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東京カイシャハッケン
ツアーレポート

東京カイシャハッケンツアーレポート

就職活動に役立つ
東京カイシャハッケンツアー開催

 11月21日に東京ビッグサイトで、「東京カイシャハッケンツアー」が実施されました。これは、同会場で11月21日~23日に行われた、国内最大級のトレードショー「産業交流展2023」に合わせて開催されたもので、学生がキャリアカウンセラーと一緒に、展示会に出展している中小企業のブースを訪問するというものです。

 1グループ3~5人程度の参加者が3社の企業を訪問し、企業担当者の説明を聞き、疑問点や不明点を質問するほか、実際に製品を手に取ったりするなど、とても貴重な体験をする機会となったようです。

 たくさんのグループがツアーに参加する中、今回は文系学生が参加するツアーに密着。参加学生は、「自分の力だけでは知ることができない中小企業と出合いたい」「世の中の企業の9割以上を占める中小企業のことを知りたい」という思いで参加。期待を膨らませてツアーがスタートしました。

キャリアカウンセラーと一緒に会場に向かう参加者たち

中小企業の魅力を肌で感じる企業訪問

 産業交流展は、個性豊かな中小企業・スタートアップ600社以上が出展し、優れたサービスや技術を展示しています。ツアーは、その中の3社へ訪問。「正直、訪問する企業の名前も初めて聞きますし、何をやっている企業かも分からないので、期待と不安が入り混じっています」という参加者たちとともに、最初の企業のブースを目指します。

 【1社目】最初に訪問したのは、「情報」分野のBorderTechです。同社は、 WEB・AI・メタバース等のテクノロジーとオープンイノベーションにより、メタバース空間で国際展示会などのイベントを開催・展開しています。海外とのやりとりでは、まず言語の問題がありますが、AIが自動翻訳して画面上に字幕を表示するため、商談もスムーズに行えます。デモンストレーションの画面も見せてもらい、全員が真剣に見入っていました。

 一通りの説明が終わり、参加者から「なぜ、このようなサービスを展開しようと思ったのですか?」という質問がありました。「日本は少子高齢化でマーケットが縮小しているので、海外への展開は必須です。ただ、中小企業がリアルな海外の展示会に出展しようとすると、さまざまなコストや人材も必要になってきます。そうした現状をテクノロジーで変えていきたいという思いからサービスを立ち上げました。気軽に海外企業と商談できる場の提供を実現することが私たちの使命だと思っています」とお答えをいただき、参加者全員が頷きながら真剣に話に耳を傾けていました。

 【2社目】次に訪問したのは、微生物検査やウイルス検査などの生化学関連の受託研究開発を行うメイプルバイオラボラトリーズです。担当者から「微生物に関する技術を集積して、抗ウイルス剤や抗菌剤などの開発から試験検査を手掛けています。また、そうしたノウハウを生かして、天然成分だけの化粧品の開発も行っています」と説明がありました。

 参加者からは、「自分は文系で理系の知識がないのですが、活躍の場はありますか?」という質問がありました。「バイオの知識はあった方が良いです。しかし、大学で学ぶのは基礎的なことですし、それは入社後に勉強していけば、しっかりと身に付けることができますので、心配ありません」とお答えをいただきました。さらに「今、ペットと暮らす人が増えていますので、犬用の肉球保湿クリームを製品化しました。これも天然成分だけですので、犬が舐めても安全です。ペットのマーケットは拡大しているので、新たなビジネスチャンスだと思っています」という説明があり、参加者は目を輝かせていました。

 【3社目】最後に訪問したのは、オープンソース・ワークショップ。同社は学校や研究室、病院などのホームページ制作に関するサービスを提供しています。担当者から「ホームページ作成システムを開発し、オープンソースで公開しています。現在、幼稚園から大学まで約2,000校に提供しています」と説明がありました。

 現在同社が進めているのが、「プログラミングでドローンを飛ばす」「端末を使ってAIで顔認識する」「音声合成する」など、身近な体験を通してプログラミングやAIの本質に迫る授業です。ブース内で実際にドローンを飛ばしたときは、参加者全員が盛り上がっていました。最後に「AIやプログラミングの世界では、本質を見抜くことが大切です。皆さんも本質を見極めて就職活動を頑張ってください」と激励の言葉をいただきました。

メタバースでの展示会のデモ画面を見ながら、説明に耳を傾ける
説明資料とサンプルを手に化粧品受託開発の説明を聞く参加者
ホームページ作成システムの説明を受ける参加者
顔をデータ化していくことで顔認証していく仕組みの説明に聞き入る

「仕事を通じて何をしたいか、どうなりたいか」を考えるのは自分自身

 今回の特別講演の講師はお笑い芸人のマシンガンズ滝沢秀一さん。お笑い芸人をやりながらゴミ清掃員として働く滝沢さんの講演テーマは、「ゴミ清掃員から見た景色~仕事のやりがいと楽しみ方~」です。
 「ゴミ清掃員はやりたくて始めた仕事ではなく、稼ぎのために始めたもの」というお話からスタート。しかし、知識ゼロだったからこそ驚きと発見があったそうです。「ゴミの収集を通して、ゴミは人生の縮図で、品性と能力はゴミに表れるということに気づきました。また、より多くの方に正しい分別方法を知ってもらいたいと思い、SNSでの発信を始めました」とお話いただきました。
 ゴミ収集時のエピソードとともに、「自分が就いた仕事を通じて何を見るか」「仕事を通じて、どのように社会に役立っていくのか、どうなっていくべきなのかを自分自身で判断していくことが重要」と語ってくださいました。未経験の仕事と出合う偶然から幸せを得る大切さを熱弁され、今後の人生にとって大切な考え方だと、全員が真剣に聞き入っていました。

マシンガンズ滝沢さんの特別講演を聞く参加者たち

東京カイシャハッケンツアー参加者の感想

  • ・大企業に目が行きがちなので、中小企業のことが知れて良かった
  • ・中小企業でも高い技術力とアイデアを持っていると実感できた
  • ・文系でも理系の企業で活躍できることがわかった
  • ・自分の知らない業種が、どのような仕事をしているのか学ぶことができた
  • ・それぞれの企業の強みやこだわりを知れて良かった。体験することができたのも良かった
  • ・今回のツアーで企業に対する視野が広がった
  • ・自社の技術に誇りを持っていて、かっこいいと思った

特別公演参加者の感想

  • ・興味のない業界などの情報も集めてみようと思った
  • ・「ゴミはウソをつかない」は、その通りだと思った
  • ・「ゴミをテキトーに出す会社は6年以内につぶれる」は会社選択の指標になるかもしれない
  • ・何のために仕事をするか、今一度考えてみようと思った
  • ・最後は自分の判断であり、何があっても自分の責任だと改めて思った

まとめ

 今回のツアーでは、メタバース空間や微生物検査、AI技術などの高い技術力でものづくりやサービス提供を行う3社を訪問。参加者からは、企業の説明を直接聞き、実際に製品に触れることで、参加前は知らなった業界や企業に興味をもてたという声を聞くことができました。また、ツアーが終わった後は、キャリアカウンセラーから就職活動に向けてのアドバイスをもらい、就職活動に向けてのモチベーションも高まったようです。これから就職活動をスタートする参加者にとって、業界や企業を選ぶ際の視野が広がり、充実した体験となっていました。