<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

株式会社 博展

株式会社 博展 「コミュニケーションデザイン業界の雄 博展」という夢を抱く<br>コミュニケーションデザイン業界での雄となる。その階段を着実に登っていくモノづくりをしています。

株式会社 博展

「コミュニケーションデザイン業界の雄 博展」という夢を抱く
コミュニケーションデザイン業界での雄となる。その階段を着実に登っていくモノづくりをしています。

main_hakuten
輝く技術 光る企業

株式会社 博展

「コミュニケーションデザイン業界の雄 博展」という夢を抱く コミュニケーションデザイン業界での雄となる。その階段を着実に登っていくモノづくりをしています。

main_hakuten
  • 社名:株式会社 博展
  • 設立年月:1970年(昭和45年)
  • 資本金:1億7,444万円(2018年3月末)
  • 代表者:代表取締役会長 田口 徳久 代表取締役社長 田中 正則
  • 所在地: 【本社所在地】東京都中央区築地1-13-14 NBF東銀座スクエア9F
    TEL:03(6278)0010(代)
    【西日本事業所地】大阪府大阪市中央区高麗橋3-2-7 ORIX高麗橋ビル5F
    TEL:06(4706)5445
    【中部営業所】愛知県名古屋市中区錦二丁目4番3号 錦パークビル6階
    TEL:052(684)9817
  • 公式HP:http://www.hakuten.co.jp/
  • 「COMMUNICATION DESIGN」
  • 博展の会社案内には、コミュニケーションデザインについてこのように説明されています。「コミュニケーションデザインとは、企業や団体のマーケティング活動において発生する、様々な『ユーザーとの接点』を戦略的に管理することで、そこから発信されるメッセージやイメージに統一性を持たせ、円滑なブランド訴求や情報発信を実現し、知名度の向上や新規顧客獲得の機会増加や既存顧客の囲い込みを促進させる活動を示します。」田口会長は、コミュニケーションデザイン業界の中で博展を指折りの企業にするために様々な布石を打っています。それはエキシビション・ブースを手掛け、日本最大規模のイベント制作部隊を有する博展だからこそ、実現できる夢の階段を着実に登っていくモノづくりなのです。
intro_img

業種

コミュニケーションデザイン事業

事業紹介

展示会、ディスプレイ、イベント及び映像、グラフィックデザインの企画制作・施工・運営など。

クライアントの様々な広告活動やセールスプロモーション、ブランディング活動をより効果的にするために、特定のメディアを持たず、それぞれのケースや活動状況に合わせた最適なプランを企画・提案しています。

高校生・大学生の新卒採用が博展の未来を開きました。

「博展が現在のエキシビション・ブースを手掛けるきっかけとなったのは、歌舞伎の舞台・大道具を手掛けていた会社で私の父が仕事をしていた事です。その会社で、ホテルで開催される展示会のブース制作を行うようになりました。そして父は独立、木工造作を中心とした展示会やイベントでのエキシビション・ブースを造るモノづくりをスタートさせました。」 田口会長は博展の創業当時のことをお話しされました。 「私も子供の頃は、自宅のすぐ脇が工場でした。大工さんがいて木の匂いがした工場で、木工のパーツを組み立てて、現場で組み上げるという方法は今と同じです。私は一度、別業界の会社に営業として入社し、3年間勉強したのち、工場を大きくしたいという夢を持って博展へ入社しました。」 代表取締役に就任した田口会長が最初にしたのは新卒採用でした。 「当時、当社の工場は典型的な3K(きつい・きたない・危険)の職場だと思われていました。そこで、リクルートブックを活用して、92年から高校生の新卒採用を行いました。最初は、社員10名の会社に8名の高校生が入社しました。」 社員の半分が新入社員、しかも高卒の10代です。社内の雰囲気が一変しました。 「仕事量はありましたので、先輩社員が造る木工の材料を運ぶといった単純作業から徐々にOJTに取り組んでいきました。1年目の途中から、その若手社員が社に貢献してくれるようになりました。若手社員が単純で量がある作業をどんどんこなしてくれるようになり、ベテランはそれまで以上に高度な作業に集中できるようになったのです。」 さらに若手社員がいることで、副次的な効果まで出てきました。 「組み上げの現場で社員がお客様に接する機会があるのですが、若いとウケがいいのです。職人の気質がある業界なので、お客様も年配の職人には気兼ねして注文が言いにくいのですが、若い職人であれば頼みやすいのですね。若い職人がいる博展がお客様の間で人気になりました。それから、新卒採用を定期的にやるようになりました。」 次に大卒採用に踏み切りました。4大生でもモノづくりが好きな学生が多いことから採用数は順調に推移し、2010年で13期生を数えるまでになりました。 「現在の制作部の8割は大卒の新卒になりました。学部は様々です。その中には女性もいます。がんばっていますよ。」

hakuten_ph01.jpg 田口 徳久会長
hakuten_ph02.jpg
hakuten_ph03.jpg

いいモノを創ることに徹底的にこだわる企業文化が博展の競争力の原点です。

博展の競争力の原点、それは『いいモノを創ること』に徹底的にこだわるという企業文化です。それを支えているのが、クリエイティビティ溢れる豊富な人材を確保し、育成していくしくみです。 「当社のデザイン部門では、多様な専門スタッフがお客さまのビジネスを理解し、目的達成に向けたクリエイティブワークを提供しています。人数はおおよそ50名、20代の若手デザイナーが中心です。若いうちから年平均で100件以上もの案件を担当し、数をこなす事によって、自然とデザインのクオリティは上がっていきます。結果として、若くて経験を積んだデザイナーが育つわけです。一般的には、クリエイターには対人関係の苦手な人が多いと言われていますが、当社のデザイナーは積極的にお客様にコンタクトをとり、直接お話を聞きに行きます。これは、デザインの価値をお客様に認めて頂くことが大事だと教育しているためです。ただし、単にいいものを造ったらよいかというとそうではありません。コスト面もデザイナーが理解し、決まった予算の範囲の中でどれだけクオリティの高いものを提案できるのかを営業と一緒になって考えていきます。」 「お客様目線でいいモノを創る」という考え方は、デザイナーだけではなく、木工造作を担当する制作部門にも浸透しています。 「制作部門も組み上げの現場でお客様と一緒になる機会が多いので、その時にリピーター獲得の動きをしています。現場で必ずお客様と名刺を交換し、会期中の掃除キットを置いておき自由に使って頂く、CSアンケートをとってお客様の評価を記入して頂くなど、徹底してお客様目線でいいモノを創ることにこだわっています。これが企業文化として根付いていることで、競争力のあるクリエイティブを創りだすことができるのです。」

hakuten_ph04.jpg
hakuten_ph05.jpg
hakuten_ph06.jpg

お客様目線へのこだわりが、コミュニケーションデザインでトップを目指すきっかけとなりました。

「当社は、直取引の比率が7割以上です。残りはハウスエージェンシーが中心ですから、ほとんどはクライアント企業様との直取引です。これには理由があります。」 田口会長は、広告代理店経由の仕事が大半を占めていた頃をお話しされます。 「広告代理店経由の仕事が多かった頃は、直接お客様の顔を見て仕事がしたいといつも考えていました。『急ぎの仕事』といわれて一所懸命やろうとした仕事のFAXが3日前の日付になっていて『何だ。3日間手元に寝かせていたな。』とわかってしまうような経験もありました。そこで、新卒採用で大卒を採用した時に、直接営業をすることにしたのです。当然、広告代理店とバッティングしてしまうこともあります。お世話になっている広告代理店とコンペでぶつかってしまうと、やはり降りざるを得ないのです。そうしたら営業マンが悔し涙を流したんですよ。これは効きましたね。このままやっていたらダメになる、と直感しました。そこで本格的に直営業に切り替えたのです。」 このことによって博展は、営業・制作・実施をシームレスに行い、余計な中間マージンやコミュニケーションロス、時間ロスを抑えることができる体制を構築できました。 さらに、博展とお客様との関係性についてもお話をされました。 「コミュニケーションデザインにおいては、お客様が誰に何を伝えたいのかが先にあって、それに併せて情報伝達の手段と表現を最適化していくことが重要です。広告代理店は媒体のセールスという性格を帯びていますので、メディアが優先してしまう傾向が強いとお客様からお聞きしています。当社は、メディアを販売する必要はないわけですから、お客様にとって最適なコミュニケーションは何か、ということだけを考えて提案することができるわけです。また、エキシビション・ブースの企画・制作に携わる中で、営業も制作もデザインも、全てにこだわって、いいものを最後まで責任を持って創るという文化が根付いています。これは、大きな強みです。」 さらに、お客様目線へのこだわりは、環境への配慮やコスト削減等の分野にも広がっています。 「展示会・イベント業界は、非常にごみが多く出るものだと思われていました。当社では、業界に先駆けて環境への配慮を進めようと、『廃棄物量の削減・リサイクル推進』、『法令遵守』、『環境教育』の3つの基本方針を基に、全社一丸となって環境問題に対してのアクションを考え、実行しています。 また、各廃材回収業者よりマニフェストを発行し、最終処分までの流れを管理するとともに、廃棄物が適切に処理されているかをチェックしています。併せて、各廃材品目におけるリサイクル状況報告書を提出して頂き、産業廃棄物のリサイクルパーセンテージを算出しています。その結果、業界では画期的とも言える、90%以上のリサイクル率を実現しました。このような取り組みと蓄積したノウハウを結集した結果、日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2009」にて、当社が企画・デザイン・制作をした日本コカ・コーラ株式会社様のブースが、「環境配慮ブース」に選ばれました。」 さらに、環境とコスト削減を両立させる部材として、廃材が出ず、デザイン性に富んだ「SYMA」というスイス製の部材も導入しました。デザイン上の制約は受けますが、ブース制作の費用は削減できるので、出展費用を抑えたい企業のコスト削減ニーズに合致しています。中長期的には、低価格帯のブース制作も含めて受注件数を拡大していこうと考えています。」

hakuten_ph07.jpg
hakuten_ph08.jpg
hakuten_ph09.jpg

コミュニケーションデザインの雄「博展」という実現可能な大きな夢にむかって共に汗を流そう。

展示会・イベント市場について、田口会長に伺いました。 「展示会・イベント市場は、リーマンショックまでは件数も金額も微増だといわれていました。この理由の1つは、展示会が細分化していることです。例えば、ビジネスショーという大型の展示会が10程の展示会へと分化してきました。2つ目の理由として、これまでにはなかった様々な業界が展示会・イベントを開催するようになってきたこともあります。携帯電話業界やネイル業界、エステ業界等が例として挙げられます。リーマンショックの後は、開催取りやめの展示会がいくつかあるほか、出展をとりやめたり、金額を減らしたりしている企業が実感としては多くありました。ただ、回復の兆しは少しずつ見えてきていると言われています。そして、注目したいのは中国等海外に進出している企業ですね。その企業様が現地の展示会に出展したい等というニーズを探っていきたいと考えています。これは2011年度の課題です。」 そして、博展に必要な人材を田口会長にお聞きしました。 「欲しいのは、高い志をもった人材です。夢を実現したい、一流になりたい、一番になりたいという志をもった人材に来て欲しいですね。当社は広告業界を変えていこうとしているわけです。広告代理店に対抗する、コミュニケーションデザインという業界を立ち上げていこうという、大きな夢にむかって共に汗を流す仲間が欲しいのです。企業内起業を目指すくらいの、独立心旺盛の人であれば申し分ないですね。トップになりたいという夢や目標があるなら、そのための環境は用意する会社ですから、大きな夢を描いて、ぜひそれを当社で実現して欲しい。お待ちしています。」 電通が発表した「2009年 日本の広告費」の中で、インターネット広告費が新聞広告費を抜きました。テレビ広告費も大幅な減少に転じており、日本の広告市場・コミュニケーション市場は大きな転換点を迎えています。このことは、「コミュニケーションデザイン業界の雄 博展」という夢に対する大きな追い風だと、田口会長はみています。

hakuten_ph10.jpg
hakuten_ph11.jpg
hakuten_ph12.jpg

先輩メッセージ
“本物”のクリエイターになるために、最高の“場”を提供してくれる会社です。

企画部 企画3課
歌代 悟さん
私は、学校でプロダクトデザインを勉強していました。しかし、本来私が目指していたのはデザイナー。つまり、プロダクトと限定されたデザイナーではなくて、いろんな視点をもったデザイナーになりたかったのです。海外ではデザイン作業は分業化されておらず、全てをみているデザイナーが大勢います。日本人でいうならば吉岡徳仁さんのような方です。吉岡さんのウインドウディスプレイの中でも、軽やかなスカーフの特長をすごく上手に表現している作品は好きですね。 デザイナーになりたかった私は、プロダクトだけではなく、空間など違う分野を勉強する事で視野の広いデザイナーになれるのではないかと思い、博展に入社することにしました。ブースに展示される製品のデザインを学校で勉強してきたこともあり、見せたい視点はよくわかりますが、それをどう見せるべきなのかということは勉強になります。プロダクトと空間、さらにグラフィック等を含めた複合的な視点ができるデザインのスキルを身につけることができれば、“本物”のクリエイターになれると信じています。これは、会社も求めていることでもあり、そのような環境、“場”を提供してもらっていることを幸せに思います。 私が担当している仕事は、基本的には展示会のブースが多く業種も様々です。現在は10以上の案件を同時並行で担当しています。そこで、アイディアを出す期間、作業をする期間がかぶらないようにスケジュールを調整しています。全部の案件がアイディアを出す期間としてバッティングしてしまうと、やはり頭がパンクしてしまいますので、そのようにならないように心がけています。アイディアを出す方法については、ロジックを立てて論理的に考える場合もあれば、雰囲気・空気感をイメージして感覚的に表現する場合等様々です。いずれの場合も、今まで見てきた写真や本を頭の片隅において、この案件ならあれが使えそうと考えたりしています。ですから読書は必須ですね。読書といっても、日経デザインや、AXIS(アクシス)などのデザイン誌が中心です。そして、流れ作業ではなく、クリエイティブな仕事ができること、自分から何かコンセプトを発信できることがうれしいし、誇りに思います。 モノづくり企業ならば、どこに入るかよりそこで何をするかということが大切です。私の場合、この会社に入りたいからではなく、やりたいこと、なりたい自分をイメージして入社しました。一年前の自分を見返してみると、今では「詰めが甘かった」と思える事が沢山あります。未熟な一年前の自分との対面は恥ずかしいものですが、なりたい自分に近づいている実感を得られることは嬉しいです。

hakuten_ph13.jpg 歌代 悟さん
hakuten_ph14.jpg

先輩メッセージ
ココロに残るエキシビション・ブースを造りたい。ダイレクトメディアプロデューサーへの道を極めています

制作部 制作2課チーフ
サブチーフ 高橋 大輔さん
私は大学では建築学部に在籍していました。その中のゼミで、越後妻有アートトリエンナーレの芸術祭にブースを出展することになりました。ブースの図面を書き、芸術祭の現場でゼミ生全員でブースを建て、終了後には撤去もやりました。学生時代で最も充実していた期間であり、そのようなことが出来る会社を探して博展にて入社しました。 ブース制作という仕事自体は、寸法は決まっていますが、内部の構造などは制作側の自由であることが多く、現場での建てこみも自分で工程を組み立てて行うので、かなり自由度の高い仕事です。そこが、この仕事の一番の醍醐味であるといえます。 展示会・イベントブース制作を続けていると、一度はかかってしまう病気のようなものがあります。それは、「壊したくない」という病気です。きれいなものが出来た時、「とっておきたい」と思うことは何度もありました。その気持ちを切り替えることができたのは、毎日新鮮なものを新鮮な気持ちで造れるのがこの仕事の良さだと、先輩からアドバイスを受けたことがきっかけです。「カタチに残すのではなく、ココロに残すんだよ。」この仕事に就いた時、制作したブースはその都度すごく愛着があって壊すのが惜しかったのですが、最近では生み出す楽しさが上回ってきました。 達成感を味わうのは、自分の造ったブースがお客様から評価された時ですね。建てこみの最終日には、自分の造ったものの上に、お客様が製品を展示していくのを見ることができます。ブースをダイレクトメディアと捉え、その機能を果たしているのか、製品はきれいに見せられているかなどをチェックしています。そして、展示会の会期中ブースで不具合が出た時にはすぐに行くことにしています。また、現場での急な変更も、やはりお客様から最終的に評価されると嬉しいので、絶対に「できません」とは言わないようにしています。 モノづくり企業を目指す皆さん、最初は下積みの時代がありますが、それはどんな職場でもある事だと思います。そんなとき僕は農家である父の言葉を思い出します。 「初めはうまくできなくてもいい。時間がかかってもいいから丁寧に仕事をしなさい。そのうち必ずできるようになる。」 この言葉を胸に僕は仕事に打ち込んできた気がします。その結果、どこかで仕事がわかってくる、つながって1つになる瞬間があって、そこからはすごく楽しくなってきます。その瞬間が来るまで大変だと思いますが、是非がんばってください。

hakuten_ph15.jpg 高橋 大輔さん
hakuten_ph16.jpg