<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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なびでんちゃん 突撃レポート第10弾:
アルス株式会社

会社概要

日本IBMのビジネスパートナーとして、人事・給与・ワークフローという企業の基幹業務をフィールドに、IBMブランドのパッケージシステムの開発・改善を手がけるアルス。これまで200社に同社製のパッケージが採用され、信頼と実績を築き上げている。創業から30年連続黒字経営を続けており、福利厚生制度も手厚く整っている。「こう働き、こう休むべき」と一つの型にはめ込むのではなく、フレックスタイム制・モバイル勤務・在宅勤務など多様な働き方を実現している。

訪れた日はカジュアルデー。オフィスはラフな雰囲気に包まれていました

「しっかり休む働き方」を実践していると聞いて、児玉代表取締役にお話を伺いました

1か月間の夏休みや、5年連続勤務した方が取得できる半年間のリフレッシュ休暇など、“しっかり休む働き方”を実践するアルス株式会社。全社の半数を女性社員が占め、子育て中の女性エンジニアもご活躍中だそうです。そんな働きやすさと仕事の魅力を探るために、児玉民行代表取締役にお話を伺いました。

代表取締役の話を聞く

イギリスでの体験が起業の原点

「外資系のIT企業に勤務していた40年ほど前のことですが、妻と生後5カ月の子どもを連れてイギリスに出向したんです。現地での最初の仕事は家族との住まい探し。慣れない異国の地ですから、じっくりと街の環境を見極めた上で物件を探そうと、有給休暇を現地のイギリス人の上司に申請しましたが、その返答におどろきました。『そんなことのために有給休暇を使う必要はないですよ』。有休はヴァカンスのため、心と体のリフレッシュのために使うように、ということでした。“家探し”は自分の生活をkeepするための必須事項。自分の裁量で勤務時間内に対処すればよいこと。この考え方はまさに青天の霹靂でした!」 日本と欧州の意識のギャップに直面し、日本人の働き方に疑問を抱き、アルスの起業に踏み切った際にも“しっかり休める会社を作ろう”というのがテーマになり、やるからには理想は大きくと、1カ月間の夏休みを取得できる会社を目指したと言います。


優しい笑顔で若い頃の体験を振り返ってくれた児玉代表

必要なときに気兼ねなく休みを取得できる制度


さらに、児玉代表は、女性にも男性にも平等に活躍のチャンスを提供することが、経営者としての責任だと考えているといいます。
「出産、育児に関わる福利厚生で特に拘ったのは、必要なときに気兼ねなく休みを取得できるという事でした。そこで編み出したのが目的別に休暇を細分化するという方法でした。例えば、『つわり休暇』というのが制度化していれば、つわりが酷いときに休みを申請し易いですよね。その他、病気の子どもに寄り添ってもらう『子の看護休暇』、子どもの学校行事への参加などに活用する『ファミリーサポート休暇』などがあります」
こうした制度を女性社員の声を反映させながら増やしていき、今では全18種類、実際に活用もされているといいます。

また、同社では文系出身のITエンジニアも数多く活躍しています。情報処理やプログラミングといった分野を学んでいなくても採用してもらえるのかという質問がよくあるといいます。
「情報系が苦手という人の多くがプログラミングにアレルギーを感じてしまっているんだと思います。確かに難しいところもありますが、それは仕事のほんの一部分。真髄は『お客様の課題を解決すること』にあるんですよ。お客様企業の業務やビジネス上にある課題を洗い出し、ロジカルに解決策を導き出し、システムを作り上げていく。その過程で磨かれる課題解決力は、ITを問わず、どんな仕事にも通じるものです。学校を卒業された皆さんはまずITエンジニアを経験すべき、そう言えるくらい本質的なスキルを体得できる仕事です」


「新人だからといって遠慮せず、自分の意見をどんどん伝えることも仕事を楽しむ秘訣です」(児玉代表)

最後に、児玉代表は学生に向けてこんなメッセージを寄せてくださいました。
「自分の好きなことや興味のあることを軸に会社を選ぶことが大切です。たとえ休みが充実していても、仕事が楽しくなければ、毎日がつらくなってしまいます。「人に喜ばれることが好き」「モノづくりの達成感が好き」など、どんな角度からでもいいんです。好きを仕事にすれば、毎日にハリが生まれ、モチベーションも高まり、人生そのものがより豊かに楽しくなっていきます。その点、ITエンジニアは様々な業界のお客様と仕事ができ、貢献の喜びやモノづくりの実感も得られる仕事。いろんな“好き”を活かせるのでおすすめですよ」

レポートを終えて。
社員のライフスタイルに応じてチョイスできるよう、
多彩な休暇制度を備えている会社をハッケン!

仕事探しに前向きになれました!

『つわり休暇』、『子の看護休暇』や『ファミリーサポート休暇』など、目的別制度が18種類もあるというのには驚きました。たしかに、必要なサポートは人それぞれ違いますから、自分に合った制度を選べるのは、とても魅力的だと思いました。そして、それが社員の方がいきいきと働けるモチベーションに繋がっていると実感しました。
また、児玉代表の「好きを仕事にすれば人生が楽しくなる」というお言葉がぐっと心に響きました。アルスの社員の皆さんは“好き”を仕事にできているのでしょう。オフィスには重たい空気がなく、社員の皆さん同士の関係性にもいい意味で“ゆるさ”があり、仕事がし易そうなカジュアルな雰囲気に包まれていました。私も自分なりの“好き”を見つけて、出産・育児を経ても働き続けていけるような仕事探しを前向きに考えるきっかけをいただけた1日でした。

女子大生レポーター髙橋郁海さん