大型複合施設などの「顔」となるサインを製作。技術を磨き、多彩な 表現方法の開拓にも注力
<カイシャの特徴>
●事業内容:建物のサインや案内板の製作
●仕事のやりがい: 人に役立つ意義あるものづくり
●働く環境:仕事を助け合い、 子育てと両立
●育成制度: 実務と資格取得でスキルアップ
施設名などを示すサインと案内板をワンストップで手掛ける
ビルの外壁やエントランスに掲げられた施設名や、エレベーター、トイレなどの設備を示すサイン、商業施設のフロアガイドなどの案内板の製作を専業とするKOYAMA。主に大手ゼネコンを顧客とし、サイン業界ではデザインと製作の分業が一般的になりつつある中、同社は企画・デザインから設計・製作・施工まで一貫して手掛けていることに大きな特色があると、小山代表は語る。
「先代まではアクリル板でショーケースなどを作る町工場だったのですが、私がデザイナー志望だったこともあり、1986年ごろからサインや案内板の企画・製作にも力を注ぐようになり、今に至っています」
2002年に会社を継ぐと、小山社長は「自らの頭で考え、自らの手で描き、自らの手でつくる」をコンセプトに、企画から施工までの一貫体制を推進。高い提案力や品質へのこだわりと、柔軟かつスピーディーな対応を実現し、近年、都心に生まれた大規模複合施設やテーマパーク、ホテル・総合医療施設・学校など様々な施設で、サインや案内板の製作を担っている。
挑戦を続けるのが同社の風土でもあり、今新たに挑んでいるのが、三度見されるほど面白いデザインを作ろうという「3DOMIサインプロジェクト」。3Dプリンターを用い、見て、触れて驚きを与えられるようなサインを開発している。また、立体物に自在に絵柄を写せる水圧転写という技術にも取り組むなど、今までにない新たなサインづくりに力を注いでいる。
多くの人が訪れる施設の「顔」を作り、人々の役に立つ
サイン製作の仕事について小山社長は「建物の顔を作っている」と語る。
入社2年目、営業部の後藤さんもそれを実感していて「話題の商業施設で、施設名のサインの前で記念写真を撮っている人たちを見ると意義のある仕事に携わっているのを感じます」と話す。 各種サインや総合案内板は施設内を迷わず巡るためのものであり、人の役に立つ仕事であることもやりがいになっているという。
一方、入社11年目、製作部の藤澤さんは、技術力の向上をやりがいに挙げる。
「年々やることが増え、材料や加工、機械操作などの知識を広げてきました。毎回新たなサインを製作するため、難しさもありますが、有名な建物の場合はメディアにも取り上げられるため、自信につながります」
社員の4割以上が女性。互いに助け合い、子育てと仕事を両立
同社では、男女ともに子育て中の社員がおり、互いに助け合う風土が根付いている。
「0歳から7歳まで4人の子育て中です。子どもの急な発熱で早退したり休んだりすることもあるのですが、皆快く対応し助けてくれます」(藤澤さん)
また、後藤さんは女性が働きやすい環境があると話す。
「当社の営業は、受注活動だけでなく企画の詳細を詰めることから施工管理まで担当します。施工の準備や管理で工事現場を回ることが多いのですが、ゼネコンの現場担当者にも女性が増え、更衣室など設備も整ってきたので不自由に感じることはありません」
社内で仕上げたサインを現場に運び込むなどの力仕事もあるが、周囲が自然に手伝ってくれるため苦には感じないという。
後藤さんのほか、企画部や総務部を中心に女性社員が多く、従業員の4割以上を占める。
育成の中心はOJT。手当の支給などで資格取得を後押しし知識の向上を促す
第二新卒など中途採用比率が高いこともあり、同社の人材育成は配属先でのOJTが主になっている。知識の向上につながる各種資格の取得を奨励しており、合格後は受験費用の補助に加え報奨金や資格手当が支給される。また、 業務に関わる資格として屋外広告士の取得が推奨されており、昨年は3人が取得し、今年も5人が資格取得のための勉強を行っている。
「私は今年、色彩検定2級に挑戦する予定です。ゼネコンや社内のデザイナーと話すときに役立つと思い受験することにしました」(後藤さん)
社長からのメッセージ
私自身の信条であり社員にもよく言っているのが「楽しく仕事しよう」ということ。やらされ感で苦痛に思いながらでは、良い仕事はできません。
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●第39号 (2024年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。