<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 コスモ計器

株式会社 コスモ計器 エアリークテスターのリーディングカンパニー<br>ジャパン・アズ No.1に導いたリークテスト技術

株式会社 コスモ計器

エアリークテスターのリーディングカンパニー
ジャパン・アズ No.1に導いたリークテスト技術

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輝く技術 光る企業

株式会社 コスモ計器

エアリークテスターのリーディングカンパニー ジャパン・アズ No.1に導いたリークテスト技術

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  • 社名:株式会社 コスモ計器
  • 設立年月:1970年6月25日(昭和45年)
  • 資本金:7,200万円
  • 代表者:古瀬 智之
  • 所在地:【本社】東京都八王子市石川町2974-23
    TEL:042(642)1357(代)
    FAX:042(646)2439
  • 公式HP:http://www.cosmo-k.co.jp/
  • 戦後日本の高度成長を支えていたのが、日本製品の高い品質を証明し保証できるようにした、数多の中小企業が開発した画期的な技術。コスモ計器もそのような技術を開発した中小企業の一つ。同社の主力製品であるエアリークテスタ(空気漏れの試験)は自動車メーカーの悲願であった「水没させない漏れテスト」を実現。日本の自動車産業の検査組み立て工程において革命をもたらした。今回はそんなコスモ計器を訪ねた。
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業種

エアリークテスタ(気密を要する部品の洩れ検査機)の製造、販売
工業用計測機器製造販売、工業用プラスチック製品製造販売、計測器の校正業務

「水没させない漏れテストをしたい」という至上命題に挑戦した先代社長

「当社がエアリークテスタ(空気漏れの試験)を開発するまでは、どこもエンジンの漏れテストは全て水没させるしかなかったのです」と話すのはコスモ計器の古瀬社長。コスモ計器の創業は、日本の自動車産業の黎明期にさかのぼる。 古瀬社長の先代は、あるとき、計器メーカーの技術者であった頃に自動車メーカーの開発担当者から相談を受けた。それは「日本の自動車を海外メーカーと互角に戦えるようにしたい。そのためには、気密性の検査を今までのように一つ一つ水没させていたのでは手間もコストもかかってしまう。なにかいい方法はないだろうか?」という、当時としては極めて困難な課題だった。 しかし先代社長は引き受け、特注品として開発し、納入した。 しかし、計器メーカーでは製品化には至らず、エアリークテスタの将来性を信じた先代は独立を決意。より完成度の高いエアリークテスタ開発を目指して町田の自宅を工房に改造、地道な開発がスタート。悪戦苦闘の日々の中で積み上げた工業用計測技術は、やがて気密を要する部品や完成度の漏れ(リーク)を察知する検査技術として完成、国内初のエアリークテスタが誕生した。リークテスト技術を主力とするコスモ計器は、このような地道な技術開発への熱意から誕生した企業なのだ。

cosmo-keiki_ph01.jpg 古瀬 智之社長

あらゆる業種・業界の製造現場でリークテスタ技術は活躍しています。

一方、自動車メーカーでは、水没させずに漏れテストができることで、大幅な時間とコストの両面での削減が可能となった。さらに、当時のエンジンは鉄製が主流であったために水没させることでさび等が発生するリスクを低減させることにもつながった。現在では自動車メーカー各社の生産ラインに、必ず装着されているエアリークテスタは、当時の日本の自動車産業に高い品質と量産化をもたらし、日本経済が高度成長へと向かうきっかけを創ったのだった。 「当社の売上の約6割は自動車メーカーおよび部品メーカーですが、その他では、ガス機器や医療機器、電子部品、電気機器や食品容器等の気密性・水密性検査にも採用されています。あらゆる産業製品の製造現場にリークテスタ技術は導入されているといっても過言ではありません」と語る古瀬社長。 それは、コスモ計器のリークテスタ技術が世界のトップクラスであり、しかも、漏れ検査においては、必ずコスモ計器に相談や発注があるということの証明でもある。 「CMでもよく知られている防水性の携帯電話も、多くの場合、当社が漏れ検査を担当しています。また、小さいものでは、2ミリ四方程度のクオーツ発信器の検査機器も開発しました。これは、当社が開発した特許技術を採用し、非常に精度の高い漏れ検査で全自動全数検査を行っているのです。最近のお客さまの要望によっては、モバイル機器の片側だけというのもありますし、電線をまたいで漏れ検査をしたいという要望もあります。その場合にエアをシールドする硬度の低いゲル素材も独自で開発しました。その素材は今度健康機器に応用できないかということで模索中です」(古瀬社長)。

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世界で評価される企業の哲学、『技術の前には上下はない』

「国内で鍛えられた技術は、海外でも高い評価を受けています。特に当社の場合は、お客様の工場への納品した後の不具合や調整のために、スキルのあるエンジニアをお客様の工場の近隣に配置することが必要です。現在、国内は8営業所、4か所のサービス拠点、海外は11のサービス拠点を配置、順次拡大もしていく予定です」と語る古瀬社長。 営業戦略・販売戦略についても、エンジニアとして古瀬社長からはモノづくりの精神を大切にする姿勢が伺える。 さらに、「当社は、差圧計や空気作動弁等、製品の中枢となる部品は、全て自社で開発している技術開発型の会社です。したがって『技術』を探求する場面では、上司も部下も関係ありません。自由闊達な意見交換をするべきです。特に開発の現場では、若手の柔軟な発想が大切ですね。それとともに、何よりもモノづくりが好きで、腰を据えて物事に取り組むことができる社内の雰囲気を大切にしています」と同社が最近重視していることを話してくれた。 世界で評価される製品・サービスを提供できる企業には、明確な哲学というものが存在しているということがわかった。

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モノづくり集団であるためには『石の上にも5年』は待とう

コスモ計器が求める人材、それは、常に探究心と向上心を兼ね備えたエンジニア。 「今の時代は、受験にしても試験にしても、性急に答えを出すことが求められているように感じますが、当社にそのような人材は、必要ありません。本当にモノづくりが好きであること、そして一つのことをとことんまで突き詰めていくことができる人に、入社して欲しい」と古瀬社長は穏やかな笑顔ではありながらも、熱を込めて語る。 一つの技術を習得し自分のモノとして、今度は新たな技術を開発するというサイクルでは、社長自身が経験則で、ある程度の時間は必要であると痛感しているからだそう。 「企業ですから利益を生まない人材を抱え込むことが許されるわけではありませんが、5年程度はしょうがないかなと考えています。モノづくりの現場は簡単には答えが出ないわけですから。本当にじっくりと腰が据えられる覚悟を持てる人材を求めているのです」(古瀬社長)。 同社がある八王子エリアは工業団地で、小ロット生産をするには、最適な場所。中小企業一社ではなかなか出来ない加工作業や部品の調達をサポートする企業が近隣に多数存在し、さらには大手企業の工場もあることから、人材の交流も盛んなのだ。このような環境は自然に発生してきたものとはいえ、コスモ計器にとって特にかけがえのない財産といえる。モノづくりをとことん愛する古瀬社長が率いるコスモ計器が手掛ける検査機器は、今日も大手企業の製造現場で活躍し、飛躍していくだろう。

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先輩インタビュー
ようこそ、高みを目指す匠集団へ

技術本部 デバイス開発室
杉村 直哉さん 三橋 翼さん

私たちが所属している技術本部 デバイス開発室は、エアリークテスタの新製品開発を担当しています。そのためには、高専や大学で学んできた専門分野以外も含む幅広い知識や技術を日々吸収しています。本当に、毎日勉強させてもらっているという感じです。
休日は、運動をしたりゲームを楽しんだりと仕事以外のことをしてリフレッシュする機会も多いのですが、その中で、「これはなんか今開発している製品につかえそう!」と閃いてしまうことも(笑)。学生時代には、気にしなかった文房具のデザインや使いやすさにも、自然と目が行くようになりました。そのことが、製品設計の際に、見た目が良くて工具が噛みやすいカタチであるか等、新たな視点を開発する製品に吹き込むことに役立っています。 当社のよさは、とにかくエンジニア冥利につきるような環境が用意されているというところですね。自分達が生まれる前から現役で動いているエアリークテスタが、お客様の工場から送られてくることがありました。歴史を感じるとともに、当社の基礎技術の高さに驚き、そのような企業で技術を学ぶことができることを誇りに思いました。また、先輩エンジニアが自分達のような若手に対して、懇切丁寧に技術指導して下さることもありがたいと感じています。 ようやく、入社して携わっていたプロジェクトが完成を迎えました。専門性が高く、しかも広範囲な知識・技術が求められる新製品の開発ではありますが、自分自身の成長を体感しています。モノづくりが好きな人、そして人同士のコミュニケーションを通じてより自身の成長をしたいと考えている方と仕事をしたい。エンジニア冥利につきる私たちが、今度はそのような環境を用意したい、そのように考えています。

cosmo-keiki_ph08.jpg 杉村 直哉さん
cosmo-keiki_ph10.jpg 三橋 翼さん
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