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城南地区
東邦ハウジング株式会社

東邦ハウジング株式会社 2代目への代替わりで変革を遂げた地域密着型の総合不動産会社

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2代目への代替わりで変革を遂げた地域密着型の総合不動産会社

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2代目への代替わりで変革を遂げた地域密着型の総合不動産会社

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色々なやりがいストーリー
2代目への代替わりで変革を遂げた地域密着型の総合不動産会社

 総合不動産会社として地域密着型経営を貫く東邦ハウジング。2代目代表に代替わりした今、地域密着型を盤石にするための改革と人材育成に余念がない。

代表自ら古い体質を改善

 一口に不動産会社といっても、マンション開発を専門とするデベロッパーや戸建ての建売を得意とするパワービルダー、あるいは注文住宅を扱うハウスメーカー、そして不動産仲介を行ういわゆる町の不動産屋さんなど、さまざまな業態がある。それぞれに求められる技術やノウハウが異なるため、得意とする分野に特化するのが一般的である。ところが、東邦ハウジングの経営方針はその逆を行く。注文、建売、マンションを問わず自社の建築部で設計と施工を行い、そのリフォームも手掛け、さらには不動産賃貸・売買の仲介や管理業務までと幅広い領域を網羅する。つまり、建てたい、買いたい、売りたい、直したい、貸したいといった不動産に関する全てのことをワンストップで行う総合不動産会社というわけだ。
 「こうした業態で展開できるのは、創業理念である地域密着を貫いているからです。地域で発生する需要はさまざまですから、どんな要望にもフレキシブルに応えられる体制を整備しています」と話すのは澁澤善武代表。もちろん、一つの商品だけを販売する方が効率はいい。しかし、それだとマーケットに限界が生じる。小さくとも一つひとつがビジネスとして成り立っているのであれば、川上から川下まで抱え込めば、利益率は落ちても、トータルで大きな売上になるというわけだ。さらに、例えば不動産管理業務を請け負っている大家からリフォームや建て替えの依頼が来るといった相乗効果もあるという。
 「当然、幅広い知識や技術が必要になりますから人材育成が肝になります。新入社員には実務研修やマナー研修といった基本的教育、配属後には各部門別に業務の一連を覚えるワークフロー研修、加えて不動産に関連する税金や建築知識などを先輩社員が後輩に教える勉強会も定期的に開いています」
 さらに新入社員には、日常業務に役立ち、モチベーションアップにもつながる簿記を学ばせているという。
 「建築にしろリフォームにしろ、その売上げのうちのどのくらいが利益になるのかを理解するのは基本ですよね。売上げが社内をどう循環し、人件費に材料費、外注費などでどれだけの支出があり、最終的にどれだけの利益があったのか、そうしたお金の流れが理解できていないと、今自分がやっている仕事はどれだけ会社に貢献できているのか分かりませんよね。一人ひとりが経営者的目線で日々の業務に取り組んだほうが、やりがいがあるでしょう」
 加えて選抜された30歳前後の有望社員を対象にした経営後継者育成研修を実施。外部の研修施設に3日間泊まり込んで、決算書や試算表を元に自社を分析するというこの研修で経営のイロハを学んでもらおうという試みだ。期間は1年間、月に1回のペースで行われ、その研修にかかる費用は一人あたり年間300万というから人材育成にかける思いにはひとかたならぬものを感じさせる。
 充実した教育制度が整備されたのは現代表であり二代目の澁澤代表の代になってからのこと。経営工学を学んでいた澁澤代表は教育制度のみならず、体制のほとんどを改革していったという。
 「始めはグループ会社の東邦自動車の経営を任されたのですが、課題が山積み。まさに昔の中小企業といった感じで、事務は手作業で経理は会計士に丸投げ。財務的にも売掛金や貸付金が多く不良債権も抱えていました」
 貸借対照表の項目を一つひとつ洗い出し、不必要なゴルフ会員権の売却や不良債権の償却といった棚卸しをするほか、学生時代に学んでいたというプログラミング知識を活かして売上げや仕入れと行った基幹系のシステムも構築していったという。その後、東邦ハウジングの経営も任され、同様の体質改善を行うとともに営業体制にもメスを入れた。
 「不動産業界全体に言えることですが、アフターサービスの満足度が他業種に比べて格段に低いんです。ですから、建物を購入して1か月後、半年後、1年後と定期点検を実施することにしました。不動産売買の『売買』は売って終わりの『バイバイ』と言われていたぐらいですから、転職組の営業マンは驚いていましたね」
 改革はこれに留まらない。今年の2月には自社の住宅展示場をオープンさせた。業務の軽量化を狙ったチャレンジである。
 「建設予定地の更地に机と椅子を出して営業する現場営業というのがあるんですが、あれは暑いし寒いし効率も悪いので社員にやらせたくなかった。そこで建築予定地に案内看板を建てて、住宅展示場に足を運んでもらうことにしたんです。更地一つひとつに営業マンを配置しなくて済みますし、お客様にも実物を見てもらえますからね」
 この住宅展示場に今年の3月から配属になったのが、入社2年目の阿部祐太さんだ。

body1-1.jpg数々の改革を推し進めてきた澁澤善武代表

新規営業の面白さ

 阿部さんはモデルルーム見学者の案内が主な仕事だが、それまでは本社の開発部で新規営業を、また、蒲田支店では賃貸の仲介業務なども経験。さまざまな業務に携わることで不動産に関する幅広い知識が身につくのが、東邦ハウジングの魅力という。
 「どの仕事もそれぞれに面白さがありますが、私が好きなのは新規営業ですね。ゼロから関係を築いていく過程が好きなんです」
 それぞれの営業マンに担当エリアが割り振られ、その地域の個人宅や法人を回っていくいわゆる飛び込み営業だという。飛び込み営業というとぞんざいに扱われたり体力的に辛そうだったりと、マイナスイメージを持っている人も少なくないだろう。しかし、新規営業には計り知れない面白さがあるのだ。
 「件数を回れば回るほど成果に結びつくので、そうした地道な努力をするのが好きな人には向いている仕事だと思います。それに、1回目はすげなく対応されても、2回、3回と訪問を重ねると、また来たの?なんて笑って話してくれるようになる人もいます。徐々に信頼関係を築いていって、それが実を結んだときには大きな達成感がありますよ」

body2-1.jpg住宅展示場で設備の説明をする阿部祐太さん

人との縁

 新規営業ならではのやりがいがあれば、不動産管理業務ならではのやりがいもあるというのは賃貸管理センターで主に不動産の管理業務を行っている入社12年目の加藤久美子さん。主な業務は、水道の調子が悪いとかインターフォンが壊れたといったマンション住人の困りごとへの対応。そのやりがいをこう話す。
 「ユニットバスをバス・トイレ別にしたり、畳をフローリングに変えたりといったリノベーションをすることもあるので、そうした空間デザインに興味があった私にとっては楽しい職場です。それに、オーナー様からすれば不動産は大事な財産ですから、それを信頼して預けていただける喜びもありますね」
 賃貸管理センターでは部屋を借りたい人に物件を紹介する仲介業務や売買も行っている。そこではこんなこともあったという。
 「5年前に部屋を紹介してあげたカップルが、ベビーカーを押してやってきて、『覚えていますか?』って訪ねてきてくれたんです。すっかり、お父さんとお母さんの顔になっていて、それだけでも感動したんですが、子どもができて手狭になったので、マンションを買いたいと訪ねてきてくださったんです。こうした人との縁が何より嬉しいです」
 これからも人との縁を大事にしていきたいと語る加藤さん。地域密着を掲げる同社には欠かせない人材といえよう。

body3-1.jpg「部下は自分の子どものように育ててきました」と語る加藤久美子さん

編集部メモ

土日休みと残業撤廃

 澁澤代表は勤務体制を大きく変えた理由をこう語った。
 「30代の離職者が多かった時代があったんです。その理由をあれこれ探った結果、土日に休めないからだとわかったんです。小学校に上がった子どもと一日過ごせるのは土日だけですから、本人も嫌でしょうし、奥さんも不満に思う。不動産業界は平日休みが少なくないのですが、完全週休2日制で月に2回、土日も休めるようにしました」
 さらに無駄な残業時間をなくすために、時間でパソコンの電源を落とすようにしたのだという。プライベートが充実すれば、その分仕事にも身が入るに違いない。これも経営理念の一つに加えてもいいのではないだろうか。

edit-1.jpg住まいの展示場ではマンションと戸建てを見比べられるedit-2.jpg笑顔での接客が基本と話す加藤さん