<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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アイデアが形に
自分で考えたものがカタチになる喜び

アイデアが形に 自分で考えたものがカタチになる喜び

ハツタロー
自分がデザインしたものや、自分が発案したものが
形になった瞬間の喜びはとても大きいもの。
ハツタロー
株式会社ふらここ 商品企画課

株式会社ふらここ

商品企画課

商品企画のやりがいは、自分で考えたデザインが形になっていくことです!

ふらここは雛人形と五月人形の企画、製造、販売までを一手に担う、製販分離が一般的な人形業界においては珍しい業態の会社です。日本人形というと細面に切れ長の目といったいわゆる平安美人のような顔をイメージしますが、同社が作る人形は赤ちゃんがモチーフ。まん丸の顔につぶらな瞳の愛らしい人形は、とりわけ若い世代の母親から支持され、販売初日で完売してしまう商品もあるほどです。
今回は入社1年目ながら雛人形や五月人形の企画に携わっている商品企画課の一人にお話を伺いました。

ふらここに入社した決め手を教えてください。

小さい頃から絵を描いたり小物を作ったりするのが好きだったので、大学は美術大学に進学しました。
芸術系の学生は就職活動時期に卒業制作に追われますので、私は商品企画の分野に的を絞って効率よく会社を見て回るようにしていました。いくつかの会社説明会に参加しているうちに、大量生産を行っている企業よりも商品数は少なくても手作りでものづくりをしている会社に魅力を感じるようになり、一つひとつを丁寧に手作りするふらここを知り、ここだと思いました。

どんな仕事内容ですか?

既存の人形をリニューアルすることもありますが、メインは新商品の企画です。衣装の柄や色、顔の原型、台や屏風のデザインなどを一から考えていくのでとてもやりがいがあります。雛人形や五月人形は、11月頃から次の年に向けての販売が始まりますが、飾り台なら1年前・衣装なら2年前にスタート、といったように、企画を始める時期はパーツによって変わります。現在は、男雛と女雛のセットである親王飾を2種類デザインしているほかに、五月人形などの企画も練っています。

どんな風にデザインしていくんですか?

人形の顔は3Dソフトで設計して、それを3Dプリンターで出力して職人さんに渡して製作してもらいます。衣装も同じようにデザインソフトで起こした図柄のパターンなどを織元さんなどの職人さんに渡して試作を作ってもらい、その後調整を重ねます。
画を担当しているのは社長と商品企画課の先輩と私の3人。
社長から「若い母親の世代と近い人が企画をした方がいい。自分のやり方でデザインしてみてください。」といわれているので、任された商品は基本的に自分が主体となってデザインを考えていきます。もちろん、あまりにも突拍子もないデザインはお客様に受け入れられません。
やはり、先輩方の指導は欠かせませんし、また、ショールームに来てくださったお客様の声を参考にしてアイディアを出しています。
今考えているのは、松笠と小花と植物のツルを流線的に組み合わせた笹蔓の文様と、円が重なっている七宝という模様に松と梅を組み合わせたオリジナルのデザイン。形になるのが楽しみです。

すでにデザインされたものが販売されているそうですね。

入社して1カ月ほど経った頃、既存の五月人形のリニューアルをさせてもらったんです。同期2人と一緒になってあれこれ意見を出しながら作りました。以前の衣装はグリーンのものと濃い目のブルーの2種類があったのですが、それをパステル調のイエローのものと明るいブルーのものに変え、落ち着いたトーンの屏風はイエローとブルーのグラデーションカラーにしました。それがその年の年末から販売されたのですが、五月人形にも関わらず初日から注文が入ったんです。自分の思い描いていたデザインが形になり、それがお客様の元に届く、これ以上に嬉しいことはありませんね。

同期の仲間と3人で企画した五月人形
株式会社ツツミワークス 営業本部 課長 香川 亮(かがわ りょう)

株式会社ツツミワークス

営業本部 課長
香川 亮さん

グループワークで若手社員がアイデアを出し合い、続々と具現化!

老朽化したマンションの内外壁や内装、設備の「修繕工事」を得意とするツツミワークス。3年前から20代・30代の社員が自由に参加できる「グループワーク」をスタートさせ、社員がグループワークでまとめ上げたアイデアを様々な施策に取り入れるボトムアップの経営を実践しています。中でもアイデアマンとして営業グループを牽引する営業本部の香川 亮さんに、アイデア具現化の過程や成果を伺いました。

グループワークとはどんな活動ですか?

それぞれ10名前後のメンバーで構成される「営業」「品質」「安全」「コスト」の4グループがあり、月1回ペースで集まって自由に意見やアイデアを出し合っています。
そこで新しい施策をまとめ上げ、年2回の社内発表会で社員全員にプレゼンテーションします。いいアイデアであれば即採用という運びになりますから、実現化を前提としていなければなりません。そこがミソですね。

プレゼンに向けて資料を読み込む香川さん

どんなアイデアがカタチになりましたか?

営業部門が他社との競合プレゼンテーションで負けるケースが多いという課題をグループワークのテーマにしたところ、「うちの資料はデザインが陳腐」「イラストを取り入れてみては」「プレゼンテーションの場でみんなガチガチに緊張しすぎ」そんな意見がどんどん飛び交いました。そこでまず、グループで検討を重ね、陳腐化してしまっていたお客様向け資料のデザインをリニューアル。さらに、社員が役員会で模擬プレゼンテーションを披露してスキルを磨く「社内ヒアリング練習会」というのが制度化されました。

他にも具現化したアイデアはありますか?

駅舎の改修工事を取り囲む仮設の塀を活用し、駅の遍歴を当時の写真とともに紹介していることがありますよね。そこからヒントを得て、「うちも仮設の塀を情報発信に有効活用しよう」というアイデアを発案したんです。
「工事担当者を顔写真付きで載せよう」「工事スケジュールをわかりやすい表で解説しよう」「うちがどんな会社なのか伝えよう」というアイデアをもとに、社内のデザイナーが高さ2m×幅6mの巨大パネルを作り上げてくれました。

具現化された施策の成果はいかがですか?

リニューアル後の資料は、マンション住人の方々から「わかりやすい」と高評価。イラストや写真を織り交ぜてやわらかなデザインにしたのが功を奏したのだと思います。「社内ヒアリング練習会」はこれまで2回実施し、「ここで鍛えれば本番にも自信がつく」と手応えを感じています。仮設塀の巨大パネル設置はまだこれからですが、これを見た方から「うちも修繕を頼みたい」というお問合せにもつながることに期待しています。

株式会社赤ちゃんとママ社 普及部 今井奈 津子(いまい なつこ)佐野いお莉(さの いおり)

株式会社赤ちゃんとママ社

普及部
今井 奈津子さん

普及部
佐野 いお莉さん

女性社員二人の発案で、女性の健康意識を高める冊子を発刊!

赤ちゃんとママ社が日本初の育児雑誌『赤ちゃんとママ』を創刊したのは1965年のこと。育児書のバイブルとして認知され、現在は全国の健康保険組合を顧客に持ち、組合の被保険者である本人、家族が出産した際、自宅に本誌が送付されるという独自の販売ルートを確立しています。雑誌・書籍以外にも、企業人事や労働組合が取り組んでいるダイバーシティ推進のためのハンドブック制作、セミナーなど、『子育て』をキーワードに事業を拡大し、そのどれもがニーズを的確に捉えているとの定評があります。
そこで同社の商品化プロセスを探るべく、『女性のライフ&ヘルスブック』を制作した普及部の今井奈津子さんと佐野いお莉さんに企画意図や冊子に込めた思いなどを伺いました。

『女性のライフ&ヘルスブック』は、どんなきっかけで発案されたのでしょうか?

佐野さん:全国の健康保険組合を周る中で、女性の健康診断の受診率が低いという悩みを伺いました。女性は男性に比べて、ふだんから身体の変化が多いため、何か大きな病気を抱えていてもまたいつもの不調だと考えてしまって、見過ごしがちだともいわれます。
そうした女性たちに、健康への意識を高めてもらうことが必要なのではないかと考え、『女性のライフ&ヘルスブック』を企画しました。

今井さんと佐野さんの企画から生まれた『女性のライフ&ヘルスブック』

こだわったところはどんなところですか?

今井さん:健康への意識を高めてもらうためには、まずは手に取ってみたい、読んでみたいと思ってもらえることが肝心です。そこで表紙は目を引くように雑誌風の女性らしいデザインに仕上げ、中身も文字を少なめにして、イラストなどをふんだんに盛り込んで、楽しみながら読んでもらえる構成にしました。

佐野さん:ひとことで女性の健康といっても年齢に応じて出てくる不調等もありますので、自分のこととして考えてもらえるよう、冒頭にセルフチェックのページを設けて、参加型の構成にしました。

反響はいかがですか?

今井さん:まだ滑り出しですが、こういうものが欲しかったといって採用してくださる組合担当者もいらっしゃって、手ごたえを感じています。自分たちがイチから企画し、カタチにしたものをお客様にお勧めできるというのは、とてもやりがいがありますし、セールストークにも熱が入ります!

社内の評価はいかがですか?

佐野さん
健康保険組合向けの発行物というと、少しフォーマルというイメージが強いようで、「今までにないおしゃれなデザインじゃない」とか「売れるんじゃない?」というように、評価していただけているので、嬉しいですね。
今井さん
社内の企画会議でも大きな反対意見がなく、むしろ、「やってみたら?」と背中を押していただきました。中小企業は人員が少ない分、風通しがよく、若手であっても任せてもらえるチャンスが豊富だと感じます。さらに、上の方々も私たちがやっていることをしっかり見て評価をしてくださるので、次はもっと面白い企画を立ち上げようと、意欲が高まりますね。