<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

ビジネスにも働き方にも新たな取り組みにチャレンジする企業特集

1社目 オーナーズエージェント株式会社/28名参加

 午前中に訪れたのは、アパートやホテルなどの賃貸管理を行う企業の支援を行うオーナーズエージェントです。会社説明やオフィス見学の後、リノベーションワークを実施。その後、座談会となりました。

ワークショップでは部屋の間取りを考案。同社の業務のおもしろさを体験

ツアー内容

会社説明 独自のビジネスや社風を知る
 日本全国の賃貸不動産の管理会社向けにコンサルティングや業務改善支援を行う同社。まずは社員の方から、同社のビジネスについてお話いただきました。
 「私たちは不動産業界のなかでも、管理会社をサポートするビジネスに注力しています。例えば、業務が効率的に進められるように、入居者対応のコールセンターを提案したり、より利益を上げられるような販売促進方法を提案したりしています」
 更に、同社並びにグループ会社では、アメリカの不動産会社との情報交換にも積極的で、プロパティマネジメントと呼ばれる物件活用の考え方やノウハウを取り入れているといいます。
 「プロパティマネジメントは、賃貸経営という事業をいかに成功させるかに注力する考え方です。維持管理にとどまらず、市場調査をして、地域に合った家賃や賃貸条件を提案したり、ニーズが見込めない物件に関しては間取りや内装のリノベーションなども行います」
 また、リノベーション業務では、和室を洋室に、2DKを1LDKにするなど現代仕様に改装。更に、独創的な改装にも取り組み、その一例が、「プライベート空間で日光浴できる物件」だといいます。
 「マンションの屋上に、最上階の住人のみが利用できるプライベートスペースを設置したところ、問い合わせが殺到。自らの仕事で人気物件にできるのがこの仕事のおもしろさです」
 事業説明以外にも、働く上で大切にしていることに関するお話もありました。
 「『Good Company』であり続けることを大切にしています。社員がまわりから“うらやましい”“紹介してよ”と言われるような会社を目指し、有給休暇の取得推奨や、ライフ・ワーク・バランスのとれる企業づくりを進めています」

  • 賃貸管理ビジネスについて理解を深める参加者

オフィス見学 遊び心あふれるユニークな会議室
 講演を聞いた後、オフィスを見学させていただきました。
 まず、入り口すぐに多くの資格証明書が飾られており、社員への資格取得支援に積極的な様子が垣間見えました。
 更に進んでいくと、会議室が並び、それぞれ「パリ」、「富士」、「ロンドン」、「サンフランシスコ」、「ローマ」と名付けられ、テーマに即した内装を見ることができました。「ロンドン」の部屋は、ブリティッシュパブをイメージしており、様々なお酒の瓶が並んでいました。終業後にこの部屋で社員同士お酒を飲みながらコミュニケーションをとることもあるそうです。その他の会議室も、壁紙や机、椅子までこだわっており、遊び心を大切にする社風がうかがえました。

  • 趣向を凝らした会議室に興味津々の参加者
  • 数々の資格証明書が並ぶエントランス

ワークショップ 住みたい部屋を作ってみよう
 続いて、同社の業務の一つであるリノベーションワークを体験。グループに一枚の図面と、キッチン、トイレ、風呂、ベッド、テレビ、クローゼットなどと書かれたカードが配布され、参加者たちが話し合いながら部屋の間取りを決めました。
 「間取り設計というと、専門的な勉強をした人が携わるものというイメージがあるかもしれませんが、建築学部以外の出身者も入社後に勉強して携わっています。部屋づくりのおもしろさを味わっていただければと思います」
 「あと30秒」と社員の方から声をかけられても、アイデアが飛び交うほど、参加者たちは夢中に取り組んでいました。タイムアップ宣言をされると、チームの代表者が間取りのポイントを発表しました。
 「お風呂で大型テレビを見られるのが一番の売りです」、「7階の物件ということでベランダに椅子とテーブルを置いて夜景を楽しみながらくつろげるようにしました」、「ペットがいる部屋です。玄関付近に物をおかないことで主人の帰りを待つときにはしゃいでも物が傷つかないようにしました」など個性あふれる内容に拍手と笑顔が絶えませんでした。
 社員の方から実際のリノベーション事例を紹介いただいてワーク終了となりました。

  • 「トイレ」「キッチン」「テーブル」などの配置を考える参加者。部屋づくりの楽しさを体験できました
  • 発表後、社員の方から講評をいただきました

座談会 入社理由や教育環境を知る

 続いて、社員の方を迎え座談会を実施しました。
 入社理由について、「家づくりに興味があった」、「家具のレイアウトを考えるのが好きだった」、「オーナーに対する営業から入居者のサポート、間取り提案など、幅広い経験ができることにやりがいを感じた」などと答えていただきました。
 また、求められるスキルについて「未経験でもOK。入社後の研修やセミナーを通して基礎を学び、その後も先輩が親身に教えてくれる」、「部屋の仕様や契約事項などを入居者などに分かりやすく伝える力が必要」などと説明いただきました。同社に対する理解を更に深めることができました。
 最後に担当者より「就職活動をする際は、どういった仕事ができるのか、想像を膨らませてください。今日が皆さんにとって、“働く”を想像するきっかけになれば幸いです」とメッセージを頂き、終了となりました。

参加者の声

 会社訪問後、参加者から
 「社員の方とお話をし、ライフ・ワーク・バランスのとれた働き方ができるのだと分かった」「海外企業とも情報交換するなど、新たなニーズや考え方を吸収する、チャレンジ精神あふれる企業だと思った」、「アパートの管理だけでなく、リノベーションなど幅広い業務に携われ、やりがいがありそう」など、社風や仕事内容についての声が寄せられました。

2社目 株式会社ウインローダー/28名参加

 午後に訪れたのは、物流事業を展開するウインローダーです。ここでは社員の方から会社の歴史や概要をお話いただき、座談会を実施。その後、社内を見学させていただきました。

創業70年を超えるウインローダー

ツアー内容

会社説明など ユニークなビジネスと強みを知る
 同社は1946年に創業し、多摩地区を中心に集荷や運送などを行っています。2004年には、社内ベンチャーとして、家具や家電のリユースを行う「エコランド」を立ち上げました。更に9年後の2013年に「株式会社エコランド」として分社化を行い、独自のサービスを展開しています。今回は、ユニークなビジネスを展開するエコランド事業に関してもお話を伺いました。
 「リユース事業がビジネスになるのかと思うかもしれませんが、高齢者による二世帯住宅などへの引っ越しが増え、婚礼タンスや食器棚、本棚などの大型家具の処分に困っている人が増えています。お金を払ってでも引き取ってほしいというニーズがあります」
 同社では、都内をはじめとした関東エリアを対象に、リサイクルショップなどでの引き取りが難しい大型家具を含めた家財道具などを回収してネットオークションに出品。国内のオークションで売れないものはタイ、フィリピン、マレーシア、カンボジア、ベトナムなどに輸出するというビジネスを展開しています。
 「これらの国では経済が急成長中。個人の経済力が高まるにつれて、日本製の高品質な家具・家電が人気になってきています。例えば、日本では買い手がつかない5年ものの冷蔵庫が2~3万円で売れたりします」
 同社が強みにしているのが市場調査力。タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジアの4か国でリサイクルショップを運営しながら現地スタッフを採用し、生活習慣やニーズをしっかり把握して商品を届けています。
 「生活用品に対するニーズは、文化・生活習慣によって異なります。例えば、日本では買い手がつかない日本人形も、他の国で販売すると人気が出たりします。ここにビジネスチャンスがあります。今後はアフリカへの進出も考えています」

  • 中古品代行処分ビジネスについて理解を深めた参加者

座談会 社員の人柄や社風を感じる
 続いて、社員2名を交えて座談会を行いました。
 社風について、「明るく、風通しの良い雰囲気です。入社時に資格などは必要ありません。『素直で明るいこと』が当社が求める人物像です」とお話いただきました。
 また、海外での活躍の場も多いとのこと。「英語や中国語を使えるのであれば、海外店舗の運営や営業などにも携わってもらいたい」との説明がありました。
 更に働き方に関しては、「チームを組んで働くなど、誰かに負担が偏らない仕組みづくりをしています」とお話いただきました。

  • 社風や人柄、熱意などを感じることができた座談会
  • 座談会終了後、参加者同士で感想を共有

オフィス見学 社風や歴史に触れる
 続いて、オフィスを見学させていただきました。
 まずはオフィススペースを訪問。特徴的なのがフロアの中心に社長のデスクあること。これは社員と社長の距離の近さがうかがわれました。
 続いて展示ブースへ案内されました。同社の歴史を物語るパネルや記念品などが並び、社員の方から会社の歩についてお話がありました。「当社は創業以来、運送会社として積み重ねてきたノウハウと経験を生かし、国内の不用品を海外に輸出するという新たなビジネスに注力してきました。これまでの歩みを全社員で共有できるよう形にしています」
 また、休憩室ものぞかせていただきました。モダンな内装の室内に、キッチンやテレビなどが設置されていました。「社員団らんの場として導入しました」と社員の方からお話があり、同社のアットホームな社風がうかがい知れました。

  • 職場の雰囲気を体感
  • 同社の歴史を記した展示を見学

参加者の声

 会社訪問後、参加者から次のような感想があがりました。
 「ものを捨てずにほしい人を見つけて届けるというビジネスに挑戦しているところが、斬新で興味深かった」、「社員の負荷を考えてチームで働くようにしているところが、工夫された働き方だと思った」、「伝統を大切にする姿勢が素晴らしい」「真面目なビジネスを楽しい雰囲気でやっているところがかっこいい」などと、各々に魅力を発見できたようです。

まとめ

 1社目のオーナーズエージェントでは、賃貸経営を成功に導くためのコンサルティング業務を見学。また、2社目のウインローダーでは、国内の不用品を海外で売るというビジネスについて理解を深めることができました。いずれの企業も、会社独自のアイデアを大切に、新たなビジネスを展開している点や、社員たちがいきいきと働けるような取組を進めている点が印象的でした。