<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 菊池製作所

株式会社 菊池製作所 一括一貫体制による「研究開発」・「試作」の総合支援企業<br>優秀な職工や研究者が多数在籍ハイテク研究開発にも挑む総合試作会社

株式会社 菊池製作所

一括一貫体制による「研究開発」・「試作」の総合支援企業
優秀な職工や研究者が多数在籍ハイテク研究開発にも挑む総合試作会社

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輝く技術 光る企業

株式会社 菊池製作所

一括一貫体制による「研究開発」・「試作」の総合支援企業 優秀な職工や研究者が多数在籍ハイテク研究開発にも挑む総合試作会社

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  • 社名:株式会社 菊池製作所
  • 設立年月:1976年3月(昭和51年)
  • 資本金:35,800万円
  • 代表者:菊池 功
  • 所在地:【本社】東京都八王子市美山町2161-21
    TEL:042(651)6093(代)
    FAX:042(651)7890
  • 公式HP:http://www.kikuchiseisakusho.co.jp/
  • 約400名のスタッフを擁し、東京と福島にあわせて9つの工場を持つ菊池製作所。試作をコアビジネスとして、量産や新規研究開発も盛んに行っている。地域や社員を大切にする経営の下で、若手からベテランまでさまざまな社員が自分たちの力を伸ばしている菊池製作所を訪ねた。
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業種

試作ならびに量産品の設計・加工・組立・評価、金型製造、治工具製作

事業紹介

設計から量産製造段階にいたる金型製作、試作品製作、量産品製造、部品組立・二次加工、検査

『社員の生活の安定』を重視して福利厚生の充実した企業へ

『一括一貫体制の試作』をモットーとする菊池製作所には、八王子にある本社のほか、福島県にも6つの工場がある。現在、400名ほどの従業員が働いている。中小企業としてはかなり大きな会社という印象だ。 「本社には社員食堂があり、退職金も中小企業としては手厚いほうだと思います。入社1〜2年ほどすると会社のお金で生命保険に加入できますし、日本金型工業健康保険組合による福利厚生で温泉地での宿泊なども可能ですよ」と話すのは、経営企画部の乙川直隆さん。 菊池功社長の「自分たちの生活を安定させた上で、会社に力を還元してほしい」という考えから、現在のような充実した社員サポート体制が整ったということだ。

kikuchi-seisakusho_ph01.jpg ものづくりメカトロ研究所所長 一柳 研さん

インターン制度を導入。産学連携に旺盛な意欲を示す

毎年20〜30名ほどの新入社員を採用しており、近隣の大学・高専・専門学校や高校からのインターンも受け入れている。インターンシップでは1〜2週間、現場での作業を行ってもらい、学校卒業後に菊池製作所に就職する人もいる。 また、大学との共同開発も盛んに行っており、産学連携にも意欲的。4年前には『ものづくりメカトロ研究所』を社内に設立した。同研究所の所長に就任したのは、東京工科大学客員教授・名誉教授でもある工学博士の一柳健さん。 一柳所長によれば、教授時代から菊池製作所には学生を実習させてもらったり、研究の資金援助をしてもらったりという関係があったのだという。そしてどちらともなく、一緒に研究所を作ろうという話になり、建物を新設、大学の設備を運び入れて、『ものづくりメカトロ研究所』が誕生したのだ。

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「若い人たちのパワーを引き出してプロモーションしているだけ」

「現在、『ものづくりメカトロ研究所』では3つの分野の研究開発を進めています。1つはパイプを複雑な形状に曲げられる『パイプベンダー』。精密な3次元パラレル機構を持ち、既に製品化されて出荷もしています。2つ目は『ロボット分野』。実は東京消防庁のレスキューロボットはこの研究所から生まれました。3つ目はマイクロポンプなどの『マイクロマシン』。医療などの分野に利用されるもので、これから活性化させていきたい分野です」と一柳所長。 同研究所は多数の大学と連携するオープンラボとしても注目されていることについて、「若い学生は各自が大きなポテンシャルを秘めていますから、私は、そのパワーを引き出してプロモーションしているだけのこと。せっかくの能力や気持ちを内に秘めているだけではもったいない。積極的に外に出してほしいと思います」と産学連携の意味合いの深さについて一柳所長は話してくれた。

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「パイプベンダー開発は1つ1つのステップの積み重ね」

2006年入社 ものづくりメカトロ研究所 齋藤 秀伸さん 同研究所で開発されている製品のうち、パイプベンダーは韓国、中国、UAE、フィンランドなどからも引き合いがあるほど高い関心を集めています。そのパイプベンダーを手がける齋藤秀伸さんに、開発の苦労をお聞きしました。 「ベンダーは単純な機械ではありません。図面から完成品をイメージした上で、型や制御の調整を十分検討しなければなりません。1つずつステップを踏んで、目的とするものが出来上がったときには無上の喜びを感じます。」 2004年のベンダープロジェクトをきっかけに菊池製作所に入社したという齋藤さんは、最初は細かな会社のルールが分からずに困惑したこともあったそうです。 「今でもまだまだですけどね。でも、この会社に入ってすぐに工場で1年間、試作の仕事をさせてもらったんです。限られた人としか会話をしない研究所と違って、工場では大勢の人が回りにいるので、いろいろなことを教わりました。」 職人さんたちとコミュニケーションを重ねるうちに、企業では自分の我を通しすぎずに柔軟性を持つことも重要だと学ばれたそうです。

携帯電話やデジカメなどの新製品開発を試作・量産でサポート

総合的な試作会社が少ない中で、大手メーカーからの厚い信頼を受けている菊池製作所。 携帯電話やデジタルカメラ、コピー機などの事務機器、自動車関連など、非常に幅広いジャンルの金型製作や試作を手がけている。 メーカーから受け取る図面を元に金型を作り、現場で試行錯誤を繰り返しながらメーカーの要望に叶うものに仕上げていく。薄型の携帯電話など、私たちの生活に密着し、よく目にする製品も、この工場での緻密な試作があってこそ。 今も菊池製作所ではさまざまな試作が行われている。そういったものは、近い将来、私たちが目にすることになるだろう。

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先輩インタビュー

2006年入社
総務部 小俣 藍貴さん

「私は3年半ほど前に中途社員として入社しました。当時、菊池製作所では上場補助をする人を探しており、かねてから上場準備の仕事に興味があったのと、自宅からも近かったこともあってこの会社に応募しました(笑)。今は稟議書の受け付けや管理をメインに、備品の購入や配布などを含めた総務全般の業務を手がけています。人と話すことが好きなので、いろんな部署の方たちと接点が持てるこの仕事は私に合っていると感じています」
「また、IRやISO、J-SOX、CSRなどの業務にも携わっています。J-SOXはもともと経営企画部の仕事だったのですが、とても興味があったので、部長に申し出て携わらせていただけることになりました。主張すればやりたいことをやらせてもらえるというのは、中小企業ならではのメリットだと思います」 これからも業務の幅を広げていきたいと語る小俣さん。彼女のような意欲あふれる総務スタッフの存在も、菊池製作所の強みの1つになっているのでしょう。

kikuchi-seisakusho_ph08.jpg 2006年入社
総務部 小俣 藍貴さん