この日、訪問したのは飲食店などで提供されるおしぼりの製造、販売、レンタル事業を展開するFSXです。総務部社員から会社の概要、同社のおしぼりの特徴、そして新事業についてお話を聞いた後、工場見学、そして若手社員たちとの座談会が行われました。

ツアー内容

時代の流れに応えたおしぼりの提供で市場を拡大
　1967年に創業した同社は、国立市に本社と２つの生産工場を置き、国内のみならず、中国、ベトナム、香港、アメリカなどにも拠点を置いているという説明がありました。
　「当社では他社との差別化を図るべく、アロマの香りつきおしぼりや抗ウイルス・抗菌の特許技術『VB（ブイビー）』を使用したおしぼりなど、付加価値のある製品開発を行うことで業績を伸ばしています」
　総務部の社員からの説明を聞き、同社の独自性とタイムリーな商品開発力に学生たちは興味を示したようでした。
　次に社員の働く環境の改善についての紹介がありました。ウェブサイトやカタログ制作の内製化を進め、商品の写真撮影なども社内で行い即応性が図れたことで残業時間を削減できたそうです。
　また、社員の休息や社員同士のコミュニケーションの場としてリフレッシュルームを設けたなど、働きやすい環境づくりの取組についても紹介されました。

工場・施設見学　配送のロジスティック化で効率化を図る
　続いて、工場見学を行い、おしぼりを包装機に送り込む作業現場やおしぼりを洗浄する工程を見学しました。「ここでは、一人で１時間に約1,400枚のおしぼりを包装機に送り込んでいます。また、約１万枚のおしぼりを一度に洗浄できます」という話に学生たちは驚きの声を上げていました。
　さらに物流現場では、配送に関わる様々な工程を一元化して管理するロジスティックシステムにより、商品仕分けの時間を大きく抑え、配送の効率化を図っているという話が聞けました。
　次に事務職部門がある本社へ移動し、新規開拓を行う営業部門や配送部門、事務処理を行う総務部門、商品管理部門を見学。全ての部門が連携する社内システムにより部署間の通達がスムーズになったことで、残業がほとんどなくなるなど、働きやすい環境が整ったというお話をしてくださいました。

仕事内容と仕事のやりがいなどについての座談会
　続いて、学生と社員３名を交えた座談会が行われました。通販事業が伸びている理由について学生から質問が上がると、「自社製品を熟知している社員がウェブサイトを作ることで、商品の特徴がお客様にしっかりと伝わり、大きな成果につながっています」、「現在は、抗ウイルス・抗菌のVBを配合したおしぼりが大きな売り上げにつながっています」という回答がありました。また、業務の忙しさについての質問には、事務職の社員から「月の初めは忙しいときもありますが、その他は残業することなく定時で退社しています。また、忙しい時も効率的に仕事を済ませるように、部署のメンバーで協力し合っています」という説明があり、社員同士がフォローし合って仕事を進めている様子が伝わってきました。

参加者の声

　「日本のおもてなしの心から生まれたおしぼりを、時代の進化に合わせて提供している会社の底力に魅力を感じました」、「匂いのするおしぼりを製造するという発想に驚きました」、「働きやすい環境が整えられているところに興味を持ちました」「多くの女性が生き生きと働いている姿に感動しました」という声が寄せられました。

　今回訪問したFSXは、これからの時代、私たちの生活に欠かせない抗ウイルスや抗菌が施されたおしぼりを製造、販売する会社でした。時代の流れに対応する豊かな発想力と、中小企業ならではの小回りの利く行動力に、学生たちは魅力を感じたようでした。