<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

国士舘大学 キラキラ働く。キャリアが身に付く企業特集

1社目 株式会社スピードリンクジャパン/13名参加

 最初に訪問したのは、ITシステムの構築を手掛ける一方で、小学生向けのプログラミング教室やIT企業の新人研修なども行うスピードリンクジャパンです。ここでは、会社説明、プログラミング体験、オフィス見学、若手社員を交えての座談会を行いました。

プログラミングでロボットを指令通りに動かすゲームに挑戦

ツアー内容

会社説明
 「スピードリンクジャパンは2004年に設立しました。現在100名を超える社員の内、女性が約4割と、業界の中でも女性比率が高いのが特徴です」と人事部の押田さんから会社の特徴を説明していただきました。同社では、「こんなシステムを作ってほしい」といった依頼を企業から受注する「システムインテグレーション事業」、小学生やプログラミング未経験の社会人でも分かりやすくプログラミングを学べる「ITスクール事業」を展開。とりわけ、ITスクール事業では、2020年に迫った小学生のプログラミング必修化に向けて、渋谷区と一緒にプログラミングイベントなどを行っています。また、同社の個性的な社内制度についても話してくださいました。

 「社員自らがあったら良いと思うサービスを作るために、部署を横断してプロジェクトチームを作ることができる『プロつく』制度があります。この制度を活用してこれまでに、マイナースポーツを含めた様々なスポーツの観戦中に、選手の特徴や細かいルールを実況してくれるアプリなどを開発しました。また、人事評価制度もユニークで、到達目標を自分で設定することができたり、上司を選挙で選んだりと、働きやすい会社づくりにも積極的です」

  • ITスクール運営など、同社の様々な事業を紹介
  • 会社説明に熱心に耳を傾ける学生たち

プログラミング体験
 会社説明のあとは、「迷路抜けロボチャート」と「スペースロボチャート」という2つのゲームでプログラミングの楽しさを体験しました。

 1つ目の迷路抜けロボチャートは、ネズミのロボットを動かして迷路の出口を目指すゲームです。「前へ進め」「右へ曲がれ」といった指令をプログラミングすると、その指令通りにロボットが動きます。ITスクール事業部の社員からは「このゲームで出口は1つしか設定されていませんが、ゴールの方法は無限にあります。ロボットにどう指令すれば効率が良いのか、よく考えて指令を組んでみてください」というアドバイスをもらい、ゲームをスタート。最初は簡単にクリアしていた学生たちも、迷路が次第に複雑になってくるとロボットが出口にたどり着く前に止まってしまうなど、エラーが出るようになりました。そこでまた、社員の方にアドバイスを受けながらプログラミングを修正し、試行錯誤。ロボットがうまく出口にたどり着いたときには学生たちから思わず歓声が上がりました。

 2つ目のスペースロボチャートは、対戦型のプログラミングゲームです。動き方をあらかじめプログラミングしたロボットを、1つのフィールドに全員分を集合させ戦います。ロボットは敵のロボットが発した球に当たるとダメージを受け、退場となります。敵の球をうまく避け、こちらの球を敵に当てられるようなプログラムが書けるかが勝利のカギです。最後まで勝ち残っていた学生はもちろん、早々に退場してしまった学生たちも、画面上を動くロボットに向かって「がんばれ!」「当たっちゃうから避けて!」などと声をかけていました。

  • 学生と社員が一体となって、スペースロボチャートの勝敗のゆくえを見守る
  • 和やかな雰囲気で行われた座談会

オフィス見学、座談会
 オフィス見学では、会社のエントランス、ワークスペース、プログラミングスクールを案内していただきました。エントランスを入ってすぐの壁には社員ひとり一人が入社時に掲げた目標がびっしりと書かれていました。

 次に行われたのが、座談会です。「プログラミングの仕事にする上で大切なことは何ですか?」という質問に、現役エンジニアの社員は「スキルを常に磨くように心掛けています。また、プログラミングはチームで行うことがほとんどなので、スキルと同じくらい『報告・連絡・相談』をきちんとすることも大切です」と回答。更に、プログラミングスクールで講師をしている社員に向けて「講師をする上でのやりがいは何ですか?」という質問が飛ぶと、「子どもに教えていると、どんなに易しく説明しても、分かってもらえない事があります。そんな子に時間を掛けて説明をし、プログラムを組めるようになったときは、とても嬉しいです」という回答がありました。

  • プログラミングスクールを見学する学生たち

参加者からの声

 学生からは、「幹部を社内で選挙して決めるという制度に興味を持った」「作りたいアプリを作ることができたり、目標を自分で決められたりと、働きやすそうな環境があると思った」といった感想が聞かれました。

2社目 株式会社CSS技術開発/13名参加

 続いて訪問したのは、工事現場や建設現場で測量を行うCSS技術開発です。ツアーは、会社説明から始まり測量体験、若手社員を交えての座談会と続きました。

トロフィーや賞状がズラリと並ぶエントランス

ツアー内容

会社説明
 ツアーは大山社長による会社説明からスタート。測量の重要性をお話しいただきました。 「建物はもちろん、道路、橋、トンネルなどを作る上で、測量は決して欠かせません。例えば大きな道路を両端から作っていったときに、測量が間違っていたら完成した道路が真ん中でズレてしまうことになります。それだけに測量会社に限らず、建設業界に入社するとまず測量の大切さを学びます」と大山社長。まさに縁の下の力持ちとして建設業を支える同社は、最新技術の導入にも力を入れているそうです。
 「測量と聞くと、昔ながらのことをしているとイメージするかもしれません。しかし、測量や建設の現場はものすごく技術革新が進んでいます」と大山社長。例えば、同社ではドローンの活用にも積極的に取り組んでいます。10人以上で手分けして数日間掛かるような広大な土地でも、ドローンを使えば30分程度で測量ができるそうです。
 また、近年、建設現場では測量データを生かした工事の自動化が進んでいます。これは、ショベルカーなどの重機に、同社の測量データを読み込ませると、重機の自動運転が可能になるというもの。これにより、熟練の技術が必要だった重機を容易に扱えるようになったそうです。

 初めは測量について、イメージがなかなか浮かばなかった学生たちも大山社長の会社説明を聞き、関心を寄せている様子でした。

  • 冗談を交えての会社説明に和やかな雰囲気
  • 大山社長が同社の特徴や測量について説明

測量体験
 続いて、学生を3つのグループに分け、「逆打ちゲーム」で測量を体験しました。逆打ちとは、あらかじめ決められた座標を探し出すことを言います。これは建物を作る際、どこに杭を打つべきかを導き出すときに使われている手法です。今回はこの手法を使って、1~30の番号が振られている足元の印から特定の数字を探し出しました。それぞれの番号には国名が割り振られていて、獲得した国の総面積で競い合いました。
 初めは逆打ちに慣れるのに必死だった学生も、次第にゲームに熱中し「みんなでロシアを探そう!」といった声を掛け合いながら楽しんでいました。

  • スマホに表示される座標を見ながら逆打ちを体験

座談会
 次に行われたのが、若手社員を交えて座談会です。「仕事のやりがいはなんですか?」という質問に社員の方は、「自分が測量した現場に数年後に行くと、何もなかった場所に建物が建っていて感動することです」と回答。また、別の社員の方は「川の測量をやりたい、3Dスキャンやドローンを扱いたいといった社員の要望を受け入れプロジェクトを任せてくれます。挑戦したいことができるのでやりがいがあります」と答えてくださいました。
 また、「社内イベントはありますか?」との質問に、「毎年社員旅行を行っていて、今年は上海に行きました。来年は金沢に行きます。また、会社で来年のオリンピックチケットが取れたので、全社員、2つほどの競技を観戦できるように調整中です」というコメントがありました。これには学生たちからも「うらやましい」といった声が漏れていました。

  • 現場で測量を行う社員を交えての座談会
  • 新入社員には、入社の決め手などの質問が寄せられた

参加者からの声

 学生からは「測量はITとは遠い分野なのかと思っていたが、最新の技術が使われていて驚いた」、「社員の方が色々な質問に答えてくれて、測量についての理解が深まった」、「建設と聞くとゼネコンしか浮かばなかったが、測量を専門に行う会社があると知って新鮮だった」といった感想が聞かれました。

まとめ

 1社目のスピードリンクジャパンは、ITシステムの制作や、プログラミングスクールの運営などを行う会社。2社目のCSS技術開発は、ドローンなどの最新機器を使って測量を行う会社でした。どちらも社員がやりたいことを自主的に行える制度が整っており、若手社員も挑戦できるという話を直接聞くことができました。学生たちは、キラキラ働く社員たちとの交流により、中小企業で働く魅力を感じていたようです。