<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 畠山鐵工所

株式会社 畠山鐵工所 鉄塊に宿る伝統の技術力<br>歴史が培った技術力と大規模な設備から生まれた製品は世界中の産業界を支える

株式会社 畠山鐵工所

鉄塊に宿る伝統の技術力
歴史が培った技術力と大規模な設備から生まれた製品は世界中の産業界を支える

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輝く技術 光る企業

株式会社 畠山鐵工所

鉄塊に宿る伝統の技術力 歴史が培った技術力と大規模な設備から生まれた製品は世界中の産業界を支える

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  • 社名:株式会社 畠山鐵工所
  • 設立年月:1922年(大正11年)3月
  • 資本金:90,000,000円
  • 従業員数:47人(2019年1月現在)
  • 代表者:代表取締役 畠山 和也
  • 本社所在地:東京都大田区京浜島二丁目11番1号
  • 連絡先:Tel:03-3790-0211 Fax:03-3790-0210
  • 公式HP:http://www.hatakeyama.ne.jp
  • 日本刀をつくる工程などで見られる、真っ赤に焼けた金属をハンマーなどで何度も打ち、整形しながらより硬いものへと鍛える加工。これは鍛造という加工である。株式会社畠山鐵工所は、材料となる鉄の鍛造、鍛造後の熱処理、機械加工を行っている企業である。巨大な鉄塊を1000℃以上に加熱し、2000トンもの油圧プレスによって鍛えあげる。数トンもの真っ赤な鉄塊が、大規模な鍛造設備によって粘土のように形を変えていく様子は大迫力である。
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業種

鉄鋼業(鍛造品の製造及び熱処理)

事業紹介

産業機械部品、電力機械部品、造船用部品等、鍛造品の製造販売

大規模設備を所有しながら中小企業の良さも合わせ持つ

畠山 和也さん
株式会社 畠山鐵工所
代表取締役社長
畠山鐵工所は1922年に江戸川区で創業し、現在は大田区京浜島に工場を構える。鍛造・熱処理・機械加工という一貫した鉄の加工を行う企業である。工場を訪れると、インゴットと呼ばれる巨大な鉄塊が無数に置かれている風景が目に入り、スケールの大きさに圧倒される。畠山和也社長に畠山鐵工所の特徴を伺った。 「鍛造業界は船舶の部品の製造が割合の多くを占めています。当社も造船に特化していた時期がありましたが、造船業界の不況時にも大きな影響を受けないように主軸を陸の上(造船以外の分野)に移して、一社に集中せずにたくさんの業界のお客様と仕事をさせていただくという現在の形態になりました。結果として今では売上全体の10パーセントを超える特定のお客様がいないという特徴を持っています。また、中小企業でありながら、750トンプレスと2000トンプレスという大規模な鍛造プレスの設備を所有しているので、大手企業とも競合になりうるポジションでもあります。大手と同等の品質を保ちながら、短納期、低価格で勝負できるという、大手企業と中小企業の良い所を合わせ持った企業を目指して今に至っています。」 畠山鐵工所で製造される製品がどういうところで役立っているのか、そして他社にはない強みとはどういうところであるか、畠山社長に伺った。 「重電と呼ばれる、各種発電所や、鉄鋼加工機、プレス機や圧縮機などの産業機械の部品として使われることが多いですね。当社では鍛造の他に熱処理加工も行っています。鍛造品というのは、寸法などではない目に見えない素材の品質を担保しなくてはいけないので、鍛造と熱処理を両方できることは大きな強みです。もうひとつの強みは、歴史が長いので多くの原材料メーカーとの付き合いが深く、他社と協力して多種多様に対応できることですね。器用さでは日本でトップレベルの企業だと自負しています。」

hatakeyama-30.jpg 代表取締役社長 畠山 和也さん
hatakeyama-21.jpg インゴットと呼ばれる、原料の鉄塊
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hatakeyama-09.jpg 錆止めが塗られて出荷を待つ、完成した製品

大事なのは人材。頑張っている人には正当な評価をしてあげたい

今回お話を伺った畠山和也社長は4代目経営者。80年以上という歴史ある畠山鐵工所を受け継いで未来を担う、就任3年目の若き経営者である。畠山社長の考える企業としての今後の展望とはどういうものなのだろうか。 「時代と共に状況は変わっていきますので、明確な展望というものを描くのは難しいのですが、しっかりとした受注生産活動、設備投資、経営方針を定め、お客様からの信用を失わないように、企業価値を高めていきたいと考えています。そして会社の理念として、やはり人を大事にしたいですね。頑張っている人には正当な評価をしてあげたい。成果が出せていれば若手が幹部になっても良いと思います。」 最後に、これから就職するであろう若者に向けて畠山社長からメッセージを語っていただいた。 「当社のような中小企業は、経営者と従業員の距離が近く、比較的近い目線で仕事をするところが良いと思っています。面白い現場だと思いますので、興味のある方は会社に来て肌で感じてもらいたいと思います。これから就職する学生の方は、企業を自分で選んでやるんだ、という気概を持って欲しいです。大企業に限らず中小企業でも良い会社はたくさんあると思いますし、納得するまで突き詰めて会社に入っていただきたいですね。」

ものをつくっている強い実感を得られる会社です


営業グループ
竹花 真吾さん
営業担当の竹花さんは大手企業から転職されて入社したという経歴の持ち主。また、多数の取引先を持つ畠山鐵工所では営業の役割が非常に大きく、技術面の知識も当然必要とされる非常に難しい仕事である。 竹花さんは会社の魅力についてこう語る。 「業績が良ければ正当に評価されるところですね。ものをつくっているという実感もありますし、頑張りがいのある会社です。歴史のある会社ですので、長年蓄積されたノウハウがあるところはお客様方から信用されているところではないでしょうか。」 さらにこれからものづくりの道に進む若者に対してのメッセージをいただいた。 「やはりものづくりは日本の産業の根幹だと思うので、ものづくりをする人がハッピーじゃない世の中はハッピーじゃないと思いますので、若い方々にはそういう部分を大事にしていただきたいですね。」

hatakeyama-22.jpg 営業グループ
竹花 真吾さん

命に関わる事故も起こりうる現場なので気を抜けません


入社4年目
鈴木 直樹 さん
鈴木さんは750トンプレスの鍛造を担当している若手技術者。マニピュレーターと呼ばれる、材料の操作や運搬を行う作業車の操縦と、プレス機の操作をを主に担当されている。 真っ赤に熱された数トンもの重量の鉄塊を扱う作業だけに一歩間違えれば大事故につながる危険と隣合わせとあって、作業は常に緊張感の連続だと語る。 「やはり良い製品が作れたときはやりがいを感じる」と語る鈴木さんだが、熟練の技術を要する仕事ゆえ、なかなか思い通りにいかないことも多いという。 会社の雰囲気については「仕事をしているときの厳しさと、普段の優しさのメリハリがある職場」とのこと。 インタビューの最後に、今後のものづくり業界を担う若者に対して「この仕事があるから日本が成り立っていると思います。良いものをつくって活気ある日本にしていただきたいです。」とメッセージを語っていただいた。

hatakeyama-25.jpg 入社4年目
鈴木 直樹 さん