<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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多摩地区 株式会社ワイエイシイデンコー

株式会社ワイエイシイデンコー 海外で躍進する熱処理装置メーカー。社内活性化委員会の活躍で、風通しの良い職場環境を実現。

株式会社ワイエイシイデンコー

海外で躍進する熱処理装置メーカー。社内活性化委員会の活躍で、風通しの良い職場環境を実現。

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多摩地区

株式会社ワイエイシイデンコー

海外で躍進する熱処理装置メーカー。社内活性化委員会の活躍で、風通しの良い職場環境を実現。

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社員の働きやすさ改革ストーリー
海外で躍進する熱処理装置メーカー。社内活性化委員会の活躍で、風通しの良い職場環境を実現。

 遠赤外線ヒーターをはじめ、様々な熱処理装置の設計、製造、販売に携わるワイエイシイデンコー。専門性の高い業界でありながら、第一線で活躍する女性に焦点をあてた。

遠赤外線による熱処理装置

 「一般的に加熱というと、直火となるバーナーやドライヤーのような熱風などがありますが、弊社が創業以来、得意としてきたのは遠赤外線による熱処理装置です」と説明するのは福田辰徳社長。
遠赤外線は分子や原子に作用し熱を起こす。そのため熱損失が少なくランニングコストが低く抑えられ、しかも熱風加熱方式の微粒子状のゴミが出ないのでクリーンな環境での処理が可能なのだという。同社ではこの技術でテレビやスマートフォンなどの液晶ディスプレイ用のガラスを加工する熱処理装置などを製造している。
 「ガラスを洗浄した後の乾燥やガラスに塗布した材料の定着など、様々な場面で熱処理が施されます。それぞれの工程に合わせて、装置の大きさや最高使用温度をカスタマイズした製品を製造しているんです」
 テレビ放送のデジタル化で勢いが増した液晶ディスプレイだったが、グローバル化の中で総合電機メーカーが撤退。同社の顧客も、中国や台湾といったアジア諸国が増えているという。
 「遠赤外線を用いた熱処理装置製造の草分けとして業界をリードしてきたと自負しています。このノウハウをもとに積極的に諸国へ営業をかけた結果、創業以来の最高益を記録しました。今後も、営業に力を入れるのはもちろん、より付加価値の高い装置を製造するための研究も怠りません。中小企業でも海外に進出しようという積極性が必要ではないでしょうか」
 社内でも自主性や積極性を常日頃から社員に説いているという福田社長。「世の中に出て会社の門をくぐったのだから、社長と社員ではなく、お互いプロとして向き合いたい」と話す。こうした社長の姿勢を受け、社員が社内活性化委員会を設立するに至った。その立ち上げメンバーであり、副リーダーを務めていたのが入社13年目、資材部購買課の山口真奈美さんだ。

body1-1.jpg熱処理装置について説明する福田辰徳社長

社内活性化委員会とは

 「活性化委員会の目的は、社内のコミュニケーションを円滑にし、絆を深めることで働きやすい職場を作ることです。例えば、社員と社長が気軽に話せるお茶会を開いたり、スポーツ大会やバーベキュー大会などを企画してきました。社長は色々なことに挑戦してほしいと仰ってくれるので、私自身も楽しみながら活動できていました」
 社員同士のコミュニケーションツールとなる社内誌も3か月に1度発行。「技術めし」と題した料理自慢の男性社員による料理コラムを連載するほか、社員の結婚や出産報告なども掲載しているという。また、七夕の季節には笹を飾り、クリスマスの時期にはツリーを出す。山口さんは「小さなことかもしれませんが、その積み重ねで社内の雰囲気が良くなっていくんだと思います」とその影響を語る。事実、同社に勤める社員は居心地の良い会社と口を揃える。
 活性化委員会を退任した現在も、従業員委員会の委員長という新たなステージで奮闘中の山口さん。社員の要望を会社に上げたり、賞与交渉などをしているという。
 「今年の4月に就任したばかり。これから2年間任期があるので、より良い職場環境を作っていきたいと思います」
 同社には山口さんのように女性視点を活かしながら活躍している社員が多い。FPD(フラットパネルディスプレイ)営業部FPD営業課の三浦美貴さんもその一人だ。

body2-1.jpg「女性の管理職がどんどん誕生していってほしいです」と話す山口真奈美さん

自主性を重んじる社風

 入社3年目の三浦さんは大学時代に中国文学を専攻。それを生かしたいと中国と取引のある同社を選んだという。
 「決め手は若手のうちから大きな仕事に携われること。実際に1年目から海外営業を任せてもらい、充実した毎日を過ごしています」
 三浦さんの仕事は、顧客の要望の聞き取り、装置の仕様決め、契約内容の精査、価格の検討など幅広く、ときには海外出張もあるという。
 「弊社は設計もしますので、図面の細かいやり取りなどは直接した方が確実と顧客のところへ出向くことになるんです。専門用語も多いので最初は苦労しましたが、今では理解でき、こちらからの提案もできるようになってきました。営業の仕事は、こうしなければならないという型がないので、若手ながら裁量を持って働けています。やらされる仕事よりもやりがいは大いにありますね」
 風通しの良い社風が根付いているため、上司が帰らないと帰りにくいという雰囲気もなく、急ぎの用事がない限りは17時30分の定時で退社できているという。加えて、1年目から有給休暇も気兼ねなく取得でき、現在まででほぼ100%を消化しているという三浦さん。さらに女性が活躍できる環境が整っていると話す。
 「女性だから、若いから、という理由で大きな仕事を振ってもらえないということはありませんし、逆に特別待遇を受けるということもありません。営業としてバリバリ働けるこの環境はありがたいですね」
 確かな技術と海外進出を背景に自主性を重んじ、風通しも良いという同社。仕事とプライベートの充実を求める女性にはぴったりの職場だろう。

body3-1.jpg中国語でメールや電話対応もこなすという三浦美貴さん

編集部メモ

積極性があれば様々なチャンスを貰える

 購買課の山口さんの業務は熱処理装置の部品の調達。入社当初は設計部で作成された部品表を頼りに発注をかけるといった事務的な仕事が多かったというが、現在では部品工場へ赴いて価格の交渉をしたり、品質チェックも行っている。
 「会社としてもどんどん外に出て色んなことを吸収して来いという方針なので、ずっと会社の中でパソコンに向かっていたころに比べ、やりがいが大きいですし、何より働いていて楽しいです。今後は他部署の仕事も覚えるなどしてオールマイティーに活躍していきたいと思っています」
 積極性があれば、様々なチャンスを与えてくれる会社と言葉を継ぐ。
 「私自身も最初は事務職で入社したのですが、仕事の幅はどんどん広がっています。今では工場回りや従業員委員会の委員長を務めるなど、様々なことに挑戦できています。男女関係なく、やる気のある人にとって働きがいを見つけやすい職場だと思いますね」

edit-1.jpg風通しの良い社風の中、誰もが自主性を持って活躍しているedit-2.jpg同社が製造している熱処理装置
  • 社名:株式会社ワイエイシイデンコー
  • 設立年・創業年:設立年 1961年
  • 資本金:3億9,800万円
  • 代表者名:代表取締役社長 福田 辰徳
  • 従業員数:91名(内、女性従業員数9名)
  • 所在地:198-0023 東京都青梅市今井3-7-8
  • TEL:0428-32-2611
  • URL:http://www.yac-denko.co.jp
  • 採用情報:ホームページよりお問い合わせください