<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

精電舎電子工業 株式会社

精電舎電子工業 株式会社 家電、自動車、雑貨・日用品、医療など。プラスチックの加工装置で国内最大手<br>日常で見掛ける多様な製品のプラスチック部分を加工する装置メーカー。顧客別の違う製造方法に対応する細やかさが強み

精電舎電子工業 株式会社

家電、自動車、雑貨・日用品、医療など。プラスチックの加工装置で国内最大手
日常で見掛ける多様な製品のプラスチック部分を加工する装置メーカー。顧客別の違う製造方法に対応する細やかさが強み

main_sedeco
輝く技術 光る企業

精電舎電子工業 株式会社

家電、自動車、雑貨・日用品、医療など。プラスチックの加工装置で国内最大手 日常で見掛ける多様な製品のプラスチック部分を加工する装置メーカー。顧客別の違う製造方法に対応する細やかさが強み

main_sedeco
  • 社名:精電舎電子工業 株式会社
  • 設立年月:1956年7月
  • 資本金:8862万5000円
  • 従業員数:160人
  • 代表者:代表取締役社長 松岸 則彰
    代表取締役専務 中島 直樹
  • 社員平均年齢:44歳
  • 初任給:月給20万円以上(大卒の場合)
    経験・年齢・実力などを考慮の上、当社規定によって待遇します。
  • 主な勤務地:東京、大阪、名古屋
  • 休日:完全週休2日制(土・日)、祝日、夏季、年末年始、メーデーなど
    ※年間休日125日(2016年実績)、有給、慶弔
  • 本社所在地:東京都荒川区西日暮里2丁目2番17号
  • 電話番号:03-3802-5101
  • 公式HP:http://www.sedeco.co.jp/
  • ・プラスチックを熱で溶かして着けたり切断したりする加工装置で国内最大手
  • ・顧客が求め、確実に売れる装置を1件1件開発できる開発力が心臓部
  • ・開発は「やりたい」と言い出した社員に任せる方針
intro_img

業種

・超音波ウェルダー、高周波ウェルダー、電磁誘導ウェルダー、レーザ加工機、振動溶着機、非接触熱板溶着機など、プラスチックの溶着溶断装置及び自動化装置、金属接合機の開発、製造、販売
・超音波、高周波、レーザ発振器及び応用装置の開発、製造、販売

事業紹介

精電舎電子工業株式会社は、超音波・高周波・レーザーなど各種溶着溶断装置のトップメーカーとして、国内外にその名を知られています。


社会のあらゆる場面で使われているプラスチック・合成樹脂ですが、その技術的進歩はとどまることを知らず、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)や繊維強化プラスチック、生分解性プラスチックなど活躍の場をさらに広げています。


私たちは溶着技術に関するエキスパートとして、プラスチックや新素材の進歩に適切に対応できるよう日々研究と改善に努めています。近年ではコンピュータやメカトロ技術にも注力し、スーパーコンピュータの回路基盤配線装置や光ピックアップレンズのゲートカット装置などの先端分野においても高い評価を得ています。


「一流のお客様に一流の技術を」を合言葉にさらなる躍進を続ける精電舎電子工業株式会社。
皆さんもその一員として、持てる才能を存分に発揮してみませんか?
創業時から続く、社員の自主性と自由闊達な雰囲気を尊重する職場が皆さんを待っています。

何を作ってる?

プラスチックは、日常のさまざまな場面で見掛けることができる。テレビや冷蔵庫などの家電、自動車のライトカバーや内装、傘に玩具、マスクやおむつなどにも使われている。 そうした製品に使われるプラスチックの加工用装置を開発・製造しているのが精電舎電子工業。プラスチックを熱で溶かしてくっつける溶着、溶かして切る溶断という加工をする装置メーカーとしては国内最大手。世界でも5~6番手に位置する会社だ。 熱を加えるためには“波”を使う。音の波、光の波(レーザー)、電波、機械的な振動など。溶着・溶断の加工装置を手掛けるメーカーはほかにもあるが、ここまで幅広い技術を用い、用途別に最適な装置を作れるメーカーは、世界中を見渡してもほかにない。 家電、自動車、雑貨・日用品、医療など、冒頭に挙げたような製品の製造に欠かせない装置をさまざまな領域のメーカーに提供しているだけに、「精電舎電子工業の装置を使って作った製品と出会わない日はない」と言っても嘘ではないくらいだ。

03.jpg
04.jpg

会社の強み

日本のメーカーは、それぞれが製造現場を改善し続けている。その結果、同業のメーカーであっても、まったく異なる独自の製造方法が確立。精電舎電子工業はそうしたメーカーごとに異なる製造方法に合わせて、きめ細かく加工装置を工夫している。例えば「輸血パックの加工をするのに最適な装置」を考え抜き、それ専用の装置を開発するのだ。 それだけに、用途ごとに専用の装置を開発していく開発力が同社の心臓部。開発に携わっている社員の比率は高く、技術者の育成にも心を砕いている。 ただ、開発はあくまで顧客中心。顧客企業がどのような加工装置を求めているのかを聞き出して、顧客の要望を満たし、確実に売れる装置を開発していく方針だ。 「開発のヒントはお客様がくださいます。『こんなことできないか』と聞いてきてくれるのです。当社はどこかの有名企業と深い関係にあるわけではなく、どことも同じ距離感の独立系企業。どの会社にも染まっていないので、気軽にご相談いただけるのが強みになっています」(代表取締役社長 松岸則彰氏。以下、同)

05.jpg
06.jpg

職場としての魅力

とはいえ、技術者は会社から押し付けられた製品を開発するわけではない。開発担当者は自薦で決める。「やりたい」と言い出した社員に開発を任せているのだ。 また「『確実に売れる装置』だけを開発しているわけでもありません。開発者から『こんな装置を作りたい』と夢を語られたら、まずやらせてみます」と松岸氏。その成果として超音波、高周波、レーザー、電磁誘導と多様な技術を用いた装置の開発にもつながっている。 「こんな装置を」と言い出すのは技術者だとも限らない。営業担当者から言い出すのもありだ。そうして装置の開発が始まった実績もある。 そして特に力を入れるプロジェクトでは、営業や技術、製造といった部署の垣根を越えて「やりたい」社員を集結。特別チームを編成し、その熱意を思いのままにぶつけられる職場を作ろうと努めている。

07.jpg
08.jpg

社長メッセージ
生活に近いところで、非常に多く使われているのが私たちの溶着・溶断装置

代表取締役社長
松岸 則彰さん
――貴社の装置はどういう製品を製造するところで使われているのでしょうか。 音波、電波、光など、波の技術を利用して、プラスチック、金属を溶着・溶断するための装置を、開発・製造・販売する企業です。 当社の高周波ウェルダー(溶着・溶断装置)は当初、1960年前後に一世を風靡した塩ビ玩具(ソフトビニール)の人形や浮き輪を作るのに使われてきました。次に開発した超音波ウェルダーは、世界で初めて私たちが超音波でプラスチックを溶着する装置として発表しました。身近なものでは100円ライターなどの製造に使われてきたものです。 最近では、カメラなどに使うメモリーカード、医療関係では、点滴、マスクやダイアライザーなどです。家電組み立て、自動車部品などに多くの装置が使用されています。携帯電話などの外側になるプラスチックの中に金属を埋め込むのに使われるのも私たちの装置です。みなさんの生活に近いところで、非常に多く使われています。 近いところで、海外品が主流のバルーンカテーテル(医療用の管。先端が風船状)を製造する装置を作りました。この装置を国内メーカーに導入いただき、日本でも価格競争力があるバルーンカテーテルが生産可能になります。 マスクも、安価な海外製品が販売されています。マスクの製造装置は数千万円もします。弊社の溶着装置を搭載していただけると2倍近い生産数にすることが可能です。海外の製品価格に負けない高品質なマスクを国内でも作れるようになるのです。 私たちの競争相手は今後、国内メーカーではなく世界の企業になります。世界で戦える人材でないと通用しないでしょう。 世界で戦っていくためには、前向きに取り組むことができないと競争できません。自分から進んで海外勤務を希望する。「○○だからできない」ではなく「○○すればできる」と思考ができる前向きさが必要です。 ほかにも当社は技術企業ですから、基礎的な技術を理解できていないと、お客様が求める溶着・溶断の加工方法を提案することが難しいので、中学の理科、高校の物理など、基礎的な知識をしっかりと身に付けてきてほしいですね。 発想力も必要です。「何とか工夫してみよう」と考え、通常の考えでは困難な事でも、新たな発想で問題を解決できる人がいないと、会社の成長は止まってしまいます。 世界で戦える前向きさがあり、基礎的な科学知識が分かっていて、発想力を持っている。さらに明るさ、真面目さもあれば言うことなしですね。 私たちは国内でこそ名が知られていますが、まだまだ世界では知名度はありません。溶着・溶断装置の世界売上で見ると、4~5%ほどを占めているくらいでしょう。 その売上シェアを15~20%にまで持っていきたい。それができれば世界で3位にはなれます。今はそうなるために必要な改革を社内で推進しているところです。

09.jpg 代表取締役社長 松岸 則彰さん

先輩メッセージ
一部屋分くらいの大きさにもなる巨大な溶着装置を担当したことも

製造部 製造技術2グループ 製造技術2チーム
稲垣さん
――精電舎電子工業への入社を決めたのは、どんなところに惹かれたからだったのでしょうか。 大学のころ、精電舎電子工業で実施された2週間のインターンシップに参加する縁がありました。 インターンシップ中は、画像検査装置を扱っている部門で業務を体験しました。コンピュータの基板配線が正しくされているかと検査する装置です。プログラムを担当しました。 中に入ってみると、すごく気軽に先輩たちとも話ができて、堅苦しい雰囲気をまったく感じませんでしたね。そんな雰囲気に惹かれたというのは確かにありました。 入社して6年になります。現在は当社で扱っている超音波ウェルダー「SONOPET Σシリーズ」の完成品検査と最終調整を任されています。 普段は標準品、カタログに載っているままの製品を検査・調整しています。標準品は数を出さないと売上が増えない分、1度に大量の注文が来ることもあります。そうした時に営業担当の人など、別部門の人たちと連携しながら生産計画を立てて、納期どおりに納められると「上手くできた」とやりがいを感じられますね。 年に数回程度ですが、特注品の検査・調整を頼まれることもあります。エアコンの室外機の中に、大型のファンがありますよね。あの羽を溶着する装置も担当しました。一部屋分くらいの大きさになる巨大な装置でした。 初めて検査・調整する装置になりますから、予期せぬことばかりが出てきます。そうしたことにも対応しながら、完成させることができた時には、「良かったな」と素直に思えました。 私の専門は電気です。ですが検査・調整する業務の中には、機械のことが分かっていないと上手くいかないことも多いです。今は分からないところは専門の先輩に聞いていますが、これから知識の幅を広げていって、機械などのことも分かるようになっていきたいですね。 学生のうちに企業の中を見られる機会はあまりありません。インターンシップが募集されているのを目にしたら、積極的に参加してみてほしいですね。 面接の時には分からないことも、インターン中にはよく分かります。実際に働いている社員の方々と直接触れ合える機会があるわけですから。

10.jpg 製造部 製造技術2グループ 製造技術2チーム
稲垣さん

11.jpg

先輩メッセージ
不具合が起きてしまったら、とにかく丁寧に対応。真摯な対応力が強みになっている

技術部 基礎開発グループ
髙橋さん
――精電舎電子工業とは、どのような出会いだったのでしょうか。 大学では博士課程にまで進んでいまして、先生から就職先として紹介していただいたのが精電舎電子工業でした。 以前から会社名は耳にしていましたし、博士課程にまで進んだ学生を採用してくれる企業は決して多くありません。良い機会でしたから、選考を受けてみようと思いました。 超音波ウェルダーの基礎開発をしています。超音波振動を発生させる振動部という一番大事な部分の担当です。製品にはこの部品を使って大丈夫か、発売後は問題が発生していないか、不具合が起こってしまったら何が原因だったか、と究明していくのが私の役割です。 不具合が起きてしまったら、とにかく丁寧に対応します。お客様からの叱責・批判もしっかりと受け止めて改善策を考えます。真摯に対応していくことで、問題点が明らかになってきます。当社のほかの製品にも共通する問題点かもしれません。製品の基礎的な部分に問題がないかと検証し直す好機ですから、未然に防ぐためにも真摯に対応していくことが重要なのです。 そうした対応力を認めていただけているのでしょうか。他社製品に乗り換えたお客様も、最終的には大半が当社の製品に戻ってきてくださいます。その理由をいろいろと聞いているのですが、対応力というのは当社の強みになっていると感じます。 一つでも多く、世界にない製品を開発していきたいですね。ほかのメーカーが作っていない製品を世に送り出していきたいです。 「これまでのパワーは最大何ワットだったが、今度の製品は最大何ワットまで出せる」といったこの世にない新しい製品。できた時には、私自身がやはりうれしいですしね。 まずは「自分が何をやりたいのか」という目標を持ってほしいですね。それが決まっていないと「やりたいことを実現するには、何をすれば良いのか」が分かりません。 次には「やりたいことを実現するには、何をすれば良いのか」と筋道立てて考えられるようになってほしいです。そうした思考ができないと仕事もできません。何かの実験を頼まれても、意味のない結果になってしまいます。「何のために何をやれば良いのか」と目的意識を持ちながら筋道立てて考えながら動ける人になってほしいですね。

12.jpg 技術部 基礎開発グループ
髙橋さん

13.jpg