<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社オプトデザイン

株式会社オプトデザイン LED光を点から面に変換する技術を編み出し、世界中から注目を集める<br>LEDの光を均一で柔らかなものに変える技術を開発し、液晶テレビや照明の世界的なメーカーとの提携を探る

株式会社オプトデザイン

LED光を点から面に変換する技術を編み出し、世界中から注目を集める
LEDの光を均一で柔らかなものに変える技術を開発し、液晶テレビや照明の世界的なメーカーとの提携を探る

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輝く技術 光る企業

株式会社オプトデザイン

LED光を点から面に変換する技術を編み出し、世界中から注目を集める LEDの光を均一で柔らかなものに変える技術を開発し、液晶テレビや照明の世界的なメーカーとの提携を探る

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  • 社名:株式会社オプトデザイン
  • 設立年月:1991年3月
  • 資本金:2400万円
  • 従業員数:-
  • 代表者:代表取締役 佐藤 榮一
  • 社員平均年齢:-
  • 初任給:-
  • 主な勤務地:-
  • 休日:-
  • 本社所在地:東京都八王子市南大沢 3-2-6-108
  • 電話番号:042-676-5335
  • 公式HP:http://www.opto-design.com/
  • 注目の新技術には、普及を妨げる壁が生じることがあり、その壁を取り除く技術を開発することで、一躍、世界から脚光を浴びるようになることもある。次世代の照明として期待が集まるLEDの場合、壁としてそびえている問題の一つは、光の直進性が強いこと。この問題を解決する装置を発明した日本のある中小企業に注目が集まり、液晶テレビや照明装置の世界的なメーカーからも提携を打診されている
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LED普及を妨げる課題を解決するオプトデザインの「フラッタ」技術

省電力・長寿命という特長から、急速に普及しているLED。ただ、照明として使うには直進性が強く、広がりを持たせた柔らかい光が欲しい時には蛍光灯の方が向いていた。 そんなLEDの欠点を克服する「フラッタ」という装置を開発したのが株式会社オプトデザイン。ビーム状に直進するLEDの光を面状に変換することで、均一で照度が高く、人間が直視しても問題のない柔らかな光を実現させた。この技術は、日本・韓国・台湾・アメリカで特許を取得し、欧州・中国にも出願しているところだ。 「これまでにも、光を均一にする方法はいくつか開発されてきました。たくさんのLEDを並べる方法、導光板に光を導いて拡散させる方法、レンズを使う方法などです。しかしこれらの方法では、高熱を持ったり、装置自体が大きく重くなったりと実用面で問題がありました。当社の開発した『フラッタ』技術は、それまでの方法とは一線を画す画期的なものです」と胸を張るのは同社代表取締役の佐藤榮一氏だ。 1991年の会社設立後、しばらくの間はレンズ設計の下請けや光学ソフトの販売などを手掛け、2006年にフラッタの技術を考案。以来、試作品を開発し、展示会にも出展するようになり、大型看板のバックライトや店舗の外壁などで採用実績を積んできた。 現在、このフラッタ技術を用いた直下型LEDフラット照明に「ユニブライト」というブランド名を付け、拡販を図っている。近く大規模な生産工場を稼働させる予定もあると佐藤氏は話している。

03.jpg 代表取締役 佐藤 榮一 さん

海外の液晶/照明メーカーとの提携を探り、幅広い分野への進出を図る

ユニブライトの場合、フラッタを通すことでLED光を拡散させて面状に変換するため、LEDの数は少なくとも広い面積から光を照射することができて経済的。しかもフラッタは、安価な素材を使った簡易な構造で重さも軽量。かつ、最小単位となるフラッタと1個のLEDを組み合わせたユニットの大きさは10センチ角程度になっていて、ユニットの数を増やすことで、どんなに大規模な照明装置でも構成できる。フラッタ自体の形状加工も簡単にできるため、照明の形状も長方形、多角形、円形と自由に決めることが可能だ。 今後、同社のユニブライトやフラッタの技術は、どのような分野で広まっていくのだろうか。佐藤氏は次のように展望を語っている。 「当社が入り込んでいける市場の分野は幅広く、一般照明から液晶のバックライト、看板、特殊照明、検査装置、複写機など、今後さまざまな分野で採用される可能性があります。 私ども中小企業では、大量生産、大量販売はできませんから、大手企業に特許とノウハウを販売するという戦略を立てて動いています。 海外に目を向けますと、韓国では国を挙げて蛍光灯をLEDに置き換える政策を取ろうとしています。この波に何とか乗っていきたいですね。 さらに、液晶のバックライトの分野では台湾や韓国の液晶テレビメーカーで導入が検討されていまして、有名な海外ブランドの照明メーカーからも問い合わせいただいています」

中小企業で働くからこそ急成長できる機会がある

これから世界へ向けて飛躍しようとしているオプトデザイン。そこで働く社員の経歴はさまざまだが、おのおのが世界を相手に仕事をすることで、急速に成長していると佐藤氏は目を細める。 「私どものような中小企業には、大卒の人はなかなか入ってきてくれません。社員には高卒や短大卒の人も多いです。光学をまったく勉強してこなかった人もたくさんいますが、会社に入ってから、ソフトウェアや光学、装置について勉強して、すごく成長しています。 ドーナツ店の店長をやっていた人間が、今ではソフトウェアの販売部門で中核の役割を担っていますし、建築業界の出身者が機械作りの仕事で活躍しています。大きな企業で働いていたら、彼らもこれほど急激には成長できなかったでしょう。 当社の場合、海外との取引もありますから、フランスへ行ったり、韓国や台湾に出張したりする機会も多いです。最初はボディランゲージで意思疎通を図ることもありますが、勉強することで語学を身に付けた社員が何人もいます」 自分の手掛けた仕事が上手くいけば、それだけ業績が伸びて見返りもあるのが中小企業だと佐藤氏。学生に向けてのメッセージとして、「自分で面白いと思える仕事をやってもらいたいですね。興味を持って、とことん好きなことをやってみると道が開け、生きがいにもなりますから」と最後に語ってくれた。

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先輩メッセージ
人には得手不得手がある。若手には得意分野を伸ばしてもらいたい

UniBrite事業部 開発統括 部長
佐藤さん
――どのようなお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?
開発業務を主に担当しています。当社の保有する特許を利用して、お客様のニーズに合わせたLED照明を作っています。 基本的にフラッタを使った製品の開発になるのですが、「この部分でどうしても光が広がってしまう」「光の強さがまだ足りない」など、利用シーンによってさまざまな要望が出てきます。技術的なところから、見た目や大きさといったデザイン面まで、お客様から要望を伺って具現化していくのが開発の仕事になります。設計から組み立て、検査、外部への発注手配など、必要な業務は全部自分でやります。お客様には「新しいことがやりたい」と希望される方が多く、最先端の技術に触れられますから面白いです。
――仕事への取り組み方について、貴社の特徴を教えてください。
仕事のやり方として、一つの業務だけをやっていれば済む仕事ではありません。形が決まっている事務的な仕事はほとんどなく、やり方の異なる仕事がたくさんあって、幾つもの仕事が同時並行で動いている状況です。 新入社員に対しては、コミュニケーションの取り方や仕事の方法、設備の仕方などをいろいろ工夫して教えてきたつもりですが、人にはそれぞれ得手不得手があります。若手の苦手な部分は私が手助けしますから、得意分野を伸ばしていってもらいたいですね。
――読者になる若者に向けて、助言などをいただけないでしょうか。
「面白い」と思ったものに対して興味を持ち、その興味を力に変えて前に突き進む力が必要なのではないかと思っています。技術や知識は、誰かに教えてもらったり自分で勉強したりすることで、ある程度のところまでは身に付けることができます。ですが、アイデアを生み出したり、イメージを膨らませたりするためには、「ある程度」のさらに先まで身に付け、突き進む力が必要なのではないかと感じています。 当社は、規模こそ小さいですが、自分で仕事を遂行して、仕事を通して世の中の人を喜ばせることができます。そこに、当社で働く面白さがあるのではないでしょうか。 すべての業務を一貫して対応できる会社というのはなかなかないものです。そんなところに面白さを感じてもらえるのなら、ぜひ当社に飛び込んで来てほしいと願っております。

08.jpg 佐藤さん