<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

女性がイキイキと活躍する企業特集

1社目 株式会社シーエスラボ/12名参加

 はじめに訪れたのは、化粧品や医薬部外品の開発・製造を行うシーエスラボ。2004年設立の同社は、大手化粧品会社が販売する商品の製造も手掛けており、社員の6割以上を女性が占めています。ここでは、会社説明、施設見学、座談会とハンドクリーム作り体験を行いました。

同社の化粧品を実際に試す参加者

ツアー内容

会社説明 顧客のニーズに寄り添った製品づくり
 シーエスラボに到着した参加者のもとに、林代表と人事総務部の武田さんが登場。
 「シーエスラボは多数の化粧品会社などから依頼を受け、製品を開発・製造する、いわゆる『OEM』を行っている会社です。本日は当社の説明だけでなく、OEMとは何か、というお話もしたいと思っています」と林代表が挨拶してくださいました。
 OEMとは、original equipment manufacturerの略で、取引先ブランドの商品を製造する会社のことをいいます。同社は自社工場を持っていないメーカーからの依頼を受け、製造を行うだけでなく、顧客のニーズにマッチした商品のリサーチや開発の段階から携わることもあるそうです。そのため、ブランドメーカーが備えているような肌年齢を評価する機械も導入しており、化粧品の隠れた需要を常に探しているといいます。

 また、同社の工場では「微粒化」と呼ばれる、成分をより細かくする処理を行える最新の機器も揃っており、肌への浸透性が高く、より効果が得られる製品を作ることができます。他にも、高精度に精製された水を使用することや、徹底した衛生管理で、製品の品質を高めているそうです。

  • 林代表による化粧品業界の仕組みについての説明
  • 同社の技術力に関して話をしてくださった武田さん

施設見学 スキンラボルームで肌測定を体験
 次に、施設見学としてスキンラボルームを案内していただきました。肌は外気温の影響を受けて状態が変わってしまうため、この部屋では気温を23℃、湿度を60%に保っており、一定の条件で肌の測定を行っています。この日は、肌の水分量を測定できる機器を使って参加者の手の甲の水分量を測定してもらいました。これらのデータをもとに、測定対象の化粧品を使用することによる肌への効果を客観的に評価しているそうです。参加者たちは自分の肌の状態が数値となって表れる様子をどきどきしながら体験していました。

  • 肌の検査を体験する参加者

座談会、ハンドクリーム作り体験 育児をしながらでも働ける環境とは?
 続いて、2グループに分かれて、社員を交えての座談会を行いました。「文系出身者でも働けますか?」という質問に対して、営業職の女性社員は「営業には文系出身者も多くいます。科学的な知識が必要な場面も多少はありますが、自分のこだわりや、クライアントの要望を社内でしっかりと共有することが最も大切なので、文系出身でも十分働けます」と答えてくださいました。また、「産前・産後休業や育児休業をとるのは大変でしたか?」という質問には、子育てをしながら働く社員から「休むにあたって、引継ぎは大変でした。しかし、社員の多くが既に育児休業を取得していたり、これから活用したいと考えていたりするので、皆が協力的で十分に休みを取ることができました」と回答。育児休業後も、子どもを保育園に通わせるために、時短勤務や時差出勤の対応もしてもらっているそうです。
 参加者たちは女性が働きやすく、女性ならではのライフイベントがあっても両立できる同社の環境について、大いに関心を示していました。
 最後に、ハンドクリーム作り体験を行いました。香りや色の付いていないハンドクリームに、香料、着色料、保湿や美肌などのコンセプト成分をそれぞれ混ぜて、参加者オリジナルの化粧品を作りました。アロエやローヤルゼリー、美容に必要な成分が豊富に含まれているボイセンベリーという果物から抽出されたエキスの効果の説明などを受けながら、参加者たちは自分の肌に合うようにと、楽しみながらオリジナルハンドクリーム作りに熱中していました。

  • 社員の方に仕事内容や働き方に関して話を聞きました
  • 一人ひとり色も香りも成分も異なる、オリジナルのハンドクリームができました

参加者からの声

 参加者からは「主に女性をターゲットとする商品を扱う会社なので、女性ならではの視点が生かせるという印象だった」、「社員がライフ・ワーク・バランスを取りながらも、真剣に仕事に打ち込んでいるなと思った」といった感想が聞かれました。

2社目 株式会社スタイル・エッジ/12名参加

 次に訪れたのは、弁護士や医師などに特化したハンズオン型総合コンサルティング事業を展開するスタイル・エッジ。同社も従業員の約6割が女性という点が特徴的です。ここでは、会社説明、オフィス見学、グループワークと座談会を行いました。

緑があふれるスタイル・エッジのエントランス

ツアー内容

事業内容と社内制度紹介 男女かかわらず働きやすい環境をつくる
 「本日は当社にお越しいただきありがとうございます。スタイル・エッジは、代表である金弘厚雄のもと、弁護士や司法書士、税理士、医師などの『士業』・『師業』に特化したハンズオン型総合コンサルティング事業を行っている会社です。今日は当社がどのようにクライアントの課題を解決しているかに加えて、社員が安心して力を発揮できる環境づくりについてお話ししたいと思います」といった花咲執行役員の挨拶から始まりました。はじめに、事業について詳しく教えていただきました。
 「一般的なコンサルティングでは、要件定義から課題を抽出し、解決策を提案するところまでを行いますが、当社のコンサルティングはその先の実行支援まで行う『ハンズオン型』である点が特徴です。また、特定の分野に限らず、総合的なコンサルティングを行っています。具体的には『事業計画』や『ITインフラ構築』、『マーケティング』、『営業』、『PR・ブランディング』、『採用』、『組織マネジメント』といった経営に必要となるあらゆるノウハウを法令遵守のもと、ワンストップで提供しています。」
 同社はクライアントの本質的な課題を解決することを目標にしていると言います。そのため、例えば「社員の採用を支援してほしい」という依頼があったとしても、そもそも本当に新規採用が必要なのかというところから話し合うそうです。
 「その結果、採用ではなく営業やマネジメントの支援により解決できる問題だと判断した場合は、そちらの支援を提案し、クライアントの本質的な課題の解決を目指しています。これもひとえに総合的なコンサルティングサービスの提供ができる当社だからこそできることだと考えています」(花咲執行役員)

 次に、男女かかわらず活躍できるように行っている取組について、管理部の松川さんからお話を伺いました。
 「5年前から、社内に専任の保育士が常駐している託児所を設置しています。託児所は0歳児から受け入れているので、出産後もスムーズに職場復帰できますし、子どものすぐそばで業務に携われると好評です。私もこの社内託児所に子どもを預けて働いていました」
 また、同社は管理職のうち、5割を女性が占めており、女性活躍を推進している企業に厚生労働大臣より与えられる「えるぼし」の認定を受けています。更に、育児や介護を行っている社員は時短勤務や時差出勤を男女関わらず利用できるなど、全社員が働きやすい環境整備を積極的に行っています。また、スポーツサークル制度や、会社が費用負担する無料マッサージの制度など、健康経営にも力を入れているそうです。社員の働きやすさを第一に考える同社の姿勢に、参加者たちも真剣な表情で相槌を打っていました。

  • 「子どもがいても男女ともに働きやすい職場にしたい」という松川さん

オフィス見学 開放的なオフィスで社員同士のコミュニケーションを促す
 続いて、執務室を案内していただきました。仕切りなどがなく、広くて開放的な間取りの一角には、テーブルと椅子が置かれたフリースペースが設けられています。ここでは、昼食を取ったり、簡単なミーティングをしたりと、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れるスペースとして活用されているといいます。
 また、執務室の隣に設置された託児所では、子どもたちがお昼寝の真っ最中でした。参加者たちは思わず子どもたちの寝顔をのぞき込んでいました。

  • 広い執務室では様々な部署の社員が働いている
  • オフィスにはいたる所に植物が置かれ、社員の癒しになっている

グループワークでディスカッション 相談しやすい弁護士事務所とは?
 次に、参加者は3つのグループに分かれて、相談しやすい弁護士事務所とはどういったところか話し合うグループワークを行いました。普段、弁護士事務所に関して考えたことのない参加者たちでしたが、自分目線に課題を落とし込み、アイデアを出し合う姿が見られました。話し合った後はグループごとに発表です。
 発表では、「ホームページの弁護士プロフィールの欄を見やすい場所に表示し、専門分野や過去に扱った事例を記載する」、「事務所をカフェのような明るい雰囲気にする」、「セミナーやイベントを開催し、初めて相談する人のハードルを下げる」といった意見が出ました。自分たちの意見を堂々と発表する参加者に、社員からも感心の声が上がっていました。
 最後に、社員を交えた座談会を行い、就活や働き方に関する質問が飛び交いました。 「これから就活をする上で意識するべきことはありますか?」という質問には「今は企業も学生を採用するのに必死で、会社の魅力を強くアピールしてきます。だからこそ、その中で本当に自分にマッチした企業を探すには、自分自身の企業を見る目が大切になってきます。そのため、しっかりと深掘りした正しい企業研究をしてください」というアドバイスをいただきました。

  • ホームページ作成やイベント開催など、様々な面から提案を発表する参加者
  • 座談会では、ざっくばらんな質問が次々に寄せられた

参加者からの声

 参加者からは「女性の管理職もいて、育児休業を活用している社員も多く、働きやすそうな環境だと思った」、「若手社員も積極的に意見を出せる社風で、1年目からバリバリ働けそうだと思った」といった声が聞かれました。

まとめ

 1社目のシーエスラボは、子育て中の社員が多い中で、お互いにフォローをしながら、女性の視点を生かした化粧品を製造している会社。2社目のスタイル・エッジは社内への託児所設置や、管理職の半分を女性が占めるなど、バリバリ働く女性社員を支援するコンサルティング会社でした。どちらの会社も、女性社員が6割以上かつ、出産などのライフイベントがあった後もキャリアを生かして働いているところが印象的でした。参加者たちは、様々な女性社員の方たちとお話をすることができ、イキイキ働く様子を感じ取ることができました。