超音波で、洗う、つなげる、計測する。働きやすい環境で、専門技術を磨き続ける
<3つの特徴>
●事業内容:超音波応用技術を用いた生産設備の製造・販売
●育成制度:専門分野の技術・知識を実地で学ぶOJT研修
●働く環境:有給休暇消化率80%以上のゆとりある環境
超音波応用技術の先駆的メーカーとして豊かな社会を支える
超音波工業は、人間の耳が捉えることのできない非常に高い周波数の音、超音波の応用技術を用いて、様々な生産設備を製造・販売している。
例えば、超音波がぶつかった衝撃でミクロの汚れまで落とす超音波洗浄機。超音波を使用してアルミ線等を半導体チップと基盤に接合する超音波ワイヤボンダ。ほかにも超音波金属接合機、超音波計測器など、超音波の特性を生かした装置は、幅広い製品の製造やインフラ整備に用いられている。
一部の装置は、デジタル家電、ハイブリッド車やエアコンなどの省エネ機器の製造に必要不可欠な存在であり、超音波応用技術は私たちの暮らしの快適さを支える技術ともいえる。
「当社の製品群は、お客様からの『超音波でこんなことができないか』という要望をもとに開発されてきました。今後もお客様の困り事を改善する製品を提案し続けていきます」(唐澤社長)
また、同社の歩みは、日本の超音波応用技術の歩みそのものだという唐澤社長。1956年に東京大学と共同で超音波洗浄機を開発し、前身である超音波応用研究所が設立された。このように同社はもともと研究所であったことから、営利目的だけではなく研究に没頭することで技術力を培ってきた。
その結果、同社の装置は他社にはない独自性を顧客から高く評価されてきた。例えば、同社の太線用超音波ワイヤボンダは、超音波振動を与える時間内で超音波出力と加圧力を制御することが可能となり、さらには接合ポイントごとに周波数も変化させることで、既存の技術ではできなかった接合を実現させた。さらに、接合時に素材へ熱を与えないため、熱に弱い素材にも使用できるという。
省エネルギー機器であるハイブリッド車やエアコンなどは、モーター制御が必要となる。その制御に必要な大電流を流すことができるパワー半導体の製造には、アルミの太線ワイヤを配線する必要があり、同社の太線用超音波ワイヤボンダは欠かせない装置だという。

現場を重視したOJT研修。1つの部署を極めて専門性を高める
超音波応用技術は特殊な専門分野であり、資格なども存在しない。そのため、同社ではあえてジョブローテーションを実施していないという。
「1つの部門で、分野に特化した専門的な技術や知識を高めてもらうことを大切にしています」(唐澤社長)
新入社員は、まずは徹底して現場で経験を積み、技術と知識を習得しながら成長していく。
技術職は先輩社員に付いて装置の操作方法を覚え、約3年間かけて独り立ちを目指す。
「OJTでは、上司である設計者のサポートをしながら、図面の書き方や基礎技術をマンツーマンで教えてもらいました。悩み事があればすぐ話せる距離で、話しやすく気さくな雰囲気です」(入社3年目、精機技術部設計課第2グループの田中さん)
また、営業職は先輩社員との同行を経て、入社半年頃から一人で顧客に訪問するようになる。分からないことは客先から持ち帰って社内で調べるなど、やはり現場で経験を積んでいく。

各種制度の充実で、社員の誰もが働きやすくゆとりある環境を実現
同社には働きやすく、ゆとりある風土が根付いているという。残業時間は月平均10時間程度。オフィスは22時で一斉施錠されるなど、全社で残業を減らすことを推奨し、ライフ・ワーク・バランスの充実を促進している。
また、有給休暇取得率も80%以上で、2時間単位で年3日間分使用できる時間有給休暇や時差出勤制度も積極的に活用されている。産前産後休業・育児休業の利用者もおり、復職率は100%という。
「育児休業を複数回利用して復帰している先輩がいるのは、女性として心強いです。子どもの送り迎えなどで、出勤時間をずらしている男性社員もいます」(入社2年目、精機技術部設計課第1グループの両角さん)
さらに、平均勤続年数も約22年と定着率も高く、長期勤続社員には10年毎の永年勤続表彰に加え30年目には特別休暇が付与される。快適な労働環境で、専門性の高い先端技術に没頭できるのが同社の魅力といえる。

当社の自己PR
当社には自慢できることがいろいろとありますが、一番プッシュしたい点は会社の雰囲気が良いこと。穏やかで真面目な人が多く、先輩や上司とも気さくにコミュニケーションが取れます。私は仲の良い先輩とご飯を食べに行ったり、ライブに行ったりすることもあります。残業も少なく有給休暇も取りやすい、安心して働ける環境です。(両角さん)


●第28号 (2022年2月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。