<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

多摩地区
株式会社匠技建

株式会社匠技建 社員の安定と成長を真剣に後押し。思いやりで繋がる温かい職場

株式会社匠技建

社員の安定と成長を真剣に後押し。思いやりで繋がる温かい職場

takumigiken
東京カイシャハッケン伝!企業
多摩地区

株式会社匠技建

社員の安定と成長を真剣に後押し。思いやりで繋がる温かい職場

main_takumigiken

温かさで社員を育てるストーリー
社員の安定と成長を真剣に後押し。思いやりで繋がる温かい職場

 会社が社会に貢献するためには、社員一人ひとりが社会に貢献する思いを持ち合わせている必要がある。その思いを育むことを重視した経営を貫く背景には、温かい絆があった。

成長を促し思いやりを育む仕組み

 今年で設立24年目を迎える匠技建は、戸建住宅や公共施設など木造住宅を中心に設計施工を行う建築会社。年間120~130棟を21名の社員で賄うといい、これまでの累積は2,500棟に迫ると話すのは宮崎昭人代表。最近は待機児童問題などを抱える都や市の要請を受けて、幼稚園や保育園の建築を任されることが増えていると勢い付く同社を語る。
 同社が堅調に成長を続けている理由は二つある。一つは、CS活動に非常に力を入れていること。一例を挙げると、これまで建物を注文してくれた施主全員と連絡を取り続けており、新年会やバーベキューに招待する。参加者の写真は全員撮影し御礼状に添えるという丁寧さで、毎回約150人の参加者があり、以前家を建てた顧客が、今度は息子の家を建てるので相談に乗ってほしいと言ってくることもあるという。
「地元にしっかりと根付き、長いお付き合いを重ねていくというのは、とてもやりがいがありますね。皆様に良い機会を頂けていると感謝しています」(宮崎代表)
 もう一つが、社員の成長を促し、思いやる風土だ。同社の社員は、年に何度も研修やセミナーに参加する機会がある。新入社員研修に始まり、社員の成長に合わせてそのときどきで必要と思われる研修を会社が提示し、業務の一環として参加できる。先輩が後輩を指導するOJTという形もあるが、同社では職業的技能を高めるだけでなく、社会人として自立し社会に貢献できる人材を育てることを重視。社員にはプログラムに則った研修で多様な考え方に触れながら、成長していく道筋が用意されているというわけだ。
 また、月1のペースで外部講師を招いて指導を受けながら、全員が行動計画プログラムを立てる。一人ひとりが会社の中でどうすれば貢献できるか役割を確認し、具体的な目標を立てて、どこまでできたか達成度を確認していく。この試みもまた成長を促し、お互いを思いやる風土を育むことに繋がっていると宮崎代表は自負する。
 「ビジネスで一番大切なのは感謝と思いやりというのが私の持論です。結果的にこの会社に集まってくれた社員たちも、そういう人が多い気がします」

body1-1.jpg時流を読み、確実な取引を重ねることで安定した経営を実現していると話す宮崎昭人代表

当たり前のことを当たり前にできる大切さ

 社員にも、代表の経営哲学はしっかりと受け止められているようだ。
 「社会人として必要なことを全部教えてもらっています」とは入社2年目の小山正紀さん。建設業に従事する父親の影響で専門学校の木造建築科に進み、卒業後、同社に入社した。現在は、現場監督を任されているが、学校で学んだのは大工仕事のみ。監督の仕事をこなすには基礎から仕上げまでを理解する必要があり、ひたすら現場で学んでいるという。
 小山さんには忘れられないエピソードがある。ある顧客宅の壁クロス張り替え工事でのことだった。作業は順調に終わったが、事件はその撤収中に起こった。小山さんは、抱えていた工具を引っ掛けて玄関のスリッパスタンドを倒してしまったのだ。幸い床に傷が付くことはなかったが、問題はそこではなかった。
 「急ぐわけでもないのに、無理に荷物を抱えて、周りが見えなくなっていたんです。『私たちは家をきれいにするために来ているんだ。一人の不注意でお客様の気分を害すのはもちろん、無事に仕事を終えてホッとしているスタッフの気持ちも萎えさせるじゃないか』と上長に大目玉を食らったんです」
 痛い失敗ではあるが、この経験が、自分が何のために仕事をしているのかを再認識するきっかけになった。厳しい叱責にも思いやりを感じたと当時を振り返る小山さん。
 「社会人として必要なことは全て教えてもらっています」と笑みをこぼす。

body2-1.jpg木造住宅には強い自信を持つ同社。作業の効率化を進め、低価格を実現している

子育てを見守ってくれる会社の温かさ

 経理課長の小林晴美さんは転職組の一人で、匠技建とともに24年の歴史を歩んできた。小林課長の転職動機は、通勤時間。自宅近くに同社を探し当てたときには心躍ったが、多少の躊躇もあったと振り返る。
 「大手企業から地元の小さな工務店への転職。しかも立ち上げたばかりで、スタッフは社長と専務の二人。一旦は考えさせてくださいと引き上げたんです」
 その数日後、当時の代表(現在の会長)からぜひ来てもらえないかと電話がかかってきた。小林課長は少し考え、交渉を一つ持ち掛けた。
 「私には不動産事務の経験があり、きっと会社に役に立てる。だからもう少し給料を上げてもらえませんかとお願いしたんです。そうしたら会長は『今は無理だが、1年後には経営を安定させて必ず給料を上げる』とおっしゃったんです」
 その言葉に正直さを感じて転職を決めた小林課長、1年後に本当に給料が上がったと明かす。以来、同社にしっかり根を下ろして、発展を支えてきた。
 入社から6年後に出産を経験。子育てをしながらも勤務を続けた。
 「有り難かったのは、託児所から子どもの調子が悪いと連絡があると、勤務時間中でも早く見に行っておいでと送り出してくれたこと。何度もピンチを乗り越えることができて、本当に感謝していますね」
 夢は定年退職後にシニア留学することで、現在、終業後自習室として使える会議室でTOEIC試験のための勉強を続けているという。
 「そこでは以前学習塾に勤めていた社員が、社員やお客様のお子さんの勉強を見てくれているんです。私も一緒に机を並べていると、やる気が出てきて」と笑う。
 社員や社員の家族が成長を目指すことを快く応援する。それができるのも、社員の成長を促し、思いやる同社ならではなのだろう。

body3-1.jpg小林晴美課長の目標は後進を育てること。培った技術を伝える若い力を求めている

編集部メモ

会社の活力を保つ、たった一つの方法

 「私も後10年少しで引退するわけですから」と宮崎代表は言う。見るからにまだ若々しく、引退を口にするのは似合わない。だが、同社の創業者で前社長の渡辺一夫会長も60歳で退き、社長の座を宮崎代表に譲った。若くして後進に道を譲るのは同社のしきたりになっているかもしれない。
 「人材の回転を速くしていかないと、組織は衰退してしまいます。だからこそ元気で素直な若者に一人でも多く集まってもらって、ここで社会人として成長し、次の世代を担っていってほしいと願っています」
 前経営者の志を受け継ぎ、組織の健全な継続を優先する。この先もその志は継承されることを期待する。

edit-1.jpg監督として現場を任されれば、職人さんたちから信頼される人望も大切だ
  • 社名:株式会社匠技建
  • 設立年・創業年:設立年 1993年
  • 資本金:1,100万円
  • 代表者名:代表取締役 宮崎 昭人
  • 従業員数:21名(うち、女性従業員数6名)
  • 所在地:190-0002 東京都立川市幸町2-43-7
  • TEL:042-534-1171
  • URL:http://www.takumigiken.com