山下電装株式会社
山下電装株式会社
世界トップクラスの光技術者として大きく飛躍する夢を拓く
次世代太陽電池の性能評価基準を提供するソーラーシミュレータを開発しています
山下電装株式会社
世界トップクラスの光技術者として大きく飛躍する夢を拓く 次世代太陽電池の性能評価基準を提供するソーラーシミュレータを開発しています
- 社名:山下電装株式会社
- 設立年月:1974年2月20日(昭和49年)
- 資本金:10,000千円
- 代表者:山下 昌彦
- 所在地:
【本社】東京都八王子市北野台 5-25-10
TEL:042(637)2051(代)
FAX:042(637)2052
【事業所(営業部)】東京都八王子市美山町 2161-14
TEL:042(650)7121(代)
FAX:042(650)7120
【工場】東京都八王子市美山町 2161-14
TEL:042(650)7131(代)
FAX:042(650)7130 - 公式HP:http://www.yamashitadenso.co.jp/
- 「光を安定させるためには、電源の開発が不可欠なのです。」1972年、山下電装は東京都日野市で商社が輸入する特殊ランプの点灯電源の製造を請け負うことからスタートしました。当時は、デジタルによる制御ではなくアナログによる回路設定で電圧・電流を安定させたのです。この基礎となった技術は気象観測機器で使用されていたものでした。山下電装は、この点灯電源の技術向上を図りながら、多様化する光へのニーズに着目し、光技術の向上に務めながら光源メーカーとしての地位を着実に固めていきます。それは、半導体業界に画期的な欠陥検査装置をもたらすとともに、次世代エネルギーを担う太陽電池パネルの評価装置の開発へと広がっていったのです。
業種
光源機器、半導体欠陥検査装置の開発・製造・販売、共同開発・共同研究
光技術の向上にひたむきに取り組んだことが、ソーラーシミュレータ開発へとつながりました
「光源技術への進出を決めたのは、大手メーカーにOEM供給を始めた事がきっかけです。」 山下社長は、山下電装が光源メーカーとしてスタートを切った当時をこのようにお話しされました。 「当時は、気象測器を扱うメーカー勤務を経て独立した現会長である父が社長でしたが、紫外線を照射する装置として、UVインクやUV接着剤(特殊な紫外線でないと固まらない接着剤)の光源をアメリカ視察中にヒントを得て、挑戦する事になったのです。紫外線照射光源として各メーカーからの引き合いもあって、OEM供給することになりました。その装置は日本全国はもちろん海外に至るまで広く販売されていったようです。これが光に進出するきっかけとなったと父からは聞いています。」 光源メーカーとしてのポジションを高めつつある中で、太陽電池の研究用光源である「ソーラーシミュレータ」の開発に着手しました。 「太陽電池関連では、サンシャイン計画というものが1970年代半ばにあったのですが、当時は規模が小さかったこともあり、大きなうねりにはならなかったようです。しかし、細々と続いていく研究の中で、太陽電池の性能をどう判断していけばよいか、その基準作りから始めていこうということになり、そのためには安定した光源が必要であるということで、当社に開発の依頼がきたのです。それが、『ソーラーシミュレータ』の開発に着手した経緯です。」 当時は、研究用装置という意味合いが強く、ソーラーシミュレータが事業化できるとはどのメーカーも考えていなかったようです。やがて、ソーラーシミュレータは、山下電装の独占状態となりました。大学や企業の研究者からの開発依頼や機器の改善要望にひたすら応えてきた結果、競合他社には負けない技術とノウハウの蓄積ができてきました。
米国で絶賛された半導体ウエハ表面欠陥検査装置
ソーラーシミュレータの開発と同時並行で、半導体ウエハの表面欠陥検査を判定する装置の開発の依頼がありました。これは、光の反射を利用して非破壊でウエハの表面の凹凸検査ができる装置です。山下社長に、この装置がその当時の主力製品であったことをお話しいただきました。 「紫外線照射装置のOEM供給がスタートしたのが1980年代半ば。ちょうどその頃に半導体ウエハ表面欠陥検査装置の開発に着手しました。技術がある程度完成したものの、日本で本格的に販売しようとしましたが、当社のことを知らない大手メーカーには採用されませんでしたね。そこでアメリカで販売拠点を設立し営業展開をしました。その結果、1988年アメリカで「画期的な検査装置」であると認められ、セミコンダクターインターナショナルから表彰されました。結果として、多くの半導体製造装置メーカー各社に採用され、欠陥検査のスタンダードとして広く普及する事になりました。」 この半導体ウエハ表面欠陥検査装置の成功が、ソーラーシミュレータの開発を後押しすることにもなったのです。
低価格品の開発よりも性能重視でいくべきだと研究者から激励されました
ソーラーシミュレータは、国際的な規格に準拠することが必須条件です。それは、等級という名称で区分されています。 「自然太陽光に極力近似した光を人工的に造り出すのがソーラーシミュレータの命ですが、それは、光のスペクトル分布で自然太陽光にいかに似せるかというところがポイントなのです。ですが、やはり人工的なものですから必ずしも全て似せることはできないのです。そこで国際的なスペクトル分布規格というものがあり、それにあった光を発光出来ているかどうかスペクトル合致度が性能評価の基準となるわけです。規格を上回る安定した光源を納めていることがメーカー同士での競争力・技術力を示していることになるわけです。」 山下社長からは、技術者であると同時に経営者としての悩みもあります。 「ある大学の教授と話していた時に、安価に大量の製品を供給する時代になってきて、当社も考えなくてはならないなと冗談をいいましたら、一喝されました。『山下さんは、今まで通りの方針でいって欲しい。』スペクトル分布規格に近づけることに挑戦し続けていることが、山下電装の企業価値であると改めて気付かされたのです。薄利多売の商売をやっていてもつまらないということは、わかっていたつもりなのですが、改めて気付かされましたね。大学の先生や研究者が求める安定した照度を提供できる光源を求めていった結果、『安定した光を提供できるのは山下だ』という評価をもらっているのですから。」 太陽電池の性能評価基準を提供している、独立行政法人産業技術総合研究所。ここで山下電装のソーラーシミュレータは活躍しています。それは、太陽電池パネルとなった新製品をメーカーがどう評価するか、その基準となる光源です。太陽電池の性能の根拠は産業技術総合研究所の基準光源で見て性能を確認することになっています。 「ソーラーシミュレータの開発から納品を通じて産業技術総合研究所から様々な相談を受けることになりました。このような技術レベルの高い仕事に携わることによって当社の技術レベルも向上されました。この他にも、北見工業大学に大型ソーラーシミュレータを納品しました。これは北見が日本で有数の日射量が多い地域で、太陽電池の研究開発拠点にしたいというご要望からでしたが、設計から含め1年半以上かかりました。社員総出で組み上げに北見まで出張しました。合宿の様で楽しかったですよ。」 さらにソーラーシミュレータの開発事例を山下社長にご紹介いただきました。 「最近では、産業技術総合研究所の委託事業でロングパルスというソーラーシュミレータを開発しました。これは、太陽電池パネルをベルトコンベア上で光をあてて発電させ、その出力をみる性能検査用のソーラーシミュレータです。産業技術総合研究所の知財と当社の技術がコラボレーションした装置です。また、韓国・台湾・中国の太陽電池メーカーも産業技術総合研究所に太陽電池の基準光源の相談にきたり、検査の研修に来たりしているようです。そこで、ソーラーシミュレータのメーカーとして当社の名前が出ているケースもあるようですね。」 海外への本格的な展開も視野に入れながら、山下電装の光源メーカー、光学技術を極める挑戦は続いていきます。
技術者としての楽しみや誇りを持てるスキルがある人に来てほしい
山下電装は、世界的にトップクラスの技術を誇る「ソーラーシミュレータ」を製造しています。設計は全て社内で行いますが、一部の部品は協力会社に依頼して山下電装仕様のものを供給してもらいます。人と人とのつながりがたしかなモノづくりをしている中小企業なのです。 「当社は、やみくもに人を増やすというわけではありませんが、適任者をピンポイントで採用するのは随時していますので、その中でいい出会いがあればどんどん採用していきたいと考えています。新卒に関しても同様に積極的に検討していきたいですね。特に欲しい人材は、光学的な技術者。後継者を育てていきたいです。当社は技術者集団です。ですから、やりがいは、お客様のところにいって技術で応えて評価される。そのことが楽しいと感じられる人がいいですね。そして、なによりも素直でやる気があれば、5年も立てば一人前になりますから。」 物静かに、じっくりと技術を、モノづくりを極めていく。山下電装には、そのような環境が用意されています。その環境をフルに活かして、技術者として大きく飛躍する夢を一緒に追い求める。そのような人との出会いを山下社長は望んでいます。
先輩メッセージ
唯一の弱点は、価格が高いこと!それを上回る技術力が当社製品の魅力です。
技術部 製造課
立花 陽介さん
私は、工業高校を卒業した後、技術的な仕事として電気の回路設計とか製品開発等に携われる会社に就職したいという思いから、求人票を見ていた時に合致したのが山下電装でした。当時は大手の会社の求人もありましたが、一般的なイメージとして流れ作業的で一部の領域しかできないと考えていました。むしろ中小企業であれば、開発から製造まで全て携われる。その魅力もあって、山下電装に就職することにしました。
所属している部署は製造課ですが、いろいろと幅広い業務も担当しています。最近までは組み立てがメインの業務でしたが、今は体制が整ってきたことから設計も担当しています。当社の場合、板金や電気回路等が設計に関しては、おおよそのイメージを先に手書きで書いて、その後CADでデータとして取り纏めています。設計の業務はこれまで経験した事がないので、周りの先輩社員の皆さまにいろんなことを聞きながらなんとかこなしています。でも、設計業務は自分が希望した仕事ですから苦にはなりませんね。充実した時間を過ごす事ができています。当社の主力技術である光学的な設計はまだ担当しておりませんが、いずれは挑戦したいと思っています。
たまに、出張等でお客様のところに訪問した時、当社の装置の評判を聞くとうれしく思います。「値段は高いけど、山下さんの製品はいいね。」という評価がほとんどですから。そのような言葉を聞くと、評価に恥じないモノづくりをしなくてはならない、気が抜けないという心地よい緊張感が体を包みます。
当社は技術者集団ですから、技術的なことの勉強をすることも大事ですが、それ以上に必要なのは発想です。特に、世の中にない製品の開発をすることが非常に多いので、幅広い考えができるといいと思います。それとともに、どんどん新しい事にも挑戦していったほうがいいですね。そのようなモノづくりの全体が見渡せる会社が、私は仕事をしていて楽しいし、毎日が充実していると思えます。そのような場所が、山下電装にはあります。
先輩メッセージ
やりがいのある仕事に就く、幸せな人生を生き抜く。その環境を手に入れたくて、山下電装に入社しました。
営業課
白井 芳洋さん
私は、学生時代に太陽電池の研究をしていました。その当時から山下電装が太陽電池の検査装置をやっていることは知っていました。転職先を検討している時に、中小企業であれば、やりがいがあるだろうと考え入社することにしました。なぜ中小企業なのかというと、前職が大手企業だったのですが、安定性・給料という面でのメリットがあっても、やりたい仕事はできないし、一部門の小さい分野でしか活躍の場がないように感じたからです。今後、定年までの人生を考えた時に、仕事はかなり大きな部分を占めます。やりがいがないところで安定して仕事をしていてもつまらないと思い、仕事が面白いと思えるような場所で働きたいと決意し、当社を選びました。
今は、営業を担当しています。思った通りの仕事が出来ていますし、やりがいも感じています。少人数なので、お客様の引き合いがあった件に関してしっかりと受注に結び付ける事に注力しています。今後は体制が整ってくれば、新規開拓等本来の営業活動にも注力していきたいですね。
当社のソーラーシミュレータは、25年の蓄積によって世界で トップレベルの技術水準を誇る製品となりました。それは、産業技術総合研究所にソーラーシミュレータを何台も納品、日本の標準機として使用されていることからも明らかといえるでしょう。さらにパイオニアとして、常に新しい技術・製品を開発し市場に投入しています。逆に値段は高いといわれますけどね。でも、営業としては、無理な価格交渉もしません。ソーラーシミュレータのメーカーでこのような営業スタイルができるのは当社のみです。中小企業でありながら本当に世界的な技術を持っているのか、入社するまで半信半疑だったのですが、入社してからは、その疑念は吹き飛びました。技術に惚れ込んで、自身を持って製品の営業ができるのは素晴らしい経験です。
社会人になったら、生活している中で仕事をする時間が大半を占めます。その中でやりがいのある仕事と興味を持てない仕事に就くのでは、その後の生き方が違ってくると思います。ぜひモノづくり企業を目指す皆さんには、自分が興味を持てる・やりたいと思える仕事につくことを重要視して会社探しをして下さい。私は、その環境を手に入れたくて、山下電装に入社したのです。