株式会社 コスモテック
株式会社 コスモテック
人気のスマホやタブレット端末に使われる機能性フィルムを開発
粘着・耐熱・耐傷などの機能性フィルムを顧客の細かな注文に応えて個別に開発・製造。海外との取引を積極展開
株式会社 コスモテック
人気のスマホやタブレット端末に使われる機能性フィルムを開発 粘着・耐熱・耐傷などの機能性フィルムを顧客の細かな注文に応えて個別に開発・製造。海外との取引を積極展開
- 社名:株式会社 コスモテック
- 設立年月:1989年11月
- 資本金:6,000万円
- 従業員数:43名 (2019年1月現在)
- 代表者:代表取締役 高見澤 友伸
- 社員平均年齢:36.5歳
- 初任給:180,000円以上
- 主な勤務地:東京都立川市錦町5-5-35
- 休日:土日、有給休暇、夏期・冬期休暇
- 本社所在地:東京都立川市錦町5-5-35
- 電話番号:042-526-1411
- 公式HP:http://www.cosmotec.ne.jp/j/j_index.html
- ・人気のスマホやタブレット端末などに使われる機能性フィルム
- ・顧客の要望に個別対応。細かな要望にも応え、機能性を具現化
- ・人気タブレット端末の製造過程で使われる保護フィルム
業種
・粘着製品の印刷・加工・開発及び製造販売
・粘着シート・テープの開発及び製造販売
・印刷インクの開発製造
・転写シール(熱・溶剤・感圧)の開発及び製造販売
・上記に関するコンサルティング
事業紹介
「機能性フィルム」の総合ソリューションプロバイダ
当社は創業以来「機能性フィルムメーカー」として、一貫してお客様のニーズに応える技術提案事業を展開しており、自社ブランドであるコスモタックとして販売をしております。当社の「機能性フィルム」は、スマートフォンやタブレット、パソコンの画面輝度や電池寿命をきめる重要な部品として、見えないところで活躍しています。
その他、リチウムイオン電池用温度センサーや、電子部品生産工程用フィルム、クレジットカード搬送用テープなど、身近にありながらも非常にニッチな製品群で、蓄積されたノウハウをベースに、機能性フィルムの開発から品質保証までの総合ソリューションを幅広い分野で提供しています。
さらにそこではスピードを重視した事業展開によって、お客様のニーズを短期間で具現化しております。
【事業内容】 人気のスマホやタブレット端末などに使われる機能性フィルム
携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などを分解してみると、その中から、フィルムがいくつか見つかるはずだ。液晶パネルの一部品として、あるいは細かな電子部品を固定するテープとして。そうした用途に使われる機能性フィルムを作っているのが、コスモテックだ。同社製フィルムは人気のスマホやタブレット端末、カーナビなど、私たちが普段から使っている製品の中に、かなりの確率で含まれている。 同社が作るフィルムの機能は、さまざま。粘着力がある、傷が付きにくい、傷が消える、紫外線を防ぐ、熱に強い、滑りやすい/にくい、指紋が付きやすい/にくい、光を反射する/しない、といった機能を備えている。
ゴミなどが付着していないか、出荷前の最終チェック
【独自戦略】 顧客の要望に個別対応。細かな要望にも応え、機能性を具現化
コスモテックは前項で挙げたようないくつかの機能を組み合わせ、「色は青味を帯びていて、粘着力が程々にあるものを」といった顧客の要望に応えられる機能性フィルムを個別に作り上げていく。 機能性フィルムを扱っている企業は他にもあるが、かなりの出荷量が見込めないと、そこまで細かな要望には応えてくれない。細かな要望にも丁寧に応えてみせるところが、同社の強みになっている。 もう1つ、同社がこだわっているのは対応の速さ。値段も機能・性能も大きく変わらないなら、顧客は対応がいい会社に仕事を頼みたいもの。朝に来た問い合わせには、遅くとも午前中に回答するように徹底。総合的な対応力のよさが顧客の信頼につながっている。
同じフロアで一緒に働く。その場で対応状況を
確認するなど、迅速な対応が徹底されている
【プロジェクト】 人気タブレット端末の製造過程で使われる保護フィルム
自社で開発した製品は、「COSMOTAC」というブランドで販売している。その中でも、一番の売れ筋になっているのが液晶パネルの保護フィルムだ。 保護フィルムとは言っても、私たちの目に触れる機会はまずない。液晶パネル工場で作った液晶を、スマホ等を組み立てる工場に運ぶ際、表面に傷が付かないように保護する製品だ。 従来品では、組み立て工場でフィルムをはがす際、フィルムを液晶に貼り付けるのりが残ってしまい、不良品扱いになることがあった。そこでコスモテックは1年半かけて、のりがほとんど残らないフィルムを開発。いくつかのメーカーに売り込んだところ非常に評価が高く、人気のタブレット端末を製造する企業にも採用されるようになった。
こちらはスマートフォンの内部で電子部品などを
固定するテープ。いくつも売れ筋製品を生み出している
社長メッセージ
もはや“国境”ではなく“県境”。縮まった外国との距離感に見合った速さで動こう
代表取締役
高見澤 友伸さん
――貴社の製品は、かなりの割合が海外向けに出荷されていると伺いました。
当社製品はほとんど、タッチパネルなどの液晶パネル関連で使われています。出荷先は大半が海外ですね。
家電業界の話になりますが、これまで当社のような中小企業は、どこかの国内大手家電メーカーと強い結び付きがありました。その企業の要望に応えてさえいれば、製品が売れる時代が続いていました。
それが海外の家電メーカーが台頭してきたことで、国内大手家電メーカーからの注文が減ってきました。中小企業も自分たちの力で海外メーカーに自社製品を売り込んでいかないと、売上を確保できなくなってきたのです。
そうして初めて、「自分たちには売る力がない」と痛感しました。そこからはとにかく、海外に自社製品を売り込もうと努力を続けています。海外には毎月出張して、展示会にも積極的に参加しています。中国人の気持ちは中国人、韓国人の気持ちは韓国人にしか深いところまでは分かりません。そこで留学生の採用にも力を入れています。販売を協力してくれる代理店の開拓にも取り組んできました。
ここ数年、そのように売る努力を続けてきて感じたのは、「海外に行けば、製品は売れる」ということです。技術的には、やはり日本製品の方が優れているのです。そのおかげで、スマートフォンなどを製造する流れの中で、当社製品も必要とされ、適正な水準で買っていただけるようになりました。
ですが、スマホなどの価格が今後さらに下がってくると、利益の確保が難しくなってくるでしょう。そうなったときには、スマホの次の市場、参入にはある程度の技術が必要で利益を確保できる市場を探して、そこを狙った製品を売り込んでいかないといけません。
アメリカや日本などの先進国で生み出されたスマホのような技術が、わずかな間に新興国に追いつかれ、低価格競争にさらされていく。こうした流れが今後は数年周期で繰り返されていくと予想しています。
もはや、中国・韓国などの国は“外国”ではありません。私にとって、彼らとの間にあるのは“国境”ではなく“県境”です。それくらい外国との心理的な距離は近づいて交流・競争は活発になっています。距離が近づいた分、以前よりもずっと速いスピード感で動いていかないと、今後は生き残れないのではないかと予想しています。
当社でも留学生を採用して働いてもらうようになり、その根性に驚いています。日本人の若者も、相当な覚悟をしておかないと、今後の国際競争に勝てない恐れがあるのではないでしょうか。
ただ、世間の報道を見ていると「日本のモノづくりはもうだめだ」という言説が目立ち過ぎるように感じます。ですが私が世界に出てあらためて感じたのは「日本の技術はそれでも素晴らしい」ということなのです。
これだけ凝り性で、技術を持つモノづくりをしているのは、日本だけと言ってもいいくらいだと思います。ニッチな分野の職人芸は、間違いなく残るでしょう。そういう日本が勝てるニッチな分野に目を向ければ、日本の中小企業が生き残っていける勝算はかなり高いのではないでしょうか。
先輩メッセージ
自分の開発したフィルムを、有名製品のメーカーが導入。それを思うとうれしくなる
技術部
花房さん
――就職活動のときは、どんなことを重視して活動していたのでしょうか。
大学では研究室で、有機合成化学を学んでいました。そのときから、「専攻を生かして、研究者として働きたい」と考えるようになりました。
就職活動を迎えて、化学系のメーカーで研究職を募集している企業を探してみました。いくつか企業が見つかった中に、当社も含まれていたのです。
大手企業も受けてみたのですが、比較的少人数で親密な人間関係を築ける中小企業の方が、自分には合っているのではないかと感じるようになりました。当社へ面接に来たときも、私の質問に先輩社員が飾らず答えてくれました。社長と話してみても、「変に緊張しないし、話しやすいな」と感じられたので、当社で働きたいと思うようになりましたね。
他にも、機能性フィルムという製品分野について詳しくなかったので、逆にどんな分野なのだろうと好奇心が刺激されたことも入社した理由の1つです。
今年で5年目になります。技術職として、新しい製品の開発に携わっています。
当社の場合、営業担当者から「お客様がこんな製品を欲しがっている」と条件を伝えられたら、その都度、私たち技術職がその条件を満たす製品を開発します。実験をして、ある程度形になったら試作品を作り、お客様に試してもらって、合格できたら量産に移るという流れですね。
私が開発を担当した製品の中で、売れ筋になったものもあります。パソコンや携帯電話の中で使われている電子回路を製造する工程では、1枚の基板の上で同じ部品を複数並べて作っていき、途中で1点1点の部品へと切り分けていきます。その切り分ける工程で、電子部品を壊してしまわないように、電子部品を一時的に固定して動かなくするフィルムが欲しいと求められました。
そこで通常時は粘着力を持っていて、軽く熱を加えると粘着力が落ちるフィルムを開発したのですが、お客様が「とにかく早く欲しい」と急がれていたので、できるだけ早く開発できるようにがんばりました。当社の強みの1つは、迅速な対応にありますから、そうしたよさを出せた好例になると思います。
そのときのお客様というのが、有名な製品を作っているメーカーでしたので、「あの製品を作る工程で、自分の開発したフィルムが使われているのか」と思うと、うれしい気持ちになりますね。
入社理由の1つでもありますが、家族的な雰囲気があって、誰とでも話しやすいところでしょうか。
私は社内では若手になりまして、入社したときから、いろいろと話掛けてもらえました。すごくたくさん話をする機会がありましたから、入社して3カ月のころには「もう1年以上在籍しているように思えるほどなじんでいる」と言われたくらいです(笑)。
今後、私よりも若い社員が入ってくることになると思います。そうなったときに、組織としてうまく活動できるように、マネジメントの手法について学んでいきたいですね。
学生のころは、とにかくアルバイトや部・サークル活動をやっておくべきだと思います。
アルバイトは社会の中で働くことになりますから、社会人になる前に準備ができます。働いてお金を稼ぐことや、組織としてどう動くべきか、お客様とはどう接するべきかといった心得を学べるでしょう。
一方、部・サークル活動を通じて、先輩・後輩との付き合い方について、経験を積むことも大切です。先輩と仲よくなっておくと、就職活動のときにもいろいろと有利です。その意味でも、部・サークル活動はがんばっておいてください。
先輩メッセージ
お客様の課題を把握し、解決できる自社製品を提案。受注につながり、誇らしかった
営業部
林さん
――「この会社に入社しよう」と決めたときの話を聞かせてください。
留学生を採用したい企業が集まる合同企業説明会に参加したのですが、そこに当社が出展していました。
もともと、留学生の先輩が当社で働いていて、「社員はみんな優しくて、面白い事業を展開している会社だよ」と紹介を受けていました。当社は中国に工場を持っているのですが、そこの責任者は中国人が務めているとも聞きました。「外国人も抜擢してくれる会社だ」と思い、「自分もこの会社の仕事に挑戦してみたい」と感じましたね。
主に中国企業向けの営業活動をしています。今年で2年目ですね。
私は文系出身。機能性フィルムの開発・製造方法について、詳しく知っていたわけではありません。入社後に、仕事を通じて少しずつ専門的な知識を覚えるようにしました。
お客様を増やすため、企業向けの展示会に出展する取り組みなどに携わっています。私は当社に興味を持ってブースを訪れてくれたお客様に、当社製品について説明する担当です。その場で、「お客様がどんな課題を持っているか」と把握し、「当社製品を使えばその課題をどれくらい解決できる」と導入する利点を訴えるようにしています。
そうした取り組みが実を結ぶようになりまして、新しい注文をほぼ毎月いただけるようになってきました。かなり大口の注文をいただいた実績もありますよ。
営業として心掛けているのは、先にも述べましたが、お客様の課題を把握して、最適な製品を提案することです。
例えば、当社には多少の傷が付いても自然に直る自己修復フィルムという製品があります。女性の場合、スマートフォンなどをかばんの中に入れる人が多いと思います。化粧品の角などにぶつけて、表面を傷つけてしまうこともあるのではないでしょうか。そんなときに、当社のフィルムをスマホ表面に使っていれば、傷はいつの間にか目立たなくなります。そんな利点をお客様に説明して、「当社の自己修復フィルムを使ってみませんか」と提案してみたことがあります。すると、その提案が受け入れられて受注につながったのです。自分の働きが売上につながったと手応えを感じられて、誇らしかったです。
当社は小規模な会社で社員数は決して多くありませんが、その分、先輩社員が優しく教えてくれます。社員1人1人を大切にしてくれます。私の場合も、さまざまな機会を与えていただきました。そうした経験が自分自身の成長を促していると感じられます。
当社では、中国企業の取引先が増えてきています。私自身、中国人ですので、将来は中国に赴いて仕事をしたいですね。
現時点で、当社は中国にも工場を持っていますが、営業の業務は日本の本社が中心になってやっています。中国のお客様からの問い合わせ・依頼に、もっと迅速に対応できるように、中国での仕事を任されるように認められていきたいです。
2つあります。まず1つは、やったことがないことでも、失敗を恐れず、果敢に挑戦する気持ちを忘れないでほしいということです。
もう1つは、就職先を選ぶなら、大企業か中小企業かで選ぶのではなく、「本当にその会社で自分の力を発揮できるか」という視点で選ぶべきです。
その点、中小企業で働く方が、機会は多く巡ってきます。自分の力を発揮できる可能性は高いのではないでしょうか。
注)掲載している情報は、取材日(2014年8月)時点のものです。