株式会社 南武
株式会社 南武
あらゆるチャンスを与えて、社員の可能性を引き出す
3Kから5Sへ!もの作りは人作りを実践し、国際企業へと躍進
株式会社 南武
あらゆるチャンスを与えて、社員の可能性を引き出す 3Kから5Sへ!もの作りは人作りを実践し、国際企業へと躍進
- 社名:株式会社 南武
- 設立年月:昭和40年12月
- 資本金:5,800万円
- 従業員数:118名
- 売上高:19億1000万円
- 代表者:野村和史
- 本社所在地:東京都大田区萩中3-14-18 〒144-0047
- 公式HP:http://www.nambu-cyl.co.jp/
- 特殊油圧シリンダ専門メーカーとして、いまや国内トップシェアをもつ株式会社南武。しかし、かつては貴重な技術を持ちながら、3Kと敬遠されて後継者不足に悩んでいた。そんな同社が、多くの国内外の特許や数々の受賞に輝き、世界にネットワークを広げる不況知らずのグローバル企業へと生まれ変わった軌跡をたどる。
業種
金型用油圧シリンダ・製鉄用鉄板巻取り用油圧ロータリーシリンダ
事業紹介
弊社の経営は常にお客様の立場でモノを考え、お客様の便宜性(ベネフィットポイント)・多種少量・短納期・十分なアフターサービスを最重要課題として取り組み、信頼を得ています。 今後もお客様のご満足いただける製品作りを続ける事で、研究開発型・問題解決型企業を目指していく所存です。
経営者からのメッセージ
国内外の特許に裏打ちされた確かな技術とクオリティ
弊社は、我が国初の油圧シリンダ専門メーカーとして、昭和30年に南武鉄工として設立・発足し、社名変更を経て、国内トップのシェアを持つ特殊油圧シリンダメーカーとして現在に至ります。主力商品は、金型用中子抜きシリンダ、製鉄巻き取り用ロータリージョイント、センサシリンダ(超小型センサシリンダ)などです。 経営方針には、「1年に1つ特許がとれる新技術、新製品を生み出す」を掲げ、達成しております。近年では、二次三次加工の工程を省くコストダウンを可能にしたロータリコアプラーシリンダ(東京都大田区第8回新製品新技術コンクール最優秀賞)や、自動車エンジン等のダイカスト部門に於いて軽量化・高精度化・コストダウン・サイクルタイム短縮を実現したスーパーロックシリンダ(平成17年度全国ものづくり大賞・奨励賞)など、国際特許を持つ技術と製品を生みだしています。
常務取締役 1997年入社
あまたの特許を生み出したのは厳しい要望
弊社の強みは、お客様のご依頼に応える優れた製品を、多種少量、短納期で製作し、十分なアフターサービスを行っている点です。お客様の要望は、毎年高く難しくなりますが、その厳しい要望こそが弊社に特許をもたらす源泉になっているといえます。技術で勝負できなくなれば、あとは価格競争しかありません。中小企業が生き残るには、他の追随を許さない技術が必要なのです。
不況下の10年間、業績は常に右肩上がりで従業員倍増
「企業は人なり」といわれるように、社員ひとりひとりの持つ限りない可能性こそが、会社を伸ばす財産だと思っています。その可能性を引き出すためには社員にとって、魅力的な会社であり続ける努力をしなければいけません。そこで弊社は、3Kと呼ばれて敬遠された現場の改革に本気で取り組んだのです。 5S(整理・整とん・清掃・清潔・しつけ)から、夏は暑く・冬は寒いのが当たり前だった現場への空調設備の導入、油で汚れた床の総張り替え、若い人の多い工場では有線放送を流すなど、環境改善は徹底的にやりました。さらに、プライベートが充実するように定時退社を奨励。結婚、出産しても女性が働き続けやすい環境を整えたことで、社内結婚も増え、職場への誇りや愛着につながっています。その成果は、事故や故障の減少、製品のクオリティの工場、コストや納期など生産効率アップにも現れています。 業績も順調に推移し、この10年間で社員は倍増。女性たちが生き生きと輝いて働けるような職場には、男性にも魅力的に感じられるもので、男女ともに有能な人材が集まりやすくなりました。
女性技術者も生き生きと活躍できる現場とするために
弊社の今日を語る上で、弊社初の現場女性技術者の存在は欠かせないことです。10年前、地元の女子高校を卒業した女の子が、職人の世界に飛び込んできました。初の現場女性技術者で、「若い女の子が現場でどこまでやれるのか」という声もありましたが、先輩の言葉をメモしながら油にまみれて取り組む姿は真剣そのもの。少しでも早く技術を身につけて一人前になりたいという熱意は、周囲の不安を吹き飛ばし、ベテラン職人たちの心を動かしました。 社員間のコミュニケーションの改善、暗く乱雑だった現場が整理整頓されて明るくなるなど、彼女の存在が現場に与えたメリットは計り知れません。会社も現場に女子トイレや休憩室を作り、全面的にバックアップしました。これがよい循環となって、彼女の後に続く女の子が毎年入社。その活躍ぶりはNHK番組「ドキュメント日本の現場」で「ドリルガールズ」と呼ばれて放映され、多くの温かい反響をいただいています。
きっかけとなった女性現場技術者。
無論そこには、ベテランの指導と、それを
支えた 経営陣がいたことも忘れてはいけない。
世界への本格進出とともに、教育研修に力を入れる
アジアでの自動車生産拡大を受けて、2002年に弊社はタイに現地製造会社を設立。2006年には、地元大田区がタイのバンコク郊外に開設した「オオタテクノパーク」の第1号として移転しました。そして、アメリカ合衆国のインディアナ州にある会社と技術提携し、販売だけでなく修理も行う事が出来る重要な拠点としました。また、韓国、中国、台湾、マレーシア、インド、ドイツの海外販売ネットワークと共に、ワールドワイドな視点での技術・品質水準の向上に努めています。 海外に事業展開していく上で重視しているのがコミュニケーションです。それぞれの国の歴史や伝統に対する相互理解をより重視しています。海外へ派遣される営業職は1年前から語学等の準備をして、3年交代で駐在しています。そのほかの社員にも、いずれ海外で活躍できるように、国内外の展示会や研修会には積極的に参加させています。社内でも英語研修を行い、東京都城南地区中小企業振興センター主催のパソコン研修会をバックアップするなど、直接の業務とは関わりがない分野だとしても、積極的にスキルを磨くことを奨励しています。
総務部 システムエンジニア 2006年入社
“エコ”を重視しつつ、世界で活躍する“日僑企業”を目指す
この10年、順調な成長を続けている当社にとっても、現在の世界同時不況には気を引き締めています。それでも弊社の生命線である「技術は人である」という考え方は変わりません。どんな時代になっても優れた技術は求められ続けられると確信しているからです。逆に、体力のある中小企業にとっては、不況はよい人材を採れるチャンスであると考えているぐらいです。 今後の事業展開としては、環境に配慮し負荷を低減したエコシリンダに着目しています。得意分野であるシリンダ技術をもって、環境汚染の防止や省エネルギー、省資源を追求することが、弊社の社会的な使命であり存在意義になりうると思っています。 目指す企業モデルは「日僑」。国境を越え、あらゆる国にネットワークを広げて活躍し助け合っている「華僑」の日本版です。タイを拠点とするアジアの業績は日米ほど悪化しておらず、海外ネットワークの重要さをますます実感しています。