<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

マーケティング・企画提案力の優れた企業特集

1社目 トライベック・ストラテジー株式会社/11名参加

 最初に訪問したのはデジタルマーケティングの支援とコンサルティングを行うトライベック・ストラテジー。企業のブランドイメージを上げるためのコンサルティング提案や、ウェブの構築のほか、マーケティングプラットフォームの提供をし、企業のデジタル化を支援しています。ここでは、後藤社長による会社説明、オフィス見学、若手社員を交えての座談会を行いました。

広く明るいエントランスのトライベック・ストラテジー

ツアー内容

会社説明
 「本日はお集まりいただいてありがとうございます。トライベック・ストラテジーは、企業のブランドをより魅力的にするために、デジタル方面からバックアップをしている会社です。今日は当社の説明だけでなく、マーケティングについてためになることをお伝えできればと思っています」と笑顔で出迎えてくれたのは、後藤社長。まずは、同社の主な業務であるデジタルマーケティングとはいったいどんな事業なのか、というところから説明が始まりました。

 日本では世界の企業に比べるとブランドイメージを上げるための戦略に乏しく、「世界企業ブランドランキング」のトップ50に日本の企業は3社しかランクインしていないといいます。では、世界との差はどこから来るのか。ブランド戦略の違いがよくわかる例として、日本とアメリカのECサイトのCMを見ながら違いを説明してくださいました。日本企業のCMは安売りをしていることを大きく打ち出しているのに対して、アメリカ企業のCMはどんな商品も揃っていて、それがワンクリックで家に届くということを感動的に表現しているといいます。社長から2つのCMの違いを詳しく解説していただき、参加者たちからは「本当だ!」「全然違う!」といった驚きの声が上がっていました。

 その後、同社が担当したホームページのリニューアル事例を紹介していただきました。ホテルの事例では、リニューアル後予約数が以前と比べて大幅に上昇したというお話をお聞きし、ゲームメーカーの事例では、ホームページからゲームソフトのダウンロード数が2倍以上になったというお話を伺いました。参加者たちはブランド戦略の重要さに感嘆していました。

  • デジタルマーケティングについて、熱心に語る後藤社長
  • 「デジタルで、ひとにやさしい世界をつくろう。」が同社のモットー

オフィス見学
 オフィス見学では、仕切りがない開放的なオフィスやそこで働く社員の自由な服装が印象的でした。コーヒーなどを飲みながらリラックスできるカフェスペースである「.Style Cafe」には、同僚と談笑しながら打ち合わせをしている社員たちの姿がありました。ここでは、19時を過ぎるとビールなどのアルコールが提供されるということで、仕事終わりにメンバーとお酒を1杯飲んで帰るという社員もいるそうです。
 更に、好きな場所に座って仕事ができる「フリーアドレススペース」が広く取られていました。このスペースは、外出が多く固定席がない社員も、社内の固定席で働く社員も自由に使うこともでき、リラックスした雰囲気で仕事を行っていました。

  • オフィスの壁に飾られる社員同士で感謝を伝えるサンクスカード「ほめも」
  • フリーアドレススペースを見学

座談会
 続いて、若手社員が参加者の質問に答えるという形で座談会が行われました。「文系理系出身かは仕事に関わりますか?」という質問には、「当社は研修がしっかりしているので、文系出身の人もたくさん活躍しています」。「プログラミングの楽しいところは?」といった質問に対しては、「自分で書いたコードで、はじめてパソコンの中のシステムが動いたときは嬉しかったです」と熱意いっぱいに答えてくださいました。続いて、ウェブデザインを行う社員には、「どうしてウェブデザイナーになったのですか?」という質問が投げかけられ、「ウェブデザインなら自分の手掛けた作品をより多くの人に見てもらえると思い、今の会社で働くことにしました」と入社動機をお聞きしました。

  • 和やかな雰囲気での座談会

参加者からの声

 参加者からは、「デジタルマーケティングで、企業に対する印象がこんなにも変わるのかということに驚いた」「開放的なオフィスで、すごく働きやすそうだと思った」「社員の方から仕事のことをいろいろ聞けて勉強になった」といった感想が聞かれました。

2社目 株式会社金羊社/11名参加

 次に訪れたのは、総合印刷会社の金羊社。CDやDVDなどのパッケージ印刷をはじめ、アクリルやタイルへの印刷など、高い技術力を誇っています。ここでは、会社説明、オフィス・本社工場・ギャラリーの見学、若手社員を交えての座談会を行いました。

93年前に設立して以来、大田区に居を構える金羊社

ツアー内容

会社説明
 「皆さんは普段ミネラルウォーターを飲まれますか?」という、執行役員の植松さんの質問から会社説明は始まりました。参加者が普段飲む銘柄を答えると、「実はその中に当社が印刷しているものがあります」と植松さん。現在は飲食物のパッケージ印刷も手掛ける金羊社ですが、最も得意とするのはCDやDVDのパッケージ印刷であり、これまでも世界的にヒットした音楽CDや日本の有名アイドルグループのDVDのパッケージ印刷にも携わっていることを聞き、参加者からは「えー、すごい!」といった驚きの声が聞こえてきました。

 また、お菓子のパッケージやおむつの印刷では、安全で匂いの無い印刷技術を駆使していることや、タイルや凹凸のある面に印刷する技術などについても解説していただきました。
 更に同社のグループ会社では、印刷業に留まらず、さまざまな事業を行っているといいます。
 「グループ会社では世界の絵本を翻訳し、レンタルや販売を行っています。また、本社のある大田区に恩返しをしようという気持ちから区が主催するイベントの制作、更には、運営やフリーランスやリモートワークをしたい方たちに向けた共同作業スペースの運営をしています。他にも、アーティストのコンサートを企画・運営する会社も立ち上げました」
 印刷業に留まらない業務の数々に参加者も関心を持って聞いていました。

  • 植松さんが会社の取組などを紹介
  • 仕事の流れが分かる動画も拝見

オフィス・本社工場・ギャラリーの見学
 続いて、オフィス・本社工場・ギャラリーの見学を行いました。
 同社は静岡県、栃木県、愛知県にも工場がありますが、この日は小ロットの商品や、サンプル品の作成をしている本社工場を見せていただきました。デジタル印刷機や大型のUVインクジェットプリンタなどの説明を聞き、その性能の高さに参加者たちも驚いていました。また、工場内はとても清潔に保たれており、ホコリひとつ落ちていないところも驚きでした。工場見学の最後にはマルチカッティングマシンという機械が実際に稼働する様子を見学しました。大きな紙の上をものすごいスピードでカッターが動き回り、印刷物に切れ目や折り目を付けていく様はまさに圧巻。プログラムによってどんな形にもカッティング可能な機械ということで、同社のマスコットキャラクターの形に切り抜かれた紙を見て、参加者たちは次々に歓声を上げていました。

 そして、ギャラリー見学では同社がこれまで手掛けてきたCDのジャケットやDVDのパッケージなどを見て、「これ知ってる!」「私、これ持ってる!」といった声が参加者たちから上がりました。

  • 綺麗に整頓されたオフィスを見学
  • 会社のエントランスに手掛けた印刷物が並ぶ

座談会
 続いて、若手社員に参加者の質問に答えて頂く座談会を行いました。「実際に入ってみてから感じたギャップは?」という営業部門の社員への質問に対しては「ものができるまでにこんなに時間がかかるとは思っていませんでした。 今取り掛かっている案件の中には、半年後に発売するものもあります」と教えていただきました。更に、生産部門の社員に対しては「入社してから身に付いたことは?」という質問が寄せられ「細かい色を見分ける力が付きました。日常生活でも細かな色の違いに気付いてしまいます」と笑いを交えながら答えていただきました。また、「仕事をしていて嬉しい瞬間は?」という質問には「自分の好きなものを手掛けられたときはすごく嬉しい。 また、それが店頭に並んでいるのを見たときは、自分がこのパッケージを手掛けたんだ、と誇らしい気持ちになります」と経験をもとに語ってくださいました。
 参加者たちは、今まで知らなかった業界の働くやりがいなどを知ることができ、大いに満足した様子でした。

  • 様々な部署の方に参加していただいた座談会

参加者からの声

 参加者からは、「金羊社という名前は知らなかったけれど、作っている商品は自分が知っているものばかりで驚いた」「タイルや透明なアクリルにも印刷できることがすごいと思った」「印刷会社は印刷が仕事だと思っていたけれど、紙を切るということも大事な仕事だと理解が深まった」といった感想が聞かれました。

まとめ

 1社目のトライベック・ストラテジーは、日本の企業のブランド力を上げようという熱意が伝わってきました。 2社目の金羊社は、長い伝統を持つ企業でありながら最新の設備を使って新しいことに挑戦しようという意欲を感じました。 座談会では、どちらも若手の社員の方から仕事をする上でのやりがいなどを聞くことができ、参加者の皆さんは働くことへの期待に胸を膨らませていました。