<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

働きやすい環境で、笑顔が溢れる企業特集

 1日2社の中小企業を訪問する本ツアーですが、新型コロナウイルス感染症対策を受け、内容を一部変更。参加者に代わり、スタッフが取材してきました。

1社目 FSX株式会社

 最初に訪問したのはおしぼりのレンタルならびに企画開発を行うFSX。ここでは社員の方から、会社概要をうかがった後、オフィススペースや工場などを案内いただきました。

香り付きのおしぼり「アロマプレミアム」など、付加価値のあるおしぼりを開発

インタビュー内容

会社概要 企画開発力でおしぼりの可能性を広げる
 創業者の藤波会長がクリーニング屋で働いていた際に培った洗濯技術を生かし、1967年に貸おしぼり業を始めた同社。おしぼりといえば、男性客が多い飲食店や娯楽施設などで使われるのが一般的だったといい、同社では女性にアンケートをとって製品開発にのぞみ、市場拡大に努めてきたそうです。
 「再利用しているので不衛生なイメージ、匂いが気になるなどの回答を踏まえて、布おしぼりに香りをつけるシートや大学発のベンチャーと共同研究をしたウイルス・菌の働きを99.99%抑制する特許技術「VB(ブイビー)」を確立。更に使い切り、香り付き、カラーバリエーションやデザイン性に富んだものなどを製品化してきました」(秋葉専務取締役)
 更に、おしぼりの温度を一定に保つ「おしぼり冷温庫」を開発。これによってデザイン性に優れ、良い香りがあり、いつでもあたたかいおしぼりの提供を実現。豪華列車、高級ホテル、美容院、ネイルサロンなどで導入が進み、年々売り上げを伸ばしているといいます。
 「社内に営業、品質管理、製造、デザインを担当する部署があり、アイデア段階から製品を作れるのが強みです。また、海外展開にも力を入れています。『一からものづくりに携わりたい』『成長したい』『日本文化を発信したい』といった方とともにおしぼりの可能性を広げていきたいですね」(秋葉専務取締役)

  • おしぼりビジネスについて語っていただきました
  • おしぼり冷温庫「REION(レイオン)」。デザインに関する賞も受賞した

オフィス見学 巨大洗濯機で一度に1万5千枚のおしぼりを洗濯
 現在、国立市、ベトナム、アメリカ、香港に拠点を持ち、145名の従業員が、営業、生産、総務、広報、EC、デザイン、情報システム、海外事業などの部署で働いています。
 働きやすい環境づくりにも積極的で、社員が楽しく働けるような仕組みを導入。仕事の様子やキャリアプランなどをざっくばらんに話し合える「個人面談」、社内交流をうながす「社内コミュニケーションツール」、社員間で感謝の気持ちなどを伝え合う「サンクスカード」など、社員たちが活発に利用しているそうです。
 「『社内コミュニケーションツール』は導入して1年ほどですが、業務改善案、趣味などさまざまな話題が寄せられ、社員間の会話が増えました。今後も明るく楽しく働ける会社を目指していきたいです」(秋葉専務取締役)
 その後、オフィススペース、工場、倉庫、衛生管理室、リフレッシュルームなどを案内いただきました。工場に設置された一度に1万5千枚のおしぼりが洗える巨大洗濯機を前にして、「仕分け、洗浄、すすぎ、殺菌といった行程を経て、1回あたり30~40分ほどで完了します」との説明がありました。

  • 香料付きの使い切りおしぼり製造マシン
  • リフレッシュルーム。香料付きおしぼりやマッサージ台などが設置され、自由に利用可能

メッセージ

 最後に、秋葉専務取締役から就活生次のようなメッセージをいただきました。 「会社選びにおいて大切にしていただきたいのが『心がときめくかどうか』。視野を広げてさまざまな業界・規模の会社を訪問し、自分に合った職場を見つけてください」

2社目 エス・エー・エス株式会社

 続いて訪問したのは、ソフトウェア開発や自社ITサービスの提供を行うエス・エー・エス。ここでは青山代表から、同社のビジネスや雇用環境についてうかがいました。

モダンな雰囲気の受付スペース

インタビュー内容

ビジネスについて 業務系システムを基盤に自社サービスを開発し販売
 1995年に創業し、金融・流通・クレジット業界を中心とした業務用基幹システムを開発してきた同社。利用者の声を直接聞きながら笑顔の生まれるITサービスを提供したいと、自社サービスにも注力。勤怠管理システム「勤労の獅子」、給与・賞与ウェブ明細システム「eco@給与Lite」などをリリース。売り上げは毎年約10%向上と高成長を遂げているといいます。
 「自社ITサービスは全てクラウドにて、著名ホテルの数々をはじめ、約12万人にご利用いただいております」
 また今年度より全社員から新規事業案を継続的に募る経営計画の「SAS2030」がスタート。2019年12月に実施した初回募集では52案が寄せられ、うち12案を直近1年間の中で試行する予定とのことでした。
 「AI、5G、IoT技術など、IT業界は年々変化。今後も笑顔をもって成長を遂げるには、新事業を生み出す力が欠かせません。年齢関係なく全メンバーからアイデアを募っていきたいと考えています」

  • 会社概要や社風などを語る青山代表
  • 20~30代の若手社員が約7割を占める

雇用環境について 収益を社員に還元するさまざまなイベント
 「すべては笑顔のために」を会社の使命として掲げ、 ワーク・ライフ・バランス経営を理念とした「みんなであげた利益はみんなで使っていこう」との考えから、社員に利益を還元し、生活水準を向上させることをなによりも重視している同社。社内イベント一つとっても、同じ誕生月の社員同士で高級レストランなどを訪れる「バースデ―ディナー/ランチ」、社員だけでなく家族や恋人の旅行費用も会社が負担する「社員旅行(毎年実施、5年毎に海外旅行)」、家族向けの職場見学会「ファミリーデー」、社員の約9割が参加し活動費を会社が支援する「11のクラブ活動」などと多岐に渡ります。
 「今後もメンバーと共に成長し、すばらしい人生を過ごしてもらいたいですね」(青山代表)

  • 定期的に「ワークライフ通信」を発行するなどして、社内の啓蒙活動を進める
  • 昼食時や打ち合わせ時に自由に使用できる社内の休憩スペース

メッセージ
 最後に、青山代表から、次のようなメッセージが届けられました。 「IT企業のなかでも、毎年10%成長し、新規事業の開発や社内イベントなどに積極的に利益を還元する会社はそうないと思います。当社の社員は『共に挑戦し、共に成長したい』、『社内交流が盛んな環境で笑顔が大好きなメンバーと一緒に働きたい』といった理念に共感して働いています。みなさんもぜひ多くの企業へ訪問し、自分の価値観にあった会社を見つけて欲しいと思います」