株式会社 ウドノ医機
株式会社 ウドノ医機
都内で唯一、200リットル以上の大型滅菌装置を開発・製造・販売・サポート
新幹線1両分の大型装置も! 感染を防ぐ医療用に加え、医薬品・食品などの産業でも導入進む滅菌装置メーカー
株式会社 ウドノ医機
都内で唯一、200リットル以上の大型滅菌装置を開発・製造・販売・サポート 新幹線1両分の大型装置も! 感染を防ぐ医療用に加え、医薬品・食品などの産業でも導入進む滅菌装置メーカー
- 社名:株式会社 ウドノ医機
- 設立年月:1924年8月
- 資本金:5000万円
- 従業員数:119名
- 代表者:代表取締役社長 鵜殿 直子
- 主な勤務地:本社(東京都八王子市)、東北・大阪・九州営業所
- 休日:土日祝日、夏季・冬期休暇、有給休暇
- 本社所在地:東京都八王子市元横山町2-1-9
- 電話番号:042-642-6153
- 公式HP:http://www.udono.com/
- ・気密性が命。蒸気・ガスで菌を殺す滅菌装置を開発・製造・販売・メンテナンス
- ・顧客の要望に応えつつ、性能・価格・導入後サポートの総合力を磨く
- ・利益分は社員に還元。家族ぐるみ、社員全員参加の社内イベントを企画
業種
高圧蒸気滅菌装置、酸化エチレンガス滅菌装置などの滅菌装置および自動搬送システムなど周辺機器の設計・製造・販売・保守管理。 その他消毒器、洗浄装置、関連付属品・消耗品の販売
事業紹介
弊社は1924年(大正13年)の創業以来、滅菌装置の専門メーカーとして日本の滅菌技術をリードしてまいりました。
現在弊社の製品は、医療施設や製薬などの各種製造施設、更に研究開発施設など幅広い分野で使用されていますが、多くのお客様から弊社製品が信頼を得る為には、高度な滅菌技術と、安全性を保つことが重要となります。
その為に、製品の企画・提案から、設計、製造、検査、納品、アフターサービスに至るまで全ての工程において社内一貫体制を確立し、妥協を許さない最高の品質を確保した「モノづくり」を使命と考え、全社員一丸となって日々努力しております。
弊社は、こうした長い歴史の中で培った高い技術力を用いて「感染症を予防」することにより社会貢献を果たすと経営理念に掲げております。
何を作ってる?
病院で使用する器具・材料は、とにかく清潔でなくてはならない。検査や処置、手術などに使ったものは、別の患者へ使う前に、付着した菌を100%殺しておかなくてはいけない。 そこで使われるのが滅菌装置。ウドノ医機は滅菌装置の専門メーカーだ。装置内にメスやカンシなどの器具・材料を入れてドアを閉めたら、蒸気、酸化エチレンガスなどを流し込み、付いた菌を完全に殺してしまう。 菌を殺す蒸気・ガスが漏れないよう、装置は気密性が命。高圧力にも耐えられるよう設計に気を配り、内部に蒸気・ガスを充満させて圧力が掛かる部分は注意深く溶接。同社で溶接を担当できるのは、資格を持った技術者だけだ。 滅菌装置の用途は病院以外に産業用にも広がりを見せ、同社では現在、産業用装置の売上の方が多いほど。薬品の取り扱いに気を配る必要がある医薬品、清潔さが必要な食品などの産業でも導入が進んでいる。
組み立て中の滅菌装置
会社の強み
もともと滅菌装置メーカーの数は多くない。その上、東京都内で200リットルを上回る大型の装置を製造しているのはウドノ医機だけ。日本でもその規模の装置を作れるのが数社しかない中、規模が一番小さい同社は、顧客からの要望に1つずつ応えていくことで活路を見出している。 「取引先のある上場企業の取締役に、『社長に会いたい』とお話があり、お会いしたことがあります。すると『久しぶりに“日本のモノづくり”を感じるいい製品だった!』と感謝の言葉を頂いたのです。 その企業には、新幹線1車両分もの大きさの装置を納めました。製造に苦労した上、納品時には工場の壁を取り壊して据え付けることになるなど、非常に大変な仕事でした。でも、その言葉ですべてが報われましたね」(鵜殿直子代表取締役社長。以下、同) その後、その取引先企業からは「ウドノさんに頼みたい」と言われる関係を築き上げた。このように、顧客の要望に応えようとする姿勢と性能・価格・導入後のサポートという3点の総合評価で「ウドノ医機に頼もう」と指名されることが増えてきている。
職場としての魅力
3年前に就任したばかりの鵜殿社長。自身の経営方針として、1.「資格取得と人間形成の講習を受けてもらい、営業も製造もできる多能工を育てる」、2.「生産管理システムを導入して社内の売上・経費を見える化する」、3.「利益が出た分は社員に還元する」の3つを挙げる。 「会社指定の資格を取ったら、資格手当を支給します。社員の健康のためにフィットネスクラブの料金を会社で負担し、6月からは業務時間内に英会話の講習を受けられるようにしました」 そうした社長の思いを感じ、社員からは「家庭的な、アットホームな環境で働ける」「各部署がしっかりと互いを支え合って、教え合えている」という声があがるようになった。 「社員の家族を呼んで工場見学を実施し、春はお花見を兼ねた歓迎会、夏はビアガーデン、年末年始は忘年会・新年会と社員全員が集まれる親睦の場も増やしています。これからもっと働きやすい職場をつくっていきたいですね」
社長・取締役メッセージ
製造だけでなく設計も、設計だけでなく販売もできる“多能工”を育てたい
代表取締役社長
鵜殿 直子さん
――今後の事業展開について、どのようなことをお考えでしょうか。
病院などの医療機関以外に出荷する産業用滅菌装置は、食品・医薬品・衛生関連のメーカーを中心に導入いただいております。
売上としては産業用が医療機関向けよりも少し多いくらいに育ってきたのですが、開発担当者の業務時間で見ると85%くらいをオーダーメードの装置に費やしています。産業用の装置は、お客様のニーズに応じて仕様を提案させていただきながら、オーダーメードで開発・製造しているからです。
医療用滅菌装置は創業当時から90年近く作り続けているのに対して、産業用の装置は作り始めてまだ30年。まだまだ私どもの思いもよらないお客様が、滅菌装置を必要とされているかもしれません。産業用の滅菌装置には、伸び代があると感じています。
当社には製造だけでなく、設計・営業・サービスメンテナンスといった部署まであります。すべての業務を一貫して社内で賄えることで、お客様にご満足いただける製品・サービスを提供したいと考えています。
すべての部門が合わさり「ウドノ医機」として評価されるわけです。社内の異動を活性化させて、製造だけでなく設計も、設計だけでなく販売もできる“多能工”を育てていきたいです。
例えば、営業で今働いている社員は、もともと設計を担当していました。訪問先でのお客様との商談中も設計図を頭の中で描きながら話ができますから、お客様の要望に応えられるかどうか、ある程度はその場で判断できます。サービスメンテナンスにしても、万一でもお客様に納めた装置に不具合が生じてしまった場合は、その場で担当者がある程度装置を直さないといけません。製造である程度の工程を経験していないと、修理できないことも多いですから。
「製造だけを担当して大型の製品を作りたい」という人よりも、「お客様の営業担当をしながら、設計のことも考えたい」「製造の技術を身に付けたら、お客様先に行って装置の修理・メンテナンスもやってみたい」という考えのできる人の方が当社には向いていると思います。最初から最後までの業務に興味を持ち、がんばっていきたいと思っていただける方にとって、理想的な会社を目指していこうと考えています。
向上心を持って不慣れな業務に挑んだ結果、失敗してしまったのなら問題ありません。失敗を防ぐように上司が見守りますし、失敗したとしてもフォローできるだけの体制が整いつつあると感じています。
「本当のモノづくりをしたい」という学生さんに、当社に来ていただけたら幸いです。
先輩メッセージ
最初から最後まで自分1人で担当。とても大きな達成感を味わえた
製造部 電気設計課
萬谷さん
――ウドノ医機に入社した理由をお話いただけないでしょうか。
以前は別のメーカーで働いていました。ところが、リーマン・ショックでその会社の経営が厳しくなり、社内の雰囲気が悪化、新しいことへ挑戦する余力もなくなってきてしまいました。
「伸びている企業で働くことで、自分も成長していきたい」と考えるようになり、転職活動を始めました。そうしたところ、ウドノ医機に声を掛けていただけたのです。
不景気なころでしたが、医療関係のメーカーが元気だということはニュースで聞いていました。前職では経験したことがない業界でしたし、工場を見学させていただいたとき、思っていた以上に大型の装置を製造していたことに驚きましたね。
また、医療関係の装置を製造しようとしても、薬事法でさまざまな規制が設けられています。参入障壁の高い業界ですから、新規参入が少なく、過当な競争にさらされにくいです。そこも魅力に感じました。
滅菌装置の回路設計をしています。前職と比べて「面白い」と思ったところは、蒸気・ガスを送る配管の設計も担当するところです。配管設計は機械設計の担当になることが多いと思うのですが、当社では電気設計の業務に含まれています。
業務としては、オーダーメードの産業用滅菌装置を設計することが多いです。お客様によって設計がまったく変わってきます。先輩方が過去に手掛けられたデータを参考にしながら設計を考えますが、過去の設計が参考にならない案件もあります。そういうときは苦労しますね。
業務の流れを説明しますと、まずは蒸気・ガスを送るプログラムを組み、それを動かす回路を設計します。続いては、製品が完成してから工場で試運転させる際、設計どおりに動作するかと1つ1つ確認を取っていきます。 転職してきてうれしく感じたのは、2カ月間の研修の後、いきなり1つの装置開発を任せていただけたことですね。最初から最後までの電気設計を経験できました。先輩方の過去の仕事を大いに参考にしたからこそ完成できた仕事でしたが、最後まで自分1人に任せていただけたおかげで、とても大きな達成感を味わえました。
もちろん、先輩方はしっかりとサポートしてくれました。「最初から最後まで1人に仕事を任せる」と聞いて不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、サポートがありますので、安心して仕事に取り組めます。
やはり、先輩方がしっかりと見守ってくれているところでしょうか。設計の仕事にしても、ある程度自由にやれる環境でありながら、私が「ここが分からない」と聞きに行くと丁寧に教えてくださいます。
「自分1人に任せていただけた」とは言いましたが、先輩方の助けがあってようやく製品を完成させられる状態です。誰の力を借りなくても、1人で装置を立ち上げられるようになっていきたいです。
担当する装置の仕様にしても、比較的優しい内容です。お客様の要求が厳しい装置は上司・先輩が担当していますから、そういった難しい装置もいつか任せてもらえるようになりたいです。
一口に「モノづくり」とは言っても、いろいろな仕事があります。「こういうモノづくりの仕事をしたい」といった希望を持っている人もいると思いますが、モノづくりの世界は奥深く、経験してみて初めて「こんなモノづくりの仕事も面白い」と感じられるようになります。
どんな仕事であれ、モノづくりの仕事には面白みがあるものです。その魅力に気が付いてほしいです。
先輩メッセージ
「女性だからできない」部分を後ろめたく思う必要はない
営業部付
水戸部さん
――就職活動とウドノ医機と出会ったときの感想を話してください。
大学では、臨床工学技士の資格取得を目指して勉強していました。卒業研究では微生物のことを研究して、「滅菌」という処理方法に興味を持ち、就職先として滅菌関係の企業を選択肢に入れるようになりました。
ウドノ医機も滅菌関係の企業として知り、工場見学をさせていただきました。思っていたよりも大きな装置であることに衝撃を受け、何よりも人の手作業で完成させていくところに魅力を感じました。
現在は、お客様の施設に滅菌装置を設置する際のレイアウト図を描いています。滅菌装置は非常に大きなものです。1度設置してしまうと動かせませんから、設置する前にしっかりと使いやすい配置を考えておく必要があるのです。
私は以前、営業職として装置を設置するいくつかの現場に立ち会ってきました。そのときのことを思い出しながら、「どこに置いたら効率よく装置を利用できるか」と考えてレイアウト図を作っています。
それでも、レイアウト図の担当になってからまだ日も浅いので、仕事を進めていて分からないことだらけです。苦労もしますが、描いた図を営業担当に確認してもらって、「これで行こう」と修正なしで承認してもらえたときにはうれしくなります。
営業職のとき、確かに女性社員は多くありませんし、「私1人で仕事ができるのだろうか」と不安に感じるところはありました。
でも、周りの先輩がしっかりとサポートしてくださいました。それに滅菌装置を納入する病院の中央材料室には女性のスタッフが多いです。同じ女性の目線でいろいろとお話ができたので、女性の私が働くことで貢献できるところもあるのだと実感できました。
女性がモノづくり企業で働く場合、どうしても萎縮する気持ちが出てきてしまうかもしれません。でも、自分にできないところは素直に男性社員に依頼し、自分の得意な業務を率先して引き受ければいいのだと考えるようになりました。「女性だからできない」部分を後ろめたく思う必要はないと思います。
小さい会社ではありますが、その分、社員同士の距離感が近く、アットホームな会社です。
例えば、春には歓迎会を開きます。社員の家族を会社に招いて工場見学をすることもあります。昨年の工場見学は、その後、東京タワー見学やクルーザーでのディナーと初めての経験がいろいろできて、とても楽しかったです。
それ以外にも、社長も気さくにあいさつしてくださったり、声を掛けてくださったりといったように、社長との距離の近い職場です。働きがいを感じやすい会社だと思います。
勉強中の身ですので、いろいろ学んでいきたいです。先輩から教わったことを身に付けた上で、自分の考えを加えていき、何か会社やお客様のためになることを考えられるようになるといいですね。
自分にとって心の支えになっている部分、何があっても絶対に譲れない部分を持っていれば、どんな仕事でも何とかやっていけると思います。
まずは何事もやってみることです。失敗したとしても、失敗から学ぶことができます。ぜひ、何かに挑戦してみてください。
注)掲載している情報は、取材日(2013年6月)時点のものです。