創業110年超の菓子専門卸会社。平均年齢32歳、若手社員の自由な発想が生み出す提案力が強み
<カイシャの特徴>
●事業内容:菓子の専門卸として全国に展開
●働く環境:若手が多く柔軟な働き方が可能
●仕事のやりがい:幅広い商品から提案できる楽しさ
●育成制度:OJTを軸に自ら選べる研修へ
北海道発祥を特色に、全国規模で菓子卸業とリテールサポートを展開
1911年に北海道で創業したナシオは、時代の波を乗り越え全国規模の菓子卸会社に成長し、現在は東京にも本社機能を有して事業を展開している。
「創業からしばらくは北海道を中心に菓子問屋業を行っていたのですが、1970年に新たにナシオを設立し全国展開に乗り出しました。現在は北海道から九州まで全国に7拠点を構えています」と話すのは2年前に5代目社長となった平社長。
同社の強みは、ナショナルブランドの菓子だけでなく、地域特有の菓子を発掘しスーパーなどの品ぞろえを豊かにする提案力。北海道はもちろん、各地の「ご当地フェア」などで力を発揮し顧客からの信頼を高めている。
「数年前から力を注いでいるのが、店づくりや品揃え、商品開発を支援するリテールサポートです。小規模な菓子メーカーでは営業担当がいないことも多く、そうしたメーカーと小売をつなぐ機能も果たしています」(平社長)
また、北海道の食材、純国産、化学調味料無添加にこだわった独自ブランド「ノースカラーズ」を展開し、商品提案力の強化にもつなげている。

社員の平均年齢は32歳。ハイブリット勤務やフレックスタイム制で働きやすい
平社長の就任後、東京の首都圏本部を含め、各拠点の事業所を設備の整ったレンタルオフィスに移行した。
「コロナ禍からリモートワーク環境を整えてきたのですが、移転を機に今までの紙ベースの作業を大幅にデジタル化し、オフィス以外でもより仕事がしやすくなりました」(平社長)
現在は、週3日の出社と週2日の在宅勤務を組み合わせることを推奨し、子育て中の社員などは在宅勤務を増やすことも可能になっている。2024年11月にはフレックスタイム制を導入し、働き方の柔軟性をさらに高めた。
社員の平均年齢が32歳と、若さも同社の特徴の一つ。事業規模が急速に拡大する中、第二新卒などを積極的に採用することで若返りが進んだという。女性社員の割合は半数を超え、育児休業後の復職率は100%。男性社員は、対象者の4割弱が育児休業を取得している。

多種多様なお菓子の中からニーズに最適な商品を選び、提案する楽しさ
「元々お菓子が好きで、当社に新卒で入社しました。お菓子の種類が非常に多く、その中から取引先のニーズに合わせて最適な商品を選んで提案できることに営業の楽しさを感じています」(入社7年目、首都圏営業部、リーダーの男性社員)
「全国各地の隠れた名品を発掘して提案に加えるのも、私たち営業の役割になっています。これぞと思ったお菓子が取引先のバイヤーに受け入れられ、売上げにつながったり、社内の他の営業担当から問合せがあったりしたときの達成感は格別です」(入社2年目、首都圏営業部の女性社員)
営業部をはじめ、マーケティングや商品開発など様々な部署に、ロールモデルとなる女性の先輩がたくさんいることも同社で働くやりがいになっていると首都圏営業部の女性社員は話す。

OJTと研修を軸に、社員自ら自発的に選べる研修制度を再構築中
同社の人材育成はOJTが基本。最初の1週間の新人研修で基礎知識を学んだ後は、先輩に同行しながら営業活動を実際に体験し、半年ほどで担当顧客を持ち仕事を本格化していく。その後も1~2年目の社員を集めたフォローアップ研修が行われる。
「フォローアップ研修は、他支店を含めた20人ほどの若手社員がいくつかのグループに分かれ、スーパーの視察を行って商品提案を議論しました」(首都圏営業部の女性社員)
平社長は今後、人材育成の実効性を高めるために、研修を「課す」のではなく「選ぶ」ものにしたいという。例えば、同社は菓子の輸出入も手掛けているため、海外で開催される見本市の視察といった選抜式の海外研修もあるが、今後は入社年次を問わず、挙手制で参加者を決めたいと話す。
「自分の成長を考え、自分で選んだ研修なら、受ける姿勢もより真剣なものになるはずです」(平社長)

社長からのメッセージ
見たことがないような商品を提供して、人々の生活をより彩り豊かにする。お菓子に限らず食品卸という仕事には、そうしたやりがいがあると思います。

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●第40号 (2025年2月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。