<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社トップランク 国境を超えた「人財」を集め世界に日本品質のサービスを伝えたい

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国境を超えた「人財」を集め世界に日本品質のサービスを伝えたい

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国境を超えた「人財」を集め世界に日本品質のサービスを伝えたい

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グローバル人財が等しく活躍するストーリー
国境を超えた「人財」を集め世界に日本品質のサービスを伝えたい

 中古外車のカーディーラーであり、世界に向けて日本車販売も手掛けるトップランク。十数か国の人財が活躍する同社の考えるグローバルとは?

世界約40か国に販売網を広げる

 いわゆるグローバル企業がひしめく日本の自動車産業。中国やASEAN各国を中心に、中南米、東欧・ロシアなどに生産拠点を構え、世界市場を視野に入れた態勢を整えてきた。
 だが、自動車を“作る”ほうではグローバル化が進む一方で、販売する側、つまりディーラーという業態では、残念ながらネットワークが国内で閉じていると言わざるを得ないのが実情である。言葉の問題、商習慣などの問題が大きな壁となっているのがその主たる理由といわれている。しかし、日本のディーラーが培ってきたキメ細かなサービス力は、自動車本体に匹敵する価値があるという確信を持ち、世界進出に乗り出したのがトップランクを率いる五十嵐真一代表である。
 そもそも同社はブランド価値の高い中古の外車を国内で販売するディーラーとしてスタートした。自動車を売る場合、保険や車検などのメンテナンスなども必要になることから、次第に事業領域を拡大。今では人財事業やメディア事業なども手掛けるなど、厚みある事業を展開している。
 「海外に関しては2011年にアジア・アフリカ向けとして、国内ではあまり扱っていなかった日本車の輸出を手掛けたのが転機となりました。開発途上国を中心とする国々では、日本車に多くの引き合いがあり、今では40か国、月間1,000台を超える取引量を誇るに至っています。特にミャンマーなどでは、当社が日本の中古車輸出量トップシェアを占めるまでになりました」(五十嵐真一代表)
 販売量が増えれば当然、ユーザーが増え、メンテナンスなどのニーズも聞こえてくるようになる。そこでは、カーライフをトータルに支えるディーラーとしての本分であるサービス力が問われる。現在はミャンマーのほか、スリランカやフィリピンにも拠点を構えたほか、アメリカにスポーツカー販売の拠点を立ち上げるなどして、日本流ディーラーの本領を発揮する。
 「開発途上にあるフィリピンなどはトラックが中心ですが、豊かになっていけばいい車を、いいサービスをという風に視点が移っていくでしょう。トップランクが培ってきたジャパンクオリティーのホスピタリティー精神で、世界の皆さんの期待に応えたいですね」
 五十嵐代表はどこまでも意欲的だ。

body1-1.jpg五十嵐真一代表(写真中央)と社員の距離は非常に近い。仕事のことでもプライベートでも、気兼ねなく話ができるという

世界12か国の社員たちが、会社のさらなる発展を実現

 海外関係でいえば、「人財」という視点も重要になる。同社では日本の自動車整備などの技術を身に付けたい外国人の採用と育成に力を注いでいる。
 「近年は日本の技術を学びたい外国人が増えてきていますので、当社ではいち早く受入れ態勢を構築しました。将来、当社を巣立った外国人の人財たちが自国に帰った後、世界に日本流のサービスを広めていってくれるでしょう。人の繋がりの輪を世界に広げていくことができれば幸いです」(五十嵐代表)
 同社でスキルを身に付けた彼らが、自国に帰るなどしてディーラーを興せば、中古車の仕入先には当然、同社を選んでくれるだろう。海外人財の育成は事業的にもメリットが多々ある。
 現在、12か国の社員が働いており、社員180名中、実に30名以上が外国人で占められるに至った。しかも、工場のみならず、仕入れ担当などとして本社オフィスでも海外人財を採用している。
 「世界の言葉も人種も違う人たちと取引する中で感じているのは、相手をリスペクトして受け入れることから、全てが始まるということ。先入観なく多くの物事を自分の中に取り込んでいけば、若い力たちはいつか大きく活躍できるまでに成長できるはずです」
 五十嵐代表は、社員全員が一体となって会社をさらに盛り上げていきたいと考えている。実際、会社の数字なども全てオープンにしているし、評価制度も社員が納得できるまでとことんブラッシュアップ。教育研修制度も時代に合わせて随時、変化させているという。
 さらにエンターテインメント的な要素も人財育成には欠かせないとしている。不特定の社員を十数人程度のグループに分けて、社長とともにサーフィンや登山、お寺巡りを楽しむイベントはその好例で、お互いの素顔を知る場として活用されているそうだ。
 「人生の3分の1は会社の同僚たちと時間を共有することになります。苦楽をともにしている仕事仲間と、年齢や国籍などを超えた確かな人の輪を作ることができれば、仕事でも大きな力を発揮できるのだと思っています」
 五十嵐代表の情熱が、会社をより一層団結させる力となっている。

body2-1.jpg五十嵐代表の積極的な国際戦略のもと、トップランクはディーラーの枠を超え、中古車の貿易商社という色合いが濃くなった

世界での経験を生かして、日本の自動車のブランド価値向上を支える

 世界を相手にビジネスができる環境を求めて、同社には多くの海外志向の社員が集うようになった。経営企画本部国際事業室の天神さおりさんもその一人。過去、大手企業の生産拠点で3年間ほど海外とのやり取りに携わった後、JICA(国際協力機構)の一員としてエルサルバドルでボランティア活動に2年間従事。さらにペルーの日本大使館でも3年ほど勤務していた文字通りのグローバル人財である。
 「世界の地域開発に貢献したいと思って活動していましたが、ボランティアが入るだけでは地域は本当の意味でデベロップしません。重要なのは民間企業が入って、産業を地域に根付かせていくことです。その点に気付いて、世界を舞台に活躍する民間企業を目指しました」
 様々な選択肢の中で同社を選んだのは、自動車がキーポイントだった。日本車は世界で信頼を得ているものの、海外生活をしていると中国や韓国などのメーカーの飛躍も実感。実際、富裕層の間でそうした国々の車を選ぶ人も見え始めており、今後、日本車ブランドは生き残りをかけた戦いを強いられることになりそうと話す。同社の場合、オールメーカーを扱っているだけに、まさに日本ブランドを支える力になれる。そう感じて天神さんは同社の扉を叩いたというわけだ。
 以来、天神さんは新規事業の創出に勤しんでいる。専門とするのは会社として実績が少なかった中南米の開拓。トライ&エラーを繰り返しながら、新しいネットワーク作りに励んできた。
 「会社として中南米にはほとんどコネクションがなく、しかも私に自動車の知識がなくて、難しいことは山積みです。それでも試行錯誤しながら何とかパラグアイやドミニカといった国々で取引先を増やすことができました。エクアドルでは自動車販売のみならず、部品販売のルートも確立。自分の力で販売ラインを作り上げられたことがやりがいに繋がっています」
 会社側も天神さんのチャレンジ精神に応えて、どんどんチャンスの場を与えてくれるという。停滞をせずに、成長をし続けたい――そんな貪欲な姿勢を貫き通す天神さんにとって、同社はまさに最高の環境が整っている。

body3-1.jpg世界でのボランティア活動などを経て同社に入社した天神さおりさんは今、中南米市場の開拓を任されている

人財ビジネスの立ち上げに1年目から挑戦

 大丸紗希菜さんは2016年に新卒入社した期待の若手の一人。グローバル展開していること多国籍の人財とともに働けることに共感して同社への道を選んだ。
 「面接の雰囲気も和やかそのもので、私に対して一方的に質問を浴びせるのではなく、自社のいいところも悪いところも包み隠さず話してくれました。会社の雰囲気の良さも入社の一つの決め手となりました」
 最初の半年ほどは研修も兼ねていくつかの部署を経験。1年目秋からは人財事業推進室の一員となり、自動車業界に特化した人財紹介などに携わり、会社として最も新しい事業となる人財紹介サイト「KURUMAYA.net」の立ち上げに参画。手探りでサイトを作り、整備工場やディーラーに営業をかけて求人を募った。
 新人の大丸さんには当然、自分よりも自動車業界の経験が豊富な求職者に対してもキャリアコンサルタント的にアドバイスを送らなくてはならない場面もあった。苦慮することも多かったというが、モチベーションの灯は消えなかった。年齢や性別を問わずにチャンスを与え、評価も正当にしてくれる会社だから、意欲的に前に突き進むことができたのである。
 大丸さんの目指すグローバルな仕事も十分に体感することができている。
 「人財不足に悩む自動車業界各社が多い中で、日本で技術を学んできた留学生を紹介する取組も行っています。少しでもグローバル人財の飛躍に貢献できれば幸いです」(大丸さん)

body4-1.jpg新卒1年目から大役を任されてきた大丸紗希菜さん。挑戦し続けられる環境だからこそ、モチベーション高く仕事に臨み続けている

編集部メモ

大切な人のためにできることを探し続ける

 地下鉄茅場町駅からほど近いビルの1フロアにあるトップランクの本社オフィスには、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど、世界各国の出身者が机を並べて仕事している。飛び交う言語は実に多種多様で、その豊かな国際性を傍から見ていると、カーディーラーというよりは外資系証券会社のような雰囲気も漂う。世界を舞台に活躍したいと考える人には垂涎の光景といえよう。
 そんな同社の企業理念には「大切な人のために、私たちができることを追求し続けます」の一文が掲げられている。ここでいう“大切な人”とは、目の前にいるお客様、支えてくれる仲間や家族、自分、ひいては世界中の社会そのものを指すという。そして、そうした人々を大切にするには、何よりも自分自身が「人としてどうあるべきか」を省みること、思いやりと責任感を持つことが欠かせないとしている。この“人を大切にする視点”を持っているからこそ、同社では国境を超えた多くの人財が等しく活躍できているのである。

edit-1.jpg社内の雰囲気は和気あいあい。交流の場も数多く設けられており、普段からのコミュニケーションも活発だ

  • 社名:株式会社トップランク
  • 設立年・創業年:設立年 2002年
  • 資本金:3,000万円
  • 代表者名:代表取締役 五十嵐 真一
  • 従業員数:180名(内、女性従業員数45名)
  • 所在地:104-0033 東京都中央区新川1-3-3 グリーンオーク茅場町2階
  • TEL:03-6222-8338
  • URL:https://toprank.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください