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多摩地区 東洋システム株式会社

東洋システム株式会社 多摩地域に根ざして40年。多岐にわたって展開するITソリューションは飽くなき挑戦の証

東洋システム株式会社

多摩地域に根ざして40年。多岐にわたって展開するITソリューションは飽くなき挑戦の証

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多摩地域に根ざして40年。多岐にわたって展開するITソリューションは飽くなき挑戦の証

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チャレンジストーリー
多摩地域に根ざして40年。多岐にわたって展開するITソリューションは飽くなき挑戦の証

 生産・物流システムの開発からデジタル機器の組込みソフトウェア開発まで、東洋システムが手掛ける事業は多岐にわたる。その根底にあるのは挑戦の二文字だ。

先見の明で70年代にIT企業を立ち上げる

 立川に本社を構えるITサービスソリューション企業、東洋システム。生産・物流・販売・会計などの業務システムの開発から保守・運用、Webサイトやネットワークの構築、あるいはデジタル機器に組み込まれているソフトウェアの開発など、同社が提供するサービスは幅広い。一言で表すならば、情報技術を駆使して企業が望んでいることを叶えたり困りごとを解決したりする会社である。
 「ITを使ってお客様の役に立ちたい。仕事はどんなものでもやってみせる。そんな気概で会社を立ち上げました」と話すのは同社の飯田哲郎社長。立ち上げは40年前の1976年。70年代といえば、戦後復興から東京オリンピック、大阪万博と急速に成長してきた日本経済が一服を迎えた時期。加えて72年に発表された日本列島改造論と73年のオイルショックが相まって急速に物価が上昇。世にいう狂乱物価が起こった時代でもある。
 「世の中全体が不安定でしたから、会社に勤めていても不安、自分で会社を起こしても不安。だったら、自分で舵を取れた方がいいと思い、もともと勤めていたシステム開発会社を辞めて独立に踏み切りました」

body1-1.jpg大学で特別招聘教授も務めている飯田哲郎社長

挑戦の二文字を胸に

 創業当初は銀座近くに拠点を置いたというが、数ヶ月後には地元拝島に拠点を移した。
 「当時、多くのソフト会社が都心に本拠地を置いていましたが、クライアント先は郊外にあることが少なくありませんでした。だったら、わざわざ都心に置く必要はない、地元拝島で商売をしようと思いました」
 大手の工場を中心にJR拝島駅から車で15分圏内の会社をしらみつぶしに廻ったという。どんな仕事でもやるという言葉通り、ワープロのドット作りや工場の棚卸しの入力作業など、顧客が望むことを実現しようと果敢に挑戦しフレキシブルに対応していった。この姿勢こそが、現在、幅広いITサービスソリューションを提供する東洋システムの原点といえよう。
 「創業当時から挑戦の二文字を胸に新たな分野を開拓してきました。目標を定めれば自分が目標に近づいていくというのもありますが、その目標を意識し口にすることで目標から自分に近づいてくることもある。常にこんな自分になりたい、こんな仕事がしたいということを考え、今日までやってきました」

body2-1.jpg自分が先輩にフォローしてもらったように後輩をフォローしていきたいと話す金子慎一さん

社員に受け継がれるチャレンジ精神

 そんなチャレンジ精神が功を奏し、多摩地区に拠点を構える大手企業や金融機関からの案件を請け負うようになり、現在では社員数150名、20年間黒字経営という優良企業に成長した。それもひとえに「多摩地域の企業の方々に支えられてきた結果」と話す飯田社長の地元愛は強く、「たまIT連絡協議会」や「たちかわIT交流会」といった地域に根ざした組織の会長も務めている。そうした縁でまた新たなビジネスに発展することもあると飯田社長。その一つが最先端の情報技術を用いてマラソン大会のタイムを計測する事業だ。
 「RFIDという技術を使った計測法です。レジのバーコードリーダーに似ていますが、あれは一つひとつバーコードをスキャナーで読み取っていくのに対して、RFIDは電波で一気に複数のタグを読み取れます。このRFIDタグを選手のタスキやゼッケンに付けて、スタート地点やゴール地点に設置した検知機器でタイムを測定するというわけです。数千から数万人が参加する大規模な大会にも対応できるんですよ」と話すのは、入社7年目、開発本部のチームリーダー、金子慎一さん。普段は生産管理システムの保守・運用や改善提案といった仕事を担当。タイム計測はウェルネス部という部署の案件というが、同社がタイム計測を受注したマラソン大会が土日にあるときには、自主的にサポートに入っているのだという。
 「朝は早いですし体力的にきついと思うところもあるんですが、他部署の人たちとの交流にもなりますし、何より自分の知らないことや新しいことに挑戦するのが楽しいんです」
 このマラソンの案件がきっかけで、自身も走ってみようと思い立ち、普段所属する保守チームのメンバーを誘って多摩地域のマラソン大会に出場したこともあるという。
 「普段の業務でも、ビックデータの活用方法、活用ツールをはじめとした最新の情報技術を敏感にキャッチし、クライアントが必要としている新しいソリューションを提案できるよう頑張っていきます」
 企業理念でもある挑戦の精神を持った社員は金子さんだけではない。総務部の中村美桜さんもその一人だ。
 「総務部として電話や来客対応、資料作成といった業務をこなしていますが、各部署から要請があれば開発の仕事に挑戦することもあるんです」
 学生時代はバリバリの文系だったという中村さんは入社早々、開発の仕事に携わったという。ずらっと並んだ名簿データを、システムで読み込めば決められたフォーマットの書類に変換できるというのが求められた要件。600ページ程もあるマニュアルと首っ引きで業務に取り組んだと当時を振り返る。
 「上司のサポートもあって、無事納品できました。苦労を補って余りある充実感がありましたね。総務といっても事務仕事だけでなく色々な仕事をやらせてもらえるので、働きがいがあります」
 今後も幅広い業務にチャレンジして成長していきたいと語る中村さん。「学生時代はシステム開発の仕事に関わるなんて想像していませんでしたが、やってみるとすごく面白い。これからも先入観を持たず色んなことに挑戦していきたいです」と語る。就職活動の参考にもなる言葉だ。

body3-1.jpg「色々な仕事に携われるのでやりがい十分です」と話す中村美桜さん

編集部メモ

多摩から世界へ

 社名に東洋と冠しているように創業当初から中国、インド、ASEANといった海外も視野に入れていたという。その構想は着々と進められており、現在、中国の上海に現地法人を保有している。
 「合言葉は『多摩発!先端技術でグローバルにチャレンジ』。中国やインドの他にもベトナムやラオス、フィリピンなどにも定期的に訪問し、現地企業や学生とも親交を深めています」
 東洋システムの挑戦はまだまだ続く。きっと、「多摩」の名を世界に広めてくれるに違いない。

edit-1.jpg社員の健康のために社内でストレスチェックも実施しているedit-2.jpgバイタリティ溢れる社長のそばで働くことが良い刺激になっているという中村さん