<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 巧電社

株式会社 巧電社 1人で無理でも、みんなの力ならできる。助け合いの精神で短納期を実現<br>OA機器、自動車、家電などの業界に試作部品を提供。「巧電社が断るなら、どこも間に合わない」速さ随一の加工企業

株式会社 巧電社

1人で無理でも、みんなの力ならできる。助け合いの精神で短納期を実現
OA機器、自動車、家電などの業界に試作部品を提供。「巧電社が断るなら、どこも間に合わない」速さ随一の加工企業

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輝く技術 光る企業

株式会社 巧電社

1人で無理でも、みんなの力ならできる。助け合いの精神で短納期を実現 OA機器、自動車、家電などの業界に試作部品を提供。「巧電社が断るなら、どこも間に合わない」速さ随一の加工企業

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  • 社名:株式会社 巧電社
  • 設立年月:1972年2月
  • 資本金:1,000万円
  • 従業員数:12名
  • 代表者:代表取締役社長 宮丸 勝也
  • 社員平均年齢:34歳
  • 初任給:月給200,000円~350,000円以上(経験、実力により異なる)
    インセンティブ制度有(能力に応じ毎月UPが可能)
    昼仕出し弁当&夜(都度)軽食付、社会保険完備、昇給1回/年、賞与2回/年、大田区勤労者共済加入、退職金制度、海外旅行、その他ファミリー的な会社なので色々特典あります
  • 主な勤務地:東京都大田区上池台3-44-8
  • 休日:土(基本的に隔週、出勤日は半日)、日、祝日、夏季/年末年始休暇他
  • 本社所在地:東京都大田区上池台3-44-8
  • 電話番号:03-3727-5612
  • 公式HP:http://www.koden-sha.co.jp/
  • ・巧電社が断るなら、どこも無理。速さが自慢の試作部品加工
  • ・年間・月間で目標を立てて、自分の成長度合いを把握
  • ・自主的に助け合う社風。入社してきた社員が驚くほど
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業種

・マシニングセンターによる精密試作部品製造
・真空注型 試作金型

事業紹介

【世の中に出る前の工業製品のプロトタイプモデル製作】

巧電社は、東京大田区にある「試作加工」の会社です。
工場というよりは最新設備のあるデジタルファクトリーです。

例えば、プリンターやスマートフォンの新製品のプロトタイプモデルを数個だけ製作する会社です。 新製品が世に出る前の丸秘の試作品を製作しています。

【我々は社員のことを「仲間」と呼びます】

「モノづくり」の醍醐味、完成したときの充実感、達成感を肌で実感し、お客様にも喜ばれる……そんな仕事です。 自分の仕事に全スタッフ誇りを持っています!

「どこもギブアップだったのに、納期間に合って助かったよ。 寸法もバッチリだったよ!」……最高の褒め言葉です。鳥肌もんです(笑)。

当たり前のことをしてお客様に喜んでもらえ、しかも新製品の開発のお役に立てる。 ……そんな仕事です。

巧電社の仲間は「助け合い」の精神を貫いています。仲間をリスペクトし、困ったときは皆で助け合う。 それが「巧電社」の精神です。

我々のモットーは「Give and Take」そして、「思いやり」です。

【事業内容】 巧電社が断るなら、どこも無理。速さが自慢の試作部品加工

製品が世に出る前、設計図を形にするとどうなるのか、意図どおりに動くのかと試すため、必ず試作品が作られる。巧電社は試作品に使う部品の加工企業。プリンター等のOA機器を中心に、自動車、家電、医療機器など、さまざまな業界向けに試作部品を作っている。 試作品は1度作れば完成ではない。何度も部品の形状を変えてみたり、性能を試験したりしながら、完成形を模索することになる。その都度、新しい試作部品に取り替える必要があるため、加工企業に何よりも求められるのは、依頼を受けてから納品するまでの速さだ。 その速さで巧電社に勝る企業はなく、「巧電社が断るなら、どこも間に合わない」と顧客からは信頼を寄せられている。

03.jpg マシニングセンターの割り当ては1人1台以上。
自分専用の装置を持てる

【社内制度】 年間・月間で目標を立てて、自分の成長度合いを把握

巧電社の社員は年間計画を立てて、「CADを習得する」といった目標を披露。それを見た先輩社員が、機会を見つけては目標とする技術を指導する。周囲の手助けを得ながら、技術を習得できる環境だ。 そして毎月1回の定例会議でも、各社員が目標を発表する。翌月には、目標を何%達成できたか、何が足らず100%ではなかったのかと報告・分析。各社員の努力や成果がはっきり分かり、社員1人1人が目的意識を持って日々の仕事に取り組めるように試みている。 さらに、2カ月に1回ほどは、CAD・CAMや金型などに関する課題を出し、ワークショップや展示会などに参加させる。そうして社員に刺激を与え、一層の成長を促している。

04.jpg 毎月実施しているOJT勉強会

【仲間】 自主的に助け合う社風。入社してきた社員が驚くほど

1人の力には限界がある。それならみんなで協力して、総合力で勝負しよう。それが巧電社の方針だ。 毎日、朝・昼・夕に全社員を集めて会議を開き、作業の進み具合を隠さず共有。遅れている作業があれば、全員で協力して期限に間に合わせる。 特に、困ったときには必ず自分から周囲に頼るように徹底。「間に合わないので、手伝ってください」と頼れば、各社員が自主的に「ここは任せろ」とできる範囲で仕事を引き受けていく。 「加工企業の仕事は、自分自身との戦い」と考えて入社してきた社員は、助け合いを重視する職場の雰囲気に、まずは驚かされる。そして自分が助けられたら、いつか別の社員を助ける。そんな助け合いの精神が根付いているのだ。

05.jpg 検査は入社間もない若手が担当

社長メッセージ
常に思いを込めたモノづくりをすることで、モノづくりの喜びを忘れないで

代表取締役社長
宮丸 勝也さん
――短納期が貴社の特徴と伺いました。速く作れる理由は何でしょうか。 やはり重要なのは、気持ちの部分です。当社では、何よりもお客様に感謝する気持ちを大切にしています。 例えば、100分の1mm誤差があったとき、自分がお金を払って買いたいと思いますか? そのように、お客様の視点で考えるようになれば、社員は自分からわずかな誤差を許さないようになります。 また、仕組みを整えることで、納期を縮められるように努めてもいます。例えば、加工経験を長年積まないと、当社の営業担当にはなれません。そんな営業担当がお客様と打ち合わせをしながら、その場でパソコンを開いて社内システムを見て、手が空いている社員の中に、依頼された部品加工ができる社員がいないかと探します。そうして加工担当者の予定を抑えられたら、その場で「いつまでに納品できます」と約束して、加工担当者に早速作業に着手してもらうのです。 加工が完了したら、品質検査の担当者が指定どおりの寸法になっているかと検査します。お客様のところに納品してから誤差が見つかったら、当社からお客様のところに届ける時間の分、余計に時間がかかってしまいます。誤差があったとしても、必ず当社の中で見つけ出し、すぐに加工をやり直すことで時間の無駄を防いでいるのです。 技術力が自慢の加工企業には、非常に難しい仕事ばかりが依頼されます。一方で当社の場合、売りにしているのは技術力だけではなく、短納期対応です。加工が簡単なものから難しいものまで、さまざまな仕事がやってきます。その中から、入社したばかりの社員には簡単な仕事を、ある程度経験を積んだ社員には少し難しい仕事を、と各社員の技量に応じて依頼する仕事を振り分けるようにしています。 そして何より、お互いが助け合う社風ですから、1ランクレベルの高い仕事を受けても周りが支えてくれます。もし難しい仕事に挑戦して、結果として失敗したとしても、私は「失敗したことに対して」は、叱りません。代わりに再発防止や是正策を考えるように求めます。 ですから、納期の短い仕事や加工が難しい仕事など、自分の今の技量・経験では無理かもしれない仕事にも、失敗を恐れず積極的に挑戦できます。そうして失敗したとしても、背伸びして挑戦を続けることで、少しずつ社員たちは成長できるのです。 当然「売上を伸ばそう」とは考えますが、何よりも、いい製品を作って、お客様からいい評価をもらえたときの喜びを大切にしていきたいです。 売上や利益のことばかり考えていては、モノづくりの喜びを見失ってしまうかもしれません。常に思いを込めたモノづくりをすることで、モノづくりの喜びを忘れないようにしようと社員にも言い聞かせています。 一方で事業の方向性としては、これまでのように試作部品を加工するだけでなく、切削から試作金型までを一貫して受注する方向に力を入れて行きます。 また、お客様から期待される納期は、ますます短くなっています。お客様の期待に応えることは大切ですが、安直に「夜遅くまで働いて納期に間に合わせよう」と考えていては、社員の負担になりますし長続きもしません。よりよい仕組みを作ることで、今よりも速く納品できるように工夫していくことが私の仕事です。 最近の若い人たちは、物欲や出世欲が少ないように感じます。でも、昨日できなかったことが今日できるようになったら、うれしく感じるでしょう。日々成長していく自分のことは、好きになれるでしょう。仕事では、そういう喜びを感じてもらい、「もっと成長したい」と欲を持ってもらいたいのです。現状に満足して、惰性で仕事をしないでください。 とにかく前向きに、何でも吸収して、「次はあれに挑戦してやる」と意欲を持って仕事と向き合える社会人になってください。

06.jpg 代表取締役社長 宮丸 勝也さん

先輩メッセージ
品質検査・加工・営業の社員みんなが同じ方向を向いて努力できるところが好き

試作営業部
村田さん
――どんなことがきっかけで、貴社に入社したのですか。 子供のころからモノづくりは好きでしたが、文系だったため、モノづくり企業で働こうとは考えていませんでした。けれど、先代の社長と自分の父親が知り合いだったため、「この会社で働かないか」と声を掛けていただいたのです。 それで会社見学に来まして、1個1個削って部品になるところや完成した試作部品を見せてもらい、いろいろと会社のことを聞かせていただくうちに「ここで働いてみたい」と思うようになりました。 また、先代社長の趣味が釣りで、「工作機械を使ってルアーも作れる」と教えてもらいました。私も釣り好きでしたから、「この会社で加工を覚えれば、ルアーも削って作れるようになるのか」と軽く感動し、そんなところからも興味を持ちました。 品質検査や部品加工の仕事を経験して、今は営業を担当しています。 まず心掛けているのは、得意先からの依頼を確実に納期までに納品することです。期限に間に合うよう、常に社員の稼働が空いているかと気を配るようにしています。 また、新しい顧客の開拓にも力を入れています。以前はある企業からの仕事に依存していましたので、その企業の活動が活発な時期にだけ仕事が増えて、落ち着いている時期には仕事があまりない状況でした。 今の社長になってから、できるだけ幅広い業界の企業と取引するようにして、そのような業務量の波が減るように努めています。展示会に出展したり、ホームページを充実させて個人の方からも試作についてご相談いただけるようにしたり、少しずつ取引先の数を増やしています。 加工を始めたころ、先輩の作ったものを見て「こんなもの、どうやれば作れるのだろう。自分にはとてもできない」と思っていました。 しかし、3~4年後に自分で作ったものを見て、ふと当時の先輩と同じくらいの精度で加工できたことに気が付きました。無理だと思っていたことが、いつかできるようになる。自分の成長が目に見えて分かるところがモノづくりの仕事の魅力だと思います。 少数精鋭の組織ですから、品質検査・加工・営業の社員がみんな同じ方向を向いて働いているところでしょうか。月1回開く会議では、1カ月の売上や、お客様にほめられたこと、注意されたことなども共有します。そうして社員みんなで「うれしい」「もっとがんばろう」と同じ意識を持って、次の目標を達成しようと努力できるところが好きですね。 また、分かりやすいところでは、ここ2年、社員旅行でグアムに行きました。「みんなががんばってくれたから」と社長が企画してくださったのです。他にも、社員同士の交流を深めるためにバーベキュー大会を開くなど、仕事以外の楽しみも多い職場です。 現在の営業担当は、社長と私の2人だけです。いずれ社長には経営のことだけを考えてもらい、自分が営業を引っ張っていけるようになり、後輩を育て、営業部を強化していきたいです。 そのためにも、まずは社長以上にたくさんの仕事を受注できるようになることです。「営業のことは任せて大丈夫」と思ってもらえるようになりたいですね。 私が就職活動をしていたとき、「文系だから理系的な仕事は向いていない」と勝手に決めつけて自分の可能性を狭めていました。 けれど、モノづくり企業で働くようになり、やる気さえあれば意外とどうにかなるものだと考えるようになりました。自分で勝手に「きっとできない」と壁を作らず、何にでも挑戦してみてください。

07.jpg 試作営業部 村田さん
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先輩メッセージ
「完成しました」と報告すると、周りの仲間が「よくやった!」と一緒に喜んでくれる

試作製造部
山之内さん ――貴社のことは、どんな縁から知りましたか。
職業訓練の学校で、CADを使うコースに通っていました。その中で、実際にものを作る授業があって、それがとても楽しかったのです。それまではCADを使って図面を描くばかりでしたが、CADで描いた図面がそのまま形になることを、とてもうれしく感じました。 それ以来、「自分で手を動かすモノづくりを仕事にしたい」と考えるようになりました。それで冊子で就職先を探すとき、当社を見つけまして、「この会社なら期待した仕事ができそうだ」と思って応募したのです。 製造部に所属しています。CADで描いた図面をマシニングセンターなどで自動加工するために、CAMで加工用のプログラムを組んで、実際に工作機械を動かして部品を仕上げるところまでが仕事です。 材料の種類によっては、きれいに加工できないこともあります。柔らかい素材をドリルで削る切削加工をすると、バリという不要な突起が残ってしまいます。切削した個所がきれいになるように、顕微鏡を使いながらバリを取る作業に長い時間をとられてしまうこともあります。できるだけバリが出ないように加工手順を工夫するなど、いろいろと考えながら進めていかないといけません。 大変なことの多い仕事ですが、それでもうまく加工できたとき、「完成しました」と報告すると、周りの仲間が「よくやった!」と一緒になって喜んでくれます。その瞬間が好きで、自分でも誇らしい気分になりますね。 社員みんなの仲が良くて、協力し合っているところです。 先輩は私のことを気に掛けて、よく声を掛けてくれますし、私が忙しそうにしていると、後輩も「何か手伝うことはありますか?」と気遣ってくれます。私も、忙しそうにしている社員がいたら、積極的に声を掛けて手伝うようにしていますね。 また、社員旅行などの社内の催しが盛んな職場でもあります。そういう機会があったときには、趣味の話などできるだけ仕事以外の話をして相手を理解するようにしています。そうしてより仲良くなれるのもうれしいことですし、仕事のときに話し掛けやすくなるといった利点もあります。 結婚しているので、仕事と家庭を両立していくことが目標です。 向上心を忘れず、モノづくりに携わる者として、成長を続けていきたいです。 自分が作ったものを、自分の目で見ることができるところに魅力を感じ、私はこの仕事を選びました。 時には加工がうまくいかず、仕事中に溜息をついてうつむいてしまうこともあります。そういうときこそ初心を思い出し、「もっとがんばろう」と励みにしています。学生の方々も、最初の思いを大切にして、ずっと持ち続けていてほしいですね。 もう1つ伝えたいことがあります。当社のような加工企業で働く女性は、多くはないかもしれません。それでも、お客様の依頼どおりに製品が完成しさえすれば、「男性が作った」「女性が作った」といったことは関係ありません。 もし、モノづくりに興味を持っている女子学生がいて、「男性中心の職場だから、女性が働いてはいけない」と思うようなことがあるのなら、それは非常にもったいないことです。性別に関係なく、モノづくりがやりたいのなら、ぜひ目指してください。 注)掲載している情報は、取材日(2014年7月)時点のものです。

09.jpg 試作製造部 山之内さん
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