国内最大級のトレードショー「産業交流展2024」に合わせて開催された「東京カイシャハッケンハッケンツアー」。学生たちが展示会に出展している中小企業のブース3社を約70分かけてキャリアカウンセラーと一緒に訪問するというもので、合計56ツアーを実施。その1ツアーをレポートします。
大学生4人が最初に訪問したのは、家事代行サービスの「第二の実家合同会社」。夫婦共働きで家族の晩御飯を作るのが大変といった子育て世代を、シニアの力で支援し、シニアの雇用の場も広げています。今までは個人のお客様に向けてPRしていたが、今後は、企業が自社の福利厚生サービスとして、導入してもらえるようにPRしたいという説明に、参加学生から「その場合、利用料金は企業が支払うのですか」という質問がありました。同社の担当者からは「その通りです。現在はBtoCですが、BtoBビジネスとして、世の中に広めていきたいと考えています」という回答がありました。
次の訪問先は、顧客から預かった材料を微粉砕する技術に特化した「有限会社エフピー工業」。4人とも文系という学生たちは、30マイクロメートル(0.03mm)以下の大きさにする技術に驚いていました。また、微粉砕することで水に溶けやすくなり、材料の使用量を削減できるなどSDGsにもつながるという説明に感心していました。最後に社長から、「微粉砕は簡単ではなく失敗を積み重ねて、材料ごとの最適な粉砕技術が生まれます。皆さんも若いうちにたくさん失敗した方がいい。それが将来役に立ちます」というメッセージをいただきました。
最後に訪問したのは、中小企業向けの業務システムや、研究に使用される計測システムなどを開発している「株式会社ティアーズコンピュータ」。同社社長より、社員の出身学部がほとんど文系という説明がありました。学生から「入社前に学んでおいた方が良いことはありますか」という質問に、「入社後にしっかりと教えていきますので、何の心配もいりません」と笑顔で答えました。さらに「就職はマッチングなので、お互いの素の部分をしっかりと見て判断することが大事です」とのアドバイスに、全員が納得の表情で訪問を終了しました。
ツアーを終えた学生たちは、「技術はもちろんのこと、企業を経営している社長たちの言葉は重みがありました」「もっと多くの企業の情報を知りたくなりました。就活を本格的にスタートするきっかけになりました」と気持ちを新たにしていました。

東京カイシャハッケンツアー/2024年11月19日(木)実施
-
1社目の訪問企業で事業内容に耳を傾ける学生たち -
微粉砕した粉を目にしながら説明を聴く学生たち -
ツアーガイドについて会場を移動する学生たち -
就活はマッチングという社長の言葉に和む学生たち -
ツアーを終えて真剣にアンケートに記入する学生たち