<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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株式会社 東京ベル製作所

株式会社 東京ベル製作所 自転車用ベル、店頭POP広告用スタンドに続く3本目の柱を育成中<br>自転車用ベルで国内シェア首位。大手コンビニ/スーパーで使う店頭POP広告用スタンドが主力事業

株式会社 東京ベル製作所

自転車用ベル、店頭POP広告用スタンドに続く3本目の柱を育成中
自転車用ベルで国内シェア首位。大手コンビニ/スーパーで使う店頭POP広告用スタンドが主力事業

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輝く技術 光る企業

株式会社 東京ベル製作所

自転車用ベル、店頭POP広告用スタンドに続く3本目の柱を育成中 自転車用ベルで国内シェア首位。大手コンビニ/スーパーで使う店頭POP広告用スタンドが主力事業

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  • 社名:株式会社 東京ベル製作所
  • 設立年月:1949年9月
  • 資本金:4650万円
  • 従業員数:26名
  • 代表者:代表取締役 市村 晃一
  • 本社所在地:東京都荒川区西尾久4丁目8番地4号
  • 電話番号:03-3893-5741
  • 公式HP:http://www.tokyobell.co.jp/
  • ・自転車愛好家の多様な好みに応えようと、100種類以上のベルを開発
  • ・多品種少量品を高品質・低価格・短納期で生産できる体制を協力会社と構築
  • ・日常生活でよく見掛ける製品を自分の手で作り出せることが何よりの魅力
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業種

自転車用ベル、ディスプレイ器具の開発・製造

事業紹介

『小さなベルで大きな安心』


オリジナルベルの特徴
1. 自転車にマッチしたデザインバリエーション
2. やさしい音色
3. 安全で丈夫
4. オリジナリティを追求しています
5. 欧米に輸出し、大好評を博しています


「東京ベル製作所」はベルだけの会社ではありません
■一言で表現すると『話の通る まじめな町工場』
■少量・多品種を得意とし、小回り・迅速な対応とキッチリした仕事を大切にしています
■金属からプラスチックまで、ほとんどすべての素材を成型・加工・組立てし、箱詰め・在庫・発送代行も可能です
■創立60年の信用と人的ネットワーク、30社を超える協力企業の力が財産です
■厳しい製造環境を生き抜いてきた、品質とコストに自信があります
■Gマーク特別賞他多数を受賞のデザイン開発力も評判で、商品開発のご相談を歓迎します
■米国、韓国、台湾、中国に提携企業があります

何を作ってる?

東京ベル製作所は社名のとおり、自転車に取り付けるベルを開発・製造している。自転車用ベルで国内シェア首位、そして海外への輸出額は国内向けよりも多いほどだ。 そんな同社だが、実は売上の約7割を占めているのは別の事業だ。全国の大手コンビニやスーパーマーケットなどに置かれるディスプレイ用スタンド器具が主力製品。商品名や値段、キャッチコピーなどを記した店頭POP広告を取り付けるのに使われている。 自転車用ベルは、デザインや音、機能性にこだわる自転車愛好家向けに、色違いを含めれば100以上の種類をそろえている。小型のベル、木製のベル、ジュエリー風外観のベル、工具なしでも簡単にハンドルに巻き付けられるゴム/樹脂ベルト採用のベルなど。新型ベルの開発のため、月2回ほどは顧問デザイナーを招いて製品開発会議を開催。自転車愛好家の多様な好みに応えられるように努めている。 そして現在は、登山愛好家のための熊避けベルの開発・製造に注力。順調な売れ行きで、自転車用ベル、スタンド器具に続く3本目の柱として育てていきたいと期待を込めている。

03.jpg 店頭POP広告用のスタンド器具
04.jpg 新たな柱にしたい熊避けベル

会社の強み

製品開発力以上に、代表取締役社長の市村晃一氏が「自社の強み」として挙げるのは、多品種少量の製品を高品質・低価格・短納期で出荷できる生産体制だ。 取り扱う製品は、自転車のベルだけでも100種類以上。スタンド器具はその数倍~数十倍もの種類がある。それだけの種類がある製品を「主力品なら、注文が届いたその日のうちに出荷することだってできます」(市村氏。以下、同) そこまで迅速・柔軟な対応を可能にするため、自社の技術・組織を強化するのに加えて、外部企業との協力関係を長年にわたって深めてきた。 顧客の要望に応えられるよう、東京ベル製作所としても技術力が高く、迅速・柔軟に対応してくれる協力会社と提携。顧客からの情報をしっかりと共有、「どのような改善が求められているのか」を伝えることで品質を改善し、「どんな製品の注文が入りそうなのか」と見通しを連絡することで短納期の仕事でも対応してもらえる関係を築き上げている。

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職場としての魅力

自転車用ベルに店頭POP広告用スタンド器具と、日常生活でよく見掛ける製品を製作している東京ベル製作所。自分の担当した製品が使われている場面を目の当たりにできることこそが、同社で働く何よりの魅力だろうと市村氏は語る。 製品の一部だけを担当するのではなく、外部企業の協力を得ながらも、注文を受けて完成品にするところまで、自社で一貫して責任を負う。そうした環境でしか得られないやりがいも魅力と言えるだろう。 また職場の雰囲気は、メリハリが効いている。当日注文分を即日納品しなくてはならないこともあるため、集中が必要な時は集中するが、仕事が終われば余計な残業はせずに帰宅する。仕事と家庭を両立させたい人にとって、働きやすい職場だろうと市村氏は話してくれた。

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社長メッセージ
「言われたことだけやる」ではなく、自分で考えながら仕事に向き合ってほしい

代表取締役社長
市村 晃一さん
――自転車用ベルは、どんな層を意識して開発しているのでしょうか。 自転車を趣味やスポーツとして楽しむ愛好家を主な対象にしています。最近販売されている自転車は海外からの輸入品が多いですから、そうした完成品と一緒に販売してもらうのではなく、こだわりを持った人に買ってもらえる製品を目指しています。 ですから、デザイン・機能性には力を入れています。デザインが優れているベル、音が「チリンチリン」ではなくて単発で「チーン」となったりするベルが特に好評ですね。 当社の事業内容は現在、自転車用ベルと店頭POP広告用スタンド器具の2本柱です。その2本柱に続く3本目の柱を確立したいと考えています。 可能性を感じているのは、登山用の熊避けベルです。かなり順調に売れていますから、新たな主力製品となるように、力を入れて取り組んでいきたいです。 「言われたことだけやる」のではなくて、言われたことに対して疑問を持ちながら取り組んでほしいですね。 最初は分からないことが多いでしょうから、まずは教えられたとおりにやれば良いと思います。ですが、「今までこうやってきたから、同じようにやれば良い」と惰性で仕事をするようになってはいけません。仕事をしているうちに「ここをもう少し変えれば、もっと効率が良くなるのではないか」と気付くことはきっとあるはずです。自分で考えながら仕事に向き合うように心掛けてください。 業務経験をあまり積んでいない若手社員であっても、意識の持ち方次第で良い仕事はできます。当社の若手社員の中にも「対応が早い」「頼んだことにしっかりと応えてくれる」とお客様から高く評価いただいている者がいます。「若手だから」と言い訳せずに、高い意識を持って仕事に取り組んでほしいですね。

08.jpg 代表取締役社長 市村 晃一さん

先輩メッセージ
「みんなで協力して一つのものを作る」仕事が好きな人は、ぜひモノづくりを志して

業務部
渡邊さん
――東京ベル製作所のどんなところに興味を持ったのでしょうか。 溶接加工にも力を入れているところです。学校で就職活動のために求人情報を調べていて、東京ベル製作所を見つけました。以前から溶接加工には興味を持っていましたから、「溶接を勉強したい」と思って入社を決めました。 そうですね。溶接加工が中心になります。ほかにもプレス加工、組み立て、出荷など、全体の作業状況を見て、人手が足りないところがあれば、手伝いに入っています。 溶接加工は、誰でもすぐにできる仕事ではありません。その分、先輩から技術を教えてもらって、先輩にも「これは難しい」と言われるような加工が初めてできるようになった時には達成感があります。 例えば簡単な溶接は、片手で顔に面を被せて、片手で作業します。複雑な溶接の中には両手が必要で、片手で溶接し、もう一方の手で補助用の器具を扱うものがあります。2年ほどは簡単な溶接で経験を積んでいましたが、初めてそういった難しい加工を任せてもらい、上手くできた時はうれしかったですね。 当社で働いていると、自分が溶接した製品を日常生活の中で目にする機会が多いです。溶接した跡には、技術者の癖が残るものですから、一目見れば誰が加工したかがだいたい分かります。お店に入って、置かれているスタンド器具を見て、「これは自分が溶接したものだ」と分かった時には感慨深いです。研究を重ねて、今よりもっときれいに加工できるようになりたいと思えますね。 それほど社員数の多くない会社ではありますが、社員の技術水準は高いです。社員がみんな、「この仕事は自分がやらないと」という意識を持っていますから、自分の担当した製品がきれいにできたどうかをとても気に掛けています。そんな意識が技術力の向上を後押ししているのではないでしょうか。 あとは「みんなで団結してやり遂げよう」という意識を感じられるところが魅力ですね。以前、大口の注文が入ってきて組み立ての工程で人手が足りなくなった時には、加工など別業務が担当の社員も手伝って、みんなで一丸となって何とか期日内に納品できました。 「みんなで協力して一つのものを作る」ことで得られる達成感は、とても気持ち良いものです。そういう仕事が好きな人は、ぜひモノづくりの仕事を志してほしいですね。 私は8年ほど当社で働いています。ですがまだ会社の仕組みをすべて知っているわけではありません。もっと会社のことを今以上に理解して、今以上の利益を会社にもたらせるようになりたいですね。

09.jpg 業務部 渡邊さん
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先輩メッセージ
溶接はやり直しができず、常に気を抜けない緊張感のある仕事

製造部
佐久間さん
――東京ベル製作所に入社を決めた理由を教えてください。 当社のことは求人雑誌を見ていて知りました。興味を持ったのは溶接の仕事があったからです。 知人に溶接の経験者がいまして、その人から話を聞いているうちに、「自分も溶接をやってみたい」と思うようになっていました。それで応募して面接に進んだのです。 溶接を担当しています。店舗などで使われている、POP広告を掲示するためのスタンド器具を作っています。 溶接は、ボタンを押すだけで済む仕事ではありません。惰性では良い加工はできません。金属を熱して別の金属を取り付けることになりますから、十分に金属が温まったかと最適なタイミングを見極める必要があります。溶接する対象によって厚みも大きさも違いますから、温まり方も違います。やり直しできない加工ばかりですので、常に気を抜けず、緊張感のある仕事になります。 上手く溶接するには、経験や感覚が大切になります。経験が浅いうちは、複雑な加工を頼まれてもどうすれば良いのか分かりません。それが何回も繰り返して経験を積んでいくうちに、少しずつ要領がつかめてきます。 ただ「できる」だけでは、実は不十分です。よりきれいに仕上げるためには、さらにもう1段階、技術を磨く必要があります。「きれいに仕上がるようになった」と思えるようになって、初めて自分の成長を実感できます。 先程も申し上げたように、「製品をよりきれいに、より早く仕上げる」ことを目指すのみですね。 私は溶接の仕事をしていますが、溶接の工程の前には材料を仕入れてきて、溶接前の形状にまで加工して――と多くの人がかかわっています。たった一つの製品であっても、仕上がるまでにはさまざまな職業の人が関係しています。「自分は何をやりたいのか」とよく考えて、就職活動に挑んでください。

11.jpg 製造部 佐久間さん
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