株式会社 清和光学製作所
株式会社 清和光学製作所
150インチテレビ用生産設備に必要な4メートルものミラーを内蔵した露光装置の実績も。大型精密光学部品を取り扱いできる
300ミリを超えるレンズ・ミラーを加工できる希有な光学機器メーカー。特殊精密光学機器・産業装置を開発し、事業を多角展開
株式会社 清和光学製作所
150インチテレビ用生産設備に必要な4メートルものミラーを内蔵した露光装置の実績も。大型精密光学部品を取り扱いできる 300ミリを超えるレンズ・ミラーを加工できる希有な光学機器メーカー。特殊精密光学機器・産業装置を開発し、事業を多角展開
- 社名:株式会社 清和光学製作所
- 設立年月:1964年10月
- 資本金:9900万円
- 従業員数:100名
- 代表者:代表取締役社長 岡崎 伊佐央
- 初任給:233,000円
- 主な勤務地:東京都、山梨県、大阪府
- 休日:土日祝日、有給休暇、夏期・冬季休暇
- 本社所在地:東京都中野区弥生町4丁目12番17号
- 電話番号:03-3383-6301
- 公式HP:http://www.seiwaopt.co.jp/
- ・精密光学機器、産業装置などの光学機器メーカー。LEDや太陽光発電にも挑戦
- ・大型光学素子を使った特殊技術を有し、カスタマイズに強く、リピート率80~90%を誇る
- ・社員個性を伸ばせるよう、自由な職場環境を整える
業種
光学機器の設計、製造、販売
1. 顕微鏡
2. マシンビジョン及び周辺機器
(光学機器・照明機器・映像機器・FA実装及び半導体関連装置)
3. FPD及び半導体用製造装置 / 検査装置
(露光装置、検査装置、レーザー機器)
4. 機器のサービス&メンテナンス
5. LED照明及び太陽電池等の環境機器
事業紹介
【画像光学事業】
特殊専用光学機種を得意とするため、各ユーザーのニーズに合わせてベストマッチで設計し、世界中のファクトリーオートメーションに提供。
・モニタースコープユニットシステム ・画像処理装置 ・システムソフトウェア
・映像機器 ・特殊光学モジュール ・LED照明装置 ・応用システム ・光学部品 等
【産業装置事業】
次世代マルチメディア市場へ向け、光学をコア技術とし、成長分野への産業装置を開発。
・露光装置 ・レーザーリペア装置 ・製造/検査装置 ・貼り合わせ装置
・組立調整装置 等
【顕微鏡事業】
「使う人の身になって物作りする」をベースに、経済的で使いやすい製品を提供。
・双眼実体顕微鏡 ・生物顕微鏡 ・金属顕微鏡 ・測定顕微鏡 ・スーパースコープ
・デジタルマイクロスコープ ・赤外線顕微鏡 ・コンタクトスコープ 等
【環境事業】
自社で開発製造するLED照明“CORRECT”シリーズを初め、様々な環境に考慮した製品を開発、製造。電気使用量の 削減はもとより環境に配慮したシステムの総合提案も実施。
・直管LED照明 ・LED電球 ・太陽光発電システム ・グリーンテクノロジー機器
何を作ってる?
清和光学製作所は、光学機器メーカー。レンズやミラーを用いた特殊精密光学機器や産業装置など、光学技術をコアに多角的に事業を展開している。 自社ブランドの顕微鏡を作ることから始め、光学技術から光電変換素子を用いた画像光学技術へ、さらにファクトリーオートメーションで使われる自動位置決め検査用の光学ユニットなども手掛けるようになった。また、テレビのパネルを検査し欠損があった場合、レーザーで修正するレーザーリペア装置や最高度の光学技術を有する露光装置など、産業装置の開発・製造へと事業を拡大。その後、自社装置のメンテンナンスなど、サービス事業も国内外に立ち上げた。 新しいところでは光学技術を基に、LED照明や太陽光発電システムといった環境関連機器へと進出し、民生への展開を図り、新たな事業へ育てているところだ。
超大型縦型用露光装置
会社の強み
光学技術、サポート力、ニーズカスタマイズ力。その3つで清和光学製作所は他社との差別化を図っている。 光学技術での強みは、大型レンズ・ミラーの加工ができること。300ミリを超えるレンズを加工し、その素子を用いた光学系に仕上げることができる企業は、国内外に同社以外には大変少ない。 例えば、空港などにある150インチほどもある超大型テレビ。製造するには4メートルもの超大型ミラーが必要な露光機によるパターンニングを行うが、その装置も開発・生産した。 大型レンズ・ミラーを用いた光学製造は「10~20年程度の積み重ねでできるようになる技術ではない」と岡崎伊佐央代表取締役社長は胸を張る。多品種少量で対応し開発する事業は、今後も新興国のメーカーが好んで新規参入するとは考えにくいと予測している。 サポート面では、顧客の声を聞いて、可能な限り要望どおりの製品を特注する姿勢を貫く。それが顧客の信頼につながり、同社製品を利用した顧客のうち、再び同社に注文をする確率は80~90%と極めて高くなっている。
職場としての魅力
同社の軸になる光学技術を学ぶため、社員には外部団体の研修を受けるシステムを構築している。顕微鏡なら顕微鏡工業会、映像やカメラのことなら大手メーカーの主催する研修・セミナーに参加。新入社員は、入社後一定期間OJT研修を受け、先輩社員から技術・業務について教わることになる。 ただ、会社として求めているのは、「自己管理能力を持ち、自由な環境の中で自分の能力を磨けること」(岡崎社長。以下、同)。社員一人一人が個性を伸ばせるよう、現場主義を基本とし、できるだけ自分で考えることを大切にしている。 「具現化・問題化し解決していくプロセスに意義があると考え、社内会議では、ブレーンストーミングの技法も取り入れてアイデア出しをするなど、いろいろと工夫をして若手社員にもできるだけ自由に発言させるようにしています。 若手社員はみんな素晴らしく、個々の持ち味・能力を持っています。その能力を発揮して、自分の意見を言え、前向きな行動をさせるようにするのは先輩たちの責任。若者が活躍できる環境を整えていきたいです」
役員メッセージ
「お客様の声を形にする」方針を海外でも貫き、海外メーカーの信頼を得ていく
代表取締役社長
岡崎 伊佐央さん
――会社として、重視しているところは?
清和光学製作所のよさは、「お客様の声を形にする」ところです。その方針を何十年にもわたって貫いてきたからこそ、「清和のよさは?」と尋ねられたとき、どの社員も「お客様の声を形にする」ところだと自信を持って答えられるようになりました。それだけの自信を持てるほど、たくさんのお客様との信頼関係を培ってきたのです。
当社の売上は、実態を見ると6~7割ほどは海外からの売上です。海外の新しい国・地域に進出すると、その地ではゼロからの再出発。「清和は本当に希望どおりのレンズや装置を作ってくれるのか?」とまずは疑いの目で見られます。それでも、「お客様の声を形にする」という姿勢を海外でも貫くことで、「清和に頼めば世の中にないものでも開発してくれる」、「どうしても別会社の産業装置を導入しないといけないけれど、レンズのところだけは清和に作ってほしい」などと信頼いただける海外メーカーの数が増えてきました。
海外では、国・地域ごとに求められる製品を開発することが大切です。「カタログに載せている製品だけが売れる」と思っていてはいけません。収入がそれほど多くない東南アジアなどの国では低価格製品の需要が生まれます。そして低価格製品を製造するために必要な産業装置は、日本で使われるものとは異なるものです。
同じ製品ばかりを作り続けていると、時代の変化に取り残されてしまいます。海外で戦っていくためには、各国の産業の中でそれぞれのお客様に合わせた装置を作ることが必要なのです。海外に進出しますます、国・地域など、変化に合わせたモノづくりをする大切さを痛感するようになっています。
時代の変化・パッションに対応し、利益を生み出す。そのためにはまず1つには、既存光学製品を発想の転換で生き返らせること。
2つには半導体業界では今後成長するパワーデバイスや超高解像テレビ用フレキシブルディスプレイ、有機ELなどに注力して商品を開発していくことです。
3つにはLED照明や太陽光発電システムといった新しく立ち上げた環境関連の事業を育てていきたいです。
LED照明などの製品は、コアの光学技術をさらに発展させた成長する分野です。光学技術を生かしながら、高効率の太陽電池開発、高輝度・高演色のLEDなどの市場から求められる環境関連の製品を作り出していくことが当面の目標です。
常に挑戦者でいてほしいと思っています。あとはやはりやる気が一番です。純粋で正直な人を求めています。
あとは心身共に健康であることです。学生時代にはスポーツなどで身体を鍛え、よく学んでしっかり遊びを楽しんできた、快活さを持った若者に来てほしいと願っています。
先輩メッセージ
不安に感じていた製造業での仕事。飛び込んでみたら、魅力を感じるようになった
SE部 SE 2グループ
井口さん
――どんな就職活動を送りましたか?
大学4年の夏から6カ月間留学していまして、帰ってきたのは2月でした。卒業まで2カ月ありません。それから就職活動を始め、「留学経験を生かせる企業で働きたい」と思い、求人票を探しました。そうして出会ったのが当社です。求人票に「英語等外国語が得意な人材募集」とあり、応募してみました。
当時、製造業はまったく知らない世界でした。「製造業で働けるかな?」と不安に思っていたところは確かにありました。ですが業務内容を聞くと、お客様と英語でやり取りする営業の業務だけでなく、お客様の要望を満たす製品かと調べる実験の機会も多いと聞きました。製造業が未知の世界なので不安に感じる一方、「やったことがない業務だから面白そう」とも感じる自分がいました。それで入社を決めました。
はい、海外営業の担当です。先日、シンガポールに新しい関連会社ができたので、そちらの営業サポートや、東南アジアの企業からの問い合わせ対応を任されています。
入社して2年目になったところです。まだ海外出張を経験したことはなく、メールや通話ソフトを使って海外の社員やお客様と連絡を取り合っています。
お客様からは「これくらいの大きさの対象物を検査したい」といった形で問い合わせが入ってきます。どれくらいの倍率で見れば対象物を鮮明に見られるのか、お客様の望む用途で使えるようになるのかと考えて、使用するレンズや照明などを選び、お客様にご案内するというのが仕事の流れです。
昨年末ごろには、タイの工場から「顕微鏡が1台欲しい」と依頼がありました。そうしたら今年に入り、タイの別工場から顕微鏡の注文が入りました。最初にお買い求めいただいた工場の方が、当社の製品を推薦してくださったのです。その後、そうした口コミからの問い合わせや注文がしばらく続きました。「当社の製品が評価されたのだ」と感じ、うれしくなりましたね。
製造業の中に入って働いてみることで、徐々にではあるものの、レンズやカメラのことが分かるようになってきました。お客様に販売・サポートできるようになってきている自身の変化に自分でも驚いています。「不安だったけど製造業で働くことを決めてよかった」と感じています。
思えば私自身、これまでの人生で好きなことしかやらず、嫌いなことや苦手なことを避けていました。それなのに、未経験の製造業に飛び込んでみて、製造業の魅力を感じるようになりました。もっと昔から、自分が興味のないことでも挑戦してみればよかったかな、と少し反省していますね。
アットホームなところです。私が実験していると、先輩たちが声を掛けてくれて、困っているときは助けてくれます。
あとは展示会に参加することが多いのですが、その際はたくさんの社員が集まって力を合わせて準備や片付けをします。みんなで協力していると、会社のまとまりが感じられ、自然と楽しい気持ちになってきます。そんなところも好きですね。
ようやく仕事で使う言葉や、光学の専門用語が分かってきたところです。次は、自分から「このレンズがいいですよ」と提案することができるように、知識を深めていきたいです。
学生時代は精一杯遊んでください。私自身、旅行や留学でさまざまな国を巡りました。
社会人になったら忙しくなり、旅行などをすることは難しくなってきます。さまざまな国でいろいろな人とコミュニケーションを取ることで、仕事で海外の人とやり取りするのに物怖じしなくなるという利点もあります。「学生だからできること」は、学生のうちにやっておくべきだと思います。
先輩メッセージ
難しい加工の仕事、急ぎの対応が必要な仕事ほど、喜ばれたときにうれしく感じる
第1技術部 製造グループ
本田さん
――清和光学製作所に入社した理由を教えてください。
子供のころからプラネタリウムが好きで、「いつかプラネタリウムや望遠鏡を作ってみたい」と思っていました。学校は理工系ではなく語学系に進んだのですが、就職するときに子供のころの夢を思い出し、「光学機器を手掛ける会社で働けないか」という希望を持ったのです。
当社の面接に来たときには「アットホームな感じの会社だな」と感じました。面接で会った先輩社員の感じもよく、親しみを感じられる会社だと思い、入社したいと思うようになりましたね。
今は金属部品加工を担当しています。アルミニウムなどの素材を削ったり、穴を開けたりして部品を作る仕事です。
当社の作る製品の中には、産業装置のように数千点もの部品を組み立てて作るものもあります。各自の担当分野がある程度は決まっていまして、私は顕微鏡などの光学製品に使うレンズを入れる筒や、筒と本体とをつなぐアームなどを加工しています。
精度が要求される部分ですから、正確な仕事が求められます。100分の1ミリ単位、ときには1000分の1ミリ単位で図面どおりに仕上げていきます。他には、角度にも気を付けますね。光が直角に入るようになっていないといけません。少しでも光の入ってくる角度が狂っていると、製品になったときに大きなずれが生まれてしまいます。わずかな狂いも許されません。
私はこの仕事を始めて、今年で18年目。10年過ぎたあたりからようやく感覚をつかめ、正確な加工に自信を持てるようになってきました。それくらい長い期間にわたって経験を積んでいかないと、一人前にはなれない仕事なのです。
そうして自分の仕事に自信を持てるようになったころ、億円単位の産業装置に使う部品加工を任せてもらったことがあります。大きな部品を加工する仕事で、加工には苦労しました。サイズが大きければ大きいほど、わずかな歪みでも大きく狂ってしまいますから。普段の仕事以上に、求められる精度も厳しい条件でした。それだけ厳しい仕事ではありましたが、依頼どおりの加工ができたときには、いつも以上に「やり遂げられた」という達成感がありましたね。
そういう難しい加工の仕事、あるいは営業担当者から「この仕事、申し訳ないが明日までに仕上げてくれ」と緊急対応を依頼されて何とかやり遂げられたときなど、「ああ、助かったよ」と社内の仲間から喜ばれるのが、この仕事をやっていて、一番うれしい瞬間です。
大きな会社で働いていると、他の部署に行くと何をやっているかまったく分からなくなると思います。一方、当社では営業や開発の部署に足を運んでも、ほとんど知った顔です。世間話もできますし、その部署がどんな仕事をやっているかが分かり、会社全体の動向が見えてきます。「自分が何のために部品加工をしているのか」が分かるとやりがいも違います。「会社のためにがんばろう」という気持ちが湧いてくる環境です。
アルミのような柔らかい材料だけでなく、チタンのような硬くて加工しづらい材料でも、うまく仕上げられるように挑戦していきたいです。当社ではあまり使わない材料ですが、私が挑戦して加工できるようになれば、会社に貢献することになると思っています。
「大企業で働きたい」と思う学生さんが多いようですが、中小企業にも目を向けてほしいです。日本のモノづくりを支えているのは、技術力のある中小企業。何十年もかけて加工技術を磨き、未来の日本のモノづくりを支える人材に育っていってもらいたいです。
注)掲載している情報は、取材日(2013年7月)時点のものです。