<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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日本機械工業 株式会社

日本機械工業 株式会社 全国消防操法大会で1位・2位を取った消防車を作り上げた<br>消防署や消防団ごとの要望に耳を傾け、時に提案もして消防車をオーダーメード。軽量化や技術開発により数百件の特許を取得

日本機械工業 株式会社

全国消防操法大会で1位・2位を取った消防車を作り上げた
消防署や消防団ごとの要望に耳を傾け、時に提案もして消防車をオーダーメード。軽量化や技術開発により数百件の特許を取得

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輝く技術 光る企業

日本機械工業 株式会社

全国消防操法大会で1位・2位を取った消防車を作り上げた 消防署や消防団ごとの要望に耳を傾け、時に提案もして消防車をオーダーメード。軽量化や技術開発により数百件の特許を取得

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  • 社名:日本機械工業 株式会社
  • 設立年月:1928年8月(創業:1922年1月)
  • 資本金:1億7200万円
  • 従業員数:約200名
  • 代表者:代表取締役社長 高田 立雄
  • 社員平均年齢:約41歳
  • 初任給:約210,000円(大卒)
  • 主な勤務地:東京都八王子市
  • 休日:土日祝日、有給休暇、夏期・冬期休暇、ゴールデンウイーク
  • 本社所在地:東京都八王子市中野上町2-31-1
  • 電話番号:042-622-7281
  • 公式HP:http://www.nikki-net.co.jp/
  • ・消防車、防災資機材など、防災に役立つ製品を開発・製造
  • ・ポンプやタンクの軽量化など、消防署や消防団ごとに寄せられる要望に可能な限り応える
  • ・「社会に役立つ消防車を作っている」と誇れることが何よりの働く魅力
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業種

【営業品目
・はしご付消防ポンプ自動車
・屈折はしご付消防ポンプ自動車
・化学消防ポンプ自動車
・水槽付消防ポンプ自動車
・消防ポンプ自動車
・特殊消防自動車
・コンビナート用大型化学高所放水車
・コンビナート用大型高所放水車
・コンビナート用化学消防ポンプ自動車
・コンビナート用泡原液搬送車
・救助工作車
・PP樹脂製水槽
・救助防災資機材
・消防ポンプ部品及び装備品
・消防装備品の設計・製造・販売

事業紹介

【笑顔を守り抜く製品の生まれる場所】

☆「いざに備え、イザに役立つ」をメインコンセプトとした様々な消防自動車を生産しております。
これからの若い世代に向けたコンセプトとしては「CHALLENGE FOR SMILE」。
日本機械工業は創業以来、社会環境や人々のライフスタイルに柔軟に対応し、品質第一に徹する事で、危機から人々の命や生活を守ってまいりました。そして、技術力・実績・情熱を胸に、日本の明日の笑顔を守るために、これからもあくなき挑戦を続けてゆきます。

何を作ってる?

火災などの災害時、被害を最小限に食い止めるため、人命救助に当たる消防車。日本に消防車メーカーが十数社ある中、消防の技を競う第23回全国消防操法大会(ポンプ車の部)で1位・2位となった消防団が使っていた消防車は、どちらも同じメーカーが作ったものだった。 そのメーカーこそが日本機械工業。特にポンプ車で使用する真空ポンプには定評があり、他社のポンプよりも数秒速く水を吸い上げて放水できる。わずか数秒の差だが、火災現場ではその違いが生死を分ける可能性すらある。 消防車の外見は、昔から変わらぬ赤色。一見、同じように見えるかもしれないが、中身は最新技術の固まり。常にポンプの性能などは改善され、噴霧消火装置「フォグテック」や先端屈折式はしごなど、最新式の装備が続々と積み込まれている。 そうした日々の技術開発によって、これまでに取得した特許の数は数百件。世界初の消防用バイク「ミストドラゴン」といった製品も世に送り出している。

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会社の強み

日本機械工業が誇りにするのは、「どんな要望でも聞いてくれる」という顧客からの信頼の声だ。消防車は1台1台がオーダーメード。消防署や消防団ごとに寄せられてくるさまざまな希望に誠実に応え、ホースやポンプなどのレイアウトを変えたり、消防署員や消防団員の身長・年齢などを考えて装備を取り付ける位置を工夫したりしている。 そうした顧客からの声に耳を傾けて改善してきた結果、同社の特長にもなったのが水を入れるタンクの軽さ。従来は鉄で作っていたポンプやタンクを、アルミや樹脂といった軽量な素材で作れるようにした。頑丈な鉄から柔らかい素材に変えることで、強度を維持する問題を解決しなくてはならなかったが、そこはタンクの設計を工夫することで乗り越えてきた。 アルミのポンプや樹脂のタンクに置き換えることで一般的なポンプ車で400キロほど軽量化できた。軽くなった分、より多くの水や装備を積めるようになった。軽量化した分を、すべてタンクの増量に当てるのなら、従来はCD-Iクラスの消防ポンプ車で最大で900リットルまでだったタンクの容積を1300リットルにまで増やすことができるようになった。

05.jpg CD-I型の消防ポンプ車
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職場としての魅力

テレビなどを観ていると、災害時に出動していく消防車の映像が流れることがある。「『今、テレビに映っているのは当社で作った消防車だ』ということが分かります。一部の部品だけを作っているのではなく、社会に役立つ製品全体を作っていることに誇りを感じる社員が多いようです」(篠田佳英代表取締役社長(取材当時)。以下、同) 会社で記念に消防車のミニチュアを作ったところ、5000円ほどもするのに、多くの社員が買っていった。中には数台も購入した社員もいる。「自社で作ったものをミニチュアでもいいから手元に置いておきたい。そんな心境だったのではないでしょうか」 社員には子供のころからの消防車好き、自動車好きが多く、幼いころから憧れていたものを自分の手で作れることに何よりも魅力を感じている社員が多い。そうした社員の思いこそが、会社にとっては一番の原動力だと篠田社長(取材当時)は目を細めて話してくれた。

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社長メッセージ
お客様の要望をかなえるだけでなく、心の奥底で望んでいることを察して提案したい

高田 立雄さん ――会社として、大切にしていることを教えてください。 私どもは消防車メーカーとして、2番手の位置にいます。1番手の企業に追いつくため、お客様から相談を受けたら、できる限りご要望をかなえられるように努力することを会社の方針としています。 ただ、メーカーとしてはお客様の要望をかなえるだけでは不十分です。要望としては出てこないけれど、お客様が心の奥底では望んでいること。こちらからそれを察して、提案していかないといけません。 例えば、最近では首都直下型地震や南海トラフ地震など、将来起こり得る災害への備えが必要だと叫ばれています。阪神淡路大震災のとき、問題になったのは消防車が海水を使って消火できなかったことです。当時のポンプ車は塩水を使えません。そこで海水も使えて、海から1~2キロ先まで送水できるようなポンプ車を作ってはどうか、と阪神淡路大震災の後、同じ年のうちにはお客様に提案しました。翌年3月には完成させています。そのような提案型の取り組みにも力を入れています。 いつか起こるかもしれない災害に備え、「犠牲者ゼロへの取り組み」をすることで、社会に貢献できるように全社一丸となって取り組んでいきたいです。 ――「一緒に働きたい」と思うのは、どのような人材ですか? どんなに小さなこと、狭い範囲でもいいですから、平均よりも優れた評価を受けたことがある人、できればトップになった経験のある人が望ましいですね。 目的を持って何かをやり抜いたことがある人は、仕事をするときもやる気を持って粘り強く努力できるものです。仕事をしていて壁にぶつかっても、自分なりの壁の乗り越え方が分かっています。 ですから読者の皆さんは、学生のうちに必死になって何か努力してみてください。勉強や部活でなくても構いません。音楽活動でもエッセイを書くことでもいいと思います。ただ、「必死になった何か」で平均よりも上の成績を収められるように努力してみてください。人よりも得意なことを持っていれば、自分に自信を持てるようになりますし、先ほど話をしたように、壁の乗り越え方を自然と身に付けることができるようになるはずです。 読者の皆さんにもう1つお願いしたいのは、背伸びしてみることです。「自分にはちょっと難しいかな」と思うことがあったとしても、あきらめるのではなく、思いっきり背伸びして挑戦してみてください。背伸びしてつま先立ちしている間に、いつの間にか、つま先立ちしなくても手が届くようになります。「自分はここまでだ」と決めつけないで、挑戦してみることが大切です。 普段から、そういった意識を持ってください。学生のころから意識して取り組んでいけば、必ず将来の自分のためになるはずです。

先輩メッセージ
設計した消防車が完成して、工場内で直に見ると、やはり感慨深いものがある

設計課
若林さん
――日本機械工業とは、どのように出会いましたか? 以前は別の会社で自動車部品の設計開発をしていました。「部品だけではなくて、製品全体の設計ができるようになりたい」と希望するようになり、転職活動を考えたとき、当社と出会いました。 当社では1台の消防車の設計を1人で担当します。ポンプのレイアウトから車体の形状まで、一連の業務を担当できるところが魅力です。地域社会に必要とされる消防車に携われるところにも意義を感じました。選考の途中、工場を見学させていただく機会があり、消防車を間近に見ることができて「やはりこの会社で働きたい」という思いを強くしましたね。 消防車を発注いただく消防局、消防団等各自治体、企業ごとに車両の設計は1台1台異なります。ポンプや車体の形状、取り付ける装備など、全体のバランスを考えながら設計しています。 設計の業務は、1台当たり1週間くらいで終わることもあれば、1カ月ほどかかるような難しい設計もあります。それを1人で1台分をすべて担当できるところにやりがいを感じています。 消防車の発注が来る時期はある程度決まっています。比較的暇になる時期もありますから、そういう時期は忙しい時期に設計にかかる時間を短縮できるように、標準部品の設計を改良するなどしています。 仕事の流れとしては、営業担当者がお客様先に伺って打ち合わせをして、どのような消防車が必要かということをまとめた仕様書を設計課に渡してくれます。設計課の社員は、その仕様書を見て設計を考えていくことになります。 営業担当者に同行して、お客様と直接打ち合わせをすることもあります。「使いやすくするために、取り付けの位置を変えてほしい」「こういう構造にしてほしい」など、お客様の生の声を聞けるのは、設計をする上でとても参考になります。 そうして設計を担当した車両が完成して、工場内で実際にできあがった消防車を見ると、やはり感慨深いものがあります。複雑な車両を設計するのは大変ですが、お客様の要望に応えられるよう、できるだけ試行錯誤して優れた設計ができるようになっていきたいと考えています。 社内イベントが定期的に企画され、みんなで盛り上がれるところです。 この夏は「納涼祭」というイベントがあり、屋台でかき氷を作る予定です。社員の家族も参加することができて、みんなでお祭りを楽しむことができますから、今から楽しみにしています。 まだ勉強不足ですし、経験不足です。消防車の中でも複雑な車両を担当することは少なく、比較的簡単な車両の設計を任せていただいています。もっと勉強して経験を積んでいくことで、先輩や上司が担当しているような難しい仕事もできるようになっていきたいです。 会社に入ることを目的にしないでください。会社に入ってからの人生の方がずっと長いです。その会社に入って、どんな仕事をしたいのかとしっかり考えて就職先を決めてください。 どんな仕事であっても、大変なところはあります。将来の目標がないと、仕事を続けていくことはできないと思います。まずは自分がどんな仕事がしたいのかとよく考えてから就職先を考えてみてください。

10.jpg 設計課 若林さん
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先輩メッセージ
もっと役に立つ最新の消防車を提案し、消防業界を革新するお手伝いができたらいい

営業課
大場さん
――どのような縁から、日本機械工業に応募したのでしょうか。 学生時代に一緒に部活をしていた友人のご両親から、紹介していただきました。 消防車のメーカーとして、かなりのシェアを持っているところにまず興味を持ちました。会社のことを調べるうちに、消防車は1台1台の仕様が違うことを知って「面白い仕事になりそうだな」と感じ、入社を希望するようになりました。 お客様には消防局や消防団等各自治体が多いものですから、消防車の発注をいただくため、前年度の予算取りの段階から営業をすることになります。すると「こんな消防車が欲しい」というご要望がまとまった仕様書というものが入札の前に作成されます。その仕様書を見て、次に「条件を満たせる消防車をいくらで納品できる」と入札することになります。 入札に成功して受注できたら、また打ち合わせをさせていただき、設計課に図面の作成を依頼します。図面が完成したらお客様のところに持参し、承認いただいた後、消防車の製造に移ります。そして塗装前の段階でも、お客様に工場まで1度足を運んでいただき、修正個所などがないか消防車を検査していただきます。この段階でホースの収納場所など、簡単に修正できるところがあれば、その場で指示していただき対応します。ここまでの一連の対応が営業の仕事になります。 このように、受注してから納品するまで、かなりの業務が発生します。私は年に15~20台くらいの担当をしていますが、それくらいの台数で手一杯になりますね。 仕様書に書かれた条件の消防車を、どれだけ低価格で入札できるかが重要になってきます。最近では環境に優しいことが仕様書の条件に盛り込まれることが増え、車両に使用する部品・素材などのリサイクルへの対応状況や、燃費などが問われています。そういった消防車に対する要望について、できるだけ詳しい情報を会社に伝えていくことで、消防局・消防団から必要とされる車を作るお手伝いをしていきたいですね。 ちなみに、当社はタンクの軽量化にいち早く取り組み、それを強みにしています。車両が軽ければ燃費もよくなりますので、燃費を重視する案件では、他の会社に負けたくないです。 同じ自動車を作る仕事でも、製造ラインで流れてくる同じ部品を淡々と組み立てていくのではなく、消防車1台1台を手作業で作り上げていきます。そこに味があり、面白い仕事だなと思いますね。 働く環境としては、会社の規模はそれほど大きくありません。私は営業課ですが、設計や製造などの部署との距離感も近く、気軽に話ができて、別部署の考え方なども教えてもらえます。そこが他の会社にはない当社のいいところなのだと思います。 当社では今も、より求められる消防車をお客様に届けられるように、さまざまな技術開発をしているところです。もっと役に立つ消防車や装備ができたら、それらをお客様に使ってもらえるように提案していき、消防業界を革新していくお手伝いができたらいいですね。 大企業の方が安定しているし、給料もいいかもしれません。ですが、当社のような規模の大きくない会社でも、職場のつながりを感じられるといった中小企業ならではの魅力があります。 それに当社は地元密着で、地元出身の社員が多いです。同じ地域で育った人たちが多いものですから、気心が知れた仲間と働けるところも当社の魅力の1つなのではないかと思います。 注)掲載している情報は、取材日(2013年7月)時点のものです。

12.jpg 営業課 大場さん