<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

文字サイズ

  • main
なびでんちゃん 突撃レポート第8弾:
株式会社横引シャッター

会社概要

横引シャッターは、その名の通り、横に開閉するシャッターの開発・製造・販売を手がける。同社は先代社長が立ち上げた中央シャッター(大手シャッターメーカーの修理会社)のグループ会社として1986年に設立。先代社長の理念を引き継ぎ、社員一人ひとりを大事にする「社員第一主義」が社風として根づいている。

石神さん 自社商品を手がける横引シャッターさんを訪問しました。

「とことん社員に尽くす会社」がある
と聞いて、行ってみたいと思いました

横引シャッターは、社員を解雇しないばかりか、定年もないといいます。 本人が働きたければ、何歳まででも仕事を続けられるというのですから驚きです!そんな懐が深い会社があるんですね。 事実、最高齢社員はなんと、88歳!そんな「社員思い」の会社・横引シャッターを訪ねました。

社長の話を聞く

経営者と社員、社員同士が支え合う伝統の社風に感動

「いらっしゃいませ」という元気で明るい声で訪問者を迎え入れるオフィスの雰囲気はアットホームそのもの。市川慎次郎代表との対面は緊張しましたが、ニコニコと笑顔で迎え入れてくださり、すぐに気持ちが和らぎました。市川代表はとても話し上手で、聴く者をぐいぐい引き込む力に満ちています。

横引シャッターには、パートやアルバイトは一切なく、スタッフ全員が正社員。子育てしながら働くワーキングマザーや外国籍の方も複数在籍しているそうです。
さっそく横引シャッターの「社員第一主義」について伺いました。

市川代表と石神さん 市川代表のお話から社員を心から大切にしていることを感じました。

「先代からの伝統を受け継いで『社員は家族』という信念で経営をしています。
ですから正社員は当たり前ですし、定年も設けていませんから、本人が働きたければいつまでも働いていただいています。また、子育てをしている社員の子どもが熱を出すなどしたらすぐに帰宅できるように配慮しています。こうした社員第一主義ができるのは小さな会社だからこそのこと。社員同士がそれぞれの状況を把握してお互いに支え合うというのが当社の経営方針です」
そして、この企業姿勢を貫くために、会社の規模を大きくすることは考えていないといいます。
「大企業では難しいことも中小企業だからできる」
市川代表のその言葉が心に残りました。


地道な努力で顧客の信頼を
獲得する姿勢に共感

市川代表は、横引シャッターがメーカーとして自立するまでの道のりについても語ってくださいました。
「初めはメーカーといっても下請けの下請け。全体の工事を取り仕切るゼネコンと当社の間に複数の企業が入る5次受けが多かったんですね。それでもお客様の要望に迅速に応えることで信頼を積み重ねていき、4次請けから、3次、2次請けと徐々に上り詰め、今では施主さんやゼネコンから直接依頼していただける案件が7割を占めるまでになりました」
大手と直接取引することは、様々なメリットがあると市川代表はいいます。ゼネコンや施主から直接請け負うことで、例えば仲介手数料が必要でなくなるためシャッターを安価で提供できるようになるそうです。そんなビジネスの基本を知ったのも大きな収穫でした。

社員(ワーキングマザー)の話を聞く

子ども同伴の面接をするなど、つねに配慮を忘れない経営

続いてお話を聞いたのは自社商品の設計を担当するワーキングマザーの萩原有紀子さん。大手住宅メーカーで設計をしていたという経歴の持ち主です。

「子育てしながら働ける条件の整う会社を探していたんです。
当社にはそれを明記した制度は見当たらなかったのですが、社員思いというのに惹かれて連絡したところ、『子どもを預けるのは大変だから面接に連れておいでよ』と市川代表直々におっしゃっていただいて感動。
お言葉に甘えて子連れで出かけると、面接の合い間にさりげなく子どもに接してくれるなど、『本当に社員やその家族を大切にする会社なんだ』と入社を決意しました。
実際に働き始めても驚くほど社員を大切にしていることを感じさせられ、ラッキーな出会いだったと感謝しています」

荻原さんと石神さん 自分が設計をしたシャッターを説明する萩原さん。

そう振り返る萩原さんの柔和な表情に、横引シャッターの「社員第一主義」の理念の徹底ぶりが垣間見られるようでした。

レポートを終えて。
社員を「家族」のように大切にしてくれる
会社があることをハッケン!

こんなステキな会社があったんだ!
深く感動しました。

今回のレポートで、私がイメージしていた「会社像」は良い意味でことごとく打ち砕かれました。会社という組織の中では、経営者と社員の間にはもっと距離があって日常的な交流も少ないものと考えていました。ところが横引シャッターは、社員同士はもちろん、経営者と社員の距離が近くて、仕事の合間も会話や笑い声が途絶えないアットホームな雰囲気でした。中でも印象的だったのが、萩原さんの面接時に「お子様を連れてきてもいいよ」と市川代表が声をかけてくださったというエピソードです。しかも、お子さんがぐずるとあやしてくださったなんていうのは普通の企業ではあり得ない話だと思います。

女子大生レポーターの石神さん 女子大生レポーターの石神瑞穂さん。

経営者が社員一人ひとりを家族のように考えることで、社員のモチベーションもあがり、心地よい仕事環境が出来上がっている横引シャッター。私も将来こんな会社に勤めたいと強く思った取材でした。