人を大切にする、人から大切にされる環境を整えて、多角的な障害者支援を実践
<カイシャの特徴>
●事業内容:障害のある人への各種支援事業
●育成制度:傾聴スキルを伸ばせる研修
●働く環境:悩みをすぐに解決できる体制
●仕事のやりがい:人との関係づくりから成長を実感
障害のある人に向け 多様なアプローチ方法で実りある支援を提供
青梅市と新宿区に施設を構える南風会は、障害福祉サービス事業を展開する社会福祉法人。利用者の自立と自己実現を目指し、施設入所支援、生活介助、自立訓練、相談支援など、多面的にサービスを提供している。
同法人では、利用者全員の個別支援計画を練り、実践につなげられるよう全職員が力を注ぐ。
「そのときに必要となる職員同士の協力関係は、しっかりと構築できていると自負しています」(シャロームみなみ風、廣川施設長)
同法人は1964年、青梅市に設立された青梅学園からスタートした。その後順次サービスを拡充、施設も増やして現在に至っている。
約60年の歴史を持つ同法人の理念は「目の前のあなたを大切にします」。これは聖書にある「Love your neighbor(汝の隣人を愛せよ)」という言葉を、法人の活動にフィットするよう1年かけて熟考し、プロジェクトメンバーで意訳したもの。目の前の人、つまり出会った人全て(利用者、その家族、地域住民、職員など)を大切にしていこうという意を含んでいる。
「1階で利用者と共に運営しているカフェには、地域の方もよく来店します。中には、利用者の名前を覚えてくださる人もいて、地域住民とのつながりを感じます」(廣川施設長)

OJTや傾聴研修など 細かな研修を用意して職員の確実な成長につなぐ
同法人に内定した新入職員は、入職前にアルバイトとして、任意で現場体験を積むことができる。
「早く施設の様子を知り、雰囲気に慣れたいと思い、内定者アルバイトに参加しました。現在配属されている部署以外の職員や利用者とも幅広く関わることができ、入職時に良いスタートが切れたと思います」(入職1年目、シャロームみなみ風、生活支援員の根本さん)
また、入職後は3日間の新入職員研修を経て、配置先ごとに作成された独自の研修マニュアルのもと、OJT研修に入る。1カ月間はチューターとなる先輩職員と同シフトで勤務に就き、できることを積み上げていく。加えて、法人内の有資格者(社会福祉士、介護福祉士など)による所属別研修にも参加し、サービスの質を高めていけるような環境で成長していくことができる。
さらに、人の話を聞く力を身に付ける傾聴研修を最も重視しており、年次を問わず定期的に開催しているという。
「相手の要望や困り事などにしっかり耳を傾けることが必須な職種です。傾聴できる職員が増えると、利用者も変わります。また、プライベートでも応用できるスキルです」(廣川施設長)
実際に参加した根本さんは、「研修はとても難しかったですが、日々の業務に生かすようにしています」と話す。

こまめな面談や 日誌のやり取りで悩みをすぐに相談できる
「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言」の認定事業所に登録された同法人では、職員が安心して、気持ちよく働ける環境を整えている。
例えば、入職直後は1週間ごと、OJT期間中は3カ月おきにこまめな面談を実施。業務遂行上の悩み相談や、個人の目標設定などが行われる。また、OJT期間中はOJTシートと呼ばれる日誌に、その日行った業務について記録。シートは上長が目を通し、アドバイスなどを記してフィードバックする。
自己啓発制度としては、eラーニングを導入。さらに施設から承認を得た資格取得にかかる研修費用は2/3を補助、スクーリング時には半日が出勤扱いとなる。合格後は資格手当がプラスされるため、成長意欲が湧くという。
その他、職員のメンタルケアを考慮し、定期的にカウンセラーを招き、ささいな悩みなどにも対応している。

人のために行動することが、自身の支えとなり成長にもつながっていく
廣川施設長によると、福祉施設には、「人を助けたい」という思いを持って入職する人が大半だという。
「就労継続支援B型の事業所であるカフェに所属しています。日々決まったメンバーで勤務しているので利用者の小さな変化にも気付きやすく、その変化からくる成長を身近に感じられるのが喜びです」(入職9年目、シャロームみなみ風、就労継続支援B型担当支援員の柏木さん)。
また、根本さんも「特に発語の難しい利用者と意思疎通ができたときは嬉しいです。人見知りの方を笑顔にできたり、信頼されたと感じる瞬間がやりがいです」と話す。

施設長からのメッセージ
利用者も職員も支え合って成長していくことができる環境です。だからこそ、個々の人生がより豊かになっていくのを実感できるチャンスが無限にあります。

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●第33号 (2023年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。