<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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城南地区
株式会社スピードリンクジャパン

株式会社スピードリンクジャパン 社員一人ひとりのアイデアが会社を変える。理想の働き方を実現できる会社

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社員一人ひとりのアイデアが会社を変える。理想の働き方を実現できる会社

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東京カイシャハッケン伝!企業
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社員一人ひとりのアイデアが会社を変える。理想の働き方を実現できる会社

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企業文化創出ストーリー
社員一人ひとりのアイデアが会社を変える。理想の働き方を実現できる会社

 スピードリンクジャパンの社員は幹部、新入社員を問わず、誰もが「自分の働く場を自分で作る」という意識を持っている。もちろん、それが一朝一夕にできるはずがない。そのための仕組みや企業文化を全員でコツコツと作り上げてきたのである。

自分の意見で会社が変わる

 インターネットやスマートフォンなどは、日々の生活に不可欠なサービスであり、私たちの生活を豊かにしている。そのような技術やサービスを担っている業界が「IT業界」だ。「IT業界」には共通してシステムインテグレーションという業務が存在する。
 システムインテグレーションとは、顧客の業務内容を分析し、その問題に合わせた情報システムの企画、構築、運用などを行う。
 スピードリンクジャパンは、このシステムインテグレーション事業を中心に、社会人向けのITスクールや子ども向けのプログラミング教室を展開している。卓越した技術力があることは間違いないが、太田可奈取締役に自社の強みを聞くと、同社独自の経営合宿制度がその背景にあるという答えが返ってきた。
 「全社員から普段感じている会社の課題を募集し、幹部が合宿で徹底的に議論して、解決策となるプロジェクトを立ち上げるんです。遠慮なく意見が出てくるので、取りまとめる立場としては大変ですが、そうした文化の中で育った生え抜きの社員が増えたことで、積極的に意見を交換し、それを実行していく雰囲気が根付いてきたと感じています」
 こうした制度のもとで醸成されたのが「自分たちの働く環境を自分たちで作る」という社風。規模が小さい中小企業といえど、評価制度や若手の育成など経営に関わることまで若手を含めた全社員が参加するのはなかなかに大胆だ。
 例えば評価制度に対する提言からは「ジブン仕様書」と呼ばれる評価ミッション制の新しい仕組みが出来上がっている。これは、幹部と社員が一対一で話し合い、会社が社員にしてほしいことと社員が会社で実現したいことをすり合わせる。そして、何を達成したら、どれくらい給与に反映されるかをミッションにして「覚書」を交わす。目標と報酬を明文化することで、あいまいにされがちな評価のポイントが明確になるわけだ。
 経営者も社員も納得できる制度になっているが、重要なのは、これが経営者主体でできた制度ではなく、社員からボトムアップで作られた点である。自分たちの提言をきっかけに、目に見える形でより働きやすい場が作られることが実感できれば、さらに主体的にアイデアを出すようになり、それが会社を良くしていくという好循環が生まれるのだ。
 事実、評価ミッション制が始まった後から、社内制度の一つ「プロつく(プロジェクトをつくろう)」の利用が活発になっているという。何をすべきかが明確になったことで、アイデアを具体的にイメージできるようになったのだろう。
 「当面の目標は、スピードリンクの代名詞となるようなサービスを生み出すことです。みんなで意見を出し合える文化ができてきたことで、どんなアイデアが飛び出してくるのか、これからが楽しみです」(太田取締役)

body1-1.jpg社内文化の醸成に尽力してきた太田可奈取締役

研修が新規事業を生み、新規事業が研修を育てる

 お客様からは、豊富な知識と高い技術力が必要とされるため、若手の育成が大きな関心事となる。また、顧客企業に常駐することが多く、企業文化が根付きにくい傾向があるため、技術力を身に付けると同時に、会社への帰属意識を育む研修制度が必須となるのだ。しかし、そこはITスクールを運営する同社のこと、若手社員も当然その恩恵を受けている。しかも、実はこの事業自体が若手社員のために作られたものだというのだ。
 「新卒採用を始めたころに新人の研修プログラムを作ったのですが、社内でやっているとどうしても『これくらいできればいいか』と教える側も甘くなってしまいます。当然、それでは現場に出た時に困ってしまいます。良いものは市場に育ててもらうものという思いがありましたので、研修を事業化して一般のお客様を相手にすることで、研修プログラムもより洗練されたものになりました」(太田取締役)
 社員研修を外部向けにアレンジしたITスクールは今や同社の主力事業といえるまでに成長。若手もさらに質の高い研修が受けられるようになって、主力事業にもプラスになるという相乗効果を生んでいる。
 新入社員は、入社後、2か月間ITスクールで研修を受け、現場に出ていくことになる。並行して1年間は月に1回、土曜日に開かれる若手研修に参加。そこで組織論や企業文化、働く姿勢といった社会人として、エンジニアとして、そしてスピードリンク社員として必要な知識や心構えを学ぶ。これも経営合宿で出てきたアイデアだ。当然、参加した研修にも給料が支払われるのだから、社員も頑張って知識をつけている。
 そして昨年からは2年目の社員が兄・姉役となり、1年目の弟・妹社員の面倒を見る「ブラザーシスター制度(ブラシス)」という新たな育成制度も始まっている。そのプロジェクトリーダーを務めたのは、入社3年目の山田菜々絵さん。自身も若手社員そのものである。

body2-1.jpg壁には社員たちの目標が寄せ書きされる。思い思いのメッセージに個性が表れている。

安定を求めるからこそスキルを磨ける中小企業に

 山田さんが就職活動で最も重視したのは安定だった。それだけに始めは大手企業を中心に見て回った。ところが、そこで知ったのは大手といえども倒産してしまう現状。「そもそも安定とは何か」と立ち返って考えてみたのだという。
 「もし会社が潰れたら自分に何のスキルもなければ、次の仕事は見つからないでしょう。しかし、スキルさえあれば自分の力で生きていくことができます。自分のスキルを磨くことが本当の意味での安定なんだと気付いたんです。そこで、会社全体の動きを見通せる規模の中小企業に目を向けることにしました」
 こうした方針転換から同社に出合った山田さん。入社から1年半はエンジニアとして顧客先での仕事に励む一方、社内での会議にも積極的に顔を出した。同社はオープンミーティング制を採用しているため、他部署の会議であっても自由に参加できる。他部署の動きを知る中で、自身の身に付けたいスキルが、人やお金の流れなど経営に関わることだと気付いたという。
 「顧客先に常駐するエンジニアだと、会社全体の流れはどうしても見えにくくなってしまいますから、社内に留まれる部署を志望しました。幹部に直談判したのですが、普段から会議に顔を出していたことを評価してもらい、異動が叶いました」(山田さん)
 まさに自分の働く場を自分の力で手に入れたわけだ。異動後は、新卒採用に携わる一方で、“ブラシス”のプロジェクトリーダーに抜擢された。当時、山田さん自身が2年目だというから、自身が姉役としてプロジェクトに参加するのと同時に、推進役も務めていたことになる。脇を支えるメンバーはベテランぞろいで緊張の反面、フォローしてもらえる安心感もあり、思い切って挑戦できたと話し、責任ある仕事をやり遂げた人ならではの自信に満ちた表情を見せた。
 「まずは人事として認められるようになって社長に褒められたいですね。その過程で色々な目標が見えてくると思います。最終的には、求められたことをそのままするのではなく、何かプラスして返せるような人間になりたいです」(山田さん)
 自分の理想の姿がしっかりイメージできるからこそ、そのために今すべきことが見えているのだろう。

body3-1.jpg新卒採用担当の山田菜々絵さんは「就活生が初めて会う社員」としての責任を持って仕事に取り組んでいるという

自ら手を挙げ、エンジニアから営業へ。

 山田菜々絵さんに限らず、同社の社員は自分の働き方を考え、それを実現するために積極的に動いている。それは1年目の社員でも例外ではない。今年社会人デビューを果たしたばかりの山田拓也さんは、エンジニアとして入社。2か月の研修期間を経て、これから実際の現場に出るという段階になって、営業への転属を希望した。
 もともと大学は医療系だったが、ものづくりのワクワク感を味わいたいと、進歩めざましいIT業界を志望。その一方で、人と関わりやコミュニケーションを生かした仕事をしたいという思いもあったと話す。
 「研修が終わったころ、営業で欠員が出て、募集がかかったんです。営業はものづくりの醍醐味と、人との関わりを両方味わえる仕事ですから、これは何かのチャンスだと思い、手を挙げたんです」
 その結果、希望はかない、入社2か月で異例の転属となった。現在は、既存の顧客に挨拶回りをこなしたり、交流会に参加して人脈を広げたりして、営業としてのノウハウを一から勉強しているところ。まだ駆け出しとあって、学ぶことだらけの状態だが、一つだけ自分の中で決めていることがあるという。
 「腹を割って話をすることです。これは今まで自分が人との関わる中で一番大切にしてきたことで、これからのお客様とのコミュニケーションで心がけたいと思っていることでもあります」
 そう力強く語る山田拓也さんからは自分の働き方や成長を自分でつかみ取ろうとする前向きな気持ちが感じられた。
新たな企業文化を築き、根付かせてきたスピードリンクジャパン。土壌は整った。これからどんな快進撃を見せるのだろうか。

body4-1.jpg三人のやりとりからもフラットな関係性が垣間見える

編集部メモ

親しみ満点。身近すぎる経営者

 同社は、若手社員を社長宅に招く宿泊イベントがたびたび催されるほど、社員と社長の間が近い。山田拓也さんも社長宅への宿泊イベントに参加し、今すべきことや働く姿勢について話し、有意義な時間が送れたと話す。
 また、幹部が集まる経営合宿では最近、「社長引退までのカウントダウン」というテーマが話し合われているという。端から聞くと一瞬ひやっとするようなテーマだが、もちろんこれは本音で話し合う社風の同社らしい親しみを込めた表現。その真意は、「社長がいなくても回せるくらい幹部一人ひとりが経営者としての力量を身に付けよう」ということだ。
 例えば、外部セミナーに参加した幹部社員は、ただ行くだけではなく、持ち帰った情報をもとに社内で勉強会を開き、講師の役を務める。教える側に立つことで知識を定着させ、さらに社内での情報共有にもなる。同社は幹部クラスでも30代前半が主力と、若い。それだけに幹部クラスのキャリアアップにも力を入れている。

  • 社名:株式会社スピードリンクジャパン
  • 設立年・創業年:設立年 2004年
  • 資本金:1,500万円
  • 代表者名:代表取締役 西田 祥
  • 従業員数:90名(内、女性従業員30名)
  • 所在地:150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-18-5 VORT渋谷道玄坂6階
  • TEL:03-5459-3388
  • URL:https://slj.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください