<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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  • ものづくり業界で働く女性「わたしのシューカツ」 ものづくり業界で働く女性の就職活動時代を振り返る。「わたしのシューカツ」。就職活動をしている、これから就職活動にはじめる学生の皆さん必見。
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限られた時間をうまく使って、
自由な働き方を選択

サイエスト株式会社 町田花奈さん
お名前

町田 花奈さんまちだかな

入社1年目
1人の子育て中

海外進出を計画する中小企業にとって、海外経験豊富なシニアの知見やネットワークは大きな助けとなります。サイエストは簡単に言うと、シニアの知見を活用したい中小企業と、知見を社会で役立てたいシニアのマッチング事業を展開する企業です。私が担当するのは、弊社に登録しているシニア人材を、国内企業の海外支援をしているJETRO(日本貿易振興機構)という公的機関の専門家として採用してもらうサポートです。業務内容はとても幅広く、先方の希望する人材の人選から始まり、提出する資料の添削・回収、選考についてのアドバイス、さらにはJETROとの窓口担当までと、採用されるまでを一貫してサポートします。

これまでの経歴を教えてください。
子どもが生まれてから3年は前職に務めましたが、2016年にサイエストに転職しました。前職は大手の人材会社で、女性も多かったのでワーキングママを受け入れる体制はでき上がっていましたが、それだけに仕事の内容や働き方がカチッと決められている面もあって、自分のしたいこととできることが一致しなくなっていたんです。子育てをする一方で、まだまだチャレンジしたい気持ちはありましたから、ベンチャー企業に行くのがいいのではないかと思い、転職しました。
現在はどのような働き方をしていますか?
みなさんの就業時間は大体10時~18時なのですが、私は保育園の迎えの時間に間に合わせたいので、9時に出社して16時30分に退社するようにしています。就業時間に厳しいルールがなく、「やるべきことをやっていれば、働く時間は自由」という社風なので、たとえ早く退社したとしても、誰にも負い目を感じる必要がありませんし、会社自体がそれを受け入れてくれているので気兼ねすることもなく働きやすいですね。忙しい時期に仕事が終わらなかったり、子どもが突然熱を出して途中で引き上げざるを得なかったりすることもありますが、そんなときは子どもを寝かしつけた後に埋め合わせをするなど、自分の使える時間の中で仕事をするというイメージです。
スケジュールはクラウドサービスを使って全員で共有。働く時間や場所は各々の自由でも会社が回る秘訣だ。 スケジュールはクラウドサービスを使って全員で共有。働く時間や場所は各々の自由でも会社が回る秘訣だ。
時間内に仕事を終わらせる工夫は?
優先順位を意識することです。自分の仕事の全体をざっと眺めて、やらなければならないもの、後回しでもいいものを見極め、緊急性や必要性、あるいは収益のプラスが大きいものから先に手をつけていきます。残業ができない限られた時間の中で、あれもこれもと手をつけると潰れてしまいますから、時間の中できっちり成果を出すには、こうした割り切りも必要なテクニックです。それから残業ができないと思うと集中力が上がるというのもありますね。残業をダラダラしても「して満足」なだけで、あまり成果が上がっていないことも少なくありませんが、短い時間だと集中するので、きっちり仕事を終わらせられるようになります。女性社員の半分くらいはワーキングママなのですが、みなさん時短でも同じだけの成果をあげています。
子育てで工夫していることは?
家にいる時間はそれなりに確保できているのですが、家事に追われて子どもと十分なスキンシップができていないというのが悩みの種でした。そばに母親がいながらテレビばかり見ている子どもの姿に、さすがにこれでいいのかと不安に思い、幼児用の塾に通わせるようにしました。週2回、保育園へ迎えに行ったその足で塾に行って、家に帰ったら手を洗って宿題するという生活習慣が身についただけでも安心です。つきっきりで面倒を見ると大変ですから、任せられるところは任せるのも重要です。自分も安心できますし、いまのところ子どもも楽しんで通っているようなので何よりです。夫は朝の幼稚園の送りはやってくれるので、朝のうちにできるだけ家事を済ませて、会社へ直行できるだけでも助かっています。

ワーキングママへの理解ある職場で
仕事も子育ても100%の力で挑んでいます!

株式会社ミューテクノ井口夏美さん
お名前

井口 夏美さんいぐちなつみ

入社8年目
3人の子育て中

結婚を機に勤めていた貨物輸送会社を退社。しばらく主婦業に専念し、出産後は子育ても加わり忙しい毎日を過ごしていました。ところが、子どもの通う保育園でお母さんの多くが仕事も頑張っていらっしゃるというのを知り、私も仕事と子育ての両立してみようと就職することを考え始めたきっかけが、今に結びついています。元々、ものづくりには興味があり、板金加工という事業に惹かれて2008年に当社に入社。私の仕事は、お客様の要望を的確に製作現場に伝えるサポート営業事務です。これが「ものづくり」の最初のとても大事な工程で、スムーズに製作できるように製作指示書及び注文票のフォーマットを改善するなど柔軟な配慮に力を入れています。

入社後も出産を経験されているのですね。
実は入社後も2人の子どもを出産し、現在は3人の母親として日々奮闘しています(笑)。ありがたいのが、上司も3人の子どもを育てながら仕事をこなしてきたという経験者ですし、子育てをしながらのワーキングママが複数いるので、たとえば、子どもが体調を崩した際でも、周囲の人が率先して「いいから、早くいきなさい」と声をかけてくださる雰囲気が定着しているんです。規模の小さな企業ですがワークライフバランスへの理解はすごく浸透しているのはなによりありがたいですし、他のママさんに自慢できる職場ですね。
仕事をするうえで何か工夫をされていますか?
いつ子供の急病が発生するか予測が難しいので、その日にできることは必ず終わらせるように心がけています。そういう意味では時間の使い方が上手になったと実感しています。どんな業務にどのくらい時間がかかるのかといった自分のスキルの把握をはじめ、前日から1日の予定の組み立てと配分方法が身についてきていることを実感しております。また、私の不在時に仕事が滞らないように、業務の進捗状況が誰が見ても一目でわかるように書類をまとめています。
手帳には家庭の予定もビッシリ 手帳には家庭の予定もビッシリ
子育てと仕事の両立で役に立つことはありますか?
職場の理解があるので、時間をとられがちなPTAなどにも積極的に参加しています。得意先も保護者も同じで円滑なコミュニケーションを図るには、相手の立場から物事を考え、相手にわかりやすく説明することです。そんなスキルが日々の業務の中で培われていたのだなとプライベートにおいても感じ入っています。また、保護者間の連絡事項の書類などのフォーマットづくりもサポート業務で身につけたスキルを活かして、わかりやすい形式にするなど工夫を凝らしています。

井口さんのある一日 6:00 起床・家事準備
6:30 子ども起床・準備のお手伝い
7:00 朝食
7:45 子どもたちの送り出し
8:00 出社。メールのチェック、電話応対、社内指示書の作成など
12:00 昼食
13:00 注文票の作成、納品関連の書類づくりなど
17:30 退社
18:00 子どもたちのお迎え
18:15 帰宅、食事の準備
19:30 夕食
20:00 子どもたちと入浴
21:30 就寝

限られた時間をうまく使って、
自由な働き方を選択

サイエスト株式会社 町田花奈さん
お名前

小川 葉子さんおがわ ようこ

入社9年目
1人の子育て中

システム開発会社勤務時代の上司や同僚たち総勢16名で「自分たちで会社を作ろう!」と意気投合して起業。私はシステムエンジニアとして省エネ・節電に寄与するシステム製品の開発を担当することになりましたが、会社を運営していくためには総務や経理といった管理部門の仕事を創業スタッフで分担していかなければならず、私は経理を担当しながら本業を進めるといった体制でのスタートになりました。
厳しい条件での船出ではありましたが、自分たちで切り開いた新天地での仕事は自ずとモチベーションも上がり、開発メンバーの一員としてエネルギー監視システム『EverGreenVision』を開発。以来、膨大なエネルギーを消費するメーカー企業などに、それぞれの省エネ・節電ニーズや設備環境に応じたカスタマイズ開発に打ち込んでいます。

育児とお仕事をどのように両立させていますか?
会社設立から5年後の2013年、長男出産に伴い約1年間の産休・育休を取得。職場復帰後は、週3日の在宅ワークと週2日の出勤という組み合わせで育児と仕事に励んでいます。もともと、とても恵まれた環境ではあったのですが、「子育てにもっとウエイトを置きたい」という私の希望を社長が聞いてくれ、このような働き方をしています。
社長は設立当時から「家族との時間も無理なく両立できる会社にしよう」という思いを共有してくれていまして、私の申し出にも「みんなでサポートするから安心して」と快諾してくれました。そのおかげで育児にも仕事にもそれぞれ全力で取り組めています。
週3日の在宅ワークでも仕事に支障はないですか?
週3日の在宅ワークでは、主にドキュメントの作成やプログラミング、メール対応、経理データ入力などの自宅でできるPC業務に専念し、火曜と木曜の出社日にはチームメンバーとのミーティングやお客様との打ち合わせ、給与明細書の発行など、会社でしかできないことをこなしています。
嬉しいことに、会社のみんなが日程調整等に協力してくれていますし、お客様も私との打ち合わせを火曜、木曜に設けるなど、私の働き方を応援してくださっています。
スケジュールはPCで管理。在宅ワーク中もさっと確認できる。
在宅ワークの日の過ごし方を教えてください。
朝は子どもが目を覚ます1時間前には起床。早々に仕事モードでメールのチェックや返信。朝ごはんを済ましたら、午前中は近所の公園などに出かけ、昼食後の子どものお昼寝タイムに再びモードを切り替えてPC業務。
息子が目覚めたら、一緒におやつを食べた後、家の中でおもちゃ遊びをする子どもをに目をやりながら夕食準備を始める時間までリビングでPC業務をこなします。
夕食を済ませ、子どもが眠りについてから、もうひと仕事というのが一日のスタイルです。
在宅ワークを実践するための心掛けは?
もちろん、相手はまだ3歳のやんちゃ盛り。ぐずって昼寝をしてくれないときもあれば、パソコンに向かっている私に「ママ、いっしょにあそぼ!」と甘えてくることもあります。
そんなときには、「今日は夜に仕事を頑張ろう」と、スパッとパソコンを閉じ、仕事を忘れて子どもと触れ合うことにしています。その気持ちの切り替えが大事ですね。また、子どもが起きている間は、いつでも中断・再開ができるデータ入力などを、子どもが寝静まったあとに設計やプログラミングなど、集中力が求められる仕事をするようにすみ分けてもいます。
こうやって仕事の性質に応じて時間帯を割り振ることも、育児と在宅ワークを両立するコツだと思います。