見送ってくれた。そんな経営者に出会ったのは初めてでした」
 事業の可能性と経営者の人柄に惹かれて入社したハッサンさんが、現在、担当している仕事はインターナショナルスクールへのパソコン販売や設定、保守サービスの窓口を担当。実はインターナショナルスクールの営業活動はハッサンさんの発案だった。自身の英語力を活かせると考えたのだ。上司に相談したら「チャレンジしてみろ」と即決でOKをもらった。足繁くインターナショナルスクールに通い、持ち前のコミュニケーション力を活かしながらニーズを聞き出すスタイルで商談に臨み、信頼関係を築いていっている。
 そんなハッサンさんが感じるリングローとはどんな会社なのだろうか?
「バングラデシュ人も日本人も関係なく、自然に働けるのがリングローの魅力。私はイスラム教徒ですが食事会などでは食べ物のことも気遣ってくれるなど、インターナショナルな職場です」
 今後はパソコンの処分などで困っている外資系企業などに営業活動をしてリングローの成長に貢献したいと目を輝かせる。

body3-1.jpg自身の提案で新規の販路開拓に成功したカムルル ハッサンさん

オープンで自由な雰囲気が大きく成長させてくれる

 管理部門人事課に所属する高田采実さんは、2015年に入社した2年目の社員。就職活動で訪問した時から驚きの連続だったという。会社説明会には普段通りリクルートスーツで行くつもりだったが「私服で来てください」という指示を受けた。そして説明会では「できるだけ多くの社員と話をしてください」と言われ、内定をもらうまでの間に合計で10人以上の社員と話したという。
 「どの先輩も気さくで明るく、こちらの質問に明快に答えてくれたのが印象的でした。もちろん、そんな会社説明会は初めての経験でしたが、ありのままのリングローを学生に知ってもらおうという意図が伝わってきました。そこで強く感じたのは、事業内容に関係なく『ここでなら自分が輝ける』という確かな感触でした」
 そう振り返る高田さんは、社員の給与計算、助成金の申請、採用活動に携わる。採用活動ではどのメディアを使い、どんな人材を採用するのかなど採用計画の立案から取り組む。まだまだ分からないことは多いが、それでも周りになんでも聞けるので成長も早いという。
 入社して高田さんは自分のある変化に気がついたという。「学生時代は人に流されやすい性格だったのですが、今は相手の意見を聞いて自分なりの答えを出して伝えるようになりました」と笑う。確実に成長を遂げる高田さんだが、その背景にはリングローの社員一人ひとりを大切にする社風があるのは言うまでもない。

body4-1.jpg自由な雰囲気だから気兼ねなく自分を表現できるという高田采実さん

編集部メモ

将来的にはグローバルなネットワークを構築する

 ハッサンさんをはじめ複数の外国人がリングローで働いているのは、遠大な経営戦略がある。現在、リングローでは経済成長著しいASEANのマレーシアに拠点を置いているが、これを世界各地に増やすという経営戦略を打ちだしている。その責任者として外国人社員も含め、適性がありそうな社員、チャレンジしたいと考えている社員を抜擢する予定だという。
 「マレーシアの次はアメリカ・ロサンゼルスへの拠点立ち上げを考えています。そこから中東、西アジア、北東アフリカに中古パソコンを供給したい。こうしたハブ(中継地)を世界中に張り巡らせてあらゆる地域に中古パソコンを供給するネットワークを構築したいと考えています。」(碇代表)
 また、外国人社員が多く在籍するということは、一緒に働く日本人社員にとっても好影響を与えている。日本に居ながらグローバルな環境で働くことになるからだ。文化や価値観の違いを乗り越えて目標を共有して働くインターナショナルな集団。それがリングローの活性化の一因になっていることは間違いない。

  • 社名:リングロー株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 2001年
  • 資本金:1,000万円
  • 代表者名:代表取締役 碇 敏之
  • 従業員数:55名(内、女性社員18名)
  • 所在地:171-0021 東京都豊島区西池袋5-1-3メトロシティ西池袋4階
  • TEL:03-6747-3600
  • URL:https://www.ringrow.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください