<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

ユニークな制度で、若手社員がイキイキと活躍する企業特集

1社目 株式会社UZUZ/11名参加

 最初に訪問したのは、人材紹介会社のUZUZ。同社は独自の社内制度で社員のやりがいやライフ・ワーク・バランスをサポートしています。ここでは、川畑専務による会社説明の後、オフィス見学、グループワークを行いました。

フリースペースである「UZUZベース」にて会社説明、グループワークを実施

ツアー内容

会社説明
 UZUZは2012年に創業した既卒、第二新卒に特化した人材紹介会社。同社のような人材紹介を行なっている企業は、まだまだ少ないそうです。創業メンバーの1人でもある川畑専務は、「自らと若者がウズウズ働ける世の中を作る」というミッションを掲げて、同社を設立したといいます。
 「当社は新卒採用を行なわず、当社が事業としてサポートしている既卒、第二新卒を採用するようにしています。お客様と向き合う上でも、同じような境遇を経験した者の方がより親身になってサポートできるという理由からです。また、既卒、第二新卒のネガティブなイメージを払拭するためにも、我々が実例を示すことが一番だとも考えています」
 また、同社は就業支援のみを行うのではなく、学習支援を受けながら就職活動を行える「ウズウズカレッジ」という無料プログラムで求職者をサポート。2~5週間掛けて、ビジネスマナーやITスキルを身に付けることができます。地方に住む求職者も、オンラインでサポートが受けられる「ウズカレオンライン」を受講し、スキルを身に付けることができます。

 更に、同社は社員へのサポートも手厚く、独自の社内制度を複数用意しています。
 「当社では『ウズポ!』という社内通貨を発行しています。これは、社員に感謝されたり、利用者から新規ユーザーを紹介してもらったりすることで付与され、1ポイント1,000円として飲み会などの経費に使えます。他にも、社員全員でクジを引き、日常の業務ではあまり交流のないメンバーと一緒にランチを食べに行く『クロスランチ制度』、社員が好きな書籍を購入できる『経費でブック制度』などを設けています。これらは全て会社で費用を負担するため、満足度はとても高いです」
 同社の社内制度はこれだけにとどまりません。2016年に導入されたリモートワーク制度を利用して兵庫、北海道、ニューヨークといった場所で働いている社員もいます。また、年に2回の社員旅行や、去年は山梨で開かれたという運動会など、社内イベントも充実しています。
 求職者と社員への思いやりがあふれた同社の取組に、参加者たちも真剣にメモを取っていました。

  • 会社の概要について説明する川畑専務
  • 様々な社内制度の紹介に真剣に耳を傾ける参加者

オフィス見学
 次にオフィスを案内していただきました。オフィスは3階と4階に分かれ、サービス利用者たちの学習スペース、面談エリア、そして執務室を見学しました。この日もたくさんの利用者が来社しており、プログラミング学習や面接の練習が行われていました。また、執務スペースには若い社員の方が多く、笑顔でコミュニケーションをとりながら働いており、ツアーテーマでもある「若手社員がイキイキと活躍する」現場を感じることもできました。

  • 「ウズウズカレッジ」のプログラミング学習風景

グループワーク
 続いて参加者を1グループあたり3~4名に分け、社員がそれぞれのグループに1名ずつ加わるという形でワークを行いました。働き方や社内改革といったテーマが出され、グループで話し合い、その後発表を行いました。
 はじめに出されたテーマは「定年まで安定して働くには、どういう条件で働く?」。グループワーク後の発表では、「資格、スキルを取得する」、「産前産後休業や育児休業がきちんと取れる会社で働く」、「満員電車で毎日通勤するのは大変なので、家の近くの職場を選んだり、職場の近くに引っ越したりする」といった意見が出ました。
 続いて出されたテーマは「自分は社長。若手がイキイキ働くには、どんな制度を取り入れる?」。参加者も2つ目のテーマで慣れてきたのか、活発に意見を出し合っていました。発表では、「30分間の昼寝の時間を取れる」、「休みの日を自由に設定できる」、「皆でお菓子を食べながら、コミュニケーションが取れるよう『もぐもぐタイム』を作る」といったユニークな意見が出ました。「20代限定で、勉強やリフレッシュのために1万円が毎月支給される」という意見には、20代の社員が「当社でも実施してほしい」と思わずつぶやくなど、参加者も社員も笑顔あふれるグループワークとなりました。

  • 社員からのヒントをもとに、参加者たちは積極的に意見を出し合った
  • グループワーク後の発表では、ユニークな意見が次々と挙がった

参加者からの声

 参加者からは、「学びながら就職活動ができるサービスは魅力的だと思った」、「面白そうな社内制度がいくつも設置されていて、楽しみながら働けそうだと思った」といった声が聞かれました。

2社目 株式会社クレヴァシステムズ/11名参加

 続いて訪問したのは、ウェブシステムや企業の基幹システムなどの構築を行うクレヴァシステムズです。同社はIT事業分野の中でも、情報処理サービスと呼ばれる分野で実績を残しています。ここでは、渡辺社長による会社説明からスタートし、自己分析体験、参加者による社員インタビューを行いました。

創業して28年のクレヴァシステムズ

ツアー内容

会社説明
 まずは渡辺社長が登場。「本日は、知っているようで知らないIT業界についての知識や、社員が個性を持って働くことを後押しする当社の社内制度などを紹介したいと思います」という挨拶から、ツアーが始まり、最初に、IT企業の細かな分野紹介をしていただきました。
 IT業界は大きく分けると3つの分野に分類されるといいます。まずは、コンピュータ本体の製造などを行う「ハードウェア業界」。2つ目は、コンピュータに載せるアプリケーションソフトを開発する「ソフトウェア業界」。それに加えて、顧客が抱えている課題解決に向けてITサービスを提供する「情報処理サービス業界」
 「これらの分野の中で、当社は『情報処理サービス業界』に分類されます。その中でも当社は、様々な業界の企業から依頼を受け、家電量販店や玩具量販店、アパレル業界などのショッピングサイトを作ったり、お客様の企業内で使用する業務システムの開発を手掛けています。他にも、給与管理、会計管理といった企業の基幹システムの構築、サーバーやネットワークといったインフラシステム構築のサービスを提供しています」(渡辺社長)

 続いて、同社の社内制度について紹介していただきました。同社では、文系出身であってもSEとしてのスキルがしっかりと身に付くように、研修に時間を掛けているといいます。
 「入社後の5カ月間はビジネスマナーをはじめ、基礎技術やプログラミングを学ぶ技術研修があります。その後、実際に現場に出て、先輩社員のフォローを受けながら業務を行う7カ月間のOJTを経て、1年間の新人研修が終了します。また、新人研修終了後も年に一度フォローアップ研修を行っており、入社年度に合わせたフォローを実施しています」
 更に同社は、社員同士のコミュニケーションを促す社内制度も充実しています。年に一度、全社員が集まるキックオフ大会の余興では、ボウリングやクイズ、ビンゴ大会が開催され、社員全員で楽しんでいます。そして、同社には10以上のクラブやサークルがあり、ゴルフや野球、登山などの活動を行っています。中でも社員主導で行っている「クレヴァコミュニケーションチーム」は、野外バーベキューや部門横断交流会などの社内イベントの企画、運営や社内制度の提案など積極的に活動しています。
 次に、ライフ・ワーク・バランスについてもお話をうかがいました。同社は有給休暇が気軽に取得できる雰囲気ができあがっているといいます。例えば、若手3年目までの平均有休取得率は78%。チームで仕事を進めることが多く、お互いの仕事をカバーでき、取得がしやすいそうです。また、出産後の育児休業は希望者全員が取得しており、男性の取得実績もあります。復帰後は、多くの社員が時短勤務等によって育児と仕事の両立を図っているといいます。

  • 充実の社内制度を説明する渡辺社長
  • 研修制度の紹介に参加者も真剣にメモを取る

自己分析体験
 続いて、同社が実際に導入している自己分析ツールを用いて、自己分析体験を行いました。心理テストに答えていくと自身の性格や仕事場面での行動傾向などが分かるというもので、体験終了後「あの質問にどう答えた?」といった会話が参加者同士でされていました。また、分析結果が数値やイラストで示されたフィードバックシートを手にした参加者からは、「当たっている」「就活でも生かしたい」などの感想が聞こえました。

  • 自己分析シートに取り組む参加者

グループワーク
 次にグループワークを行いました。同社の企業理念は「Value Create & Value Find(お客様の価値を創造し、発見する)」です。同社が大切にしている「Value(価値)」をキーワードに、「クレヴァシステムズの『Value』を探してみよう」をテーマとし、社員インタビューを通して各社員が大切にしている「Value」を探りました。参加者は入社のきっかけや社風など、様々な角度からインタビュー。それに対して「学生時代とは違った新しいことにチャレンジしたいと考えたときに新卒はチャンスだと考え、文系学部出身ですが、入社を決めました。内定をもらった後、少し不安はありましたが、研修がしっかりしているのでスキルもしっかり身に付きました。」、「社長と距離が近いです。社員同士も仲が良く温かい雰囲気です。」などと丁寧に答えてくださいました。
 インタビューが終わると、グループごとに発表を行いました。「社内サークルでゴルフや野球を楽しんでいて、仕事にメリハリを付けられているという印象でした」、「裁量が任されている部分が多く、自分のペースで楽しく働けると感じた」など、参加者が感じた同社の「Value」が数多く挙がりました。

  • 和やかな雰囲気でのインタビュー
  • インタビュー後の参加者によるプレゼン発表

参加者からの声

 参加者からは、「自分も文系学部だけど、これだけ研修がしっかりしていれば、SEとしてやっていけそうだと思った」、「休みが多く、社員同士の距離も近いので、働きやすそうな職場だと思った」といった感想が聞かれました。

まとめ

 1社目のUZUZは、既卒、第二新卒の価値を広めるために、社員も楽しみながら働いているという雰囲気が伝わってきました。2社目のクレヴァシステムズは、しっかりとした新人研修と社内制度で、仕事面もプライベート面も充実させられると感じました。
 今回は両社でグループワークを実施し、若手社員の方と話をしながらワークを進めました。会話をする中で、社員の方へ気軽に話しかけやすい雰囲気や、イキイキと働く様子を感じ取ることができたようでした。