株式会社 太陽堂封筒
株式会社 太陽堂封筒
あの有名企業の封筒も。顧客のこだわりを封筒として形に
大手銀行や高級ブランドが送る販促用封筒など、大事な人、大事なお客様に送る“特別な封筒”を企画・製作。社員の約4割が女性で幅広い業務で活躍中
株式会社 太陽堂封筒
あの有名企業の封筒も。顧客のこだわりを封筒として形に 大手銀行や高級ブランドが送る販促用封筒など、大事な人、大事なお客様に送る“特別な封筒”を企画・製作。社員の約4割が女性で幅広い業務で活躍中
- 社名:株式会社 太陽堂封筒
- 設立年月:1957年7月
- 資本金:1,000万円
- 従業員数:26名
- 代表者:代表取締役社長 吉澤和江
- 社員平均年齢:42歳
- 初任給:180,000円〜350,000円
通勤手当
実費(上限あり毎月30,000円まで) - 主な勤務地:東京都新宿区
- 休日:休日:日祝他、夏季休暇あり、有給休暇あり、慶弔休暇あり
年間休日:105日以上 - 本社所在地:東京都新宿区早稲田町79
- 電話番号:03-3202-9018
- 公式HP:http://taiyodoenvelopes.co.jp/
- ・誰もが知る大手企業・有名ブランドの封筒を手掛ける
- ・送り主のこだわりを形に。加工だけでなく企画・提案から支援
- ・女性社員が約4割。カフェ風の部屋等、働きやすい職場づくり
業種
・事業用・商業用封筒の製造販売
・事業用・商業用手提げ袋・角底等紙袋の製造販売
・各種パッケージ・タトー紙製品の製造販売
・一般商業印刷物の製造販売
事業紹介
【企画から製品まで一貫して手がける!】
高度情報化社会が進展し、通信手段が様々に変化しても、紙や印刷メディアパッケージ等はなくならないと言われています。
逆にますますその重要度を増してきているのではないでしょうか。
我が社は、1954年の創業以来、封筒製造専門会社として、企画から印刷、紙袋まで一貫した生産体制を有し、幅広いニーズに応えております。
あらゆるエンベロップ製品に対応できるパワー、オリジナル商品をも生みだす企画力と独創性を持ち、お客様の信頼を得る為に継続した自己改革を行っております。
【事業内容】 誰もが知る大手企業・有名ブランドの封筒を手掛ける
大手企業や一流ブランド、有名百貨店などは、自分たちのロゴ・社名を入れたオリジナル封筒を使って郵便を送る。そのような別注・特殊封筒を製作しているのが太陽堂封筒だ。 封筒の企画から製造、販売までを一貫して手掛け、窓付封筒やキャラクターイラスト入りポチ袋なども製作。手提げ袋やカード入れも含めて、「袋」という名が付くあらゆるものを作ってみせる。 「凹凸のある素材でも、はがれないようにのり付けする」「真っ黒な紙に銀色が浮き出るように箔押しして、高級感を出す」「ギフトカードがぴったり入る大きさに仕上げる」などの顧客から頼まれた難しい注文にも対応。市販品には出せない味がある“こだわりの封筒”を届けている。
【独自戦略】 送り主のこだわりを形に。加工だけでなく企画・提案から支援
一般的な封筒メーカーは、印刷会社の指示どおりに加工するだけの仕事がほとんど。一方、太陽堂封筒は顧客の要望に耳を傾け、「こんな封筒はどうか」と封筒のデザイン、加工・印刷手法などを企画・提案するところから仕事を始める。 個人で郵便を送る機会は減ってきたが、人生の節目など、こだわりの封筒で送りたいと考える人は根強くいる。企業にしても、大事な顧客向けには高級感のある特別な封筒で送り、1人でも多くの人に開封してもらおうと努めている。 同社が作るのは、そんな“特別な封筒”。将来的には、企業が顧客向けに一斉に送っている郵便も、受け取る1人1人の好み・状況に合わせた封筒で送る時代が来ると予見し、封筒作りの技術を磨いている。
【職場自慢】 女性社員が約4割。カフェ風の部屋等、働きやすい職場づくり
太陽堂封筒で働く社員は、約4割が女性。機械操作や製品検査、経理、営業事務など、幅広い職種で女性が活躍中だ。 女性はコミュニケーションが得意で、検査の質も高く、時間内に仕事を完了させることに長けていると吉澤社長は言う。もっと女性が働きやすい職場にしようと、女性用更衣室やカフェ風のおしゃれな部屋も新設した。 もう1つの同社の特徴は、男女問わず、社員がしっかり自分の考えを述べられること。朝会に加えて夕会も開き、社員が全員の前で話す機会を意識的に増やしてきた。社長自ら昼食時にカレーを振舞い、一緒に食べることで社員間の交流を深めてきた。話下手な社員も次第に話すことに慣れ始め、活発な意見交換が生まれる職場になっている。
花などがきれいに飾り付けられている。
手前は社員犬のケンタ
社長メッセージ
凡事徹底。当たり前のことを徹底してやることが一番大事
代表取締役社長
吉澤 和江さん
――どんな思いがあって、封筒作りを始めたのでしょうか。
当社を創業した父は、戦争で捕虜になっていたことがあります。はがきや鉛筆が手に入らなかったため、日本にいる家族に宛てて手紙を書けず、土に文字を書いては「家族と連絡を取りたい」と思いを募らせていたと聞きました。
父が捕虜から解放されたとき一番うれしかったのは、はがきと鉛筆をもらえたことだったそうです。父は「帰国したら手紙に関わる仕事がしたい」と考え、封筒作りを始めました。
そんな父が亡くなった後、手紙類を整理していると母に宛てたラブレターが見つかりました。生前、父は「母が自分のことを好きだと言うから、結婚した」とそっけなく話していたのですが、その手紙にはなかなか手紙をもらえなかったからか「たまには僕に返事をください」と書かれてありました。好きな気持ちが強かったのは、父の方だったのです(笑)。その手紙は、私の宝物になりました。
手紙というものは、人生の節目で感じた思いが記されていて、目にするだけで当時の情景が浮かんでくる大切なものなのです。
今は、簡単なやり取りには手紙を送らず、電話やメールで済ませることが多くなってきました。けれど、「人生の節目で送る手紙、その手紙を入れる封筒にこだわりたい」という想いは、ますます強くなってきていると感じています。
「凡事徹底」ということです。当たり前のことを徹底してやることが一番大事。「前にやっていたから大丈夫」と1つでも疎かにすると手順を間違え、お客様からの苦情につながってしまいます。どんなときでも、「忙しいから」「時間がないから」と言い訳せず、当たり前のことをしっかりやれば、誰かが見てくれているもの。いつかきっと、報われる日が来るはずです。
実際、凡事を徹底することによって、お客様からの苦情は以前と比べて本当に少なくなっていますよ。
封筒作りの楽しさは、1年働いただけでは分かりません。3~4年経ってようやく、「自分の作った封筒はこんなところで使われているのか」「これだけ多くの人のところに届けられたのか」と気付けるようになります。自分の仕事が誰かの役に立っていると実感できるようになれば、仕事にやりがいが出てくることでしょう。
また封筒作りには、印刷・加工・流通など、幅広い分野の知識が必要です。長く関われば関わるほど味わいが増してくる仕事だと思います。簡単に仕事を投げ出さず、腰を据えて働ける人には、ぜひ封筒作りに興味を持ってほしいですね。
先輩メッセージ
こだわりを形にするのには苦労するが、完成した封筒が手元に届くと喜びはひとしお
営業部
太田さん
――どんな縁から、こちらの会社へ入社することになったのでしょうか?
もともと文房具に興味があり、特に紙製品が好きでした。子供のころから、友人と手紙を交換するためのレターセットやポチ袋などを集めていましたね。
就職活動時は「働くのなら、好きなものに関わる仕事がしたい」と考え、紙関係のメーカーや印刷会社を見て回り、当社と出会いました。中身の手紙はもちろん大事ですが、その手紙を包む封筒も送り手の気持ちが伝わる大切なもの。当社は企業や有名ブランドなどで使うオリジナルの封筒を手掛けていて、会社やブランドごとにそれぞれこだわりのある素材・色で封筒を作っています。封筒作りの魅力を感じ、当社で働きたいと思うようになりました。
営業支援の仕事になります。営業担当者がお客様から封筒の注文を受けてきたら、私から印刷会社に封筒への印刷を依頼して、製造現場に「どんな封筒をいつまでに作ってほしい」と連絡・調整します。その後、「計画どおりに進んでいるだろうか」と進捗を管理するところまで担当していますね。
当社では1週間に平均50種類ほどの封筒を作っています。製作する封筒は、どれもお客様のこだわりがあるものばかり。お客様から細かな指定があって特に気を付けて加工しなくてはいけないところ、指定の色どおりに印刷しないといけないところなど、要望どおりの封筒に仕上げられないとお客様に満足してもらえません。
そこで私は、書類やメールなどの文章だけに頼らず、できるだけ電話で説明をしたり、現場に行って詳しく話しをしたりするようにしています。逆に、口頭で説明しづらいことは図を描いて伝えるなど、お客様の要望をできるだけ正確に分かりやすく伝えられるように心掛けています。
そのようにお客様のこだわりを形にしようとすると、苦労することもたくさん出てきます。それでも、何度も試行錯誤を重ねていけば、お客様に満足してもらえる封筒ができあがります。ようやくお客様から「この出来映えなら合格だ」と試作品を認めてもらえ、その後、製造した封筒が手元に届くとうれしくなりますね。苦労した分、喜びはひとしおです。
人数が少ないからこそ、社員全員の顔をすぐに思い浮かべられるところでしょうか。普段からよく話しているので、お客様の要望を伝えに行くときにも気軽に話し掛けられますよ。
今は企業向けの封筒を作ることが多いですが、今後は個人向けの封筒も作っていきたいです。
当社は昨年、印刷関連の展示会に参加し、来場者にオリジナル封筒を手作りしてもらうイベントを開きました。当社の企画に参加してくれた皆さんが、とても目を輝かせながら封筒を作っているのが印象的でしたね。デザイナーなど、専門家の方々にも興味を持っていただきました。
当社の作る“こだわりの封筒”に興味を持ってくれる人は、意外と多いと感じています。自分の好きな封筒の魅力を、もっと多くの人に伝えていきたいです。
就職活動を始めたばかりのころは、有名な大手企業への就職を視野に入れて活動する人が多いでしょう。私もそうでした。
私は運よく、自分の好きな封筒作りを専門にする会社を見つけることができました。中小企業でも、魅力的な製品を作っている会社はたくさんあります。そういった会社にも、興味を持ってもらえればうれしいですね。
先輩メッセージ
みんなで改善案を出し合い、工夫しながら働けるところが面白い
製造部
中村さん
――「この会社で働こう」と決めた理由を教えてください。
私は以前、菓子メーカーの工場で機械を操作する仕事をしていましたが、工場が県外へ移転することになり、転職することを決めました。
機械を扱う仕事が好きだったので、前職と同じような仕事をしたいと思い、ハローワークで会社を調べていた時に、当社を見つけました。最初は通勤に便利なところが気に入りました。
お菓子と封筒は全く違うものですが、目で見て完成品を確認する製品検査など、製造する上で共通する技術はたくさんあります。前職での経験を生かせる職場だということも魅力でした。
また、社長と初めて会ったときの印象もよかったです。面接に行った時に社長が対応してくださったのですが、社長とは気づかないほど気さくで親しみやすい方だったのでびっくりしました。「元気な女性社長だな」と感じました。
封筒のふたの裏側に、のり付け用のシールを貼る装置を扱っています。
印刷済みの封筒を検査して、封筒の大きさに合わせて装置に型を設置し、封筒にシールを貼っていきます。できあがったら、再度検査してシールが漏れなく付いているかと最終確認し、出荷用のダンボールに詰めていきます。
不良品に気付かず出荷してしまったら大変です。当社の封筒は特別なものが多く、場合によっては一から作り直すことにもなりかねません。傷や印刷汚れがないか、シールがしっかり付いているかなど、慎重に検査するように注意しています。
前工程から送られてきた封筒に不良品が混ざってないかと目で確認。問題ないことを確かめてから担当する装置に通す
前工程から送られてきた封筒に
不良品が混ざってないかと目で確認。
問題ないことを確かめてから担当する装置に通す
以前働いていた工場は大きなところで、指示されたとおりに作業するだけの仕事でした。一方、当社の職場は少人数です。大変なところもありますが、「この封筒はこうやって作ってはどうか」とみんなで改善案を出し合い、工夫しながら働けます。
入社したばかりの私の意見にも、しっかりと耳を傾けてもらえます。「のり付けする装置に封筒を通すとき、空気を吹き付けてのり付けしやすい位置に封筒を移動させれば、不良が減るのではないか」と提案したところ、採用してもらえましたね。当社で働くようになり、働く喜びを改めて感じられるようになりました。
また、社員がみんな優しくて、家族のように感じています。社長がお昼に手作りのカレーを作ってくれることがあるのですが、みんなで同じ物を食べていると、会話も一層弾みますね。
時には飲み会で説教されることもありますが、相談すると親身になって悩みを聞いてくれます。いいところはいい、だめなところはだめと言ってくれる先輩がいるところも好きな点です。
今扱っている装置の操作に少しずつ慣れてきたので、次は新しく導入したばかりの封筒の窓を抜く装置を使えるようになりたいです。
まだその機械の操作に慣れている人がいないので、まずは私が使えるようになってみせます。
失敗を恐れず、挑戦する気持ちを大切にしてください。
失敗を恐れて仕事のやり方を変えず、同じ仕事を続けていては、いつか仕事がつまらないものになってしまうでしょう。挑戦し続けることで、仕事はもっと楽しいものになっていきます。私自身も、今以上に仕事を楽しむため、いろいろなことに挑戦していきたいですね。
注)掲載している情報は、取材日(2014年12月)時点のものです。
前工程から送られてきた封筒に
不良品が混ざってないかと目で確認。
問題ないことを確かめてから担当する装置に通す