<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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セントワークス株式会社

セントワークス株式会社 現場の意見をとことん尊重。ワークライフバランスの取れた会社作りにも尽力

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現場の意見をとことん尊重。ワークライフバランスの取れた会社作りにも尽力

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現場の意見をとことん尊重。ワークライフバランスの取れた会社作りにも尽力

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社員発のプロジェクトストーリー
現場の意見をとことん尊重。ワークライフバランスの取れた会社作りにも尽力

 介護の最前線で働く現場スタッフの声をもとに事業を形作ってきたというセントワークス。そこで働きがい、働きやすさという視点から同社の職場環境を浮き彫りにする。

事務代行やITなど多彩な視点から高齢者介護を支える

 “超高齢社会”の定義は“人口の4人に1人が65歳以上”という人口比率の社会を指すという。内閣府によれば、平成27年度の総人口に対する65歳以上は、26.7%に達しているというから、わが国は紛れもない超高齢社会である。そのスピードもけたたましく、約20年前の高齢化率は14%だったという。このまま進めば2060年には高齢化率39.9%に到達し、国民の2.5人に1人が65歳以上ということになる。もはや我が国にとって長期的スパンで高齢者を支える社会作りは至上命題なのである。
 こうした社会背景から、近年、高齢者介護施設が全国に次々と作られている。セントワークスが所属するセントケア・グループでも、全国約500拠点をベースに介護事業を世に提供している。グループホームなどの施設も有しているが、得意としているのは自宅住いの高齢者をケアする「訪問介護」。ただし、セントワークスが提供するのは直接的な介護サービスではない。会社を率いる大西徳雪社長はその業務内容こう説明する。
 「グループで培ってきた介護ノウハウを積極的に活用すべく、同業他社を含めた各介護事業所の支援事業を展開しています。介護事業所の運営をサポートする「SuisuiRemon」は、既に約800社に提供済みです」
 と超高齢化のスピードに遅れをとらじとばかりに事業は拡大している様子。さらにグループ内外に対する介護人材派遣サービスも好評を博しているという。
 特徴的なのはITと介護を結びつけたサービスである。例えば、介護事業所向けの請求業務支援システム『Suisui Remon』は約2500の事業所で活用されている。とりわけ注目株なのが、訪問看護が抱える課題を解決する『看護のアイちゃん』だ。看護の質を高めるのに有用だと高い評価を得ているシステムだが、実はグループ内の介護施設の最前線で働く看護師の声を受けて、ゼロから手探りで開発が進められたものだという。
 営業部の広瀬純子課長は、都内の訪問看護事業所の看護師だった時代に、看護師たちの戸惑いや悩みを目の当たりにした。それがシステム開発のきっかけになったと振り返る。
 「在宅看護の場合、様々な疾病を複合的に患っている方と向き合うため、あらゆる科目の看護に精通しなくてはならないのです。ところが、看護師の多くは病院やクリニック勤務で、内科や耳鼻科などの専門科目を掘り下げ、極めてきているものですから、在宅看護が“怖い”という声がもれ聞こえてきていたのです」
 医師や同僚のサポートがすぐさま受けられる医療機関とは異なり、在宅看護は看護師一人で患者をケアしなくてはならない。責任の重さが段違いなのも“怖さ”に繋がっていた。この問題を解消しなくては、超高齢社会の問題を根本から解決することはできない。どんな看護師でも質の高い在宅看護を提供できる環境を作るべく、広瀬さんたちは熱い思いを抱いて立ち上がった。

body1-1.jpg広瀬さんは看護師でありながら、システムの開発や営業などにチャレンジ。マルチな才能を発揮している

訪問看護の質を“標準化”する

 広瀬さんたちは取り掛かりとして、名古屋大学の山内豊明教授と連携して、訪問看護アセスメント・プロトコル「セントケア・山内方式」を開発した。看護における“アセスメント”とは、主訴、環境、状況、測定値などの様々な情報を踏まえてその方の状態を浮き彫りにし、看護の方向性を決定づける行為のことをいう。セントケア・山内方式は、そのアセスメントの標準化を目指したツールである。
 「ある看護師が『患者の呼吸状態が安定している』という判断を下したとします。その根拠を問うと、呼吸の回数をきちんと測ったのか、呼吸音だけで判断したのか、あるいは視認だけでそう捉えたのか、人によって判断基準にばらつきが生じています。セントケア・山内方式では適切な判断が誰でも行えるように、アセスメントの手順をチャート化していきました」(広瀬さん)
 セントケア・山内方式をIT化したのが『看護のアイちゃん』である。開発には広瀬さんら現役の看護師も参加し、自社内の事業所で検証を繰り返しながら精度を高め、平成20年頃には第一弾がリリースされた。治療方針の策定に迷ったとき、『看護のアイちゃん』を使えば明確な判断基準が瞬時に表示されるとあって、訪問看護に慣れていない看護師でも確かな方向性を打ち出せるのはわかっていた。
 「看護の質が目覚ましく向上するのはもちろん、帳簿と連動させることで請求が一括処理できるなど、事務処理面でも『看護のアイちゃん』はプラス効果を発揮します。しかし、最初はなかなか利点がわかってもらえず、販売には苦戦しました。」(広瀬さん)
 問題の原因ははっきりしていた。医療の知識が定かでない営業が訪問看護ステーションに訪れても、アイちゃんの魅力について、看護師の心に響くように説明できていなかったのだ。そこで、看護師経験のある広瀬さんが営業に出かけるようになる。
 「『アイちゃん』には現場の人間の思いがいたるところに込められています。実際に看護経験がある人が操作をすれば、看護師の思考の流れがそのままシステムに反映されているのがわかるはずです。そうした点を丹念に伝えていき、顧客は徐々に拡大していきました」
 広瀬さんは営業経験があったわけではないが、訪問看護の現場を根本から変えたいという思いに駆り立てられ、真っ直ぐに突き進んできた。今では北は北海道、南は沖縄まで、全国200以上の事業所でアイちゃんが導入されるまでになった。
 「今なお、訪問看護の質には拠点によって大きなばらつきがあります。看護のアイちゃんを導入することで、質の高い看護をしていただきたいと強く願っています。これからもその普及に全力を投じてまいります」(広瀬さん)

body2-1.jpgマスコットキャラの『看護のアイちゃん』。「看護のアイちゃん ファンの集い」も開催され、ユーザー間の交流も盛んである

ワークライフバランスへの取組を開始

 訪問介護(看護)の支援で精力的な活動を行っているセントワークスだが、本業以外でもその名を広く世に知らしめた取組がある。ワークライフバランスの推進活動がそれである。平成24年4月から「集中力と生きがいの創造」をテーマにしたワークライフバランスに関わるプロジェクトを設け、残業時間の削減やプライベートの充実といった目覚ましい実績を上げている。ワークライフバランスに関する旗振り役となった大西社長によれば、人材派遣紹介事業での気づきが推進のきっかけとなったという。
 「看護師の登録者の9割近くが土日や夜勤勤務が不可でした。多くの病院ではこの条件ではとても受け入れられない。一方で、慢性的な看護師不足にあえいでいますので、何かこの問題を解消する方法がないかと考えていたところ、ワークライフバランスの概念に辿り着きました。ワークライフバランスの実現を医療・介護業界に広めたいと思ったのと残業の多い社内で実践したいと思ったのです。」
 ワークライフバランスというと、残業時間削減やプライベートの充実などが思い浮かぶが、これらは結果の一つに過ぎない。社内の生産性を丸ごと高めて、事業の効率化を図るのがワークライフバランス実現の取組の本質であり、経営戦略に直結するのだと大西社長は声を大にする。
 「生産性向上のためにはトップダウンで制度を作っても限界があります。現場の意識改革が何よりも大切だからと、最初に部門長に対する研修会を4か月かけてじっくりと開催して、ワークライフバランスとは何ぞやを理解してもらいました。その後、重点的に取り組むべき3つの部署を選定し、段階的に全社にその輪を広げていきました」
 ワークライフバランスの進め方は、いたってシンプルだ。その部署の社員たちで議論を重ねて、自分たちの頭で実現に向けた方策を考えていった。まさに社員の自主性に任せたのである。議論の場としては、例えば、月に1回の『カエル会議』を用意。課題洗い出しの場、振り返りの場としてカエル会議は有効活用されていく。また、その日の予定や結果を全員で共有する『朝メール・夜メール』を通して、チーム全員の時間管理と情報共有を徹底していった。

body3-1.jpg大西徳雪社長はワークライフバランスを導入するために自ら資格を取得して、先頭に立って行動してきた

議論の活性化が、働きやすい職場づくりに直結する

 同社にはIT関係の部署も存在する。納期等の問題でどうしても長時間労働になりがちな側面がある業界だけに、ワークライフバランス実現の可能性に疑問の声が生じたこともあった。
 「それでも、チームとしてみんなで問題意識を共有することで、少しずつ全員が勤務時間を改善するために何ができるのかを真剣に考えていくようになりました。その結果、取り組み後8か月で、会社全体の残業は従来の半分にまで削減されていました」
 業務が効率化されたことで、社員たちは余暇を十分にとることができるようになり、仕事への集中力も高まったという。実際、平成24年度が終わる頃には売上げが前年比114%アップ。経常利益は同155%アップという数字がはじき出された。事業が好調というのもあるが、ワークライフバランスを高めたことが大いに影響しているのは間違いない。
 社内での成果をもとに、今では企業に対するワークライフバランスのコンサルティングサービスを提供するようになった。介護系以外の企業からの受注もあるなど、会社の可能性がぐんと広がったという。ワークライフバランス担当の一之瀬幸生さんは、他社からの好感触に手ごたえを得ている。
 「ある介護系の企業では、職員が睡眠時間を削って仕事をしていたため、モチベーションが低下していました。そこで、私たちが業務内容やシフトの改善を提案したところ、早速、余裕のあるスケジュールでの仕事ができるようになり、職員たちが前向きに仕事に向き合えるようになっています」
 一之瀬さんたちは、魔法のようなノウハウを持っているわけではない。セントワークスの社内で行ったように、社員たち同士の議論の活性化を促していくことに力を注いできただけだという。
 セントワークス社内、そして社外へのコンサルティングの事例を見ていると、社内コミュニケーションを活発にすることが、ワークライフバランスを高めることにつながることがわかる。安倍首相は9月に「モーレツ社員を否定する日本に」との談話を残した。働き詰めを称賛しがちな日本の風潮を変えるには、社内の対話が大きな鍵を握っていると、一之瀬さんたちは確信している。

body4-1.jpg社員同士の議論の活性化が、ワークライフバランスの取れた組織作りの実現に欠かせない

編集部メモ

誠実、素直、向上心が採用のキーワード

 セントワークスでは介護サービスの最前線に立つ介護事業所の円滑な運営を支援するために、シェアドサービス、人材派遣紹介、ITサービスなど多岐にわたる事業を展開している。いずれもグループで培ってきた高度なノウハウを、介護業界に広げていくのがそのコンセプト。介護や看護の業界のかゆいところに手が届く内容となっており、介護業界からは絶大なる支持を集めているという。
 そんな同社では過去、新卒採用はほとんどしていなかったが、2016年には初めて1名を採用した。今後、新卒採用に注力していく可能性もあるという。特に好調なITソリューション分野では多くの人材を欲している。
 「新卒に求めたいのは、誠実さ、素直さ、向上心の3点にほかなりません。新卒の場合は特別な専門性は有していないでしょうが、この3点を兼ね備えていれば、将来的に成功する可能性はぐっと高くなるはずです」
 と大西社長は新たに社会に参入してくる若い力に力強いエールを送る。さほど大きくない組織だけに、若くして責任ある仕事にチャレンジできる機会にも多々恵まれることだろう。ワークライフバランスが実現できる組織作りに尽力するから、仕事もプライベートも充実するのである。社会人として歩み続けるのに、素晴らしい環境が同社には整っている。

edit-1.jpgたばこを吸ってひと休みする喫煙者のように、非喫煙者にも気軽に休める場を提供しようと、休憩専用の場である「ほっとスペース」を設けている
  • 社名:セントワークス株式会社
  • 設立年・創業年:設立年 2006年
  • 資本金:5,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 大西 徳雪
  • 従業員数:139名(内、女性従業員数78名)
  • 所在地:104-0032 東京都中央区八丁堀2-9-1RBM東八重洲ビル7F
  • TEL:03- 5542-8094
  • URL:http://www.saint-works.com
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください