<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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中央・城北地区 株式会社トータルオーエーシステムズ

株式会社トータルオーエーシステムズ 社内プロジェクト研修でチームワークを養い、人間力を磨く教育スタンス

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社内プロジェクト研修でチームワークを養い、人間力を磨く教育スタンス

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中央・城北地区

株式会社トータルオーエーシステムズ

社内プロジェクト研修でチームワークを養い、人間力を磨く教育スタンス

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人間力を育む若手社員育成ストーリー
社内プロジェクト研修でチームワークを養い、人間力を磨く教育スタンス

 システム開発を手掛けて32年のトータルオーエーシステムズ。設立2年目からの新卒採用で養ってきたノウハウで若手育成に努める。

実践形式のチーム研修などを取り入れ、“人間力”を研磨

 今でこそデータベースの活用は当たり前になっているが、同社が設立された1983年当時はまさにITの黎明期。情報システム構築を手掛ける企業はまだ少なく、誕生間もない同社にもチャンスが巡り、農林水産系銀行の大規模なプロジェクトを受注。データベース活用の礎を築くと同時に信用を勝ち取ってきた。
 飛ぶ鳥を落とす勢いがあったのだろうが、設立2年目から早くも新卒採用をスタート。しかし、新卒人材の教育に注力するには、時間にも人員にも十分な余裕があったとはいえない状況だったはずだ。それでも将来を見据え、社員育成に最大限の労力を注ぎ込んできた同社のエネルギーは並々ならぬものを感じさせる。
 新人教育を円滑なものにしようと設立5年目には「教育部」を立ち上げ、社員教育の専任メンバーが研修をカリキュラム化。同時期に「新人教育委員会」も設置し、社内のトレーナー認定をパスした先輩社員が入社1年目の社員の指導役・相談役を務める体制を作り上げた。
「ITエンジニアの担う役割は多岐に及び、チーム内外の連携が欠かせません。そこで私たちが重視するのは、人間力の強化です。多様な価値観をもった社員同士が交流する場を多数設け、チームワークを重視した研修・教育を行っています」
 池澤和幸社長がそう語るように、同社には技術研修はもちろん、社内プロジェクトによる実践形式のチーム研修やグループワークなど、社員一人ひとりがチームにどう貢献できるのかを導き出せる機会を多数設けている。

body1-1.jpg「様々な人との出会いに恵まれ、チームでプロジェクトを成し遂げられることがこの仕事の魅力」と語る池澤和幸社長

チームやユーザー・後工程を意識することの重要性を学べた

 2015年新卒入社の大木友乃さんにとって、配属前に参加した実践形式のチーム研修が大きな糧になったという。
 「同期の仲間が2つのチームに分かれ、教育部のベテラン社員を発注者として、社員向けイントラネットのシステム構築に挑みました。チームでは、企画・要件定義、プログラミング、全体の統括など、それぞれが持ち味を活かした役割を分担し、私はプログラミングを主に担当。みんなで“こうしたらユーザーがもっと使いやすくなる”という視点で意見を出し合い、文字の色やフォント、レイアウト一つひとつに改善を重ねていきました」
 学生時代には自分の作りたいものを好きなようにプログラミングしていたという大木さんにとって、ユーザー目線に徹し、チームの意見を集約して作り込んでいく過程はとても新鮮。後工程の運用・保守のことまで考え、一人よがりではなく「誰が見てもわかるソースコード」を書くことの重要性も学べたという。さらに、同期メンバーと様々な考え方を出し合い、力を結集して挑むモノづくりに、一人で行うプログラミングでは得られない達成感を味わえたという。

body2-1.jpg「会社説明会で社長の優しい人柄垣間見たことが入社の決め手でした」と笑顔で振り返る大木友乃さん

プロジェクト配属後は、トレーナーの存在が大きな支えに

 充実の研修を経て大木さんは、金融系システムの運用・保守チームに加わり、運用の効率化・平準化に寄与するツール作りを担当。
「大規模なシステムのため、プログラムが幾通りにも細分化され、その運用には当社だけでなく様々な企業の皆さんが携わっています。ここで私の所属するチーム役割は、多様な人々が業務品質を一定に保てる仕組み作りです。研修とは規模の大きさが格段に異なりますが、様々な方々の意見を集約し、ユーザーや後工程を意識がして制作するという、研修で学んだことが日々の業務に活きています」
 大木さんは研修の手応えを語るものの、配属当初は周りのみんなに馴染めるかどうか不安を隠せなかったという。その不安を和らげてくれたのが新人教育委員会のトレーナーの存在だった。
 「ほとんど初対面の人たちの中で、右も左もわからない状態。そんな私にセキュリティのルールから丁寧に教えていただき、“わからないことがあったらいつでも聞いて”という言葉はとても心強いものがありましたね」
 頼れる存在であり、身近な目標にもなるトレーナーの指導を受けた大木さんは、「私もいずれは後輩の支えになり、目標にしてもらえるような先輩になりたいです」と未来に向けての抱負を語ってくれた。

body3-1.jpgPCに向かうばかりではなく、身近な仲間と相談しあいながらプロジェクトを推進していく

社員同士のつながりを通じて、新たな目標も見つかった

 同社では入社後の研修のみならず、内定者を対象とした研修も充実させ、eラーニングや月1回の集合研修を通じて、早い段階から社会人やエンジニアとしての基礎を養っている。内定者研修は約6カ月、入社後の研修と合わせると、新人研修は約9カ月におよぶ手厚さだ。
 2014年新卒入社の北島治城さんは、物理学科出身。情報処理に関しては基礎知識の習得からスタート。入社前から研修を通じて基礎を固められたことが大きかったと振り返ると共に、“絆”を深められたことが何よりの収穫だったと話す。
 「集合研修を重ねることで、入社前から同期の仲間や上司・先輩と交流を深めることができました。研修を受け始めた当初の私は、学生気分をそのままに、課題提出が遅れることもしばしば。そんな私に、教育部の講師陣は社会人としての心構えから親身に指導してくれて、今も家族のように何でも相談できる存在です」
 プロジェクト現場に常駐後も、会社に戻れば教育部をはじめ上司・先輩が温かく迎えてくれて、部署の壁を越えて食事に出かけることも少なくないといい、お互いのプロジェクトについて話しながら、多方面に視野と興味の幅を広げているそうだ。
 「私が今担当するのは、官公庁の情報システムの運用・保守。プロジェクト全体に視野を広げていくことが今の目標です。さらに、他プロジェクトの先輩・同期からも刺激を受け、Webデザインへの興味も高まっているところです。HTMLのプログラミングスキルを学び、資格取得にも挑みたいと思っています」
 チームワークの重要性を知り、刺激しあい、一人ひとりが自分なりの目標に向かって力強い歩みを進める同社の若手社員たち。知識を教えるだけではなく、人間力を磨く同社の教育スタンスが、そこに結実していると映った。

body4-1.jpg社内に戻れば仲間と談笑しながら近況報告。「同僚とのつながりが心強い」という北島治城さん(右)

編集部メモ

社外との交流の場も設け、若手社員の視野拡大を後押し

 金融・流通・サービス・製造・官公庁など、幅広い業種のシステム構築を手掛ける創業32年の歴史は、最新技術への挑戦の連続だった。昨今話題のビッグデータの活用にも約15年前からいち早く着手し、現在はIoT領域へも活躍の場を広げようとしている。
 「IT領域がますます多様化する中、エンジニアにとって重要なのは、自分はどんな道に進みたいのかという目的意識を持つこと」とは、エンジニア出身の池澤社長。同社は富士通ソフトウェア協議会に加わり、新入社員は、企業の壁を越えて意見交換を行う同協議会のセミナーにも参加。「自ら興味をもち、自分が主体となって目標に向かうからこそ、仕事も楽しくなり、学ぶ意欲も掻き立てられるんです」と池澤社長。社外との交流の場もまた、幅広い視野を育む絶好の機会になっているに違いない。

edit-1.jpg理系・文系を問わず、多様なバックボーンの人材が集まり、お互いを高め合うのが同社のスタイル
  • 社名:株式会社トータルオーエーシステムズ
  • 設立年・創業年:創業年 1983年
  • 資本金:3,000万円
  • 代表者名:代表取締役社長 池澤 和幸
  • 従業員数:215名(内、女性従業員数20名)
  • 所在地:163-0906 東京都新宿区西新宿2-3-1新宿モノリス
  • TEL:03-6279-0081
  • URL:http://www.totaloa.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください