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城南地区 斎藤遠心機工業株式会社

斎藤遠心機工業株式会社 “諦めない”から築き上げた技術力 現状にとどまらず、常に前へ、前へ

斎藤遠心機工業株式会社

“諦めない”から築き上げた技術力 現状にとどまらず、常に前へ、前へ

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城南地区

斎藤遠心機工業株式会社

“諦めない”から築き上げた技術力 現状にとどまらず、常に前へ、前へ

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“遠心力”にこだわり抜いた技術力ストーリー
“諦めない”から築き上げた技術力 現状のとどまらず、常に前へ、前へ

「つねに時代を先取りし、新しい可能性を拓く……」を基本理念に、
遠心分離機の製造・販売を展開する斎藤遠心機工業。1941年の創業以来、遠心分離機一筋に、常に前を見ながら、業界をリードし続けてきた。その77年の歴史には、磨き続けた技術に対する自信が刻まれていた。

無限に広がる可能性 古くて新しい遠心分離機


 斎藤遠心機工業は創業以来、遠心分離機の製造に特化したリーディングカンパニーとして業界をけん引し続けてきた。一般的には、遠心分離機という言葉は聞いたことがあっても、何を製造する機械なのか、想像できる人は稀だろう。遠心分離機はメーカーの製造工場などに設置されるため、一般の人の目に触れることは少ない。
 入社1年目の山本さんは、遠心分離機の“縁の下の力持ち”なところに魅力を感じ、入社を決めたと言う。
 「遠心分離機自体が脚光を浴びることはありません。けれども、遠心分離機を用いなければ、生み出せない製品は数多くあり、それぞれの業界を支えている機器なのです。“地味だけどすごい”というところが、遠心分離機の最大の魅力ですね」
 遠心分離機は“遠心力”を用い、混合液を分離させる機器だ。その用途は幅広く、ジュースやコーヒーなどを始めとする食品や、医療、石油化学、IT 関連、バイオテクノロジーの研究・開発などに用いられている。齋藤代表は、遠心分離機の特徴を“古くて新しい”機器と例える。
 「遠心力を用いた技術は、古くからあるものです。その技術は進化を続け、ナノレベルまで分離できるようになったことで、新たな領域の製品や研究開発等にも使用されるようになりました。近年では、リサイクル分野や再生エネルギーの精製などにも役立てられており、遠心分離機の可能性は更に広がっています」
 遠心分離機は人と地球に優しい機器でもある。廃液からの油分回収や工場排水のろ過処理などを通して、自然環境の保護にも貢献している。

body1-1.jpg「斎藤遠心機工業にしかできない技術、それを追求し続けてきた」と話す齋藤代表

部門間の密な連携で 要望やニーズをカタチに


 顧客の要望に沿ったオーダーメイドの対応ができる点も、同社の
特徴の一つだ。顧客の要望は「回転数を上げたい」「強度を高めたい」など多種多様だ。難度の高いこれらの要望の一つひとつに応え続けるのは、並大抵のことではない。
 「良く言えば粘り強い、悪く言えば諦めが悪いのだと思います。なんとか要望に応えたい、という思いを貫いてきたからこそ、お客様からの信頼を得て、77年間の会社の歴史が築けたのでしょう。結局、その諦めの悪さが、技術を磨くことになり、技術力の蓄積にもつながってきたのです」(齋藤代表)
 顧客の要望に対して、きめ細かな対応ができるのは、社内の風通しの良さがあるからだ。同社では営業担当が顧客のニーズを引き出し、設計担当が図面を引き、現場の技術者がカタチにし、メンテナンス担当が補修する、という流れで仕事が進む。山本さんが入社して驚いたのは、それぞれの部門の連携の良さだ。
 「お客様のニーズにあった製品を作るためには、各部門がその要望を共有し、意見を出し合いながら、カタチにしていかなければなりません。年齢や経験などに関係なく、意見が言い合える環境があることが、当社の強みの一つと感じています」
 同社では、各部門の連携を図りつつ、自主性にも重きを置くことで相乗効果を生み出してきた。「現状維持は衰退」を基本的な考え方に置き、手を挙げた人がチャレンジできる風土が育まれている。技術の開発は、新たな発想が求められるため、“出る杭”となる人材が必要になるのだという。

body2-1.jpg遠心分離機の部品一つひとつには精緻な技術が駆使されている

社員がサポートし合うことで 仕事と育児が両立できる職場に


女性が働きやすく、活躍できる場があることも、同社の特徴の
一つだ。同社はタイ、マレーシア、ベトナムなど、東南アジアを中心に海外拠点を持ち、その貿易事務を担当するのが、営業部の大越さんだ。大越さんは産休を取得後、仕事と育児を両立させながら働いている。
 「遠心分離機は海外での需要も高いため、輸出をする際の貿易事務を担当しています。現地との交渉は英語を用いるので、専門用語などを覚えるのが一苦労。機器の構造などで分からないことがあれば、他部署に足を運び、教えてもらっています。社員同士でサポートし合える環境があることが、当社の働きやすいところ。そのサポート体制があるからこそ、仕事と子育てが両立しながら働けるのだと思っています」
 同社では、営業職、技術職を問わず、どの部門においても女性を積極的に採用していく方針をとっている。女性視点での発想は、遠心分離機の新たな可能性を拓くことにつながるため、女性に寄せる期待は大きい。
 最後に、これから社会人になる学生に向け、齋藤代表はこう語った。
 「仕事からやりがいを生み出すためには、向上心を常に持ち続けることが大切です。自分を磨き、成長させたい、という思いが、技術力の向上にもつながります。当社も社員一人ひとりの成長とともに、これからも一歩ずつ前に進んでいきたいと思っています。共に前へ歩んで行きましょう」

body3-1.jpg「育児をすることで、時間管理への意識が高まった」と話す大越さん

バーベキュー大会で夏の疲れをリフレッシュ


 自宅の庭を開放して開催するバーベキュー大会は、約25 年間続く当社の恒例行事。毎年8月に開催し、社員だけでなく、社員の家族にも参加してもらっています。子どもにも喜んでもらえるように、スイカ割りや花火大会などを企画。大人たちも童心に返って、一緒に盛り上がっています。
 バーベキュー大会は、普段話すことの少ない他部門の社員との交流の場にもなっています。夏の疲れをとって、少しでもリフレッシュしてもらいたいので、これからも恒例行事として、毎年続けていきたいと思っています。
(齋藤代表)

edit-1.jpg齋藤代表の自宅の庭をバーベキュー会場として開放