<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

中央・城北地区 株式会社ツツミワークス

株式会社ツツミワークス 若手社員が創意工夫し、住人への配慮も行き届かせ、マンションを美しく再生

株式会社ツツミワークス

若手社員が創意工夫し、住人への配慮も行き届かせ、マンションを美しく再生

t-works1
東京カイシャハッケン伝!企業
中央・城北地区

株式会社ツツミワークス

若手社員が創意工夫し、住人への配慮も行き届かせ、マンションを美しく再生

main_t-works1

若手社員の現場工夫&奮闘ストーリー
若手社員が創意工夫し、住人への配慮も行き届かせ、マンションを美しく再生

 建物の修繕工事で5,000件を超える施工実績を誇るツツミワークス。若手社員の工夫と奮闘が、建物を強く美しく甦らせる“再生”に結実している。

「綺麗にしてくれてありがとう」そんな言葉にやりがいを実感

 一見頑丈に見えるマンションでも経過年数に応じて劣化が進み、内外壁にひび、剥がれなどの“綻び”が発生してしまう。それらは美観を損ねるだけでなく、水漏れや漏電などを誘発し、住人の暮らしを脅かしかねない。しかし、古くなったからといって、容易に建替や買替に踏み切れるほど、マンションは安価なものではない。住めば住むほど、愛着も沸いてくるものだ。
 大切な資産であるマンションを、できるだけ長く、安心して暮らし継いでいきたい――。住人のそんな思いに応えるのが、マンション修繕工事のプロ集団、ツツミワークスだ。
 「修繕工事の現場では、工期中も住人の皆さんが普段の生活を営まれています。そこが、どなたが住むのかが見えない新築工事との大きな違い。工期中も住人の皆さんと接する機会が多く、普段の生活にも密接に関わりますから、“綺麗にしてくれてありがとう”と喜んでいただけると、お力になれたという達成感をより強く実感できるんです」
 こうした“住人との距離の近さ”にやりがいを語る堤崇代表は、一方で「住人の安全面や生活面への配慮が不可欠」と表情を引き締める。とりわけ住人が不安に覚えるのは「工事中はいつ洗濯物を干せる?」といった生活面への影響であり、その不安をできるだけ払拭するツールとして、同社は自社開発の電子掲示板システムを現場に導入。住人の目に触れやすいエントランスに設置し、生活上の注意点や工事の進捗状況をタイムリーに発信している。

body1-1.jpg「当社の役員陣は私を含め全員が現場出身。長年の現場経験を活かし、社員の活躍を後押ししています」と堤崇代表

住人目線に徹し、発信する情報を自分なりに工夫

 修繕工事中のマンションに設営する現場事務所にデスクを構え、現場のサポート業務を担う吉橋麻樹さんは、「自分ならどんな情報を知りたいか」という住人目線に立った情報発信を心がけ、日々工夫を重ねているという。
 「洗濯物情報などはもちろん、現場の私たちの仕事ぶりを知ってもらえれば、より安心して生活を続けて頂けますよね。そこで私は、現場事務所での打ち合わせ風景などもこまめに写真に収め、“安全対策についてこんな話し合いをしました”といった情報まで電子掲示板にアップしています。また、普段立ち入れない屋上からの風景写真をアップしたりして、住人の皆さんの興味を引き、大切な工事情報も逃さず見てもらえるように工夫しています」
 住人から「うちの屋上ってこんなに見晴らしがいいのね。洗濯物情報もいつも助かるわ」という言葉をかけてもらえることが励みになっていると、笑顔を見せる吉橋さん。今の現場は初めて工事の企画段階から現場まで一貫して携わり、思い入れもとりわけ強いという。
 「修繕前のマンションを訪れ、内外壁のひびなどを確認しながら不具合箇所を撮影して回りました。撮影点数はざっと100点。修繕前を隈なく見てきたからこそ、建物が美しさを取り戻す変化を目にするたびに、自分のマンションのことのように清々しさを感じています」

body2-1.jpg電子掲示板システムを操作し、生活情報や工事情報を更新する吉橋麻樹さん

入社1年目からグループワークのプレゼンテーション役にも抜擢

 吉橋さんのように主体的に創意工夫していくのが、同社の現場社員のスタイルである。3年前からは20代・30代の若手社員による自主参加型のグループワークの場を設け、そこで上がったアイデアを社内全体の技術向上に結びつける取組もスタート。「営業」「品質」「安全」「コスト」の4グループに分かれ、それぞれ10名前後のメンバーで各テーマを掘り下げ、その成果を年2回の発表会で全社員に発信し、実際の施策として具現化させている。
 営業グループに所属する吉橋さんが直近で意見を交わし合ったのが、工事の発注元であるマンション管理組合に対するプレゼンテーションスキルの向上についてだという。「役員みんなの前で模擬プレゼンテーションをやったらどうか」。先輩社員から上がったこのアイデアをもとに、吉橋さんはグループの意見を集約し、社内発表会に向けた資料を作り上げていった。
 「社内発表会には代表や役員も含め、総勢65名の社員全員が一堂に会し、4グループが内容を競い合うんです。最初は緊張でガチガチでしたが、話すうちに皆さんの表情から感触の良さが伝わってきて、一気に乗り切れました。しかも、役員による評価の結果、私たちのグループが1位を獲得できたんです」
 入社1年目から役員を前にプレゼンテーションするというのは貴重な経験。模擬プレゼンテーションをやろうという吉橋さんグループのアイデアは早速実現され、吉橋さんも毎回、先輩たちの奮闘を間近に見て「私も早く先輩のようにプレゼンテーションできるようになりたい」という思いを強くしているという。さらに、「目標は当社初の女性部長になること!」と、目を輝かせて大きな未来像も語ってくれた。

body3-1.jpg「“この建物は修繕が必要だな”とか、街で見かける建物を見る目も変わってきました」と笑顔で話す吉橋さん

現場の工夫事例を集めたデータベース作りを推進

 そんな吉橋さんのサポートを受けながら、修繕工事を指揮・管理するのは、32歳にして工事部課長を務める小平寿一さん。小平さんは「ゼロから設計・施工する新築工事と違って、修繕工事は一筋縄ではいかない」と現場の難しさを語る。建築用語の一つに「納める」という言葉があり、「寸法通りに美しく仕上げる」を意味する。既存の建物ありきという制約の中で仕上げていく修繕工事は、まさに「納める」がしっくりくる仕事だという。
 「外壁を塗装するにしても、建物の形状や材質、劣化具合は千差万別。美しく納めるには現場の状況に応じた判断が求められるんです。下地補修、防水加工、タイル貼り、レンガ貼りなど、技術・工法も幅広く、だからこそ探求心も尽きず、10年目の今も学びの連続です」
 小平さんは現在、社内グループワークで品質グループの中心を担う一人でもある。「現場は生きた技術の宝庫」という実感から、マニュアルや書籍からは得られない、工事管理者が各現場で実践してきた工夫事例を全社で共有できる仕組み作りを発案した。
 「工事担当者が自らの現場での工夫の事例を写真とともにデータベースにアップするんです。そうすれば、現場でどうすべきか悩んだとき、過去の事例から解決策のヒントを導き出せますよね。このアイデアを早速カタチにし、事例がどんどん集まっているところです」
 堤代表いわく、「会社作りの主役は社員」。グループワークの活動にも経営陣は一切口を挟まず、社員の自主性に任せているという。社員の工夫やアイデアが現場の質を高め、その奮闘がマンション再生へ、そして住人の喜びへと結実している。

body4-1.jpg「若い社員も増えてきていますので、後輩の育成にももっと力を注いでいきたい」と力強く語る小平寿一さん

編集部メモ

現場主義を貫き、研修や働きやすさの充実に注力

 修繕工事会社に勤務していた堤代表が、ツツミワークスを起業したのは26歳のとき。現場を軽視する経営方針に納得がいかず、現場目線を貫く会社を自ら立ち上げようと決意したのだという。そのスタンスは今も変わらず、研修や働きやすさの向上に注力するのも、現場で活躍する社員への思いの表れだ。
 新人研修では1か月間かけて先輩の現場を見て学び、配属後もマンツーマンによるOJTを実施。入社半年後には現場経験をふまえたフォローアップ研修、3年目以降には施工管理へステップアップするための専門研修を用意している。資格取得対策の勉強会も随時行い、一級建築施工管理技士の取得を目指す社員にはスクーリング費用も会社が全額負担。また、ワークライフバランスへの取組にも注力し、担当現場が完了すれば有給休暇を使ってリフレッシュすることを推奨。10年以上勤務を続ける社員が多いことも、現場の働きやすさの証といえよう。

edit-1.jpg20代・30代が現場でのびのびと活躍。34歳の役員が誕生するなど、活躍チャンスは大きく広がっているedit-2.jpg年齢や立場に関係なく意見を言い合える環境も手伝い、社員の結束は固い
  • 社名:株式会社ツツミワークス
  • 設立年・創業年:設立年 1997年
  • 資本金:1億円
  • 代表者名:代表取締役 堤 崇
  • 従業員数:78名(内、女性従業員数14名)
  • 所在地:170-0013 東京都豊島区東池袋3-4-3NBF池袋イースト14階
  • TEL:03-5956-6777
  • URL:http://www.t-works1.com
  • 採用情報:マイナビを参照してください