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根本特殊化学株式会社 (株式会社ネモト・ルミマテリアル)

根本特殊化学株式会社
(株式会社ネモト・ルミマテリアル) ピンチから生まれた「N夜光」、 技術を受け継ぎ、新商品を続々開発<br>世界の夜光時計シェア100%!今後も人・社会・地球に貢献

根本特殊化学株式会社 (株式会社ネモト・ルミマテリアル)

ピンチから生まれた「N夜光」、 技術を受け継ぎ、新商品を続々開発
世界の夜光時計シェア100%!今後も人・社会・地球に貢献

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輝く技術 光る企業

根本特殊化学株式会社 (株式会社ネモト・ルミマテリアル)

ピンチから生まれた「N夜光」、 技術を受け継ぎ、新商品を続々開発 世界の夜光時計シェア100%!今後も人・社会・地球に貢献

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  • 社名:根本特殊化学株式会社 (株式会社ネモト・ルミマテリアル)
  • 設立年月:1941年12月
  • 資本金:99百万円
  • 従業員数:32名
  • 代表者:根本 郁芳
  • 本社所在地:東京都杉並区高井戸東4-10-9
  • 公式HP:http://www.nemoto.co.jp/index_j.html
  • 時計用夜光塗料というひとつのコア技術からスタートした根本特殊化学株式会社。今ではその技術からさまざまな新商品が開発され、私たちの生活に役立てられています。今回は「蛍光体」の一種である「N夜光」の誕生秘話から、技術者として生きる醍醐味について話を伺いました。
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業種

製造業(化学工業)

事業紹介

夜光顔料、各種蛍光体等ファインケミカル、ガスセンサーのメーカー。夜光顔料は圧倒的シェア。
08年6月蛍光体事業とセンサー事業の開発・生産部門の会社分割でそれぞれ分社化。

世界に通じる技術力について
ピンチをチャンスに!取引中断という最大の危機を技術者が救った

「蛍光体」といってもピンとくる方は少ないと思いますが、身近なものでは時計、リモコンや照明機器などの電気機器、安全標識や避難誘導標識などに使用されています。 もともと弊社は1941年の創業以来、各時計メーカーの文字盤・針に蓄光材塗装を行ってきました。昔の塗料は、ごく微量の放射性物質を入れることで光らせていたのですが、今から20年ほど前、ある局面にぶち当たることになったのです。地球環境の保全が叫ばれ始めていたことがきっかけで、大手時計メーカーより、放射性物質入りの塗料は受け付けられないと取引が中断されそうになったのです。このピンチを乗り切ろうと技術者が結集し、5年後の1993年、放射性物質を全く含まず、CO2を排出しない「N夜光」を開発することができたのです。

nemoto_ph01.jpg 笠井 秀彦さん
平塚工場長 1993年入社

「N夜光」の優れた特性を活かして可能性がますます広がってゆく

「蛍光体」の一種が「N夜光」であるわけですが、従来の蓄光顔料に比べ、明るさ、残光時間において約10倍の輝度を実現しました。電気を使わなくても、暗闇で長時間明るく光ることが特徴です。 おかげさまで現在、日系時計メーカーの蓄光付時計(文字盤・針)で100%のシェアを誇り、1994年には「日経優秀製品・サービス賞」、1996年には「大河内記念技術賞」などの賞をいただき、2005年には「特許活用優良企業」として表彰を受けることができました。 今や時計にとどまらず、照明・ディスプレイ用など他の蛍光体分野や、センサ分野、ライフサイエンス分野へも事業内容を拡大しつつあります。今後も、「人と地球のための化学」をテーマに、特殊な分野に事業資本を集中し、国際的に通用する新製品の開発に力を入れていきたいと思っています。

お客様のニーズに応え続ける技術者、独創性溢れるアイデアが鍵

「N夜光」の担当チームは、お客様から寄せられる多用なニーズに応えるべく、日々研究を続けています。たとえば、「N夜光」の輝度を2倍にしてほしい、「N夜光」の色をもっと白くしたいなどの要望に対して、一人ずつ作戦を練り、チームでディスカッションを重ね、方針を打ち立てます。明るさをそのままに色を変えることは難しいのですが、色が変えられれば商品デザインの幅が広がり、お客様の満足度向上につながります。そのため、実験を繰り返し、ときには途中で方向性を転換しながら、とにかくやり続けるのが技術者の仕事です。技術者として、普段からあらゆることにアンテナを張って、「蛍光体」の解釈を広げていくことで突破口が開けることもありますね。弊社のモットーである「独創的な技術の開発」は、一人ひとりの技術者にかかっているのです

求めている学生像、社員への教育・研修方法
自身で開発した技術を海外で量産、すべてを経験できるチャンス

「蛍光体」はかなり特殊な分野なので、理科系の出身者が多いとはいえ、大学で専門的に学んできた者は少ないですね。なので、文科系であっても、モル計算など高校で習う程度の基礎的な化学の知識があれば問題ありません。弊社は、組織の歯車としてではなく、好きなことをやれて結果が早く出るのが魅力。やる気さえあれば、すぐに重要なポストを任せることもあり、入社2年目で海外出張もありえます。私も中国へ転勤した経験があるのですが、それは自分で開発したものを海外で量産するための立ち上げ、生産管理までを担当するためです。一技術者としてだけではなく、全体を見渡して把握できる環境があることは非常に大きなメリットだと思います。技術者の半数が海外出張に行くので、英語講座や中国語講座など、語学研修が盛んなことが特色ですね。

昔から今、そして未来へ残ることが“ものづくり”の醍醐味

“ものづくり”は、自分の世界に浸れるところが利点ではありますが、ただそれだけに没頭していてもよいものを開発することはできません。新人のうちから、お客様の対応をすることによって、いろいろな目線でものを考えられるようになれると思います。入社1年目から、バリバリ仕事をこなしている社員が多いことも、弊社の特徴といえるでしょうね。多忙な仕事の合間に、資料などを読んで勉強している者も多いですが、数々の経験を積んできた先輩社員と話すことが、一番身につくようです。 技術者を目指す学生の方々に伝えられることがあるとすれば、やりがいや責任があるということでしょうか。技術は何十年、何百年経っても残るものですよね。カタチは変わっても、次の担い手がその技術を基盤に新しいものを積み上げていく。そんな醍醐味を味わえることが技術者の誇りなのだと思います。

nemoto_ph03.jpg N夜光は、原料となる粉を調合した後、
電気炉で焼成して作られる。